2012年のコンサート
Index
- エレファントカシマシ @ 渋谷公会堂 (Jan 6, 2012)
- セイント・ヴィンセント @ duo Music Exchange (10 Jan, 2012)
- BUMP OF CHICKEN @ Zepp Tokyo (31 Jan, 2012)
- BUMP OF CHICKEN @ 幕張メッセ・国際展示場ホール9~11 (7 Apr, 2012)
- BUMP OF CHICKEN @ 国立代々木競技場第一体育館 (7 Jul, 2012)
- エレファントカシマシ @ 日比谷野外大音楽堂 (14 Oct, 2012)
エレファントカシマシ
新春ライブ2012/2012年1月6日(金)/渋谷公会堂
いやぁ、今回のエレカシの新春ライブは、おそらくこれまででもっとも豪華だった。まさにお年玉ライブって呼ぶにふさわしい内容。
なんたって渋谷公会堂──去年のうちに「C.C.レモンホール」改め、渋公に戻った。これもなんとなく、めでたい気がする──のキャパに、金原千恵子さん率いる弦楽四重奏と、サックスの山本拓夫氏ほかホーン四名が加わるんだから。もちろん、蔦谷くんとミッキーもいるから、ステージ上は最大十四名という大所帯。
これまでも武道館ではストリングスやホーンをゲストに迎えたことはあるけれど、僕が覚えているかぎり、渋公クラスのホールでこういう大編成のエレカシを観るのは史上初だ(……と思う。前回宮本がメンバーを下げて、ひとりきりで弾き語りをするのを初めて観た、というようなことを書いたら、じつは嘘だったので、これもあてにならないかも)。それも金原・山本の両氏は、桑田佳祐や佐野元春のバックを務めるほどの大物だ(……といいつつ、山本さんのことは本編ラストに宮本が紹介するまで、そうと気がつかなかったんだけれど)。そんな方々がエレカシをサポートしてくださっているのを見るのは、それだけで感慨深いものがある。
おまけに今回の僕らは席がよかった。一階席の前から十二列目の右通路側。ステージも近いし、渋公はけっこう段差がある上に、最近のエレカシのライブは女性客が大半なので(つまり平均身長が低いので)、視野がやたら広い。こんなに見晴らしのいい場所で、こんな豪華編成のエレカシが観られるのなんて、もしかして最初で最後じゃないだろうか。いやー、ほんと贅沢な体験をさせてもらいました。
最近はすっかりファン歴も長くなって、ツアーの一回くらいは観そこなっても、まあいいか、みたいな感じがあるのだけれど(まぁ、といいつつ観そこなってないんだが)、今回ばかりは見逃していたら後悔しまくりだったと思う。翌日はセットリストが部分的に違っていたと聞いて、そっちも観たかったと残念に思ったくらいだったから。ホーンつきの『おかみさん』や『so many people』、聴きたかったぞ~。
とにかく今回の渋公はスペシャルだった。始まる前から、ステージにストリングス用の透明のパーティションやホーン隊向けの楽譜台が並んでいるのを見て、お~、きょうはなんだか豪華そうだ~、と期待に胸を躍らせていたんだったが、いざオープニングとともにホーンの皆さんがエレカシのメンバーとともに出てきたのを見て、場内がどよめく。そして演奏前から大きな拍手が沸き起こる。
一曲目はひさしぶりの『今はここが真ん中さ』。もともとホーンがフィーチャーされたこの曲をちゃんとホーンつきで聴かせてもらって、盛り上がらないはずがない……のだけれど。新春早々の仕事帰りだった僕は、この曲にいまいち集中しきれなかった。やってくれてとてもうれしい曲だったのに、なんとなくぼーっとしていたら終わってしまった感じ。すんげー無念。2曲目の『女神になって』からは、こんなことじゃいけないとステージに意識を集中した。
【SET LIST】
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そこからしばらくはホーンつきの曲がつづいたので、きょうはもしや全曲ホーンつきバージョンか!とも思ったのだけれど、さすがにそこまでリハーサルに時間がとれるはずもなく。ホーン隊は4曲目の『Soul rescue』──この日、個人的に聴けていちばん嬉しかったのはこの曲――までで、いったん退散。で、結局その後は本編最後の『あなたのやさしさをオレは何に例えよう』まで出番なしとあいなった。
一方の金原千恵子カルテットは、8曲目の『リッスントゥザミュージック』でまずは金原・笠原の両女史が登場。この曲のみ、ふたりきりの参加で、あとは男性ふたりを加えた四人組で、曲により出たり入ったりを繰り返していた。
