2024年6月のサッカー

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  1. 06/01 ○ 鹿島3-2横浜FM (J1・第17節)
  2. 06/16 △ 鹿島1-1新潟 (J1・第18節)
  3. 06/22 △ 浦和2-2鹿島 (J1・第19節)
  4. 06/26 △ 鹿島0-0G大阪 (J1・第20節)
  5. 06/30 ● 神戸3-1鹿島 (J1・第21節)

鹿島アントラーズ3-2横浜F・マリノス

J1・第17節/2024年6月1日(土)/国立競技場/DAZN

 5月を無敗で乗り切ったアントラーズは、6月初日のこの試合でF・マリノスに逆転勝ちして、リーグ戦での無敗記録を8に伸ばした。あっぱれ。
 6月に入ってもポポヴィッチのスタメン固定方針は変わらない。スタメンはこの日も早川、濃野、植田、関川、安西、海舟、知念、師岡、仲間、名古、優磨の11人だった。途中出場はチャヴリッチ、樋口、柴崎、須貝、松村の5人。
 対する横浜はエウレルが不在で、アンデルソン・ロペス、ヤン・マテウスに、井上健太という25歳の選手(意外とよかった)を加えたスリートップ。GKは開幕からスタメンだったポープ・ウィリアムが怪我したとかで、飯倉が務めていた。
 最終ラインはエドゥアルドと去年柏から移籍してきた上島拓巳がコンビを組み、右に24歳の加藤蓮、左が永戸。中盤はキャプテン喜田に、6番の渡辺皓太、そして韓国からの出戻り天野純という布陣だった。
 横浜は準優勝に終わったACLの日程の都合で水曜日にも試合があったから、ベテランの松原がお休みで、右サイドは加藤だったんだと思う。まぁ、知らない若手もいるけれど、全体的に駒がそろっていて手強い印象なのは間違いなし。後半途中からは宮市とか水沼とかも出てきた。今季からチームを率いる監督は豪州のレジェンド、ハリー・キューウェル。
 そんなマリノス相手に、鹿島はなかなかいい感じの試合の入りをみせたと思ったら、前半10分にミスからまさかの先制点を献上してしまう。
 関川がイージーにクリアすればいいところを、色気を出してパスをつなごうとして、出しどころを見つけられずに、苦しまぎれに出した横パスが相手に引っかかってしまう。そこから打たれたシュートのこぼれ球をアンデルソン・ロペスに決められた。今年はこうやってミスからシュートを打たれて、それを早川が止めたにもかかわらず、こぼれ球を押し込まれるってパターンがやたらと多い気がする。
 まぁ、それだけ早川がナイスセーブを見せているってことなんだろう。
 その後セットプレーから関川のヘディングが決まって同点かと思わせる場面があったものの、VARにオフサイドの判定を受けて取り消され(まぁ、あきらかにオフサイドだった)、前半はそのまま0-1で終了。ひさびさに先制を許す展開に、今年もマリノス戦は厳しいかと思った。
 でもこの難しい試合を頼れるエースとルーキーが打開してくれる。
 師岡をスーパーサブのチャヴリッチと交替させて臨んだ後半12分。
 名古が右サイドから入れたクロスがファーに流れて優磨につながり、同点ゴールが生まれる。ひさびさに流れの中から生まれたエースのナイスゴールだった。
 この場面、鹿島陣内で攻撃の起点になったプレーで横浜勢がハンドをアピールしていたので、もしもそこまで遡ってVARが介入しやしないかとひやひやしたものの、無事なにごともなくゴールが認められてなによりだった。キューウェルが試合後に審判団への不満をぶちまけていたのはその場面への不満もあったんだろう。
 その後の逆転弾を決めたのはルーキー濃野。優磨が起点になって左サイドから作ったチャンスを、最後はファーにフリーで攻めあがってきた濃野が豪快に決めた。ディフレクションでコースが変わったのはラッキーだったけれど、なによりサイドバックがあそこへ攻めあがっていたのが素晴らしい。
 濃野はこれで今季5ゴール目。もはや彼の攻撃参加はオプションなどではなく、欠かすことのできない戦術の一部となりつつある。
 さらに残り5分を切ってから生まれた駄目押しの3点目は関川。途中出場の樋口からのFKを再度ヘディングで決めた。今度はオフサイドなし。これぞ鹿島のCBと思わせる見事なゴールで、汚名返上には十分な活躍だった。
 まぁ、後半ロスタイムに加藤にダイビングヘッドを決められて1点差に詰め寄られ、最後はちょっとしんどい感じで終わってしまったのは残念だったけれど、最終的には勝ったのだから結果オーライ。
 それにしてもロスタイムになって交替で出てきた須貝が、宮市を止められずにやすやすとクロスを上げさせてしまったところからの失点だったのはなぁ……。須貝のプレーの軽さは残念すぎた。毎試合ベンチ入りはしているので、ポポヴィッチには気に入られているのかもしれないけれど、いまの状態ではとうてい鹿島の右サイドを任しきれない。彼のプレーがぴりっとしないのは本当に残念だ。
 まぁなんにしろ、これで去年ダブルを食らったクラブすべてに雪辱を果たしたことになる。今年はなんかもうそれだけで十分満足って気がしてしまう。
 この試合にはゲスト解説者としてベルギーから帰国中の三竿健斗が来ていて、試合後に安西と談笑を交わしていた(MCはなぜかハリー杉山)。安西は「健斗が帰ってくるまで俺たちが鹿島を守る」みたいなことをいっていた。
 ちなみにこの試合、国立での鹿島のホームゲームだったから観にゆこうかとも思ったんだけれど、先月から老後を見据えた節約モード発動中なのでやめておいた。観客は五万人を超えたらしい。
(Jun. 03, 2024)

