2022 FIFAワールドカップ Qatar (1)
Index of Group Leagues (1)
- 11/20 (A) カタール0-2エクアドル
- 11/21 (B) イングランド6-2イラン
- 11/22 (C) アルゼンチン1-2サウジアラビア
- 11/23 ○ (E) ドイツ1-2日本
- 11/24 (H) ウルグアイ0-0韓国
カタール0-2エクアドル
グループA/2022年11月20日(日)/アルベイトスタジアム(アル=ハウル)/NHK
カタールW杯のはじまり、はじまり~。
とはいっても、森保のせいでまったく気分が盛りあがっていないので、この大会とどう向き合ってゆくか、いまだ心を決めかねている。
そもそも今大会については、なんでカタールでやっているのかも疑問だ。
過去にW杯に出場したことがない国で、わざわざ開催時期をずらしてまでやらせるのはなぜ? しかも日本は韓国との共催だったのに、カタールは単独開催だし。日本より国土は狭く、人口も少ないのに(カタールの人口は250万人だそうだから、日本どころか東京の五分の一じゃん!)。スタジアム建設に絡んで外国人労働者に多数の死者が出ているという話もあるし、おかげで大会をボイコットすべきなんて声も聞こえてくる。
そんな国にW杯開催という特別待遇を与える理由はなにかといえば、もう「
去年の東京オリンピックもそうだったけれど、この手の利権まみれの大会とはできるかぎり距離を置きたいという気分が強くなってきている。おかげで東京五輪はサッカーも含めて百パー無視することになった。
とはいえ、U-23の五輪とは違って今回はA代表。四半世紀も観つづけてきた日本代表の出場するW杯をいまさら観ないという選択肢はない――少なくても現時点ではまだ。それでも気分はまったく盛り上がっていないしで、さてどうしたもんだろうと悩ましい思いでいるうちに大会も始まってしまった。
――って、なんだかんだ毎回同じようなことで悩んでいるような気もする。
まぁ、てなわけで、ずいぶんとW杯に対する熱も冷めてきていることだし、今回はあまり無理をせず、観られる試合だけ観て、書く気になった試合についてだけ記録を残してゆこうと思います。次の大会は本当に観ないかもしれないし。ならば今回あまり無理をしても仕方ない。適度な距離感を保ちながら、適当につきあってゆこうと思う。
――ということで、まずは開催国カタールの開幕戦。対するは先月の日本での親善試合の記憶も新しいエクアドル。
いやしかし、ひどい試合だった。もう始まりからひどかった。試合開始のカウントダウンが終わらないうちにキックオフしちゃったのにはびっくりだよ。締まらないにもほどがある。でもって、開始わずか2分でエクアドルのゴールが決まって、それがあっという間にVARで取り消しになるという疑惑の判定。
あまりにもわかりにくいオフサイドだったので、あとでリプレイで説明を受けても、最初のうちはどうしてオフサイドなのかわからなかったから――GKと競ったエクアドルの選手がボールに触った時点で、その奥にいた人の右脚が出ていたってことなんですよね?――もしや審判が買収されてんじゃないかって思ってしまった。すみません。
いずれにせよ、釈然としないノーゴールの判定だったので、これでエクアドルがリズムを崩したらかわいそうだなと思っていたんだけれど、そんな心配はいらなかった。エクアドルとカタールでは実力が違いすぎた。
その後たいして時間もかけずにエクアドルがPKを得て先制。さらには見事な連係から追加点をあげて、前半30分までに試合の趨勢を決した。
得点はどちらも13番のエネル・バレンシアという選手。トルコのフェネルバフチェ所属で、エクアドル代表の歴代トップ・スコアラーだとかなんとか。取り消しになった先制ゴールもこの人だったから、VARが介入していなかったら、いきなり開幕戦でハットトリックだったのに。惜しい。
なんにしろ、エクアドルのサッカーはパスまわしが的確で、技術もしっかりとしていて、観ていて楽しかった。やっぱ今回のエクアドルはいい。
対するカタールはひどい出来だった。いいところがひとつもなかった。枠内シュート数0では勝てない。開催国にしてこの内容ってなんなんだ。いまごろ関係者がW杯を誘致したことを悔やんでいるんじゃかろうか。どうして三年前のアジア杯で日本がこの国に負けたのか、不思議でしょうがないよ。
