X-ファイル シーズン8
Page: Top 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 [Prev] [Next]
Index of Season 8
- サーチ・フォー・モルダー Part1
- サーチ・フォー・モルダー Part2
- 爪痕
- ロードランナー
- 冥界の使者
- レッドラム
- 第三の眼
- 透視
- 救済
- バドラ
- ギフト
- メデューサ
- 受胎
- デッドアライブ Part1
- デッドアライブ Part2
- パスワード
- 秘密
- 到来
- 孤立
- 誕生Part1
- 誕生Part2
#801 サーチ・フォー・モルダー Part1 ~Within~
FBI内部の権力争いにより、失敗確実な任務を押しつけられ、行方不明となったモルダー捜索のための特捜班リーダーに任命されたのが新キャラ、ジョン・ドゲット(ロバート・パトリック)。彼に反発するスカリーは、スキナーとともに別行動でモルダー救出のために奔走する。両者はそれぞれ別の理由から、モルダーの失踪に関係して、シーズン5『ジ・エンド』のギブソン・プレイズ(ジェフ・ガルカ)にも危機が迫っていると考え、彼が身を寄せている砂漠の聾学校へと向かう。目的地に先にたどり着いたドゲットがそこで見つけたのは、少年を拉致しようとしているモルダーだった……。
モルダーがシーズン7の最初の話で負った脳障害のせいで、実は余命幾ばくもない状況にあったことが判明。彼が自らの墓石を用意していたことから、ドゲットはモルダーの失踪のうらには、なにやらあやしい企みがあるのではと疑うようになる。
激動の新シーズンのスタートを印象づけるように、タイトルロールもちょっとだけ変わった。モルダー、スカリーと並んでジョン・ドゲットのIDカードが登場。さらにそのあとの映像が差し替えられ、モルダーの失踪とスカリーの出産をモチーフにしたものとなった。この部分の出来には、あまり感心しないけれど。
(Aug 22, 2006)
#802 サーチ・フォー・モルダー Part2 ~Without~
ドゲットの目の前で百フィートの高さの崖から転落したモルダーは、彼が目を離しているあいだに姿を消した。スカリーはドゲットに相手が本物のモルダーではなく、自由自在に人間に化けることができるエイリアンのバウンティ・ハンターだったと説明するが、普通の人がそんなものを信じられるはずもない。けれどもその直後、今度はスカリーの偽物が登場、FBIの捜査官に重傷を負わせる。困惑するドゲットをよそに、スカリーはギブソンを救出、彼が運び込まれた病院で、スキナーに化けたバウンティ・ハンターと対決する。
モルダーの発見に失敗したドゲットは、責任を取らされて左遷させられたのかどうかは知らないけれど、Xファイルの担当となるのだった。
(Aug 22, 2006)
#803 爪痕 ~Patience~
スカリー&ドゲット・コンビの初仕事は、コウモリ男退治。
週末を費やしてすべてのXファイルを読破したというドゲット、いきなり事件につながる40年前の新聞の切抜きを取り出して見せたりする。さすがに(前作でのスキナーいわく)未来のFBI長官も狙える男、あなどれない。というか、この人はこの作品にこれまでに登場したうちの誰よりもまっとうな人物のように見える。最初は普通すぎておもしろくない人に見えたけれど、逆にその普通さが、普通ではない事件とのあいだにギャップを生じさせて、モルダーの時とはひと味違ったおもしろさを引き出してくれそうだ。
このエピソードではついにタイトルロールからモルダーのIDカードがなくなった。本格的に新章に突入したんだなと思う。
(Aug 22, 2006)
#804 ロードランナー ~Roadrunners~
まだドゲットに心を開ききっていないスカリーがひとり仕事に出かけた先で、不気味な寄生虫の宿主を救世主とあがめるカルト教団に拉致され、無理やりその宿主にされてしまう、という話。危ないところをドゲットに救助されたスカリーが彼をパートナーとして認めることになる。
ともに超常現象に対して懐疑的ながら、それらを頭から否定したりはせず、戸惑いながらも現実的な対処をしてゆく二人のコンビ、これはこれでなかなかわるくない。この先、どんな風に信頼関係を育んでゆくのか、楽しみだ。
それにしても狂信者たち、妊婦を相手になんてことを……。
(Aug 22, 2006)
#805 冥界の使者 ~Invocation~
十年前に失踪した七歳の少年が、失踪当時と変わらぬ年恰好で発見された。誘拐事件の担当経験が豊富で、どうやら自らも子供を失った経験を持っているらしいドゲットは、説明のできない事態に困惑しつつも、誘拐犯人の割り出しに過剰な熱意を注いでゆく。
