2024年12月のサッカー
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- 12/08 ○ 鹿島3-1町田 (J1・第38節)
鹿島アントラーズ3-1町田ゼルビア
J1・第38節/2024年12月8日(日)/カシマサッカースタジアム/DAZN
神戸、広島、町田の3チームに優勝の可能性を残して行われた2024年の最終節。
まぁ、対戦相手は首位・神戸が15位の湘南、2位の広島は4位ガンバとの上位対決、3位の町田も5位の鹿島との対戦だったので、最初から神戸有利な状況ではあったんだけれども。
結果は首位の神戸が3-0で快勝して、連覇を成し遂げた。広島、町田ともに負けたので、もしも神戸が負けていても順位は変わらなかったわけだ。まぁ結果論ではあるけれど。とりあえず、今季ここまでリーグ戦とルヴァン杯で町田に2連敗していた鹿島が、最後に一矢報いて終わったのがなによりだった。
この日の鹿島のスタメンは、早川、三竿、植田、関川、安西、知念、柴崎、名古、樋口、師岡、優磨の11人。途中出場は仲間、藤井、徳田、船橋の4人だけだった。
対する町田は、もとから昌子がいるところへ、夏の補強で相馬、白崎、杉岡という元・鹿島の選手たちを獲得していて、この試合では杉岡以外の3人がスタメンに名を連ねていた。あと、ベンチ入りしていなかったけれど、20年以上前に鹿島でプロデビューした中島裕希も所属していて、10月にゴールを決めていてびっくりだった。まだプレーしてたのか! しかも、もう40歳ってマジか!
町田はパワハラで鳥栖を追われた
まぁ、いずれにせよ、現時点での町田には、かつて鹿島でプレーしていながらポジションを確保できずに移籍していった実力派がたくさんいる。そんな昔の仲間たちが、今回は敵として、優勝の可能性を残したまま、鹿島に乗り込んでくるというのだから、これはもう熱戦必至。どんな試合になるのかとても楽しみだった。
でも結果は前半で3ゴールを決めた鹿島の快勝。2点先制したあと1点差に迫られたときにはさすが3位は伊達じゃないと思ったものだけれど、前半のロスタイムに優磨の今季15ゴール目が決まったことで趨勢は決した。
鹿島のゴールはすべてカウンターからの個人技。師岡、樋口、優磨、それぞれ素晴らしいゴールだった。
町田のゴールはCKからのセットプレー。相馬がニアに蹴り込んだグラウンダーのボールを左サイドで折り返し、フリーになっていた下田北斗という人が鮮やかに決めた。あれはお手上げ。美しすぎた。
でもまぁ、この失点もいちおうセットプレーからだし、ついに中後は就任後、流れからは1点も取られずにシーズンを締めてみせた。あと、今シーズンはホームでは負けなしだそうだ。あっぱれ。
4位のガンバも勝ったので、鹿島は今年も5位でのフィニッシュとなった。得点王はF・マリノスのアンデルソン・ロペス(24得点)。降格は磐田、札幌、鳥栖の3チーム、昇格は清水、横浜FC、岡山の3チームに決まった。岡山は初のJ1昇格だ。おめでとー。あと、興梠や広島の青山が今季で引退するそうだ。
ということで、2024年のJリーグもこれにて全日程終了。来年の開幕戦は2月14日(バレンタインデー)とのこと。つまりゼロックス杯は2月8日? 寒そうだな。
春秋制での開催は来年が最後だから、鹿島にはぜひとも有終の美を飾って欲しい。
ということで、ここからは二ヵ月のウィンターブレイク。それではまた来年。
(Dec. 11, 2024)
ヴィッセル神戸0-2サンフレッチェ広島
FUJIFILM SUPER CUP/2024年2月8日(土)/国立競技場/日本テレビ
2025年シーズン開幕直前!
去年はヴィッセル神戸がJ1王者が天皇杯も制して二冠を達成したので、今年のスーパーカップはJ1・1位の神戸と2位・広島の対戦となった。
いやしかし。スーパーカップが「ゼロックス杯」ではなくなって、もう三年もたつのに、いまだに慣れない。「富士フィルム杯」や「フジフィルム杯」という言葉を使っているメディアも少ないし、頭の中ではいまだ「ゼロックス杯」のまんま。来年から秋春制に移行する関係で、現行制度での実施は今年限りだというので、来年か再来年から仕切り直したあとは、もうちょっと呼びやすい呼称をつけてくれると嬉しい。
さて、そんなわけでJリーグ開幕一週間前の前哨戦。
今年はいきなり神戸のスタメンに驚いた。
大迫、武藤(昨年度MVP!)、扇原、高徳、マテウス・トゥーレル、前川といったレギュラー陣がそろってベンチ・スタート。知っている名前が、山川、岩波、斎藤未月、佐々木大樹くらいしかない。
あ、あと小池裕太。3トップの左に入っていたので、それがかつて鹿島にいた小池だと途中まで気がつかなかった(画面右下に表示された顔写真を見て、「あの小池か!」と驚いた)。広瀬といい、小池といい、元鹿島のサイドバックを最前列で起用している吉田孝行が、独自のビジョンを持っているのは確かみたいだ。
なんにしろ、この日の神戸は思い切りスタメンを落としてきていた。なんでこんなことを?――と思ったら、中2日でACLがあるとのことだった。
なるほど。名目上はタイトルマッチといっても、比重はこの試合よりもACLのほうが上ってことだ。
確認したら、対する広島も中3日でACLの試合があった。でも、こちらは二部のACL2で、対戦相手のレベルが下がるし、しかも現時点でグループ首位を維持しているということで、おそらくこれがベストだろうと思う布陣を組んできた。
塩谷、荒木、佐々木という実力十分な3バックを配した3-4-2-1。ワントップには新加入のジャーメイン良を擁している。なじみがないのは、中野と中島という若い二人だけ。
中島洋太朗は父親と同じ背番号35をつけた二代目Jリーガーだとのことで(ネットで父親の写真を見たらそっくりだった)、なんとまだ18歳。でもそうとは思えない堂々たるプレーぶりだった。さすがこのメンツに割って入るだけのことはある。末恐ろしい。
途中出場で後半30分過ぎに出てきた明大卒ルーキーの中村草太も、濃野が「自分以上のポテンシャル」だと評価している噂だし、スキッベ体制四年目となる今年の広島はいろいろやばいかもしれない。
とにかくこの日の広島と飛車角落ちの神戸では勝負にならなかった。前半に移籍2年目のドイツ人、トルガイ・アルスランのヘディング――中野の優しいクロスにステップバックして合わせた――で先制した広島が、後半にも荒木のヘディングで追加点をあげて、そのまま2-0で逃げ切り。
広島はとにかくサイド攻撃が強力だった。特別背が高い選手が多い印象でもないんだけれど、やたらとヘディングで合わせるシーンが多かった。
神戸もまだ1点差だった後半途中から大迫や武藤を入れて反撃に出たけれど、時すでに遅し。シュート数は6-15、その他あらゆるスタッツで広島を下回っていたので、スタメンを温存した時点で納得の敗戦でしょう。でも大怪我で去年を棒にふった斎藤未月が、山口蛍が抜けた中盤の底でフル出場を果たしたのは大きいだろう。
いずれによせ今年のJ1でもっともやばいのは広島っぽい――とか思ったチームが活躍したことがない気もする(見る目なし)。
(Feb. 11, 2025)