間違ってもオランダがこのカタールに負けるとは思えないので、この日の黒星でカタールのグループリーグ敗退はほぼ決まりでしょう。開催国が開幕戦で負けたのはW杯史上初だそうだけれど、いまのままでは下手したら三連敗もあり得るんじゃないだろうか。あーあ。お気の毒さま。
(Nov. 21, 2022)
イングランド6-2イラン
グループB/2022年11月21日(月)/ハリーファ国際スタジアム(ドーハ)/NHK
この試合の感想はただひとこと。イングランド、強えぇー。
対するイランも入り方は悪くなくて、前半の途中まではバランスよく守れていたので、そのまましのいで後半勝負に持ちこめれば、なんとか勝負になるかと思ったら……。
ちょっと今回のイングランドはレベルが違いすぎた。いまだゴールが決まらないうちから、すでに得点の匂いがし始めていた。
なによりいいなと思ったのは、イングランドの攻撃から「サッカーはゴールを奪うスポーツなんだ」という明確な目的意識が感じられたこと。
わけもなくボールを蹴っているわけじゃないんだぜって。得点を決めるために前へとボールを運んでいるんだ。だからきちんとシュートで終わるんだって。そんな共通意識が選手全員のプレーから伝わってくる。それがすごくよかった。
とにかく攻撃に対する意欲が明確でバリエーションも豊か。右からも左からもクロスが上がる。でもって、あがった先にはちゃんとあわせてくる選手がいる。アジアでは未知のレベル。さすがにこれは止められない。
果たして前半35分には右からのクロスに話題の19歳ジュード・ベリンガムが頭であわせて先制。この場面ではベリンガムもあわせて5人もの選手がペナルティ・エリアに入り込んでいた。それってフィールド・プレーヤーの半分だよ? これだけ厚く攻めれたら、さすがにお手上げだ。
その後もペナルティ・エリアでのこぼれ球をブカヨ・サカという21歳の黒人選手が抑えた見事なシュートで決め(サカは後半にも個人技で2点目を決めた)、さらにはハリー・ケインの右からのクロスに、中央に走り込んだラヒーム・スターリングが右足アウトサイドのジャンピング・ボレーであわせて3点目。前半だけで勝負ありだった。
イランは前日のカタールと同じく、5バックで守備的な戦い方を挑んだのだけれど、イングランドの攻撃力の前にまったく歯が立たず。日本代表が守備的なチームに苦戦すると、引いて守る相手を崩すのは難しいなんて言われるけれど、本当に攻撃力のあるチームは5バックで守る相手もまったく苦にしないんだって、この日のイングランドが証明していた。いやはや、素晴らしかった。
結局イングランドは後半にも3点を奪い、計6点の荒稼ぎ。まぁ、イランも9番のタレミという選手の見事なシュートで一矢報いたし、後半ロスタイムにはPKを得て2点目もゲットしたけれど、でも最終スコアは6-2でイングランドの圧勝だった。
イランにとって不運だったのは、開始わずか10分でGKが味方と接触して怪我をして交替になってしまったこと。正GKの交替も大量失点の要因だったのかもしれない。とはいえ、アジア予選ではほとんど失点しなかったというイランの守備がW杯の初戦でここまで崩されてしまうなんて……。やっぱアジアと世界ではレベルが違った。
あと、この試合はアディショナル・タイムが異常に長かった。前半に怪我をしたのがGKだったため、交替が決まるまで試合が再開できなかったせいで、アディショナル・タイムが14分もあった。後半もなぜだか10分という表示で、加えて最後にVARによるPKがあったから、実質は前半と同じくらいだった。つまり合計で30分近くもロスタイムがあったことになる。45分ハーフのはずが、前後半ともに一時間ずつって。通常の三割増し。選手もさぞ疲れたことだろう。
そういや、なにげにサプライズだったのは、イランの監督がカルロス・ケイロスだったこと。イランとは喧嘩別れしたんじゃなかったでしたっけ? まさか本大会直前になって復帰しているとは思わなかった。復帰早々の惨敗、お疲れさまでした。
(Nov. 22, 2022)
アルゼンチン1-2サウジアラビア
グループC/2022年11月22日(火)/ルサイル・スタジアム(ルサイル)/ABEMA
サウジアラビア大金星!
