2014 FIFAワールドカップ Brazil (2)
Index of Group Leagues (2)
ブラジル0-0メキシコ
グループA/2014年6月17日(火)/フォルタレザ/NHK
本日よりW杯グループリーグも、はや2巡目に突入。
まぁ、はやくもというか、ようやくというか。早起きと夜更かしの繰り返しですっかり生活のリズムを崩し、一週間ですでにぐったりしている僕としては、さっさと終わってくれてもいい気分になっていたりしますが。あぁ、なんのために観ているのかよくわからない。
この日のブラジルはメキシコ相手にスコアレス・ドロー。まさかグループリーグでブラジルでスコアレスの試合をするとは思わなかった。ブラジルはロンドン五輪でもメキシコに負けて金メダルを逃しているし、もしかして相性が悪いんだろうか。
まぁ、フッキが足を痛めたとかで欠場していたので、攻撃的にやや駒不足の感はなくもなかった。ネイマールもさすがに毎試合ヒーローにはなれないか。あと、フレッジは王国でワントップを張るには地味すぎる。
なんにしろ、褒めるべきはメキシコ。あのブラジルを0点に抑えたメキシコすげー。再三のピンチをファイン・セーブを連発して救ったGKオチョア(名前がいい)がMVPというのも納得って内容ではあったけれど、それでも攻めでもそれなりに持ち味を出していたし、ブラジルと五分に戦って見せたのはあっぱれだった。
そういや、テレビではブラジルのチアゴ・シウバをして世界最高のCBだとする発言が何度も聞こえてくるけれど、こういう無失点試合を観てもなお、彼のどこがそれほどすごいのか、僕にはわからずじまい。攻撃と違ってDFのよしあしは、日本代表のようにピンチをしのぎまくる展開を親身になって味わわないとわからない気がする。まぁ、それくらいのライト・ファンだから致し方なし。
とはいえ、ブラジルの4バックはそのダビド・シウバを中心に、ダビド・ルイス、マルセロ、ダニエウ・アウベスというメンツで(追記:決勝トーナメント以降は右SBにはマイコンが起用されていた)、それぞれルックスからしてぜんぜん違っていて、個性豊かなところがいい。見た目だけでも楽しいのに、ちゃんと守備力も高いというのは、なんとも理想的だと思います。
あとすごいといえば、スタジアム全体でのブラジル国歌斉唱。あれはすげー。斉唱というか、もはや絶叫? きょうはネイマールが感極まって泣いていたみたいだけれど、あれを生で体験できるってだけでも、わざわざ現地にゆく価値がありそうな気がする。
(Jun 18, 2014)
スペイン0-2チリ
グループB/2014年6月18日(水)/リオデジャネイロ/フジテレビ
オランダ戦大敗で注目のスペインの2試合目。あぁ、でもスペインときた日には……。
前の試合のときに書いた通り、この試合、引き分けでもスペインを上回って予選突破可能となるチリだから、無理に攻めたりせずに、じっくりと戦って引き分け狙いでくるかと思ったら、そんなことなかった。
いきなり先制点はチリですもん。それどころか、前半のうちに追加点まで奪い、2-0で折り返すという展開。なんだそりゃー。スペインどうした。
結局試合は後半もそのままスコアが動かずに終了。前大会王者はわずか2試合であっけなくグループリーグ敗退一番乗りを決めてしまったのだった。あぁ……。
まぁ、2試合戦って、得点はオランダ戦でのPKのみってんだから、そりゃ勝てない。
スペインのワントップ、ジエゴ・コスタは今季スペイン・リーグを制したアトレティコ・マドリーの選手で、去年だかブラジルから帰化したばかりだそうだけれど、その帰化の件でブラジル人の大いなるひんしゅくを買っているらしく、なにかあるたびにものすごいブーイングを浴びていた。そんなだからメンタルに問題を抱えていたのか、この2試合を見た限りでは、それほどすごい選手には見えなかった。
おまけにスペインはこの試合、なぜかシャビが欠場だった。理由はわからないけれど、結局最後まで出てこなかった。
スペインの場合、優勝した前大会でも、ボールは回せるものの、意外なほどに決定力がなかった。それでも優勝できたのは、大会通じて2失点しかしなかったというくらいに守備が安定していたからこそだと思う。
ところが、今回は主力はほぼ同じままで、2試合7失点というていたらく。で、頼みのワントップが不発で、大黒柱不在とくれば、この結果は避けられなかったのかもしれない。
