2024年3月のサッカー

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  1. 03/02 △ 鹿島1-1C大阪 (J1・第2節)
  2. 03/09 ● 町田0-1鹿島 (J1・第3節)
  3. 03/17 ○ 鹿島2-1川崎 (J1・第4節)
  4. 03/30 ○ 鹿島1-0磐田 (J1・第5節)

鹿島アントラーズ1-1セレッソ大阪

J1・第2節/2024年3月2日(土)/カシマサッカースタジアム/DAZN

 新シーズンのカシマスタジアムでのホーム開幕戦。
 前節大活躍した仲間はその試合がJ通算100試合目だったとのことで、試合前にご両親(ずいぶんご高齢っぽかった)とともに表彰を受けていた。節目の試合であの活躍。しかも奥さんの誕生日だったとかいうし。いろいろとおめでとー。
 さて、この日の鹿島のスタメンは早川、濃野、植田、関川、安西、知念、海舟、藤井、仲間、樋口、チャヴリッチという11人だった。
 要するに、前節のメンバーから土居を外して藤井を入れた形。樋口がFW登録されていたけれど、フォーメーションはチャヴリッチをワントップに据えた4-2-3-1だった。
 でも残念ながらこの形がまるで機能しない。前半はほとんどいいところがないまま、スコアレスに抑え込まれた。まぁ、こちらも守備は安定しているから、失点も許さなかったけれども。
 試合の様相が変わったのは、後半開始とともに、藤井をさげて優磨を入れてから。前線に起点ができたことで、確実に攻撃が活性化した。やっぱいまのチームの要は優磨なんだってことを再認識させられた。
 そういやまだ柴崎も戻ってこないしねぇ。一日も早く優磨と柴崎がそろってスタメンに名を連ねる完成形の2024年版アントラーズが見たい。
 とにかく、後半に入ってからはすっかり鹿島ペースになったから、これならばゆけるかと思ったら、予想に反して先制したのはセレッソだった。
 左サイドからのカウンター。途中出場の為田という選手がドリブルで攻め上がって入れたクロスを、ゴール前に入り込んだレオ・セアラがワントラップして、ファーへと豪快に蹴り込んだ。
 セレッソはルーカス・フェルナンデス、レオ・セアラ、カピシャーバという強面{こわもて}なブラジル人スリートップがド迫力だったのだけれど、あいにくルーカス・フェルナンデスが前半のうちに足を痛めて交替。かわりに出てきたのが為田だった。
 そこまではほとんど存在感がなかったから、やっぱルーカス・フェルナンデスの代役としては役不足なのではと思っていたのに、まさか先制アシストを決めてくれちゃうとは……。やすやすと為田の突破を許した濃野の守備も難ありだったかもしれない。
 セレッソにとって不運だったのは、その後、レオ・セアラまで脚を痛めて交替してしまったこと。スタメンの3トップのうち、ふたりが怪我で交替を余儀なくされてしまったのは計算外もいいところだろう。
 そんなトラブルもあってか、小菊監督は後半途中からフォーメーションを3バックに変えて守りに入る。
 あぁ、このまま逃げ切られてしまうのか……と思った試合を振り出しに戻したのは、今季の鹿島の強力な武器になりそうなセットプレーだった。
 途中出場の名古のFKからのボールを、ゴール前に飛び込んでフリーになった植田がどかん! なにそれ、オフサイドじゃないの?――って誰もがびっくりするくらいどフリーだった。植田すげー。柴崎の代理とはいえ、キャプテンマークは伊達じゃない。名古のキックの精度も見事だった。
 結局そのゴールでこの日は打ち止め。試合は勝ち点1を分け合う結果に終わった。
 ポポヴィッチ采配でおもしろかったのが、後半の選手交替。関川と樋口をさげてパレジと名古を入れ、最後に仲間を垣田に替えて、計4人の選手を入れ替えたのだけれど、CBの控えがいない状態で関川をさげてどうするのかと思ったら、佐野海舟をCBに起用する奇策に出た。
 えぇ? 佐野は身長176センチだよ? 大丈夫か?――と心配だったけれど、まぁ、なんとか難なく試合終了の笛を迎えることができてなによりだった。
 相手のFWにも背の高い選手がいないから大丈夫だという判断だったのか、はたまた危機察知能力の高い海舟ならば、CBを任せてもある程度やってくれるという信頼なのか。いずれにせよ、ずいぶんと大胆な采配で驚いた。
 ちなみに関川の交替は、その直前に彼がイエローをもらったので、大事を取ったということなんだろうと思う。この日の鹿島はそのほかに樋口と優磨、計3枚もイエローをもらってしまったのだけれど、どれもリプレーを見たら、「え、それでイエローはひどくない?」というカードばかりだった。やれやれだ。清水主審はどうにも印象がよろしくない。
 対するセレッソは試合前のコイントスに見慣れない選手が出てきていたので、誰かと思ったらCBの西尾だった。若干22歳でキャプテンを任されていてびっくり。香川とかキム・ジンヒョンとかのベテランや、日本代表の毎熊らもいるのに。
 コンビを組むもうひとりのCBの船木も24歳だし、前節の名古屋といい、Jリーグでもどんどん若いDFが育っているみたいでいい感じだ。もちろん鹿島にも23歳の関川がいる。
 そうそう、DFといえば、セレッソの左サイドはフロンターレから移籍してきた登里だった。今回はアウェイの白いユニフォームだったから、それほどでもなかったけれど、前節ホームでピンクのユニフォームを着た彼はそうとう違和感があった。
 もうひとつ、その開幕戦で驚いたのは、札幌から移籍してきた田中駿汰が、背番号10をつけてボランチとしてプレーしていたこと。
 田中のことは典型的なCBだと思っていたから、まさかセレッソでボランチを勤めることになるなんて思ってもみなかった。
 まぁ、そんなこといったら知念のボランチ起用も一緒かもしれないけれど。知念は左CKのキッカーも任されていたし、彼の起用方法がポポヴィッチ体制になってのいちばんのサプライズかもしれない。
 なんにせよ、この日は拮抗した試合内容のせいか、それほど目立った活躍はしていなかったけれど、田中駿汰という大型ボランチがこの先どういうプレーを見せてゆくのか、よそのチームのことながら、ちょっと楽しみだ。
(Mar. 03, 2024)

