2024年7月のサッカー

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  1. 07/06 ○ 鹿島2-0札幌 (J1・第22節)
  2. 07/14 ● 横浜FM4-1鹿島 (J1・第23節)
  3. 07/20 ○ 鹿島2-1F東京 (J1・第24節)
  4. 07/24 ● ブライトン5-1鹿島 (親善試合)

鹿島アントラーズ2-0北海道コンサドーレ札幌

J1・第22節/2024年7月6日(土)/カシマサッカースタジアム/DAZN

 ここのところ4試合連続白星なしという状況で迎えた、現在7連敗中だという最下位・札幌との試合。
 まぁ、順位(鹿島は2位)からすれば勝って当然という試合だったけれど、そう簡単には勝たせてもらえない。前半はスコアレスのままの折り返しとなった。
 出場停止明けの優磨が戻ってきた一方で、海外移籍が決まった海舟が離脱したため、スタメンは、早川、濃野、植田、関川、安西、柴崎、知念、樋口、師岡、名古、優磨の11人だった。途中出場はチャヴリッチ、藤井、パレジ(ひさびさ)、土居&須貝。
 海舟のところに柴崎が入ったのは予想通りだけれど(祝・今季初スタメン!)、仲間ではなく師岡を左サイドで使い、前節につづいて樋口をスタメン起用してきたところが意外だった。まぁ、その樋口もこれといった見せ場もなく、前半だけでチャヴリッチと交替してしまったのだけれど。
 試合が動いたのは後半。鹿島の2ゴールはどちらも鈴木優磨のアシストだった。
 後半16分の先制点は、優磨がセンターライン付近からキラーパスを出し、それをDFラインの浦へ抜け出して受けた師岡が右足で豪快に決めた。師岡はこれがJリーグ初ゴール。そうか、いまだノーゴールだったか。それはおめでとう。
 追加点は右サイドからファーへと蹴り込んだ優磨のクロスを、途中出場の藤井がゴールライン深くの角度のないところで、ジャンピングボレーで合わせたもの。え~、そんなの決まる?――とびっくりするようなシュートだった。
 以上2ゴールをクリーンシートで守り切って鹿島の順当勝ち。やっぱ鈴木優磨がいるといないでは違うということを、よくも悪くも痛感させられた一戦だった。
 まぁ、これから次第に柴崎もコンディションが上がってくるだろうし、キャプテンマークをつけた彼がどれだけチームをひっぱってゆけるか、今後に期待だ。
 札幌は今季は最後までペトロヴィッチと戦う覚悟を決めたという噂なので、その心意気やよし――と思っていたけれど、でもここまで連敗がつづくと、その決意もくじけそうで心配。やっているサッカーは悪くないと思うのだけれど、でも5試合連続無得点というのはねぇ……。
 それでも鈴木武蔵のワントップに、二列目に小林祐希、駒井という布陣は、けっこう感じだった。あと、神戸から移籍してきたばかりの大崎玲央がボランチの位置でプレーして、攻守に存在感を発揮していた。彼ってこんないい選手だったっけ?――とびっくりした。
 話は変わるけれど、この試合の二日前に、佐野海舟、垣田裕暉の移籍が発表された。海舟はある程度覚悟していたものの、垣田は寝耳に水。もしや前節のベンチ入りはチームを離れる彼に対するポポヴィッチからのはなむけだったのか……。
 それにしても、去年岩政の下でFWのファースト・チョイスだった選手が、監督が替わった途端に出番を失って、わずか半年足らずで完全移籍してしまおうとは……。
 まぁ、垣田の移籍先であるレイソルとは今季まだ対戦が残っているので、古巣対決で顔合わせするのを楽しみにしていよう。でも恩返しのゴールはいらないぜ。
(Jul. 10, 2024)