いやぁ、それにしてもストリングスの生演奏を間近で聴けるのって、とても贅沢な気分になる。最近のエレカシは音のバランスがいいので、ストリングスの響きがバンド・サウンドに埋まることなくうまく加わって、とても味わいの深い演奏になっていた。
今回は途中からそうやってストリングスを交えた曲が多く、またそのほかにも『風』や『傷だらけの夜明け』など、宮本の弾き語りをフィーチャーした曲がセレクトされていたこともあって、中盤はかなりゆったりとした印象だった。みんな宮本の歌にじっくりと聴き入り、演奏の最後の一音がフェードアウトするのを待ってから、一斉に拍手が鳴り響く、といった調子。
それでも本編ラストは、『旅』、『笑顔の未来へ』をストリングスとともに高らかに鳴り響かせ、『俺たちの明日』──珍しく宮本が黒のレスポールを持ったので、なにをやるのかと思ったらこの曲だった。石くんもレスポールでそろい踏み(ミッキーがアコギ)。なんでこの曲にレスポール2本なの?って感じで、けっこう不思議だった──を経て、『あなたのやさしさをオレは何に例えよう』でもって大団円。最後のこの曲は、この日の出演者が一堂に会した唯一の曲。問答無用の盛り上がりでした。この日のクライマックスはもちろんこの曲。
とはいえ、ここで終わらないのがいまのエレカシだ。宮本が下がり際に「第一部終了~」といっていたし、そもそも、この時点でまだ新曲をどちらも聴かせてくれていない。
はたして2度目のアンコールが『花男』で締めとなるまでに、そこからさらに10曲が披露された。もちろん新曲の『ワインディングロード』と『東京からまんまで宇宙』を含む。この2曲は1度目のアンコールでつづけて演奏された。とくに後者は予想通り、ライブだとなおさら迫力があって最高だった。
ストリングスが加わるってことで、当初やるだろうと思っていた『彼女は買い物の帰り道』や『桜の花、舞い上がる道を』をやらなかったあたりはちょっと意外だったけれど(後者は翌日演奏されたらしい)、でも終わってみれば、それがなくてもなんらおかしくないくらい、セットリストは充実したものだった。
ほんと、エレカシの長いキャリアが見事に花開いた感ありの、素晴らしい二時間半強だったと思う。素敵なお年玉をどうもありがとう~。
(Jan 15, 2012)
セイント・ヴィンセント
2012年1月10日(火)/duo Music Exchange
直前まで観にゆくべきか悩んでいたせいで前売りを買いそこね、当日券で観ることになってしまったセイント・ヴィンセントの初来日公演。
当日券でライブを観るのって、おそらく二十年近く前のコステロの厚生年金以来だ。さらに会場の duo Music Exchange でライブを観るのはこれが初めて。ジャミロクワイ・プロデュースという鳴り物入りで出来て以来けっこうたつのに、不思議とこれまで足を運ぶ機会がなかった。おかげで勝手がわからない上に、わざわざ足を運んで当日券が買えなかったらいやだなと思ったものだから、開演時間の30分以上前に会場に着いてしまう始末(待つのが嫌いなので、そんなこと普段だったら絶対にない)。ほんと、僕としては珍しいことずくめの一夜だった。
いやー、それにしてもセイント・ヴィンセントことアニー・クラーク、最高におもしろかった。なんだかんだいって、この日の貴重な体験にとどめを刺したのは、セイント・ヴィンセントという女性の存在そのものだった。
彼女がもともとポリフォニック・スプリーというバンドのギタリストだったという話は聞いていたけれど──セイント・ヴィンセントと名乗るようになったのはソロになってからとのことで、それゆえアニー・クラークと本名で併記されることが多いらしい──、正直、ここまで彼女自身のギターが前面に出たステージを見せてくれるとは思ってもみなかった。ことボーカリスト兼ギタリストとしてのキャラの立ち方でいえば、これまでに僕が見たことのある中でもトップ・クラス。こと女性ということで言えば、断トツ、ナンバー・ワンだった。
だいたいにして、クラプトンらの三大ギタリストを初めとして、ロック・ギタリストの多くはそのルーツをブルースなどの黒人音楽から受け継いでいるものだけれど、彼女の場合は(おそらく)そうではない。少なくても僕は、彼女の音楽から、黒人音楽っぽさをまったく感じない。
たとえば、スリー・コードのロックンロール・カッティングや、ペンタトニック・スケールでのアドリブ。彼女のギターにはそういった典型的なプレーがほとんどない。手癖のついたブルース・フレーズを聴かせたり、コードをジャカジャカ鳴らしたりすることがほとんどない(ザ・ポップ・グループのカバーはさすがに例外だったけど)。