いまだにスカリーとドゲットの関係がぎすぎすしたままで、しかも二人とも超常現象には懐疑的なものだから、どうにも話の納まりが悪い。早くもモルダーの存在が恋しくなりつつある。なんにしろこの話は説明不足で出来はいまひとつだ。少年の存在はいったいなんだったんだ。
(Sep 16, 2006)
#806 レッドラム ~Redrum~
判事のマーティン・ウェルズはある朝、目を覚まして、自分が監獄にいるのを発見する。容疑は身に覚えのない自分の妻の殺害。彼はその日の移送中に、彼を恨んだ妻の父親に射殺されてしまう。ところが死んだはずの彼は、その前日に再び目を覚ますことになる。そうやって彼は毎日毎日、目を覚ますたびに一日ずつ前日へと遡ってゆき、ついには殺人事件当日に到るのだった。
スカリー&ドゲットが脇役に徹した秀作エピソード。主演のジョー・モートンは『ブルース・ブラザーズ2000』で警察署長を演じていた人だ。
タイトルの『レッドラム』とは英単語の MURDER をひっくり返したもので、殺人の隠語とのこと(映画『シャイニング』を見ている人にはわかるらしい)。このエピソードにはまさにうってつけのタイトルだと思う。
(Sep 16, 2006)
#807 第三の眼 ~Via Negativa~
新興宗教の信者が集団で殺害されるという事件が発生する。全員が同じ部屋で寝ているあいだに、無抵抗のまま頭を斧で割られていたというもので、容疑者の教主は行方不明。スカリーが体調不良のため、ひとりで事件に立ち向かうことを余儀なくされたドゲットは、ローン・ガンメンの助けを借りつつ、第三の眼を開眼して他人の夢の中に入りこむ力を身につけた男に立ち向かう。
前の話でもスカリーはほとんど出番がなかったし、今回も急性腹痛とかで、事件には関係しない。まるでデイヴィッド・ドゥカヴニーだけではなく、ジリアン・アンダーソンも降板しそうな雰囲気だ。おかげで印象が地味なこと……。
(Sep 16, 2006)
#808 透視 ~Surekill~
殺されると言って警察署に駆け込んできた男が、その言葉どおり、密室のなかで射殺される。犯人は屋上から天井を貫通させて、階下の被害者を狙い撃ちできる透視能力の持ち主だった。
モルダーがいれば「犯人は透視能力を持っているに違いない」と一言で決めつけて話がスムーズに転がっていくんだろうに、超常現象に懐疑的な常識人どうしがコンビを組んでいるせいで話に弾みがつかず、いまひとつすっきりした気分になれない。いまさらながら、あらためてこのシリーズにおけるフォックス・モルダーというキャラクターの存在感の大きさを感じさせられるシーズン8だった。
(Sep 16, 2006)
#809 救済 ~Salvage~
研究途中で流出した自己再生金属に身体を蝕まれて死んだ男性が、鉄の何千倍もの強度を持った無敵のメタルマンとなって生き返り、自分をそんな身体にした無責任な野郎どもに復讐するという話。
『救済』なんて邦題がついているけれど、それではあまりに意味が通じない。原題の Salvage には「廃品回収」の意味があるようなので──被害者は廃品回収会社の社員──、きちんとそう訳して欲しかった。もしかしたら邦題をつけた人は、非人間的なターミネーターとなってしまった主人公が、最後にわずかな人間らしさを見せて、復讐を思いとどまる、というところに救いを見いだしたのかもしれないけれど……。
(Sep 21, 2006)
#810 バドラ ~Badlaa~
『チャーリーとチョコレート工場』でウンパ・ルンパを演じたディープ・ロイが、巨漢の体内に潜り込んでアメリカに密入国し、自分の村を破滅に追い込んだアメリカ人たちに復讐しようとするインドの行者を演じるエピソード。
ネットで調べたところによると、Badlaa はウルドゥー語(インドで多く用いられるパキスタンの公用語)で、「交換、関係、復讐」などの意味をもつ単語とのこと。
(Sep 21, 2006)
#811 ギフト ~The Gift~
モルダーの失踪直前の行動を調べていたドゲットは、彼がとある村で発砲事件を起こしていたことをつきとめる。しかし問題の村の住民たちは何かを隠していて、モルダーに関して多くを語ろうとしない。真相究明の鍵を握るのは、顔の崩れた半裸の男。村の秘密に肉薄したダゲットは、なんと村の保安官に撃たれて命を落とすことに……。
このエピソードではついにスカリーが不在。その代わり、回顧シーンのためにデイヴィッド・ドゥカヴニーがひさしぶりにクレジットされている。タイトルロールのモルダーのIDカードも一時的に復活していることにも、おっと思わせられる。