僕がW杯を観るようになってからのここ5大会で、前年度王者がグループステージで敗退したのは、日韓大会のフランス、南アフリカ大会のイタリアに続いて、じつにこれが3度目だそうだ。とはいえ、さすがに前のふたつの国は第3戦まで希望をつないでいた。わずか2試合で敗退が決定したディフェンディング・チャンピオンなんて、スペインが初めてじゃないんだろうか。
いや、それにしてもチリはちっとも日本になんか似ていなかった。似ているのは体格がちいさいところだけ。日本にはまだスペインを相手に、ここまでふてぶてしい戦いができるだけの力はとてもないと思った。両国のチームカラーで真っ赤にそまったスタジアムの国歌斉唱も地元ブラジルに負けず劣らずすごかったし、チリ、なんかとんでもない国かもしれない。
この日の結果で、グループBは2連勝のオランダとチリの勝ち抜け、スペインとオーストラリアの敗退が決定した。これぞまさに死のグループ。優勝候補とアジアの一角がはやくも欠けてしまったのだった。あぁ……。
バイバイ、スペイン。そしてオーストラリア。
(Jun 19, 2014)
ウルグアイ2-1イングランド
グループD/2014年6月19日(木)/サンパウロ/フジテレビ
なんだか死の組だらけな感のある今大会。なかでも極めつけのグループDで、ともに初戦黒星発進の過去優勝国、ウルグアイとイングランドの対戦。
日本代表のギリシャ戦のひとつ前の4時からの試合だから、いっそ観るのをやめて寝ていようかとも思ったのだけれど、ウルグアイにはJリーガー(!)のフォルランがいるし、ここで負けたどちらかがグループリーグ脱落となる可能性が高いので、とりあえず観ておくことにしたのですが。
残念ながらフォルランはベンチで、最後まで出番がありませんでした。あらら。
試合は故障明けで初戦は出場しなかったというスアレスが2ゴールを決めてウルグアイの勝ち。スアレス、得点の場面以外ではそれほど目立ってなかったのに、決定力がすごい。さすがプレミア・リーグで今季31ゴールという噂は伊達じゃない。イングランドにしてみれば、スアレスには出ないままでいて欲しかったことだろう。
それにしても、このウルグアイが、直前の日本代表との親善試合ではあまりいいところがなかったコスタリカに負けたってのが信じられない。コスタリカも一度くらい観ておかないといけない気がしてきた。
イングランドは1点先制されたあと、これがW杯出場10試合目にして初ゴールだというルーニー(なんの呪いだ)の得点で一度は同点に追いつきはしたものの、結局その後に逆転を許して負けてしまった。
展開的には前のイタリア戦とほぼ一緒。内容的にはいい試合をしているんだけれど、どうにも勝ち切れない──というか、同点に追いつくのが精一杯で、引き分けにさえ持ち込めない。でもいまはその勝負弱さに共感せずにはいられない(悲しいことに)。
ということで2連敗を喫してしまったイングランドだけれど、翌日のイタリアの試合が終わっていない現時点では、意外や、いまだグループリーグ突破の可能性を残している。とはいっても他力本願で、イタリアがこのあとグループリーグで3連勝するのが条件。さらに加えて、イングランドが次のコスタリカ戦で3点くらいとらないとならなくなる可能性も大。
まぁ、それはつまり終わったも同然でしょう。そしてそのあとを受けた日本代表も同じような状況に……。
(Jun 20, 2014)
日本0-0ギリシャ
グループC/2014年6月19日(木)/ナタール/日本テレビ
あぁ、やっぱりこんな展開に……。
初戦で逆転負けをくらい、2戦目でヨーロッパ勢とスコアレス・ドローって。まるで8年前のドイツ大会を再現するような、既視感あふれるこの展開はなんなのか。
大事なこの試合に向けて、僕がザッケローニに望んでいたことは、ただひとつだけだった。
遠藤をスタメンで使ってくれと。ただそれだけ。
いまの日本代表のストロング・ポイントは攻撃にあり、その攻撃力がもっとも発揮されるのは遠藤が出場しているときなのだから、その遠藤をベンチに置いてスタートするなんて選択肢はあり得ないと僕は思った。
慎重を期した初戦は、失点を避けたいから、攻撃力をやや落としてでも、守備的なバランスを重視するのはありかと思った。
でもこの二戦目はどうしても勝たないといけない試合だ。
前の試合での日本は、自らの長所をまったく発揮できないまま、受け身にまわって惨敗を喫した。
だとするならば、必勝を期して臨むこの試合は、現時点での最高のメンバーを並べて、最初から積極的にガンガンと攻めて出てでこそでしょう?