鹿島アントラーズ1-1アルビレックス新潟

J1・第18節/2024年6月16日(日)/カシマサッカースタジアム/DAZN

 また前節の感想を書かずにいるうちに次節の当日になってしまった。
 あいだに代表ウィークを挟んだため二週間ぶりのJリーグ。アルビレックス新潟との一戦は1ー1のドローに終わった。
 鹿島のスタメンはこの日もいつもの11人。途中出場はチャヴリッチ、藤井、柴崎、そして注目の十七歳(セブンティーン!)、徳田誉の4人――だったのだけれども。
 徳田の出番は後半のロスタイムがほぼ終わってから。ピッチに立った途端、いちどもボールを触ることなく試合終了の笛を聴く羽目に……。
 こんなデビュー戦あり?
 記念すべきプロデビュー戦でボールに触るチャンスさえもらえずに終わるなんて、可哀そうすぎる。交替要員は途中出場のチャヴリッチだったし、ポポヴィッチの采配が謎すぎた。期待の大型FWなんだからもっと大事に使ってくれよぉ。
 試合のほうは終始新潟がボールを支配する展開。
 驚いたことに今季の新潟はJ1でここまでもっともパス数が多いチームなんだそうだ。おととし新潟をJ1昇格へと導いた松橋力蔵監督のもとで、パスワークで勝負するチームに変貌を遂げつつあるらしい。
 今年の鹿島はロングボールを多用したカウンターサッカーが主体で、相手にボールを持たれるのを苦にしないイメージがあるんだけれど、それでも勝ちきれなかったのは、思うようにカウンターを仕掛けられないくらい、新潟のパスワークが巧みだったということだろう。
 キーマンは23歳にしてキャプテンマークを託された6番の秋山裕紀{あきやまひろき}。あと21歳のFW小見洋太もここんところ売り出し中らしい。前半終了間際に決められた先制ゴールはその小見によるものだった。そのほかだと、あいかわらずトーマス・デンと舞行龍ジェームズしか知った名前はなし。
 先制点は右サイド深くをえぐられ、そこから打たれたシュートのこぼれ球を小見に頭で押し込まれたもの。今年は早川がナイスセーブでシュートを止めているのに、そのこぼれ球を押し込まれるってパターンが多いこと多いこと。
 でもまぁ、今年は後半にチャヴリッチが出てきてからが勝負ってイメージだから、このまま負けたりはしないだろうと思っていると、後半の頭からそのチャヴリッチとともに出てきた藤井がやってくれた。開始わずか5分でミドルシュートを決めて同点に追いつく。
 とはいえ、この試合で鹿島でよかったのはそのゴールだけって気がする。その後も攻撃のボルテージはあがらず、結局後半も相手のパスワークに手を焼いて、ドローのままで終わってしまった。
 思うに苦戦の原因は優磨とチャヴリッチの出来がいまいちだったから。優磨はミスが多すぎたし、チャヴリッチは存在感がなかった。――まぁ、途中出場を余儀なくされている現状の彼に過剰な期待もどうかとは思うんだけれど。
 いずれにせよ、頼りのエースふたりの出来がこれでは、ドローも致し方なし。勝ち点1を取れただけでもよしとしておくべきって試合だった。
 それにしてもほんと、徳田をもっとちゃんと観たかったよ……。
(Jun. 23, 2024)