(Sep 21, 2006)
#812 メデューサ ~Medusa~
地下鉄内で強盗にあった男性が、謎の病原体によって腐乱した死体で発見される。スカリーは地下鉄の坑道内へと逃げ込んだ容疑者により被害が拡散することを防ぐため、運行停止の継続を主張するのだけれど、一刻も早い運行再開を望む地下鉄警察は、4時間の猶予しか与えようとしない。両者が対立する中、ドゲットは別組織の担当者らとともに、容疑者を追って地下鉄坑道内へと降りてゆく。
謎の病原体(クラゲ?)が人体に影響を及ぼす理由をスカリーが解明するきっかけとなったあの少年はいったいどこからやってきた何者なんだろうか。スカリーがドゲットと行動を別にする理由(お腹の子供への配慮?)もいまひとつはっきりしないし。どうもシーズン8になってから、脚本の出来がいまひとつな気がする。
意外なところとしては、ドゲットと行動をともにするメンバーのひとりとして、『24』の大統領夫人、ペニー・ジョンソン・ジェラルドがゲスト出演している。
(Sep 21, 2006)
#813 受胎 ~Per Manum~
奥さんがエイリアンの子供を出産して、それを隠蔽しようとした医者に殺されたと主張する男性がXファイルへ。事件は自らも妊娠中のスカリーにとって、他人事と言っていられない事態へと……。
スカリーに対してなんらかの陰謀が企てられていたのは確かなんだろうけれど、それがどんな内容だったのか、さっぱりわからなかった。エピソード8はこんな風に説明不足な話ばかりのような気がする。
ちなみにFOXのホームページによると原題の "Per Manum" は英語で By Hand という意味とのこと(どういう意味?)。
(Oct 17, 2006)
#814 デッドアライブ Part1 ~This is Not Happening~
シーズン7の最終話でモルダーとともにアブダクトされたうちの一人だった女性が、瀕死の状態で発見される。モルダー発見の糸口になるのではと、現地へと駆けつけるスカリーたち。しかし問題の女性は彼らが駆けつけるより前に、ふたたび何者かに誘拐されてしまう。その誘拐にかかわっていたのは、なんとシーズン3最終話『ゲッセマネ』の奇跡の人、ジェレマイア・スミスだった……。
怒涛の展開と衝撃的なエンディングで、いっときも目が離せない、シーズン8のクライマックスともいうべき一作。原題の "This Is Not Happening" は、いまふうに直訳すれば「ありえない」となるんだろう。オープニング・シーケンスでUFOを目撃したオタク青年──この人は再登場──に言わせたこの台詞を、衝撃のエンディングで再びスカリーに繰り返させるシナリオが見事だ。
(Oct 17, 2006)
#815 デッドアライブ Part2 ~Deadalive~
モルダー死す?──って、そんな馬鹿なことはないだろうと思っていると、彼の葬儀から3ヶ月がたった頃、新たなアブダクティーの死体が発見される。それは『序章』のアブダクティー、ビリー・マイルズのものだった。ところがどう見ても死んでいるはずの腐った彼の遺体が、とつぜん息を吹き返してしまう。もしかしたらモルダーにも同じことが起こるのではないかと思ったスキナーが、ドゲットの反対を押し切って、モルダーを墓から掘り起してみると……。なんちゅう話だ、これは。
クライチェックがひさしぶりに登場。以前にもスキナーを苦しめた機械でスキナーを脅迫して、なぜかスカリーの出産を阻止しようとする。あいかわらずこの男の言動はわけがわかならい。
(Oct 17, 2006)
#816 パスワード ~Three Words~
ホワイトハウスに乱入して何かを訴えようとした男が、故意か事故か、その場で自分で自分を撃って死亡するという事件が起こった。この男のかつての仲間だったのが、前の2つのエピソードに登場した新興宗教教団の中心人物アブサロム。彼は政府の陰謀を暴こうとした男の意図を悟り、その意思を継ぐべく刑務所を脱走、ドゲットを利用して政府施設に潜入する。ところが目的の情報まであと一歩というところで、駆けつけたスワットに問答無用で射殺されてしまう。ドゲットは旧知の政府機関関係者ノエル・ローラー(アダム・ボールドウィン)の、モルダーはローン・ガンメンの助けを借り、それぞれ真相究明のために乗り出すが……。
おもしろい話ではあるけれど、モルダーとドゲットの関係がぎすぎすしているのが玉に瑕。仲良くして欲しいもんだ。
なにはともあれ、生き返ったモルダーに対するフロヒキーの「6ヶ月も死んでいたくせに、俺よりいい男だなんて許せない」という台詞が素敵。
(Oct 17, 2006)
#817 秘密 ~Empedocles~
