2017年4月の映画

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  1. ダージリン急行

ダージリン急行

ウェス・アンダーソン監督/オーウェン・ウィルソン、エイドリアン・ブロディ、ジェイソン・シュワルツマン/2007年/アメリカ/BD

ダージリン急行 [Blu-ray]

 過去に買ったのに観ないまま放置されているDVDの多さに虚しさをおぼえて、もうこれ以上観たこともない映画をソフトで買うのはやめようと思っているのだけれど(もはや映画はパッケージではなく配信で観る時代ではという気もする)、これは某所のバーゲンであまりに安く売っていたので(だってBlu-rayが一枚540円だよ?)、つい買ってしまったウェス・アンダーソン作品。
 この映画は冒頭から演出がふるっている。くすんだ色合いの映像でビル・マーレイがタクシーを飛ばしてインド(なのかな?)の街中を駅へと急いでいるところを映し出したそのシーケンスは、どことなくヒッチコック作品のようなテイストがある。で、そのまま駅に着いたと思ったら、いきなりかまされる一発ギャグ! わはは、このオープニング最高~。
 本編はオーウェン・ウィルソン、エイドリアン・ブロディ、ジェイソン・シュワルツマンというW・アンダーソン作品ではおなじみの三人が演じる凸凹三兄弟が、母親(アンジェリカ・ヒューストン)のいる修道院をめざす鉄道旅行の道中を描くロードムービー。主に列車車内のシーンを中心に、とくにこれといった山場があるでもなく、三人の旅の顛末がだらだらっとオフビートで描かれてゆく。
 途中にらしからぬ悲劇的な事件が起こったりもするけれど、そんなときでも独特のずれたセンスは健在。全編に脱力をさそうユーモアが満ちている。物語的にはそれほどおもしろいとは思わないけれど、ウェス・アンダーソンのテイストは存分に出ていて飽きさせない。だた個人的な趣味からすると若干お色気が足りない(エロシーンはあるけど)。できればひとりくらい魅力的な若い女性キャラクターがいて欲しかった。
 そういう意味では、このBDは本編にさきだつ映像特典として短編『ホテル・シュヴァリエ』が収録されているのがとても重要。
 これは三兄弟の末っ子のジェイソン・シュワルツマンと元カノのナタリー・ポートマンとの色っぽいやりとりをホテルの一室を舞台に描いたジャン=リュック・ゴダールっぽいテイストの短編で、『ダージリン急行』のパート1と題されている。
 ナタリー・ポートマンは『クローサー』や『ブラック・スワン』のようなきわどい役柄の作品でも脱いでいなかったので、僕は彼女のことを映画では絶対に脱がない女優さんだと思っていたのだけれど、なんとこの作品では惜しげもなくオール・ヌードをさらしている。まぁ、大事なところは見せていないけれど、それでも色っぽいことこの上なし。ナタリー・ポートマンのファンは要チェックです。
(Apr 02, 2017)