開始わずか10分でVARの介入を受けてPKを取られ、これをメッシにきっちり決められたときには、あぁ、これも一方的な試合になっちゃうんだろうなぁって思ったものだけれど、まさかまさかの逆転劇が待っていた。
なんの因果か、開幕からこの日までの三日間に僕が観た試合はすべてアジアの国の試合だった。四日目には日本が出るし、その次の日には韓国も観る予定なので、実際には五日間までずっと。しかも対戦相手は開催国のカタールを除けば、みんな強豪国ばかり。イランはイングランド、サウジはアルゼンチン、日本はドイツ、オーストラリアはフランス、韓国はウルグアイ。いきなり出鼻をくじかれる感が半端ない。
でもって実際にカタール、イランはまったくいいところなく負けた。なので試合前はサウジも同じ轍を踏むかと思っていたのに、ところがどっこい。
試合が始まってみると、いささか様相が違う。5バックで引いて守ることを選んだ前のふたつの国とは違い、サウジは4バックでハイラインを押し上げ、強豪アルゼンチンの攻撃をしっかりと受け止めて反撃に出ようとする姿勢が見えた。
これはもしや、そんなに悪い試合にはならないのかも?――とか思っていた矢先のPK献上だ。あぁ、やっぱサウジも駄目か……。
と思ったのに、あっぱれ、そこからサウジは崩れなかった。いや、何度となくゴールを脅かされてはいたけれど、最終ラインをセンターラインの近くまで押し上げつづけてオフサイドを誘発し、一度も裏を抜けさせなかった。
実際にこんなにオフサイドが多い前半も珍しい。そのうち一度はきれいにゴールネットを揺らされながら、VARに救われたものだった。あれで勝負ありかと思ったけれど、ノーゴールになって本当にラッキーだったよねぇ。あまりのオフサイドの多さに、途中からはアルゼンチンの選手たちも苦笑していたくらいだった。
逆にいえば、そこにアルゼンチンの油断があった気がする。前半にあそこまで一方的な試合をしていた国が、まさか後半が始まるなり逆転されるなんて、誰だって夢にも思わない。しかもアルゼンチンはここ36試合負けなしって話だ。FIFAランキングは3位だ。そんな国がなぜに知っている選手がひとりもいない51位の国を恐れよう?
でもそこに落とし穴があった。前半はほとんど防戦一方だったサウジが、後半が始まったところから果敢に攻めて出る。そして左サイドからの豪快なシュート2本で、後半わずか8分でよもやの逆転を成し遂げてしまう。
すっげー。ひとりで観ていたのに思わず拍手してしまった。
殊勲の得点者は11番のアルシェハリと、10番のアルダウサリ。要するにエース・ナンバーをつけたふたりがちゃんと仕事をしたわけだ。前者は左足、後者は右足だったけれど、似たような形の見事なシュートだった。
ということで、あっという間に逆転を成し遂げたサウジアラビア。とはいえ後半は始まったばかりだ。残り時間はまだまだある。さすがにそのまま逃げ切るのは無理だろうと思ったのに――。
よもやメッシ率いるアルゼンチンが、そのあと1点も奪えずに試合終了の笛を聴くことになろうとは……。
サウジのなにがすごいかって、メンバーが全員国内リーグ所属だってこと。日本に例えれば、Jリーグ選抜で戦ってメッシに勝っちゃったって話なわけで。そんなことできひんやん、普通(「大迫はんぱない」風)。
聞けば、どこの国も欧州リーグ中の開催のため準備期間がほとんどとれない中、サウジは十月なかばから合宿を組んで練習に取り組んできたという。国内リーグ所属選手しかいないからこそできることだけれど、連係そっちのけで選手選考ばかりを繰り返している森保の日本代表とはまったく対照的だ。
でも、そうやって連携をきちんと高めてきたからこそのこの日の金星だろう。本当にそこのところが素晴らしいと思う。指揮を取るフランス人監督のルメール氏に幸あれ。俺もそういう監督が率いる日本代表が観たかったよ……。
同じ日の第四試合でオーストラリアがフランスに4-1で粉砕されたので、ここまでのアジア勢の対戦成績は1勝3敗。殊勲のサウジアラビアを除いて、あとはみな惨敗。
さて、大会四日目にいよいよ登場する日本の運命やいかに――。
(Nov. 23, 2022)
ドイツ1-2日本
グループE/2022年11月23日(水)/ハリーファ国際スタジアム(ドーハ)/NHK
今回のW杯は始まる前からずっともやもやした気分が、この日の日本代表の勝利でようやくクリアになった。
森保が嫌いすぎて、日本代表に勝って欲しいんだか、負けて欲しいんだか、わからなくなってしまっていたのだけれど、この一勝で心の整理がついた。これはもう諦めるしかないなと。
W杯でドイツに勝ったんだから、もう森保の続投は決定的でしょう?