FC町田ゼルビア1-0鹿島アントラーズ

J1・第3節/2024年3月9日(土)/町田GIONスタジアム/DAZN

 町田はやばそうな気がしてたんだよなぁ……。
 高校サッカーで青森山田を強豪高に育て上げた黒田剛{くろだごう}監督が就任して、わずか一年でのJ1昇格。しかもJ2では断トツの成績で優勝。この手のチームは絶対に強い。これまでに戦ったことがないから手の内もわからないし、前節と同じような出来だとまずそうだよなぁ──と思っていたら、ああやはり……。
 元J1王者、J1初昇格のクラブに完敗を喫するの巻。
 この日の鹿島のスタメンは、早川、濃野、植田、津久井佳祐、安西、樋口、佐野、パレジ、仲間、優磨、チャヴリッチという11人。途中出場は藤井、名古、垣田、聖真、師岡の5人だった。
 コンディションの問題だろう、関川、知念のふたりがベンチ外。で、関川のかわりに植田とコンビを組むのは、これがJデビュー戦となる19歳の津久井だった。で、知念のところへは樋口が入り、右サイドにはパレジが初スタメン。あと鈴木優磨も今季初スタメンだった。
 ようやく優磨がスタメンに戻ってきた!――という期待と、でも津久井のスタメンで大丈夫なの?──という不安。
 まぁ、結果として津久井は思ったより安定していたけれど、優磨は期待外れだった。
 けがはいまだ完治していないらしく、最初はつけていたフェイスガードを前半のうちに外したりしていたから、まだコンディションは手探り状態なんだろう。完全復活まではいますこし時間がかかりそうだ。
 津久井にしても後半途中で交替してしまったし(そこからはまた海舟がCBに)、やはりスタメンが90分きちんと計算できないのは痛い。
 いや、彼らの出来がとくべつ悪かったというつもりではないんだけれど、前節同様、どうにもチーム全体が噛みあっていない感じがした。シュート数も少ないし、これといって見どころがなくて、正直おもしろみのない試合だった。
 町田は予想どおりの徹底した堅守速攻のチーム。激しいプレスでボールを奪うと手数をかけずに前へと攻めてくる。で、深い位置でサイドラインを割ると、高校サッカーでも話題になっていたロングスローを武器にきわどい位置にボールを放り込んでくる。
 知っている選手は谷晃生、仙頭、柴戸、途中出場のミッチェル・デュークの四人しかいなかったけれど、チームとしての一体感や戦術の浸透度はぜんぜんこちらより上な気がした。
 ちなみに鹿島から移籍した昌子は今年もけがで出遅れてこの日はベンチのまま出番なし。キャプテンを任されていると聞いたから、このままベンチウォーマーで終わったりしないと思うけれど、CBはスウェーデン人のドレシェヴィッチと韓国人のチャン・ミンギュという外国人ふたりなので、この試合みたいに守備が安定しているようだと、下手をしたら今後も出番がまわってこない可能性がありそうな……。
 それにしても二年連続で開幕に出遅れるとは、ついてないにもほどがある。鹿島のホームゲームでは彼のプレーが見られることを願っている。あぁ、移籍していなければ鹿島のスタメンとしてこの試合に出れたかもしれないのに……。
 まぁ、なんにしろ去年はJ2だったクラブにいいところなしで負けてしまい、鹿島にとっては悔しいだけの試合だった。
 町田の虎の子の1点を決めたのは、平河悠という23歳の選手。前半13分という早い時間帯、佐野がボールを奪われたところからのショートカウンターで、左サイドからGK早川の股を抜く技ありのゴールを決めてみせた。トラップからシュートまでの流れが絶妙だった。遅れ気味に出てきたパスを右足でワンタッチして前へ運び、そのまま左足を豪快に振りぬいた。お見事。
 まぁ、相手がうまかったのは確かだけれど、いまや中盤の守備のかなめともいうべき佐野海舟のボールロストからの失点という意味でも、鹿島にとってはダメージがでかかった気がする。
 いやしかし、今年は開幕早々荒れ気味で、第2節時点ですでに連勝スタートを切ったクラブがひとつもない。名古屋なんて開幕三連敗だ。どのチームにとっても大変な一年になりそうな予感。
(Mar. 12, 2024)