なんでも彼女はバークリー音楽大学を中退しているのだそうだけれど、それを、あぁ、なるほどと思わせるプレーぶり。クラシックの素養を感じさせつつも、あきらかにロック以外のなにものでもないという、そういう気の効いたリフ中心のギターを彼女は聴かせてくれる。決して技術的にうまいって感じでもないのだけれど、フレージングがいちいち創意工夫にあふれていて、非常に格好いい。そういう意味ではエレカシ宮本に近いものがあると思った。
【SET LIST】
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バックアップ・メンバーは3人、それもシンセ2人(男女。男性がコンピュータ兼任)に生ドラムという少人数ながら、彼女がギターを弾かないシーンもそれなりにある。でもだからこそ弾いたとき、ギターの音が響き渡ったときのインパクトがとても大きい。一曲目で彼女のギターが途中から入った途端に、おーっってどよめきが起こった気がしたくらい。
とにかく、飾りじゃないのよ彼女のギターは、あははんって感じ。どの曲でも楽曲の重要な構成要素として、なくてはならない存在として鳴っていた。それもいい感じのディストーション・サウンドで、気の効いたフレーズを有効に紡いでゆく。それがもう気持ちよくて仕方ない。あの場にいた誰もが彼女のギターに聞き惚れていたに違いない。俺もあんなギターが弾いてみたいと思わずにはいられなかった。
そもそも、ぱっと見スレンダーで清楚なワンピース姿の白人美女が、歌を歌いながらレスポールやジャズマスターをかかえて気の効いたフレーズを連発しているってその絵柄からして、たいした違和感だった。
失礼ながら僕は、セカンド・アルバムのマネキンのような顔をしたジャケットのイメージで、彼女のことをあまりきれいな人だとは思っていなかったんだけれど、ステージ上の彼女はまごうことなくきれいだった。そして、それほど好みではないと思っていたその歌声も、ライブではこの上なく魅力的だった。
要するにライブで接したステージ上の彼女は、ルックス、歌、ギター、それらすべてが僕の想像を大きく上回っていた。
そういや、アンコールでギターを弾きながら、フロアにダイブしてみせた意外なおてんばぶりにもびっくりした(前方のオーディエンスも予想外だったらしく、最初は支えきれずに沈みこんでしまった)。タイツを履いた艶めかしい片脚だけが観客の頭上からぬっと突き出ている風景は、なんともシュールだった。そのあとで弦が切れたギターを客席に投げ入れていたけれど、そんなことをするアーティストも初めて見た。メンバーのひとり(キーボード奏者)が日系女性で、ときおり通訳を務めるなんてステージも珍しかった。
いやー、とにかく音楽的にも、ステージ的にも新鮮な驚きのある、とてもいいライブだった。エレカシの新春ライブの直後だったんで、最後の最後まで行こうかどうしようか悩んで、それでも行くことに決めたのは、去年あれほど素晴らしいアルバムを作った女性の来日公演がソールド・アウトしないなんて、日本人としてまずいだろうと思ったからなんだけれど、そんな風に土壇場まで悩んだ自分がバカみたいだ。ほんと観ておいてよかった。ロック・ファンとしてこれを観ないでどうするという、至福の1時間半だった。
(Jan 22, 2012)
BUMP OF CHICKEN
GOOD GRIDER TOUR 2011-2012/2012年1月31日(火)/Zepp Tokyo
バンプ・オブ・チキンのライブハウス・ツアーの最終日、Zepp Tokyo を観てきた。
基本的なセットリストは昨年末のツアー初日、SHIBUYA-AX と同じ。新曲を中心に、何曲か入れ替わっていた曲はあるけれど、『三ツ星カルテット』で始まって、4曲目に『ゼロ』、8曲目に『グッドラック』をやって、『メイデー』と『天体観測』で締めくくる、という本編の構成はまったく同じだった。おそらくツアーのどの日をとっても大差はなかったんだろう。
ということで、序盤で全体の流れがわかってしまっていた分、新鮮さはいまひとつ。終わってみれば(いまさらだけれど)、僕くらいのレベルのファンが二度も観ちゃいけないツアーだったかなぁと思うような内容だった。
ましてや、この日の僕は、前日にバカやって朝帰りしたもんで、体調的にもきつかった。観たくても観られない若いファンの子たちには、ちょっと申し訳ない。まぁ、とはいえ、チケットが手に入っちゃったんだから仕方ない。そもそも、そんな風に思えるのも、観られたからこそで、観ていなければ観ていないで、絶対、あぁ、観たいなぁと思うことになるだろうし。