なのにこの試合で、またもやザッケローニは遠藤をスーパーサブとして使うことを選択する。
さらにはなんと、香川もベンチスタート?
さらにさらに、会場はこの日も初戦と同じく、あいにくの雨。
僕はスタメン発表とこの雨天の映像を見た時点で、あぁ、まずいと思ったんだった。
今大会は暑いブラジルが舞台ということで、夏場の試合が多くて暑さに慣れた日本の選手には有利だろうと思っていたのに、雨ではその暑さが緩和されてしまう。なにより細かいパスワークを命綱とする日本にとっては、スリッピーなピッチはミスが増えてマイナスな印象がある(かつて雨のフランスで惨敗した過去の記憶が鮮明なせいか、少なくても僕にはそういう印象がある)。
ザッケローニが香川をスタメンから外したのは、この雨のせいもあるのかなと思った。日本代表のなかでも、もっとも繊細なプレーを持ち味とする香川には、その分、ピッチ・コンディションの悪さに影響されそうな印象があるから。前の試合での出来の悪さとこの日の悪天候があいまって、香川のスタメン落ちという思い切った結論になったんじゃなかろうか。
ということで、この日ザッケローニが選んだスタメンは、川島、内田、今野、吉田、長友、長谷部、山口、岡崎、本田、大久保、大迫という11人だった。
最終ラインに今野が復帰して、香川のところへ大久保が入った形。
前の試合の森重はよかったと思うのだけれど、それでも替えてきたのは、やはり予選をずっと一緒に戦ってきた今野への信頼ゆえか。はたまた森重が初戦でイエローカードを1枚もらっていることを懸念したか。
大久保の起用はあると思っていたけれど、たぶんワントップでの起用だと予想していたので、ふたたび大迫が起用されたのも意外だった。まさか大迫のかわりに香川がはずれるなんて、予想外もいいところだ。
でも大迫、この試合は前の試合よりはまだよかった。少なくても遠目からでもシュートを打っていこうとする積極性が出ていた分、だんぜん印象がよかった。とくに2本目のゴールポスト右をわずかに外れたミドルシュートには、あぁ、あれが決まっていてくれたなら……と思わずにいられない。
ただ、大迫個人はともかく、チーム全体としての入りかたは、この日もあまりいいとは思えなかった。
今回の大会はどこの国も攻撃的で、キックオフと同時に前を向いて積極的にボールを運んでゆく印象があるのに、日本代表の場合、前の試合でもこの試合でも、最初はゆっくりとうしろからボールをまわして慎重に……みたいな感じの入りかたをしていた。
僕にはそんな姿勢が攻撃的サッカーを標榜するチームにはふさわしくなく思えてしかたなかった。「さぁ、試合だ、攻めて攻めて攻めまくるぞ!」って意気込みをちっとも感じさせない。そんな入り方をした日本代表には、正直なところがっかりした。実際、前の試合ではそこから一歩も踏み出せずに終わってしまったような印象だったし……。
まぁ、それでもこの日は前節と比べれば、格段にボールがまわせていた。なんたって試合途中でのボール保持率が70%(最終的には68%)ってんだから、50%を大きく切っていたコートジボワール戦とは雲泥の差だった。
ただ、それは相手が堅守速攻のギリシャだからってのは絶対にある。相手にボールをまわさせるのはあちらにとっても自然な流れだろうし。欧州予選でスペインやイタリアなどと対戦することがあるギリシャからしてみれば、日本のパスまわしなんて恐るるに足らずだろう。
実際、ボールはまわせていても、決定機は大迫のミドルなど、遠目からの個人技頼りって感じで、あまり怖さは感じさせなかった。
ただ、いまの日本代表の場合、そうやってボールを支配しているうちにファールを多く誘って、徐々に相手を不利な状況に追い込んでゆくというのが、アジアではよくあるパターン。
この試合でも前半の終わりごろに、そうやってギリシャのキャプテンで21番のMFカツラニスをイエローカード2枚で退場に追いやってしまう。ヨーロッパの国を相手にそういう戦いができたのが、この日のわずかばかりの収穫だと思った。