ならばもういいや。とりあえずこの大会はちゃんと日本代表を応援する。こうなれば勝てるだけ勝って欲しいと思う。
でも、だからといって、いまさら森保を好きになるのは無理だ。俺はきらいな人ってほとんどいないんだけれどな。森保だけは駄目だ。四年半にわたって蓄積しつづけてきた鬱憤が許容量をオーバーしてしまって、もはやまったく受け入れる余地がない。もう顔を見るのも嫌だ。
なのでこの大会が終わったら、これを最後に日本代表の試合を観るのはやめる。少なくても森保が監督のうちはもう日本代表は観ない。
まぁ、次のW杯やアジア杯になったらまた気が変わるかもしれないけれど、少なくても親善試合やW杯予選なんかはもう観ないでいい。趣味のサッカーで年がら年じゅうストレスを感じているのも馬鹿みたいだから。
四半世紀にわたる日本代表の観戦記録が途切れてしまうのは忍びないけれど、もうこれ以上サッカーにいらいらさせられるのはまっぴらごめんだ。俺にはほかにもやることがいくらでもあるのだから。森保サッカーを観ていらいらしているくらいならば、そのぶん一冊でも多くの本を読もう。
ということで、森保ジャパンを観るのもこの大会が最後だ~!
――と思ったらすごく気分がすっきりしました。もうこれっきり森保のサッカーを観ないで済むと思うと本当にせいせいする。どんだけ嫌いだったんだ、森保のこと。
さて、そんな僕が大嫌いな森保一くんが歴史的快挙を成し遂げたカタールW杯の日本代表の初戦・ドイツ戦。
大会緒戦に挑むにあたって、森保が選んだスターティング・イレブンは、GK権田、DF酒井宏樹、板倉、吉田麻也、長友、MF遠藤航、田中碧、伊東純也、鎌田、久保建英、FW前田大然という顔ぶれだった。
なんで去年の五輪ではほとんど使わなかった前田を、その一年半後のW杯でスタメン起用するのさ――って、スタメンを見た時点で森保の計画性のない選手起用にうんざりしたりしたのだけれど。
でも日本のファースト・シュートはその前田の、伊東純也との見事なコンビネーションよるカウンターだった(結果はオフサイドだったけれど)。あの時点ですでにこの日の森保采配はずばりだった気がする。
あと、直前になって怪我人が続出して、冨安や守田、三笘らをスタメンで起用できなかったのは森保にとってはかなりのハンデだったと思う。そういう不利を乗り越えての逆転勝利だけに、なおさら価値がある。まさに値千金。
とはいえ、前半の出来は散々だった。まったく攻め手がなく防戦一方。
ドイツもブンデスリーガ所属選手の多い日本代表を警戒したのか、入り方はゆっくりで、序盤は最終ラインでボールをまわすばっかりだった。そんな迫力のないドイツを観て、僕はけっこう驚いた。え、ドイツってこんなもの?――って。
なまじ二日目のイングランドが強烈だったので、あちらに比べるとドイツはぜんぜん与しやすく思えた。知っている名前はノイアーとミュラーしかないし、19歳の俊英・ムシアラのほか五輪代表世代の選手もスタメンに名を連ねているという。
つまり今回のドイツは世代交替の過渡期にあって、万全とはいえないってことだろう。FIFAランキングも11位まで下げているし、いくら強豪とはいえ、いまの状態ならばそんなに恐くなくない?