なんにしろ、前回との比較でいえば、さすがに二ヶ月のツアーを経てきたあとだけに、新曲群もずいぶんと力強くなっていた。もともと繊細なアレンジの曲が多いので、いきなりダイナミズムが数段アップ、なんてことにはならないけれど、どの曲も確実に演奏にゆとりが感じられた。ドラクエ風にいえば、経験値が増えたことで、新参者の楽曲も通常のバトルには十分耐え得るくらいまでレベルが上がった感じ。
【SET LIST】
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バンドのメンバーの態度も当然のように違っていた。前回は始まったばかりのツアーに対するわくわく感が自然と伝わってくるような初々しさがあったけれど、今回は当然ながらそうした雰囲気はなくなり、ずいぶんと落ち着いていた。この日で終わるツアーの余韻を惜しみつつ、満員のライブハウスにみなぎる熱気をじっくりと味わっているようだった。
改めてすげーって思ったのは、『カルマ』、そして『メーデー』。なんかこの二曲のときには、場内の空気がキラキラ輝いているような印象さえあった。新作からの曲が比較的ゆったりめの曲ばかりなので、なおさらあの二曲の勢いが突出して感じられたのもある。
まぁ、そんな風に思ってしまうのも、やはり、またもや『HAPPY』や『モーターサイクル』を聞かせてもらえなかったから。やっぱ新作でもっとも好きな曲を聴かせてもらえないってのはなぁ……。『魔法の料理』や『分別奮闘記』もぜひ聴きたいんですけど。
新曲では、前回はやらなかった『Smile』がよかった。基本的にスローでシンプルな曲だし、個人的にはそれほど好きな曲ではないんだけれど、ライブでは中盤のインスト部分が思いのほかダイナミックで感動的だった。
あと、アンコールの『DANNY』は超レア・ナンバーなんだろうけれど、基本的に知らない曲なので(ファーストの隠しトラックらしいんだけれど、うちのプレーヤーでは再生できず)、嬉しさはいまひとつ。
……ということで、二度目に観てなお、これで満足とはいいきれないバンプ・オブ・チキンだった。4月からのアリーナ・ツアーにも思いきり期待している。
(Feb 08, 2012)
BUMP OF CHICKEN
2012 TOUR 「GOLD GRIDER TOUR」/2012年4月7日(土)/幕張メッセ国際展示場ホール9~11
なんかここのところ、うちの奥さんのバンプ・フィーバーにつきあって、バンプばっか観ている気がしますが。今回はアリーナ・ツアーの初日を観に、幕張メッセまで行ってきた。
ライブハウスのときとは違って、会場が広い分、肉眼で見られるメンバーの姿は小さくなるけれど──とはいっても、チケットはAブロックだったので、僕がこれまでに観たメッセのライブではもっともステージが近かった──、その分、大規模ホール向けに凝った演出が凝らされているのが今回のツアーの見どころ。
その期待にたがわず、オープニングは「GOLD GRIDER」というツアー・タイトルにちなんだ美麗なCGアニメとともに始まる。それも数分はあろうかという、これ作るのに一体いくらかかったんだろうと疑問に思ってしまうような、ちゃんとしたCGアニメ。
ステージを隠す垂れ幕代わりの半透明のスクリーンに映し出されていたそのアニメーションが終わって、いよいよメンバーが登場……するものの、スクリーンは上がらず、ステージは隠れたまま。順番に姿をあらわすメンバー四人の姿が、大きな影絵として、そのスクリーンに映し出される。その状態のまま、藤原くんの登場を待って始まったオープニング・ナンバーは、今回もとうぜん、『三ツ星カルテット』!
演奏が始まってもやはり幕は上がらず、一曲目はすべてシルエットのみという演出だった。そういや、去年のラッドウィンプスもほぼ同じ演出だった。東京事変も近いものがあった。最近のアリーナ規模のライブでは、この手の演出が流行っているらしい。ま、なんにしろカッコよかったからよし。
2曲目の『宇宙飛行士への手紙』のイントロが弾ける部分でようやくスクリーンが落ちて、同時にぱぁーっと金色の紙吹雪が降ってくる。あとで床に落ちているその紙吹雪を見たら、それはバンプのエンブレムの形をした金色のシートで、「BUMP OF CHICKEN GOLD GRIDER TOUR 2012」という文字が刻印してあった。細かいところまで手が込んでいる。
その冒頭2曲で、この日も構成はライブハウス・ツアーとほぼ同じなことがわかった。それでも3曲目が『分別奮闘記』だったり──やたっ! これ聴きたかったんだ~──、『Stage of the ground』や『ハルジオン』など、おーって曲が序盤から披露されたり、また要所要所で映像を使った演出が施されていたこともあって、ライブハウス・ツアーとはずいぶん印象が違った。ライブハウスが4ピース・バンドとしてのバンプをじっくりと味わう場だとしたら、この日のメッセは、より大きなエンターテイメントとしてバンプの音楽を鳴らすために用意されている感じ。