ただし、そのあとがいけない。数的にビハインドになった相手を崩し切れずにスコアレス・ドローって……。後半頭から長谷部→遠藤、さらには少し遅れて大迫→香川と選手交替のカードを切って、そこからは現時点でのベスト・メンバーと呼べる布陣になったのに、それでもスコアレスって……。
まぁ、堅守のチームが退場者を出して、さらに引いてがっちり守りに入ってしまうというのはありがちなパターンで、この日の日本代表はそんなパターンに見事にはまってしまったわけだ。攻撃をモットーとするいまの代表だからこそ、その守備の壁をこじ開けてみせるだけの力を見せてくれることを期待していたのだけれど。あぁ……。
そういや、香川を入れたあとは岡崎のワントップという形になったのを見て、僕はあぁ、なるほど、これはありかもと思った。今季の岡崎はブンデス・リーガでワントップでプレーして、15ゴールをあげているわけだし。ならばパスセンスに優れた日本代表で、同じように活躍できないはずがなかろう。
とはいえ、現実問題として、ザッケローニはこれまでその形をほとんど試してこなかったわけで。是が非でも1点を奪わないといけないこの大事な局面で、そんな付け焼刃なフォーメーションを試さなくてはいけないのは大いに問題だった。
なんにしろ、後半はその形で、内田、長友の両サイドの攻め上がりから何度となくクロスを入れるも、真ん中を固めるギリシャの守備にすべて跳ね返されてしまう、ということの繰り返し。で、延々とそんな展開をリピートしつづけるうちに、時間はどんどん過ぎてゆく。そしてこの日も残り時間が少なくなると、ザッケローニは吉田麻也を最前線にあげて、パワープレーを始めるのだった。なんでそうなるの?
まぁ、攻撃の枚数は足りていたし、前線の選手にはこれといって替えるべき選手がいなかったから、別に交替のカードを1枚残して終わったっていいと、僕自身は思っていた。でも麻也を攻撃に差し向けるくらいだったら、彼か今野に替えて攻撃的なサブの選手を使おうよ~。齋藤学とか、柿谷とか、清武とか控えているんだからさぁ。その方がよほどクリエイティヴだし、観ている僕たちも納得がいっただろう。
イーブンな人数で戦っているのならばともかく、こちらは相手よりもひとり多いわけですよ。なぜにDFをひとり削るリスクを払って、その分フレッシュな選手を入れて、攻撃を活性化させるって手が打てないかな。
ザッケローニは選手には勇気とバランスが大事とか言っているくせに、自分自身はいざというときにリスクを冒す勇気を持てないでいる気がしてならない。
ということで、結局試合はスコアレス・ドローで終了。日本が自力で決勝トーナメントに進出する可能性はなくなった。
かりに日本がこのあとコロンビアに勝ったとしても、同時にコートジボワールがギリシャに勝ったら、その時点でおしまい。コートジボワールが引き分け以下だった場合に限り、得失点差で日本にも決勝トーナメントへの道が見えてくる。
まぁ、ギリシャも勝ちさえすれば、コートジボワールを勝ち点で上回れる──つまり日本以上に2位以内になれる可能性が高い──わけだから、ヨーロッパ勢の意地として、そう簡単にコートジボワールに勝たせたりはしないだろう。なんとか勝ってくれるよう祈ろう。そして僕らは僕らで勝利をめざそう。
願わくば、次こそ遠藤スタメンで。勝つにしろ負けるにしろ、今回の代表の集大成となるような試合を見せて欲しい。
(Jun 20, 2014)
イタリア0-1コスタリカ
グループD/2014年6月20日(金)/レシフェ/NHK
日本代表がギリシャと引き分けたのと同じ日の深夜、現地時間では翌日午後1時からの第一試合。でもなんだか、日本代表の試合がはるか遠い昔のことのような気分で、眠い目をこすりながら観ていたイタリア-コスタリカ戦。
それにしても、大会前に日本代表と対戦したときには、コスタリカがよもやこんな素晴らしい成績を残そうとは、夢にも思わなかった。死のグループと呼ばれたグループDで、まさか決勝トーナメント進出いちばん乗りを果たそうとは……。
