2022 FIFAワールドカップ Qatar (5)

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Index of Semi-Final To Final

  1. 12/13   アルゼンチン3-0クロアチア
  2. 12/17   クロアチア2-1モロッコ
  3. 12/18   アルゼンチン3-3フランス

アルゼンチン3-0クロアチア

準決勝/2022年12月13日(火)/ルサイル・スタジアム/ABEMA

 日本、ブラジルを破ったクロアチア、アルゼンチンの前に散る。
 アルゼンチンがブラジルより強かったかは疑問だけれど、少なくてもこの日のアルゼンチンには運があった。
 先制点のPKとか、あれでファールはクロアチアのGKがちょっと気の毒ではと思ったし、2点目のゴラッソだって、クロアチアのCKからのカウンターで、センターライン付近でボールを拾ったアルバレスが、そこからノンストップでGK真正面まで突っ込んで、そのままゴールを決めるなんて、あんなスーパーなプレーは練習だってできない。途中でクリアにいったDFのミスとかもあったけれど、それにしたってねぇ……。
 後半の駄目押し弾は、あそこまでボールを持ちこんで、マイナスのクロスを入れたメッシが天才。そしてそれを易々と決めたのは、2点目と同じアルバレス。
 アルゼンチンに先制点をもたらしたPKも、もらったのはアルバレスだったようだし、とにかくこの試合の彼はあたりまくりだった。
 まぁ、クロアチアがこの試合もPK戦に持ち込んだらどうなったかも観てみたかったけれど、でも午前4時からの試合で延長戦はつらすぎるので、アルゼンチンが2点差とした時点で、クロアチアには悪いけれど、この試合はもうそのまま終わってくれって気分だった。やっぱ冬場のW杯は駄目でしょう。寒すぎて布団から出るのがつらい。
 準決勝ももうひと試合フランス-モロッコ戦は、モロッコがどれだけ守り切れるかが鍵なんだろう。朝4時に起きてそんな試合なかなか観る気になれないぞ……。
(Dec. 14, 2022)

クロアチア2-1モロッコ

第三位決定戦/2022年12月17日(土)/ハリーファ国際スタジアム/フジテレビ

 準決勝のフランス-モロッコ戦は、やはりちゃんと観られなかった。いちおう朝4時に起きてiPadで観始めたのだけれど、開始わずか5分でフランスが先制する展開にくじけて、途中から目を閉じてしまった。
 ということで、その試合はフランスが2-0で順当に勝ったので、この日の三位決定戦のカードはクロアチア対モロッコ。
 僕は試合を観なかったので気がついていなかったけれど、この両国はグループFの初戦で対戦していた。でもって、そのときの結果はスコアレス・ドローだった。
 W杯で初戦を戦った相手と決勝トーナメントの最後にもう一度戦う可能性ってどれだけあるんだろう。少なくても決勝戦か三位決定戦まで駒を進めないと実現しないはずだから、めったにあることではなかろう。そういう意味でもあっぱれな両国だった。死のグループをグループEといったのはどこの誰だ。正解はグループFじゃん。
 試合のほうは開始わずか7分でクロアチアが先制する意外な展開(クロアチアが先制したのは今大会これが初めてだというから驚く)。セットプレーから、日本戦でゴールを決めたペリシッチが左サイドで折り返したボールを、フェイスマスクをつけた絶賛売り出し中の20歳のCBグヴァルディオルがダイビング・ヘッドで豪快に決めた。
 ペリシッチもグヴァルディオルも今回のクロアチアではとても目立っていた選手なので、そのふたりの連携から生まれた美しい先制ゴールは、クロアチアという国の最終戦を飾るにふさわしい一撃だった。
 対するモロッコはここまで堅守を最大の武器にして勝ち上がってきたのだろうと思っていたのに、フランス戦につづいて試合開始直後の失点に、さすがに連戦の疲れが否めないのかと思ったら、そのわずか2分後にあっという間に同点ゴールを決めてみせたからびっくり。
 得点はこちらもセットプレーから。モロッコが右サイドに放り込んだFKをクロアチアの選手がクリアしそこない、ボールはゴール前への絶妙な浮き球のアシストになってしまう。これをGKの真正面に詰めていた23歳のダリという選手が頭で決めて同点。
 クロアチアにとっては不運な失点だったけれど、あそこでああいうボールが回ってくるところにモロッコの快進撃を支えた運があった気がする。きっちりと守って、ここぞのチャンスをきちんとものにしてきたからこそのベスト4なのだろう。
 ということで開始わずか10分で1-1という予想外の展開になった三位決定戦だったけれど、いったん振り出しに戻ったことで、その後は落ち着いた展開となった。
 次に試合が動いたのは前半の終了間際。右から波状攻撃を仕掛けたクロアチアの猛攻をモロッコがなんとか凌ぎきったかと思ったら、左に流れたボールを18番のオルシッチという選手が右足でシュート。クロスかと思ったそのボールはそのままGKの頭上を越えて右ポストを直撃、ゴールネットに吸い込まれていった。おみごと。
 結局このゴラッソが決勝点。後半はモロッコがボールを持って攻めたてるも、それ以上はスコアは動かなかった。最終的なボール保持率は五分だったし、モロッコは意外とボールもまわせるいいチームだったけれど、最後はクロアチアの経験値が相手を上回った感じだった。
 クロアチアのリヴィコヴィッチとモロッコのボノは今大会でもっとも印象的な活躍をみせたGKだったから、両者のPK戦なんて展開になったら激熱だったけれど、さすがにそううまくはいかない。――というか、病み上がりの身に深夜の延長戦はきついので、モロッコには悪いけれど、ちゃんと90分で終わってくれてよかった。
 ちなみにここまでの成績を確認したら、意外なことにクロアチアはわずか1勝しかしていなかった(グループリーグで1勝、決勝トーナメントに入ってからはドローふたつ)。対するモロッコは3勝。その結果だけみれば、モロッコのほうが3位にはふさわしい気がするのだけれど、やはり2大会連続でベスト4に駒を進めたクロアチアには、その好成績にふさわしいだけのしぶとさがあった。
 さぁ、これで残すところは決勝戦あと一試合! いやぁ、途中から体調を崩してしまったせいで、決勝トーナメントはきつかったぁ。
(Dec. 18, 2022)