そう、この日のライブを観ていておもしろいなと思ったのは、これだけ大規模なライブをやっていながら、バンプの演奏があくまで四人だけで成り立っていること。
たとえばミッシェル・ガン・エレファントも最後まで四人だけだったけれど、バンプの場合は話が違う。ギター以外の装飾音なんていらないぜって感じのミッシェルとは違って、バンプの場合、『ゼロ』などの曲では大々的にシンセサイザーやストリングスが入る。なのに、彼らはライブでそれらの音を再現するために、サポート・ミュージシャンを呼んだりはしない。二万人を集めてのこういう大規模な会場であっても、決してキーボード奏者をメンバーに加えたり、ストリングス楽団をゲストに招いたりはしない。さらにいえば、レディオヘッドやU2のように、ギタリストがキーボードを弾いたり、太鼓をたたいたりもしない。ステージにいるのはあくまで、いつもどおりの四人だけ。足りない音は打ち込みで補っている。
それはまるで、ステージにほかの人を加えて、この四人のバランスを壊したら、バンプの音楽がバンプの音楽でなくなってしまうとで思っているかのようだ。これだけの観客動員を誇るポピュラリティを獲得していてなお、彼らがそんな風に仲間うちの絆に強くこだわっているように見えるのは、なんとなく不思議な気がする。
まぁ、それというのも中心にいるのが過剰なまでに謙虚でシャイな藤原くんだからなのかな、とも思う。
【SET LIST】
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この日の藤原くんは自分のことを称して「干からびたカイワレみたいなもんだ」とか、「前回の幕張メッセではすごい風で、ほんと俺なんか吹っ飛ばされちゃいそうで……」とか、自虐的な発言を繰り返したあとで、「なんで俺、こんなことばっか言ってんだろうね」と自ら苦笑いしていた。とても二万人もの人を集めているバンドの中心人物とは思えない。彼の自己評価の低さは、ちょっと非常識なほどだと思う。まぁ、それゆえに僕は彼のことが好きでたまらないのだけれど。そんな彼だからこそ、ああいう素敵な楽曲が書けるのだろうとも思うし。
なんにしろ、そんな藤原くんを中心にして、ツアーでは
さて、この日のライブには中盤に、これだけの大規模なホールだからこそってサプライズがあった。フロアの中央左側にサブステージが用意されていて、そこでのアコースティック・セットでの演奏があったんだった(なんの説明もないまま、黙ってそこまで移動していったあとで、藤原くんが思わぬ観客との距離の近さに、「ここは恥ずかし島だ」なんて言っているあたりが、いかにも彼らしくておかしかった)。演奏されたのは『車輪の歌』と『sailing day』! もうファン冥利に尽きるって2曲だった。
このための配慮なんだろうけれど、天井から吊るされたフロア中央あたりの大型モニターが裏面も映る仕様になっていて、うしろを振り返ってサブ・ステージを観る形になる前方のオーディエンス(つまり僕ら)からも観ることができ、なおかつその仕様ゆえに、裏から観ると左右逆転して見えるのもおもしろかった。生演奏を左右逆転したモニターで観る機会なんて、滅多にないだろう。
このステージへの移動に時間がかかることもあって、ここで唯一、ライブハウス・ツアーのときと曲の順番の入れ替えがあった。移動の間に『星の鳥』を映像つきで聴かせるため(当然、これにも大いに盛りあがる)、『メーデー』を前に持ってきて、あの素晴らしい『カルマ』をうしろに移動。ということで、本編のラストは『カルマ』、『天体観測』という並びになっていた。
映像と演奏の同期という点でもっとも印象的だったのは、前半に演奏された『Smile』。モノクロの花のクローズアップ(おしべ?)から始まって、それが徐々にズームアウトしていって、花の全体像となり、最後にはフルカラーの花畑の風景へと拡大してゆくCGは、迫力ある演奏とあいまって、この日のクライマックスのひとつだと思った。『Smile』の意外なライブ映えのよさには今回も驚かされた。
でも、この日の本当のクライマックスはその曲ではなく、このあとのアンコール。ドラムの升くんが先に白い綿玉のついたドラム・スティック(マレットというのでしょうか)を持っていたので、「おっ、これは静かな曲がくるぞ、もしや……」と思って待っていると、藤原くんが奏で始めたのは、期待にたがわぬ、あの感動のアルペジオ。お~っ、きた~、『魔法の料理』!