浦和レッズ2-2鹿島アントラーズ

J1・第19節/2024年6月22日(土)/埼玉スタジアム2002/DAZN

 J1は昨季から2チーム増え、全20チーム制になったので、第19節のこの試合が前半戦の最後。今季二番目の客の入りだったという埼玉スタジアムでの浦和レッズとの一戦。
 レッズとは過去2年のリーグ戦ですべて引き分けているということだったけれど、この日は開始わずか3分で鹿島が先制して、前半だけで2-0とする有利な展開。
 さすが好調アントラーズ。今年はもらった!――と思ったのが間違い。
 後半30分過ぎに出てきた武田英寿という22歳の選手に2ゴールを決められて、なんとドローという結果に……。
 2-0は危険なスコアだというけど、まさか本当に追いつかれようとは……。
 武田はこれがJ1初ゴールだそうだ。いささか若い子たちにメモリアルゴールを与えすぎの感あり。
 レッズは酒井宏樹(第6節を最後にスタメン出場がないらしい)にニュージーランド移籍の噂があり、ショルツも中東に引き抜かれると噂されているそうだ。興梠、中島翔哉、安部裕葵ら、個人的に観たい選手たちもベンチに入っていないし、なんかドタバタしてチーム状況がよくなさそうなので、今回はこちらに分があるかと思ったら、そんなことはなかった。
 鹿島の前半の2ゴールはどちらも優磨。1点目は師岡が右サイドから打ったシュートを西川が弾いた先に詰めていて、そのこぼれ球を角度のないところからニアにねじ込んだ。2点目はゴール真正面で安西からのアシストを落ち着いて決めた。
 前節はいまいちだったけれど、ちゃんと次の試合で修正してくるところはさすがエース。でも後半は珍しく足がつってしまい、残り5分を切ってから交替を余儀なくされていた。自分がピッチを去ったあとに同点弾を決められたことで、そうとう悔しい思いをしたらしい。まぁ、お気の毒さまだった。
 気になったのは後半途中から出てきたチャヴリッチと柴崎が存在感を欠いたこと(スタメンはいつものメンツで、途中出場はあと藤井と樋口)。実力間違いなしの二人がいまいち機能していないのは、後半戦に向けての不安材料だ。
 レッズの1点目は右サイドをドリブルで駆け上がった伊藤敦樹のアシスト。伊藤、さすがA代表に呼ばれるだけのことはある。
 2点目は武田の直接FK。距離があったので誰かにあわせてくるだろうと油断していたら、ニアのギリギリを見事に射抜かれた。あれには意表をつかれた。若いくせして老獪。いやはや、してやられた。
(Jun. 23, 2024)