アルゼンチン3-3フランス(PK4-2)

決勝/2022年12月18日(日)/ルサイル・スタジアム/ABEMA

 最後の最後になんちゅう試合をしてくれちゃうんだか。
 メッシとエムバペという新旧スーパースターを擁するアルゼンチンとフランスによる決勝戦は、誰ひとり予想もできないような、W杯史上に残る大激戦となった。
 ここまでの内容からすれば、下馬評は圧倒的にフランス有利だったのだと思う。久保建英は「フランスは強すぎるのでほかの国に優勝して欲しい」みたいなことをいっていたし。ABEMAで解説をつとめていた本田圭佑も、解説者という中立的な立場を無視して、あからさまにアルゼンチンを応援していた。
 まぁ、ここ十五年くらい世界のサッカー界をリードしてきたメッシが、最後のW杯で決勝戦まで駒を進めてきたら、そりゃもう有終の美を飾らせてあげたいと思うのが人情ってもの。しかもこの試合でW杯の出場試合数と出場時間の歴代記録を更新したというし。しかも現時点で大会得点王。そんなアニバーサリーな試合だ。誰もがアルゼンチンの優勝を願っても不思議じゃない。連覇のかかったフランスには気の毒だったけれど、世間の風は完全にアルゼンチンびいきに吹いていたように思う。
 あと、アルゼンチン人気の理由のひとつは、対するエムベパがあまりに怪物すぎるってのもあったと思う。今大会の彼はチートすぎた。23歳の彼はこの先まだ3回くらいW杯に出られるだろうし。彼を筆頭にフランスはやたらと若い選手も多いし、今回はメッシに譲ってもよくない?――って。特にメッシに思い入れがない僕にしたって、今回はそう思ってしまうところがあった。
 ということで、試合が始まるまでは若くてフレッシュなフランスの猛攻にどれだけアルゼンチンが抵抗できるのかがポイントなんだろうと思っていたのに、いざ試合が始まって見たら、まったく様相が違った。
 やはり試合間隔の違いが大きかったんだろうか。中4日だったアルゼンチンに対してフランスは中3日。おまけに風邪のような症状で体調を崩した選手が複数いたという話もあった。おそらくコンディションがよくなかったのは本当なんだろう。前半のフランスはまさかのシュート0で終わってしまう。
 対するアルゼンチンは、決勝トーナメントに入ってから一度もスタメン出場してなかったディマリアがこの日はふたたびスタメンに復帰していた。でもグループリーグではずっと右だったのに、この日のポジションはなぜか左。
 え、なんで左?――と思ったら、この起用がズバリ。先制点はディマリアがうしろからデンベレに倒されてもらったPKだったし(決めたのはもちろんメッシ)、見事な連携から崩した2点目も最後に決めたのはディマリアだった。この期に及んで彼を左サイドにもってきたアルゼンチンのスカローニ監督の采配にはびっくりだ。すげー。
 ということで、前半はフランスにいいところがひとつもない一方的にアルゼンチン優勢な内容。でもフランスには怪物エムバペがいる。1点でも返すようだとわからないよな~と思うので一方的な試合なのに意外と緊張感が途切れない(川崎相手に2-0で勝っていても油断ならないのと同じ理屈)。
 とはいえ、後半になってもそのままスコアは動かなかったから、あぁ、これはこのままアルゼンチンが逃げ切って大団円か――と思っていたら、残り時間が10分となったところでドラマが待っていた。