初めてライブで聴かせてもらうこの日のこの曲は、意外や、打ち込みをいっさい使用しない、バンド・サウンドだけでのラフな演奏だった(多分)。藤原くんもすごくカジュアルな──悪くいえば田舎っぽい──歌いまわしをしていたので、よりいっそう親密な感じが強く出ていて、非常に感動的だった。この曲にただならぬ思い入れのあるうちの連れは、本気で泣いてました。
そして、このあとで演奏された、この日の最後の曲は、なんと『K』! 思わずおーーー!って叫んでしまった(夫婦そろって恥ずかしい四十代ふたり)。もうこれ以上、言うことなしの大団円。いやぁ、堪能させていただきました。
今回も残念ながら『HAPPY』は聞けなかったけれど、それは最後の楽しみにとっておこう(七月の代々木もゆく)。今回は大満足。いやぁ、観られてよかった。最高の一夜でした。ありがとう、バンプ。
(Apr 22, 2012)
BUMP OF CHICKEN
2012 TOUR 「GOLD GRIDER TOUR」/2012年7月7日(土)/国立代々木競技場第一体育館
去年の暮れから始まったわが家のBUMP祭りも、この日の代々木体育館でもって、ついに終了。最初はひとつのツアーを四回も観るなんて贅沢、許されない気がしていたんだけれど、終わってみれば、それぞれ違った味があって、どの回も捨てがたかった。なかでもこの日の最終回は最高だった。ほんと、心から観られてよかったと思える、素晴らしいコンサートだった。
なんたって、この日の僕らが手に入れたチケットは、おそらく僕の音楽人生のなかでも最高のものだった。アリーナのステージ真正面のブロック。ステージの藤原くんたちまで、数メートルしか離れてなかったと思う。おそらく、ライブハウス・ツアー初日のSHIBUYA-AXよりもステージに近かった。アンコールのあとで、藤原くんが客席に放り投げたペットボトルの水がうちの奥さんにかかるくらいの距離。近すぎて、半透明のスクリーンが透けてしまって、オープニングのCGがよく見えないという。
しかもこのブロック、なぜかかなり余裕をもってチケットが手配されていたらしく、やたらとオーディエンスの数が少ない。もっともいいブロックなんだから、もう少し詰め込んでもいいんじゃないかと思ってしまうくらい。大会場ゆえにステージが高いから、前の人が邪魔になることもなく、見晴らしも良好だし、おかげでまわりの人のことを気にせずに、ステージに集中できた。
ほんと、そんなライブハウス・レベルの距離で観るアリーナ規模のライブは強烈だった。よく音楽雑誌のライブ写真で観るような風景が、目の前にリアルに広がっているんだからたまらない。
とうぜん音圧も高くて、足元からは重低音の振動がずんずんと伝わってくる。開演前のBGMとしてかかっていたボレロが大音量になってエンディングを迎えるのと同時に照明が落ちて開演、という演出だったのだけれど、その大音量にすでにやられていた。この時点でもうきょうはどう考えたって最高だろうって思った。
始まったら始まったで、1曲目の『三ツ星カルテット』では、幕張メッセでは巨大な影絵としてしか見えなかったメンバーの動きが、半透明のスクリーンを通して肉眼でも確認できる。『宇宙飛行士への手紙』でそのスクリーンが落ちた途端に、巨大なバンプのエンブレムを背にした藤原くんの姿がどーんと目の前に飛び込んできたときの感動たるや……。俺が若くて熱心なバンプ・ファンだったら、絶対あれ見て泣いていると思う。
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バンドの演奏自体もこの日がいちばんよかった。ツアー初日にはまだこなれていないと思った新曲群のアンサンブルが、長いツアーをへて、すっかり熟成された感じ(まぁ、初日の初々しさにはそれはそれで別のよさがあったけれど)。新旧問わず、すべてがびしっと収まるところに収まった鉄壁のアンサンブルを聴かせてくれた。
おまけに、この日はなぜか、藤原くんがのりのりだった。とくに饒舌だったりしたわけではないけれど、随所でみせる曲間の動きが妙にコミカルで、終始とても楽しそうだった。
それまでは漠然とした印象だったそんな彼の上機嫌さがはっきりと証明されたのが、アンコール。予定されていたのは多分2曲だったのだけれど──それがなんと、『くだらない唄』と『ダンデライオン』だっ!――、それらが終わって、メンバーがタオルやペットボトルを客席に投げ込み、さぁ、これで本日の公演はすべて終了……と思いきや、意外にも先頭をきって舞台袖へ引っ込んだ藤原くんが、愛用のレスポール・スペシャルを手にふたたびステージへ戻ってきたのだった。
藤くんの思わぬ挙動にステージ中央で輪になって相談するメンバーたち(これが長い)。予想外の展開に大歓声のオーディエンス。そして話がまとまって、追加で演奏されたのは、そりゃもちろん、『ガラスのブルース』だ~っ!
