2010年3月の音楽

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  1. xx / The XX

xx

The XX / 2009 / CD

XX

 ロンドン出身の男女混成スリー・ピース・バンド、The XX──そのまま、ザ・エックス・エックスと読むらしい──のデビュー・アルバム。
 この作品、去年の夏にリリースされた時点ですでに各所で絶賛されていたので、そのときに一度 MySpace で視聴しているはずなんだけれど、なぜだかいまいちぴんとこなくてスルーしてしまっていた。理由はよくわからない。
 それを最近になって、もう一度試しにと思って聴いてみたところ、今度は一発でノックアウト。なんだ、これってどう聴いても僕の守備範囲じゃないっすか。なんで一回目のときにパスしてるんだろう。わけがわからない。
 個人的に受けた印象は、初期のキュアーを男女ディオにして、21世紀風に冷ましたというか、ギャラクシー500をもっとUKっぽくクールにしたとか、そういう感じ。きわめて音数の少ないギター・サウンドが、打ち込みのドラム──ドラマーはいないっぽい──とともに、見事な緊張感をはらみつつ鳴っている。とくべつ斬新なことはしていないのに、すげーかっこいい。
 これはもうセンスの勝利でしょう。ロックは技術よりもまずは感性だという証拠のような作品だと思う。僕のこのところ一番のヘビーローテーション盤です。なかでも一番のお気に入りは4曲目の 『Islands』。
(Mar 07, 2010)