2011年7月の映画
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24 -TWENTY FOUR- シーズン7
ジョン・カサー監督・製作総指揮/キーファー・サザーランド/2009年/アメリカ/DVD
前シーズンからじつに2年半ぶり観る『24』のシーズン7。
最近は子供の中学校入学とともにライフ・サイクルが変わってしまって、すっかり映画もドラマも観られなくなってしまったから、さすがに『24』とはいえ、観るのは難しいかと思っていたのに、いざ観はじめてしまったら、あいかわらずのおもしろさ──というかひどさ──に途中でやめられなくなって、あっという間に観終わってしまった。その辺はさすが『24』。よかれあしかれ、つっこみどころ満載で、そこが楽しい。
今回は前シーズンで死んだはずの○○○が再登場するとは噂に聞いていたけれど、それがまた最初から「そうきたか~」というひどい登場のさせ方。どこまでが本当でどこからが嘘かわからなくて、つづきを見ないではいられなかった。
そもそも、前シーズンの展開をすっかり忘れている僕は、すでにCTUが存在しないなんて状況が寝耳に水(もしや誰でも?)。とにかく、このシーズンのポイントはCTUが解体されてしまっていること。イコール、要するにジャックの後ろ盾がいっさいないこと。それなのに、昔通りのめちゃくちゃさでテロリストに立ち向かっていくジャック・バウアーにハラハラし通しだ。
とはいえ、そんなジャックを引き立てるため、シナリオがいい加減もいいところ。アメリカ政府もFBIもあまりに駄目すぎる。いくらなんでもアメリカのセキュリティがそこまで甘いなんてありえないろーって思う。ファイアフォール一枚破られただけで、国じゅうのあらゆるインフラを好き勝手に操れるなんてコンピュータ・システムはあり得ない。FBIも役立たずばっかりだし。どんだけ人材不足なんだ、アメリカ政府。
とはいえ、このシリーズのおもしろさは、そういういい加減な設定にある気がしないでもない。あり得ないというか、あっちゃ困るぜって政府の失態を、ジャックがそりゃないだろうという非道な対応で解決してゆくという。おいおいちょっと待てな展開の連続ゆえに目が離せないという。
こういう現実味を度外視した徹底してベタな盛り上げ方が、このドラマのエポック・メイキングなところかもしれない。まあ、あまり上等な手法とは思わないけれど。
(Jul 31, 2011)