──って、僕は不遜にもこの曲がそんなに好きってわけではないんだけれど(BUMPファンの風上にもおけない)、この展開にはぐっとこないわけがないでしょう。もー、最高のエンディングだった。藤原くんに惚れ直しました。
そのほか、『Smile』の演出が幕張とは違っていたり(井上雄彦を思わせるペンシル画のアニメーションになっていた。それにしてもライブでのこの曲はほんと素晴らしい)、『宇宙飛行士への手紙』で降ってくる紙吹雪がエンブレム形と小さな四角形の混合になっていたり(エンブレム形だけだと落ちるのが早すぎるんでしょう)、恥ずかし島(公式名称になったらしい)への移動にカメラがつく演出があったりと、わずかの間にツアーが進化しているのもおもしろかった。そういうことがわかったのも、何度も観てきたからこそだ。贅沢をした甲斐があろうってもの。
ずっと聴きたいと思いつづけていた『HAPPY』も、この日はようやく聴かせてもらえたし、あいかわらず『メーデー』と『カルマ』は問答無用に素晴らしいしで、ほんともう、この日のライブは最高以上の内容だった。
いやー、もう言うことないです。僕らのBUMP祭りはこれにて大団円。この日の思い出だけで、しばらくはきつい生活にも耐えてゆけそうだ。
(Jul 08, 2012)
エレファントカシマシ
2012年10月14日(日)/日比谷野外大音楽堂
宮本浩次は今年も野音のステージに立った。
宮本が難聴をともなう外リンパ
そこはそれ。22年間もの長きに渡って、毎年欠かさずに行ってきた野音だ。このままやらないで終わらせてしまうのは、ファンの僕らのみならず、宮本本人にとっても不本意だったんだろう。
で、耳の具合を確かめるよう、おそるおそる歌を歌い始めてみたところ、なんとか歌えることがわかったと。一度はキャンセルと決めてしまったものの、ドタキャンに近い状況ゆえ、会場のキャンセルが効かないので、野音の舞台は使える状態にある。無期限の活動休止という発表に心を痛めているファンも大勢いる。ならばいっそ、予定どおり野音の舞台に立って、いまの自分にできる範囲で歌ってしまえと。
宮本がそう思ったってのは憶測でしかないけれど、一度は中止が発表された野音で、結局、今年も宮本浩次はその歌を聞かせてくれた。
いったんキャンセルを発表してしまった手前、やはり普通にやるとも言えないから、名目上は無料コンサートということになったけれど、入場できたのはチケットを持っていた人たちのみで、チケットの席がそのまま有効。ということで、3年ぶりにファンクラブでチケットを入手できた僕らも無事、この日の宮本の近況報告ライブを観ることができた。
中止って発表があったときには、「3年ぶりにチケット取れたのに、なんてついてないんだ」と思ったものだけれど、こうなるとチケットが取れていて本当によかった。宮本難聴のニュースはワイドショーでも取り上げられていて、世間の注目も高いだけに、さすがに今回はうちの奥さんもコネで入れてくれとは言いにくかったようなので。(まぁ、彼女のことなので、いざとなれば、なんとかしそうだけど。でもさすがに夫同伴ってのは……)
この日のライブ、僕はこういう状況だけに、近況報告をして、2、3曲歌っておしまい、くらいに考えていたんだけれど、ショーマンシップに溢れる宮本は、そんなハンパなことはしなかった。定刻の5時ちょうどにアコギを持って登場すると、挨拶もそこそこに1曲目のイントロを爪弾き出す。その曲がなんと『夢のちまた』! おいおい、いきなりこの曲ですかっ!
【SET LIST】
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僕にとっては、その後の長きに渡るエレカシとのつきあいを決定づけた記念すべきサード・アルバム『浮世の夢』の冒頭を飾る一曲。それゆえ個人的に特別に思い入れの深い曲だから、それ自体うれしかったのだけれど、それと同時におーっと思ったのは、それがこの日のステージにおける宮本のやる気を伝える選曲だったから。世間的には決して知名度が高くはないこの曲から入るって時点で、今夜はそう簡単には引き下がらないぜって宮本の意志は明らかだった。実際、この日のライブはここから1時間に及んだ。
耳に障害をかかえてのパフォーマンスがどんなだか、いざ聴くまでは心配だったのだけれど、実際に聞かせてもらったこの日の歌は、やはりいつもの宮本のそれとは違っていた。「つねに全開フル・スロットル!」といった、いつもの宮本ではなく、いままでになく力を抑えた、まるで自分にちゃんと歌が歌えることを、一音一音たしかめているかのようなパフォーマンス。こんな力まない宮本を、絶叫しない宮本浩次を観るのは、20年以上ファンをやっていて、これが初めてだ。
また、さすがの宮本も、いまとなると昔よりも高音が出なくなっているので、レコーディング作品では地声で歌っていたパートが、この日はあちらこちらでファルセットになっていた。何年か前から、声が出なくなったなぁと思うことが、たまにはあったけれど、それでも、もともとの声量が尋常でない分、声を振り絞れば、まだ地声で歌えていたパートが、この日は歌えていなかった。
ただ、じゃあ、宮本の歌がひどかったのかっていうと、もちろんそんなことはなくて。とくに音程が不安定だったりはしなかったし、地声に終始ファルセットが混じるのも不自然だったとは思わなかった(弾き語りの練習が足りなかったのか、ギターは間違えまくっていたけれど)。力を抑えて歌う宮本、シャウトしない宮本には、それはそれで、いつもとは違う種類の色気みたいなものがあった。
そもそもこんな状況で、いつものような爆発的なパフォーマンスを見せられたら、その方がびっくりしちゃうわけで。このような状況だからこそって感じで、すべてに控えめな宮本の歌──しかも大半がレアな弾き語り──には、いつもとは違う
そういや、控えめだったのは、宮本自身の歌だけでなく、バックの演奏もそう。途中でゲストとして登場した蔦谷くん、ヒラマくん(『リッスントゥザミュージック』を一曲やって、さっさと引っ込む)の楽器の音も、最小限ってボリュームだった。僕らの席が最後列だったせいもあるんだろうけれど、どんなフレーズを弾いているんだか、よく聞き取れないレベル。そんな、いつにない低音量の演奏に、宮本の耳の病気のシリアスさを実感させられた。
まぁ、とはいっても、ステージに立っている(正しくはパイプ椅子に坐っている)のは宮本浩次なわけで。最後までそんなふうに抑えたパフォーマンスだけでいるかというと、そんなこともなく。
終盤に差し掛かって『見果てぬ夢』(お~!)と新曲『涙を流す男』をどちらもワン・コーラスだけで打ち切ったあと(もっと聞かせてくれ~)の『花男』では、「おいおい、そんなでっかい声出して大丈夫なのか?」と観ているこちらが心配になるほどのド迫力のパフォーマンスを見せてくれた。いやぁ、『花男』はアコギでもやはりすごかった。それにしても、アコギ弾き語りの『花男』なんて、この先ふたたび観る日がくるんだろうか?