 アルゼンチンがいささかイージーなPKを献上してしまい、それをエムバペが決めて1点差。これで本当にわからなくなったかも……と思ったそのわずか1分後。ふたたびエムバペがとんでもないワンツーからスーパーな右足ボレー弾を決めて、あっという間にフランスが同点に追いついてしまう。マジか?
 試合前は5点で並んでいたメッシとエムバペの得点王争いも、この2点でエムバペが一歩リード。おいおい、エムバペ、空気読まないにもほどがあるだろう。
 同点になったあと試合の流れはすっかりフランスに傾いていたし、これはアルゼンチンが勝つにはもう延長戦もしのいでPK戦に持ち込むしかないって、解説の本田が力説するような展開になっていた。
 でもそんな試合にまたもやサプライズ。延長後半3分にアルゼンチンが右から仕掛けて、よもやのメッシのゴールが生まれる。オフサイドかと思ったシュート直前のプレーはぎりぎりオンサイド! そこから打った最初のシュートはGKのウーゴ・ロリスに止められるも、その跳ね返りにメッシが詰めていた。
 さすがスーパースター、ここで決めるかっ! これでメッシが得点王ランキングでもトップタイ! ここで終われば大団円!――と思ったのに。
 この出来すぎたシナリオに待ったをかけたのがまたもやエムバペだった。延長後半も残り5分を切っているのに、そこからアルゼンチンのハンドを誘ってPKを得て、これを自ら決めてハットトリックで試合を振り出しに戻してしまう。なにそれ……。
 ということで、史上稀なる才能に恵まれた両エースの活躍により、120分を戦って3-3となったところで今回の決勝戦は試合終了。W杯のゆくえはPK戦に委ねられた。
 ここで男をみせたのが、アルゼンチンのGKエミリアー・マルティネス。フランスの2本目を止めて、3本目は枠を外れた。対するアルゼンチンは4本すべて成功。かくして激戦を制して2022年のワールドカップを手にしたのはメッシ率いるアルゼンチンだった。大会MVPももちろんメッシ。でも得点王はエムバペという。ほんとこの人はとんでもないぜ。
 いやはや、ほんと最後の最後にものすごい試合を観させていただきました。間違いなく今大会いちばんの熱戦だった。
 それにしても、初戦でアルゼンチンがサウジアラビアに負けたときにはこんな結末はさすがに想像できなかった。もしかして今大会でアルゼンチンに勝ったのってサウジだけじゃん。それはそれですげー。サウジ大金星。日本もがんばったし(なんと総合9位だそうだ)、とりあえず二度目のアジア地区開催のメンツは立った感じ。まぁ、開催国のカタールは散々だったですけどね。
 ということで、FIFAワールドカップ・カタール大会もこれにて全日程終了~。途中で流行り病に倒れたせいもあって、前回大会よりも十試合近く記録が少なくなってしまったけれど、それでもなんとか最後までたどり着きました。あぁ、疲れた。もうW杯の記録を残すのは本当に今回で最後だな。いい加減、ここいらが限界だなって思った。
 それとも喉元過ぎれば熱さを忘れる……のかな。結論は四年後。
(Dec. 19, 2022)

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