鹿島アントラーズ2-1川崎フロンターレ

J1・第4節/2024年3月17日(日)/カシマサッカースタジアム/DAZN

 ようやく勝った~!!
 宿敵フロンターレ相手に、じつに9年ぶりのリーグ戦勝利!
 ――って、なんでそんなに長いあいだ負けつづけてきんだか……。
 まぁよし。とりあえず勝った。リーグ戦に限らないと、僕の記録の範囲では、川崎に最後に勝ったのは2017年の天皇杯・決勝だから、そこから数えても7年ぶり。
 いやぁ、長かった。本当に長かった。これでようやく呪いが解けたと思いたい。次からまた連敗記録が始まったりしませんように……。なんて、あまりに不遇な期間が長すぎて、つい卑屈になってしまう。
 さて、この記念すべき試合のスタメンは早川、濃野、植田、関川、知念、海舟、藤井、チャヴリッチ、名古、優磨という11人。
 知念、関川がスタメンに戻ってきて、今期のベストと呼べる布陣で戦えたのがまずはでかかった。もうひとつのポイントはチャヴリッチを二列目の左に下げ、名古がトップ下で、優磨のワントップという形にしてきたこと(名古と優磨が並んでいるシーンも多かったので、僕はツートップだと思って観ていた)。
 ポポヴィッチいわく、いまだコンディションが万全ではない優磨とチャヴリッチを前線に並べてしまうのは得策ではないと考えて、チャヴリッチが前を向いてプレーできるよう、二列目に置いたそうだ。で、この変更がずばりとはまった。
 なるほど、左サイドでプレーするチャヴリッチはこれまででもっとも多くボールに触れていたし、スタメンに抜擢された名古、藤井も運動量が多くていい出来だった。
 まぁ、前半はラストパスの精度がボール二個分くらいずれている感じで、残念ながらフィニッシュに至らないシーンが多かったけれど、それでもチャンスは作れていた。とくに名古は何度もフィニッシュに絡んでいた。これまで鹿島でプレーしたなかでも最高の出来だったのではと思う。
 よし、少なくても今回は川崎相手に互角以上の戦いができている。このままのペースでゆけばいずれ……と思っていたら、なんと今回も先制したのは川崎。
 前半36分、脇坂からのスルーパスを受けて最終ラインの裏へと抜けだした家長がGK早川と一対一のチャンスを作ってフリーでシュート。万事休すかと思ったこのピンチは早川がナイスセーブで止めてくれたものの、やった、早川えらいっ!――と思ったのもつかのま。そのこぼれ球にマルシーニョがひとり詰めていた。さすがに二度目のシュートは止められず。頼むから誰かディフェンスに入ってくれよぉ……。
 あぁ、こんなに出来がいいのに先制を許すとは……。
 やはり今年も川崎には勝てないのか……。
 ――というネガティヴな思いは、後半開始からわずか5分で払しょくされる。
 キックオフからわずか2分。ロングボールを中央のいい位置で受けたチャヴリッチがそのままドリブルで攻めあがってシュート。ひとりで同点にしてしまう。すげー。
 さらにはその3分後には名古が左サイドの高い位置でボール奪取をみせ、そのままチャヴリッチとパス交換してPAの深い位置に入り込みクロスをあげる。そのボールはあいにくバーをたたいてしまったけれど、その落下点に優磨が詰めていた。どん!
 エースの今季初ゴールであっという間に逆転!
 鹿島はその後、名古→樋口、藤井→松村、チャヴリッチ→パレジと三枚のカードを切って選手を入れ替え、そのまま逃げ切った。
 後半30分にはマルシーニョが二枚目のイエローで退場して数的有利になったので、ふつうの試合ならばその時点でもう勝ちを確認していたはずなんだけれど、なにせ相手が川崎だと最後まで気が抜けない。あぁ、ロスタイム7分がとても長かった……。
 今期の川崎は湘南との開幕戦こそ勝ったものの、その後は磐田、京都という下位チーム相手に連敗を喫してる。つまりこれで3連敗となったわけだ。あれほど強かった川崎がまさか開幕からこれほど苦しもうとは……。盛者必衰って本当だなぁって思う。
 なにしろ磐田戦ではジャーメイン良に4ゴールを許して、4-5という「なにそれ?」なスコアで負けているし、ACLでは中国のクラブに4点を奪われて敗退している。今年の川崎はまったくディフェンスが安定していないようなので、どうしたのかと思ったら、前節までジェジエウが不在だったらしい。
 そのジェジエウがこの試合からスタメンに復帰してきたので、どうせならばもうちょっと休んでいてくれればいいのにと思っていたのだけれど、でもさすがに故障明けだからまだ彼の出来もいまいちっぽくて助かった。
 山根が抜けたSBも駒不足なのか、前半は橘田が右SBとしてプレーしていたし、ゼロックス杯でプレーしていたゴミスらの外国人もいなかったから、いまの川崎の状況はどん底の状況なのかもしれない。
 まぁ、理由はどうあれ鹿島にとっては掛け値なしに貴重な1勝だった。
(Mar. 18, 2024)