コスタリカの戦術は徹底している。5バックできっちり守って、カウンター狙い。
でも、5バックとはいっても、とくに守備に軸足を置いている感じはなくて、ちゃんとシュート数ではイタリアとタメを張っているのだから、えらいもんだと思う(両チームともシュート10本だから数自体は多くはないけれど)。
スペインに大勝したときのオランダもそうだったけれど、実際に5バックなのか、両サイドのディフェンス参加が徹底された3バックなのかが微妙な、こうしたフォーメーションが今大会のひそかなトレンドらしい。
そう考えると、ザッケローニが気に入りの3バックを日本代表で本格的に取り入れていたら、時流にそった戦術ということで、けっこう世界から注目されていたのかなという気がしなくもない。まぁ、いまとなるともう遅いけれど。
でも、この日はイタリアの出来も悪かったんじゃないだろうか。なんだかとても暑いなかでの試合だったらしいし、強敵イングランドとの初戦を制して、気が抜けてしまった感じ。イタリア、守護神ブッフォンがスタメン復帰したにもかかわらず、コスタリカのキャプテンで10番のルイス(日本での試合でもゴールを決めた人らしい)に先制点を許して逃げ切られるの巻。やることをきっちりやったコスタリカと、やれなかったイタリアの差が結果をわけた試合って気がした。
それにしても、南米大陸は広いから、どの国もブラジルまではそうとう離れているのだろうに、それでも中南米のチームの試合だと、スタンドはその国のチームカラーでほぼ一色に染まる。この日のスタジアムもコスタリカのチームカラーの赤であふれていた。そのあとのホンジュラス-コスタリカ戦では、コスタリカの黄色がいっぱい(ホンジュラスは?)。同じ大陸ってことで、思いのほか移動が楽なんだろうか。おかげでブラジル以外の国でもホーム同然の雰囲気がある。この調子がつづくようだと、この大会の中南米のチームはどれひとつ侮れそうにない。
そう考えると、日本代表のコロンビア戦はなおさら厳しいことになりそうな……。
同じく、勝ち点3どうしで最後にウルグアイと対戦することになってしまったイタリアも、けっこうやばそうな気がする。初戦を観たときには、イタリアはこの組は楽勝で勝ち抜けしそうだと思ったのに、いきなり黄色信号が点灯しちゃった感じ。
そして残念なことに、イングランドはこの試合の結果を受けて、ひとあし先に予選敗退が決定してしまった。台風の目コスタリカの大健闘で、グループDはほんと死のグループという名にふさわしい、予想以上の大混戦になっている。
日本が決勝トーナメントへ進出した場合には、このグループから勝ち上がってきた国と最初に戦うことになるので、「それならば対戦相手はイングランドがいい、香川とルーニーのマンU対決が観たい!」と思っていた人がたくさんいるだろうに。まさか日本がいいところこなく窮地に追い込まれ、その日本よりも先にイングランドが姿を消してしまうとは……。
これだからサッカーはわからない。
(Jun 21, 2014)
アルゼンチン1-0イラン
グループF/2014年6月21日(土)/ベロオリゾンテ/日本テレビ
グループリーグのうちに一度くらいはメッシを観ておくべきだろうと思って、週末だしいいやと観ることにした午前1時からのアルゼンチン-イラン戦。
アルゼンチンとイランでは力の差が歴然だから、結果はわかりきっているとおもっていたのだけれど、いやいや、どうしてどうして。イランが思わぬ善戦をみせる。
善戦といっても、ただひたすら守って守って守り切って、たまのカウンターに勝機を見いだすって、そういうサッカーでしたが。イランはアジアではどちらかというと攻撃的なイメージがあったので、この徹底した堅守ぶりには少なからず驚かされた。
ナイジェリアとの初戦もスコアレス・ドローだったのを意外に思っていたのだけれど、そうか、今大会のイランはこういうサッカーをしているんだ。前大会の日本のように、本番に向けての現実路線での選択だったんだろうか。