鹿島アントラーズ0-0ガンバ大阪

J1・第20節/2024年6月26日(水)/カシマサッカースタジアム/DAZN

 後半戦のスタートは中3日での平日開催。ガンバ大阪との今季二度目の対戦。
 この試合も鹿島のスタメンは変わらず。
 振り返ってみたら、いまのイレブンで最初に戦ったのが前回のガンバ戦だった。
 それが4月末の第10節だから、これで11試合連続同一スタメン。ここまでメンバーを固定して戦うチームって、最近だと珍しかろう。
 まぁでも、それだけ長いことメンバーを固定できるというのは、その間に怪我をした選手も、累積警告で出場停止をくらった選手もいないということなので、チームとしては喜ばしいことかもしれない。心配なのはサブのメンツのモチベーションだけ。
 とくに気になるのがチャヴリッチ。このところ出場時間が減少気味だし、出てきてもほとんどインパクトを残せていない。このままやる気をなくして退団……なんてことにならないか、心配になってきてしまった。
 そんな風にサブの選手の動向が気になってしまう一方で、スタメンの選手たちのパフォーマンスは素晴らしい。攻守ともに充実感が伝わってくる。この人たち、いまはサッカーやってて楽しいんだろうなぁって思う。
 この日はスコアレスドローに終わってしまったけれども、でも「なぜそれが決まらない?」と思うような決定機が何度かあったし、内容は決して悪くなかった。ガンバとは前回の対戦でもVARに救われての勝利だったし、今年は双方とも好調なので、ドローも致し方なしかなと思う。
 なんたって、現時点で鹿島とガンバは勝ち点で並んで2位と3位だ。それも勝ち負け引き分けがまったく同じで、得失点差だけ鹿島が上回っている状況。
 ガンバは得点力こそ低いけれど、失点数はリーグ最少。つまり堅守でここまで好調を維持しているわけで、そのチームを相手にスコアレスドローというのは、ある意味相手の術中にはまってしまったということなのかもしれない。
 前回の鹿島との対戦で負傷交替した三浦玄太は結局今季絶望という噂で、この試合にはいなかった。かわりに中谷とコンビを組んでいたのは、徳島からガンバに移籍してきて3年目の福岡という選手。背番号2をつけているから、主力として期待されている人なのかもしれない。なんにしろ三浦抜きでリーグ最少失点を維持しているのはすごいなと思った。ポヤトス監督、あなどれない。
 あと、ガンバでは前回の対戦時にはいなかったファン・アラーノが途中出場で出てきて、なかなかの存在感をみせていた。どうやら怪我をしていたらしいけれど、元気そうでなにより。今年は宇佐美も好調そうだ。
 鹿島の途中出場はチャヴリッチ、柴崎、藤井の3人だけ。柴崎はいい感じになってきたけれど、中3日の過密日程の中、交替枠を余らせて終わるのはどうかと思う。ひさびさにベンチ入りしたのに出番なしで終わった土居聖真のメンタルが心配だよ。
(Jul. 1, 2024)

ヴィッセル神戸3-1鹿島アントラーズ

J1・第21節/2024年6月30日(日)/ノエビアスタジアム神戸/DAZN

 ひさびさにスタメンが替わった!――と思ったら負けた。無敗記録は11でストップ。前年度王者はやっぱり強かった。
 スタメン変更の理由は、鈴木優磨が出場停止だったから。エース不在という時点でこの試合は最初から分が悪かった。
 ということで、この日のピッチに先発で立っていたのは、早川、濃野、植田、関川、安西、佐野、知念、樋口、仲間、名古、チャヴリッチという11人だった。途中出場は藤井、柴崎、師岡、垣田、土居の5人。
 ワントップに入ったチャヴリッチとのバランスなんだろうか。右サイドは師岡ではなく樋口だった。
 で、ひさびさにスタメンで出てきたチャヴリッチがいきなり活躍。前半8分に名古のCKに頭であわせて先制ゴールを決める。
 おぉ、幸先のいい滑りだし――と思ったのもつかのま。その10分後には右サイドからの武藤の突破を許して同点ゴールを決められ、前半のうちに逆転まで許す劣勢に。
 逆転ゴールはCKからのこぼれ球をブラジル人DFマテウス・トゥーレルに決められたもの。前期は無得点だったDFに今季初ゴールを許すとは……。
 神戸は大迫、武藤と並ぶ3トップの一角として、広瀬がプレーしていた。FWというにはゴールへ向かう姿勢が足りない気がしたけれど、それでも左サイドからの攻撃のアクセントにはなっていた。
 後半同点に追いつけばまだまだチャンスはあると思っていたけれど、後半17分に一度はオフサイドの判定を受けて取り消された大迫のゴールがVARにより認められ、2点差に……。
 これでさすがに勝負あり。結局そのまま神戸に逃げ切られた。やっぱディフェンディングチャンピオン相手に優磨の不在は痛かった。
 これで4試合連続勝ち星なしで、首位・町田との勝ち点の差が5まで開いてしまった。ここらで踏んばらないと町田の独走を許してしまいそうで厭な感じだ。
(Jul. 05, 2024)