横浜F・マリノス4-1鹿島アントラーズ

J1・第23節/2024年7月14日(日)/日産スタジアム/DAZN

 やはり佐野海舟が抜けた穴がでかいのか――。
 という文章を書こうと思っていたら、その海舟が性的暴行容疑で逮捕されてしまった。いったいなにをしているんだか……。
 この試合に勝って連敗を止めたにもかかわらず、キューウェル監督は解任されてしまったし、試合のあと3日ばかりサボっていたら、世界の様相がずいぶん変わってしまったみたいな気分になっている。
 いやしかし。マリノスは4連敗中だというのでシーズン・ダブルのチャンスかと思っていたのに、やっぱJリーグはそんなに甘くなかった。先制したのにこてんぱんにされてしまった。
 この日のスタメンは、早川、濃野、植田、関川、安西、柴崎、知念、師岡、仲間、名古、優磨の11人。つまり先月の固定スタメンから移籍した海舟をはずして、かわりに柴崎を入れた形だった(途中出場はチャヴリッチ、藤井、樋口)。
 現時点ではこれがもっともポポヴィッチが信頼できるイレブンなんだろうから、期待できるかと思ったのに、残念ながら駄目。
 まぁ、セットプレーから知念がヘディングで今季初ゴールを決めて先制したときにはお~、ようやく知念が決めた! これはいけるか!――と思ったものの、先制しても守り切れないのが今年の鹿島。この日も前半のロスタイムに同点弾を浴びてしまう。
 早川がゴール前に放り込まれたロングボールをジャンプして弾きだそうとしたところ、ボールが敵にあたってゴール前に詰めてきていた天野に渡ってしまった。これを天野がきっちりと決めて同点で前半終了。
 リプレイでみると、早川が触っていなければ、そのままゴールラインを割っていたっぽいので、まぁ、早川のミスといえばミスかもしれない。でも今季は彼のファインセーヴに救われたシーンも多いので、ああいうプレーで彼を責める気にはなれない。まぁ、アンラッキーだったということで。
 そういう意味では後半7分に許した逆転ゴールも同じ。敵の右CKからニアのエドゥアルドが頭でワンタッチしてファーに流し込んだボールがポストにあたってゴールインしてしまった。あんなの狙ったってできない。守りようもない。
 まぁ、ここまでの2失点は運がなかったから仕方なし。
 駄目なのはそのあとの2点。エウレルに個人技で決められた3点目はあまりにあっけなかったし、後半ロスタイムのラストプレーでマイボールをロストしたところからフィニッシュまで持っていかれた4点目も無駄すぎる(決めたのは途中出場の植中という選手)。この2点に関してはチームとして集中力を欠いていた感が否めない。
 今季ここまでノーゴールだったエドゥアルドとエウレルに初ゴールを許して、前半後半のアディショナルタイムに1点ずつ奪われるって……。
 なにそれ? 伝統の鹿島が泣いているぜ。
 ここまで守備が脆いとやっぱり海舟の抜けた穴が……って気になる。海舟と柴崎のトレードオフだったら守備力が下がるのは致し方ない。あとはどれだけ攻撃力のアップが見込めるか、だけれども、残念ながら現時点ではプラマイでマイナス寄りの印象。
 まぁ、三竿健斗の復帰が発表されたので、彼が戻ってくれば守備面はそれなりに改善されるんだろう。あとは柴崎がこの先キャプテンらしい活躍を見せてくれることを願うばかりだ。
(Jul. 18, 2024)

鹿島アントラーズ2-1FC東京

J1・第24節/2024年7月20日(土)/カシマサッカースタジアム/DAZN

 チャヴリッチがひさびさにスタメン出場!――と喜んだのもつかの間。
 前半わずか10分たらずで足を痛めて途中交替。あぁ、サッカーって得てしてこういうもんだよねぇ……。
 ということで、そこから先は仲間を入れて、前節と同じメンバー構成で戦ったFC東京戦。いきなりトラブルで始まった試合だったけれど、結果的には2-1で勝ててなによりだった。
 先制点は前半30分の名古。柴崎のスルーパスを受けて中央でフリーになった優磨がドリブルで攻め上がり、左サイドの仲間へと展開。仲間からの折り返しのクロスを優磨がスルーして師岡がシュート。その跳ね返りを名古が右サイドの角度のないところから落ち着いて決めた。キャプテン柴崎が起点となって、攻撃的なポジションにいた全員が絡んでの見事なカウンター攻撃だった。
 でも先制してもそのままでは終わらないのが今季の鹿島。この日も前半残り5分で同点弾を浴びてしまう。
 ロングボール一本でDFラインの裏を取った遠藤渓太が、こちらも角度のないところから思い切りよく打ったシュートが植田にあたって微妙にコースが変わってゴールイン。このところ前半の終わりに失点することがが多いのは今後の課題だ。でもまぁ、あれは積極的にシュートを打っていった遠藤が偉かった。
 勝ち越しゴールは後半すぐ。安西のロングボールが起点となったカウンターから、最後はゴール前の混戦に絡んだ濃野が見事に沈めた。
 濃野は今季6ゴール目で、柳沢が持っていたルーキーの最多ゴール記録を更新したとかなんとか。この分だと来年あたり海外からオファーが来ちゃいそうだよなぁ……。
 移籍といえば、FC東京は海外移籍が決まった松木玖生がチームを離脱したばかりで、レンタル移籍中の荒木も出られないし、若きチームの柱をふたり欠いた東京には最初から分が悪い試合だったんだろう。
 そのほかだと小泉慶がキャプテンマークをつけていたのがちょっとしたサプライズ。あと、残り5分を切ってから3枚替えで、森重、長友が出てきたのにも驚いた。負けているのになぜDFのてこ入れ? クラモフスキーの謎采配だった。
 一方の鹿島にとってのサプライズは、後半28分に柴崎にかわって三竿健斗が出てきたこと(そのほかの途中出場は樋口、藤井、徳田)。先週移籍が発表されたばかりでもう彼のプレーが観られるとは思わなかった。
 チャヴリッチが離脱したことで、なおさら三竿の存在意義が高くなった気がする。そういやミロサヴリェヴィッチも故障したまま戻ってこないしなぁ……。パレジも出番が少ないし、今年は鹿島の新外国人にとって外れ年みたいだ。
 試合の翌日には松村の東京ヴェルディへのレンタル移籍も発表された。あぁ、期待の若手が次々と流出してゆく……。
(Jul. 22, 2024)