かつてドゲットの息子が殺害された事件の容疑者だった男が、交通事故を起こして死亡。ちょうど同じ頃に、事故現場の間近にあったオフィスで、平凡な社員のひとりが上司を射殺して逃亡するという事件が起こった。現場へと呼び出されたモニカ・レイエス(アナベス・ギッシュ)は、死体が遺灰となる幻覚を見る。それがドゲットの息子の遺体を見た時にも見たものと同じであったことから、新旧二つの事件に関係があると考えた彼女は、ドゲットの気持ちを慮って、代わりにモルダーに協力を依頼する。
『デッドアライブ』で登場したモニカ・レイエスが再登場、これ以降サブレギュラー化することになるらしい。初登場の際にはタバコを吸いまくっていて、これはもしや肺ガン男の後継者かという憶測を抱かせたものだけれど、ぜんぜん見当違いだったみたいだ。このエピソードではタバコをやめようと、禁煙ガムを噛んでいる。
それにしてもシーズン8は本当にすっきりしない気分になる話ばかりだ。今回はドゲットのかわいそうな過去にまつわる物語の玉虫色の展開も気に入らないし、タイトルのつけ方もやたら難解。原題の Empedocles は「万物は土と空気と火と水から成る」という論理を打ち立てたギリシャの哲学者、エムペドクレスのことだそうだけれど、どうしてこの話でその人の名前がタイトルになるんだろう。そりゃ犯人は燃えていたけれども。うーん、わけがわからない。
(Oct 17, 2006)
#818 到来 ~Vienen~
メキシコ人の石油掘削作業員が放射能で焼けただれた死体で発見されるという事件が発生。ブラックオイル絡みと見てとって、事件に強い関心を示したモルダーが茶々を入れたせいで、国益絡みの石油掘削事業の担当者はしぶい顔、FBI長官代理のカーシュもおかんむり。カーシュの命を受けてドゲットが現地入りしてみれば、独断でモルダーが一足先に到着していて──。モルダーの強引な介入で、新旧二人のXファイル担当者が初めて同じ事件に関わることになる、アクション満載の豪華エピソード。派手な爆破シーンもあって、制作費がとても高そうだ。
しかしこれを機に二人がそれそれの存在を認めあって協力体制になるのかと思いきや、この話のエンディングでは、モルダーが事件の責任を取って辞職してしまうことに……。はてさて、いったいこの先どうなってしまうのやら。
ちなみに原題の "Vienen" は話のなかでメキシコ人が口にする「到来」を意味するスペイン語。やってくるのはもちろんUFO──今回の話には出てこないけれど。
(Oct 17, 2006)
#819 孤立 ~Alone~
モルダーがFBIを去り、スカリーが産休に入って、ついにXファイル課でひとりぼっちになってしまったドゲットのもとへ、新しいパートナー、レイラ・ハリソン(ジョリー・ジェイキンス)が登場。なんでもこれまで経理課で働いていて、モルダーたちの経費精算の仕事をしていてXファイルに関心を持ち、自ら配属を志願したという経歴の持ち主。正直なところ、こういう人をアサインするってのは、カーシュの嫌がらせ以外のなにものでもないのではないかと思う。
とにかくドゲットはこの若い女性捜査官とともに、未知の消化液で獲物を溶かす新種の爬虫類との対決を強いられることになる。でもやはり苦戦は必至で、落とし穴にはまって行方不明となった彼らを助けるため、一般人としてモルダーが捜査に乗り出すことに。やっぱりドゲットがひとりで仕事をしていて、モルダーとスカリーが仲良く出産準備をしているなんて図はなしだよね。
(Oct 22, 2006)
#820 誕生Part1 ~Essence~
スカリー出産まであとわずか。そんな彼女のもとへ、宇宙人の手先として生まれ変わったビリー・マイルズの魔の手が忍び寄る。モルダー、スキナー、ドゲットの三人組は、モニカ・レイエスまで巻き込み、スカリーを守るために全力を尽くすそうとするけれど……。
事件の鍵を握っているらしいクライチェックがまたもや登場、今回はスカリーを助けるために一役買っている。しかしこいつは本当になんなんだろう。
(Oct 22, 2006)
#821 誕生Part2 ~Existence~
レイエスに連れられてドゲットの生まれ故郷の廃村を訪れ、そこに身を隠して出産の準備を始めるスカリー。モルダーたちが彼女を守るべく、精一杯の手を尽くすにもかかわらず、ひき肉状態から平然と復活したビリー・マイルズがそんな彼女を襲う……。
とりあえずこの話でもってクライチェックがついにリタイア。それにしてもスカリーの出産を見守っただけで姿を消したビリー・マイルズたちの目的はいったいなんだったんだ? 本当にわからないことが多過ぎるぞ、シーズン8。
(Nov 05, 2006)