難聴にまつわる近況報告のMCでは、9月の初めに症状が出て、その数日後にいきなり手術をされて、みたいな話を、あの独特の語りでユーモラスに語って聞かせてくれた(ただ、現状の耳の具合については明言されず)。いちばん印象に残っているのは、「最近おかしいとは思ってたんだよね。この俺が今年になって、いきなりマラソン始めちゃったり、煙草やめちゃったりして。やっぱ歳を取って、いろいろ弱ってんだよねぇ」みたいなやつ。僕自身も今年はこれまでになく激しく疲れを感じているので、ひとごとではない共感を持って宮本の話を聞いていた。うんうん、よくわかる(でも、普通の人はマラソンではなく、ジョギングというと思う)。
この日の選曲は『うつらうつら』も含め、『浮世の夢』からの3曲ってのが意表をついていたけれど、さきほど書いたように、それは僕にとっては大変思い入れの深いアルバムなので、個人的なプレゼントをもらったかのようで、感激ひとしお。それ以外では、『悲しみの果て』に『約束』、『俺たちの明日』など、短いなかにも新旧を織りまぜた、バランスのよいものだった。
ラスト一曲前の『笑顔の未来へ』ではふたたび蔦谷・ヒラマ両君が登場して、前と同じく控えめなアンサンブルを聞かせる。それにしても、こういう状況だと、この曲のポジティヴなメッセージはなおさら心に沁みる。
そしてラスト。今年の野音の最後の曲は、満を持してエレカシのメンバーが登場して、通常のバンド・アレンジで聴かせる新曲、『ズレてる方がいい』! 宮本もこの日初めて立って、ハンド・マイクで歌ってみせる。
いや~、それにしても、この曲は強力だ~。過去のタイアップ曲では間違いなく最強。最初にこのステージの話を知らされたときには、「もしもこの状況でこの曲を弾き語りで聞かされたりしたら、泣かずにはいられそうにないな」と思ったものだったけれど、いざバンドで聞いても、やはり泣きそうになった(実際、僕のまわりでは女性たちがボロボロ泣いていた)。
──というか、この日のこの曲はバンドだったからこそ、なおさら感動的だった。「まだ轟音は怖い」と素直に語る宮本が、ボリュームは控えめながら、仲間たちの奏でる、厚みのあるバンド・サウンドに乗せて歌ってきかせるってんだから、そりゃもう感無量。「あ~、かりそめの夢でも、ないよりはましさ~」という歌い出しのフレーズからして、むちゃくちゃ感動的。なまじ、それまでが弾き語りだったので、ここでのバンド・サウンドには、まるで『オズの魔法使い』でモノクロがカラーになるシーンみたいなインパクトがあった。いやぁ、沁みた、沁みた。エレカシとしての演奏はたった一曲だったけれど、もう最高の大団円でした。
この曲を最後に全員が引っ込んだあと、大きな拍手につづいて控えめにアンコールの手拍子が起こっていたけれど、あれは蛇足。どんな状況でもアンコールするのが礼儀って思い込んでいる人がいるのかもしれないけれど、今回ばかりはアンコールなんてやって欲しくないでしょう。そのあとに流れた公演終了の場内放送を受けて、ひときわ大きな拍手が起こっていたのは、そう思った人たちが多かったからだろう。まともな人が多くてよかった。
今回の野音でひとつだけはっきりしたこと。無期限のライブ活動休止とはいっているけれど、どんなに遅くても、絶対に来年の野音にはエレカシは帰ってくる。その日を楽しみに待とう。まぁ、来年は来年でまた、チケットが取れなかったりしそうだけれど、そうなったらそうなったで、またそのときに悩むとしよう。少なくても、もうエレカシのライブが観られないかもしれない、なんて悩みより、チケットが取れない悩みのほうがよっぽどマシだから。
宮本の全快を、僕なりに心から祈っている。
(Oct 21, 2012)