とにかく、試合途中のアルゼンチンのボゼッション率が75%(最終的には70%)、つまりイランがボールを触っていた時間は、試合の4分の1にしか過ぎないっていうんだから、もうどれだけ受け身だったのかがよくわかる。
でも驚いたことに、この守備的なサッカーが意外な感銘を誘う。なまじ相手が攻撃力抜群のアルゼンチンだけに、それをひたすら懸命にしのぎつづけるだけってサッカーには、それはそれで意外なおもしろさがあった。攻撃的!っていいながら、無駄なパスばかり多い日本のサッカーよりも、ある意味、感動的だったかもしれない。ちくしょうめ。
イランや中東の人って、風貌や性格的な部分でいまいち共感を呼ばないんだけれど、それでも一応は同じアジア地区の代表ということもあって、この試合ではそんなサッカーを観ながら、しだいに応援気分になっていった。監督のカルロス・ケイロスが、かつて名古屋グランパスで指揮をとっていた人だと聞いたせいもあると思う(記憶にないですが)。
とにかく、イランは徹底的に守りに徹してみせて、たまのカウンターからあわやという場面を何度か演出しながら、みごと90分間をスコアレスのまましのいでみせる。よし、よくやった、あとはロスタイムの4分だけ──って時間帯にさ。
この期におよんで試合を決めちゃうのが、メッシなわけです。
なにそのミドルシュートは。背後からのカメラの映像を見ても、特別にシュートコースが空いていたようには見えないのに。なぜにそこから決められちゃうかな。それまで、たいした活躍もしていなかったのに、最後の最後になって……。
日本代表に足りない決定力っていうのは、こういうものだよって──。
これこそがワールドクラス。そう言われてしまった気がする。
いやはや、格の違いを見せつけられました。うーむ。
(Jun 22, 2014)
韓国2-4アルジェリア
グループH/2014年6月22日(日)/ポルト・アレグレ/NHK
さて、日本代表が駄目ダメな今大会、おとなりのライバル韓国はどうかというと、前評判がやたらと悪かったわりには、初戦はロシア相手に1-1の引き分け。
そしてこの日の第二戦の相手はアルジェリア。
おやおや、あまり強そうな相手ではないし、これはもしかして今大会は星まわりがよくて、意外といけるのか?
――と思わせておいて、やはり駄目でした。
アルジェリア相手に前半だけで0-3と圧倒された上に、シュート0で終わってしまう。
韓国も弱ぇ~。
――というか、アルジェリアが予想外に強かった。なにこの強さは?と思って調べたらば、FIFAランキング22位とかいっちゃって。おいおい、それってコートジボワールより上じゃん。というか、よく見りゃアフリカ勢じゃ最高位じゃん。まじ?
とにかく、アルジェリアの予想外の強さに、韓国の予想以上の弱さがあいまって、一方的な展開になったのが前半。
それでも韓国も後半は盛りかえした。ドイツのレバークーゼンでプレーしているという21歳のソン・フンミンのゴールで1点を返し(それがチーム初シュートだった)、さらにはク・ジャチョルのゴールで追加点を奪ってみせる。
……ただ、残念ながらその2ゴールのあいだに、敵にもう1点を奪われてて、ふたたび3点差と突き放された時点で勝負ありだった。
結局、韓国も日本とほとんど同じような形で、最終節にグループ最強といわれる国を相手に決勝トーナメント進出をかけることになった(ともに他力本願だけど)。あちらはベルギー、こちらはコロンビアだから、おそらくハンディは似たり寄ったりでしょう。
それにしても、ここまでアジア勢は、オーストラリアが勝ち点0で敗退決定(でも内容はよかったっぽい)、日本、韓国、イランがともに勝ち点1のみと、もう惨憺たるありさま。それにくらべて、アフリカ勢は、5チーム中3チームが1勝はしている。勝ってないガーナもドイツと2-2で引き分けたりしていて、駄目なのはカメルーンばかりという状況。
うーむ、なんだか世界からアジアだけが取り残されている感が強くなってきた。どうしたもんだか……。
(Jun 23, 2014)