ブライトン&ホーヴ・アルビオンFC5-1鹿島アントラーズ

ブライトン&ホーヴ・アルビオン・ジャパンツアー2024/2024年7月24日(水)/国立競技場/Amazon Prime

 この試合の翌日、土居聖真の山形への完全移籍が発表されてしまった。
 5-1という試合結果も強烈だったけれど、翌日のそのニュースがショックに輪をかけた。なんとも複雑な気分にさせられたエキシビジョンマッチからの一両日だった。
 いやしかし、ブライトンは強かった。去年のプレミアリーグでは11位だというから、いくらプレミア勢とはいえ、そういう中堅どころのクラブならば、あちらはまだシーズン前なのだし、それなりの試合になるんじゃないかと思っていたら、とんだ勘違いだった。
 試合が始まった途端に、おや? と思った。
 なにやら普段のJリーグの試合と空気が違う。
 たんなる三苫薫の凱旋興行のゆるい試合かと思っていたら、妙な圧がある。なにげないプレーにもサッカーの強度を感じるというか。相手のプレーのはしばしに妙な余裕があるというか。ふだんあまり味わったことのない違和感があった。
 そしたら前半15分にいともたやすく失点。しかも決めたのはヤンクバ・ミンテという20歳のガンビア人。
 前半はかろうじてその1点のみで済んだけれど、後半に入るともうこてんぱん。キックオフから20分たらずのあいだに4ゴールを決められるていたらく。まるで相手にしてもらえてない。
 最初の失点もそうだったけれど、ふだんのJリーグではその位置から打ってもそう簡単には決まらないってシュートがガンガン決まる。ペナルティ・エリアに入り込んだら、DFがふたりくらいいたってものともしない。
 うわー、これが欧州のレベルなのかっ!
 Jリーグのサッカーもずいぶんよくなったと思っていたけれど、まだまだ世界の壁は高いってことをいやってほど思い知らされてしまった。
 この試合、交替枠が14人というルールだったので、あちらは前半と後半でGK以外の全員を入れ替えてんだよ? しかもゴールを決めたのは20歳のミンテをはじめとして、ジェレミー・サルミエント22歳、ヤシン・アヤリ20歳、2ゴールのアマリオ・コジア=デュベリーが19歳と、全員五輪世代。なにそれ?
 Amazon Primeが生配信してくれるというので、ならば観ておこうってくらいの軽い気持ちで観はじめた試合だったのに、終わるころにはため息しか出なかった。はぁ……。
 この試合のスタメンは、早川、須貝、植田、関川、安西、三竿、柴崎、仲間、師岡、土居、優磨という11人。後半の頭から仲間、柴崎、土居を、藤井、樋口、徳田に替えて、その後、三竿&安西をミロサヴリェヴィッチ(お~)&パレジにチェンジ。残り10分を切ってからは五月雨式に、師岡→須藤直輝、関川→津久井、優磨→船橋という交替を行った。
 この試合の鹿島にエクスキューズがあるとするならば、濃野、知念がベンチ入りしておらず、名古も出番なしで終わったので、もっとの連係のとれた編成ではなかった点。試合勘のこなれていない聖真や須貝にとっては、この相手は厳しかったろう。ほかの選手はリーグ戦から中3日だったから、疲労も影響したかもしれない
 まぁ、惨敗には終わったけれど、収穫がなかったでもない。ひさしぶりにミロサヴリェヴィッチとパレジのプレーが観れたし、公式戦ではないとはいえ、徳田に初ゴールが生まれた。初めて見る21歳の須藤も活きのいいプレーを見せてくれた。彼ら若者がこれからの鹿島の未来を担っていってくれることを願ってやまない。徳田はあっという間に海外に行ってしまいそうだけれども。
 いやでも、まさかこの試合が土居聖真にとっての鹿島でのラストゲームになってしまおうとは……。
(Aug. 3, 2024)