――と思ったのに、そんなドイツを相手に前半の日本は耐え忍ぶのみだった。オフサイドになった前田のシュートの場面以外、まったくいいところなく前半を終えた。しかも権田のまずいプレーでPKを献上して先制点を奪われる始末。
今回のW杯ではFIFA公式サイトのボール保持率のデータが三分割されていて、敵・味方のほかにルーズボールみたいな区分が加わっていることもあって、前半の日本のボール保持率はわずか10%台だった。なにそれ? 受け身にもほどがある。
そんな試合の様相が一変したのは、日本が後半の頭から久保をさげて冨安を入れて、フォーメーションを3バックに変更してからだった。
その後も長友→三笘、大然→浅野、さらに碧→堂安、酒井→南野と選手を入れ替えて、いつになく攻撃的な布陣へと舵を切ったと思ったら――。
最後の交替で入った南野のファースト・タッチからまさかの同点ゴールが生まれる。
右サイドを三笘が得意のドリブルで攻め上がり、左サイドに開いた南野にパス。
南野が角度のないところから左足を振りぬいて打ったシュートはノイアーに止められてしまうも、そのこぼれ球を堂安が豪快なボレーシュートでゴールネットに突き刺してみせた。なんちゅう素晴らしい連携! それが後半30分。
この1点でも驚きなのに、さらなるサプライズがその8分後に待っていた。
板倉がFKから蹴り込んだロングボールに浅野が反応して、相手DFと競りあいながらそのままドリブルでゴール右隅まで侵入して右足一閃! まさかのゴラッソを決めてみせる。マジかーーーーーー。
この大一番で浅野が世界中を震撼させるようなゴラッソをたたき込むなんて誰が予想できたかって話で。いやはや、おみそれしました。なぜ大迫ではなく浅野――とか思っててごめんなさい。
同点弾は途中出場の三人の連携から生まれたものだし、逆転弾はこれまた途中出場の浅野の個人技だ。ここまで見事に森保の交替策がはまったのって初めてじゃなかろうか? それがこのW杯の大舞台って。なんちゅう巡りあわせだ。
終盤は両サイドウィングが伊東純也と三笘という超攻撃的な布陣になっていたから、守備面では不安もあったけれど、日本はそのままなんとか逃げ切って、ドイツを相手に歴史的な勝ち点3をあげてみせた。森保、嫌いだけれどあっぱれだわ。
同じグループEのもう一試合では、スペインがコスタリカを7-0と完膚なきまでに叩きのめしている。ドイツに勝った日本がそんなコスタリカに負けるとも思えないので、これでグループリーグ突破の可能性はかなり高くなったんじゃないだろうか。
そうそう、この試合で勝ったことに劣らず素晴らしかったのは、両チームともにイエローカードが一枚も出なかったこと。あれだけぎりぎりの戦いをしていながら、最後までフェアプレーを貫いているのがすごい。なまじアジアのほかの国はラフプレーが多いので、なおさら我らが日本代表が誇らしくなった。
(Nov. 24, 2022)
ウルグアイ0-0韓国
グループH/2022年11月25日(木)/エデュケーション・シティ・スタジアム(アル・ライヤーン)/フジテレビ
グループリーグの第一節もこの日が最終日。
アジア勢のとりを飾って登場した韓国もウルグアイ相手に健闘した。結果はスコアレス・ドローだったけれど、内容は決して悪くなかった。
韓国というと、ここ二年の日韓戦での出来がさんざんだったので、今大会は駄目なんじゃないかと思っていたのだけれど、そこはさすがにアジア最多出場国のプライドを賭けてか、本大会に向けてきっちりと仕上げてきたっぽい。
以前の荒っぽいイメージはどこへやら、ファールもそれほど多くなかったし、組織としてのまとまりのよさを感じさせた。パウロ・ベント監督、意外とできる人だったのかもしれない(失礼)。
それとやっぱり韓国にはソン・フンミンという絶対的エースがいるのがでかい。彼のプレーってあまりちゃんと見たことがなかったけれど、さすがプレミア・リーグの得点王だけあって上手いっすね。チャンピオンズ・リーグの試合で顔面骨折したとかで、フェイスガードをつけていたからコンディションは万全とはいえなかったんだろうけれど、それでも存在感は抜群だった。
そのほかスタメンには元Jリーガーが6人いたそうだ。僕がわかったのはGKのキム・スンギュとチョン・ウヨン、ナ・サンホくらいだった。キム・スンギュっていま中東でプレーしてんのか。へー。
対するウルグアイにはいまだスアレスやカバーニがいた。ゴディンやヒメネスも名前には聞き覚えがあるし、イングランドやドイツがすっかり世代交替していたので、前大会から引きつづき出場している選手が多いと、なんとなく嬉しい。これぞW杯って気がする。
とはいえ、さすがにスアレスも年なのか、かつてのような迫力は感じさせなかったし、カバーニも途中出場だった。いま現在の攻撃の柱はリバプール所属のヌニェスという23歳の選手らしい。
なるほどこの子は目立っていたけれど、残念ながらこの日はかつての先輩たちのような決定的な仕事はできていなかった。
ちなみにヌニェスって名前は早口言葉にもってこいだよね。さぁ、三回つづけていってみよう。ヌニェス、ヌニェス、ヌニェス。僕にはまったくいえる気がしません(なぜだかキー入力もおぼつかない)。きゃりーぱみゅぱみゅといい勝負だ。
ということで、ともにプレミア・リーグのストライカーを擁する両チームの対戦は、お互いに無得点のまま痛み分けのドロー。韓国とウルグアイの試合って、なんとなく得点が動くイメージがあるから――イメージ、あくまでもイメージ――スコアレスで終わったのはいささか意外だった。
このグループにはポルトガルがいるから、どちらも勝ち点1じゃ喜べないだろうな。
(Nov. 25, 2022)