鹿島アントラーズ1-0ジュビロ磐田

J1・第5節/2024年3月30日(土)/カシマサッカースタジアム/DAZN

 代表ウィークを挟んで二週間ぶりとなったJリーグ。
 佐野海舟がけがのためA代表招集を辞退したという話があったと思ったら、この試合も佐野はベンチ外だった。
 ということで、スタメンは早川、濃野、植田、関川、安西、知念、土居、藤井、チャヴリッチ、名古、優磨という顔ぶれだった。
 なんと、佐野のかわりは土居。
 試合後のインタビューでポポヴィッチがボランチをふたり(柴崎と佐野)欠いて、できる選手がほかにいないから、と語っていて驚いた。
 え、樋口と名古は彼にとってはボランチではないんだ?
 あ、だからこその知念のボランチ転向なのか。
 選手たちの過去の経歴を度外視したその発言はいかがなものか?――と思わなくもないんだけれど、でもその結果としての土居のボランチ起用はなかなかおもしろかった。
 中盤の底に彼がいることで、ナイスなスルーパスが優磨に通るシーンがいくつかあり、それがとても刺激的。なによりクラブ生え抜きの背番号8がボランチでプレーしている絵が、否応なく小笠原を思い出させて、胸熱だった。今後も聖真のボランチはオプションとしてありかもしれない。
 なかでもDFラインの裏への浮き球のパスを優磨がダイレクト・ボレーで打ったシーンは最高だった。優磨が決めていれば、今節のベストゴール間違いなしってプレーだった(残念ながらシュートは枠を捉えられず)。
 まぁ、とはいえ試合自体はいまいちな出来。前節では躍動した名古も今回は影が薄かったし、得点はPK――左CKから関川が頭で折り返したボールが相手DF松原后の腕にあたった――の1点だけでは満足とはいえない。試合後のヒーローインタビューでPKを決めた優磨も苦い顔で「しょぼい試合を見せてすみません」みたいなことを言って謝っていた。勝って兜の緒を締めろを地でゆくサムライ優磨さん。
 でもまぁ、おもしろいパスがつながるシーンもいくつかあったし、出来が悪いながらも勝ち点3を拾えたのはいい傾向だ。これからの進化に期待しよう。
 途中出場は松村、パレジ、樋口、仲間、須貝の5人。五輪代表から外れてしまった松村がゴールへの執念を見せて、積極的にシュートを打っているのが印象的だった。オリンピックに出させてあげたいなぁ……。
 対する磐田は、去年で遠藤保仁と大津祐樹が引退してしまったのが個人的にはとても残念。もう一度J1であのふたりのプレーを観たかった。
 ということで、知っている選手はほぼゼロ……と思ったら、GKがなんと川島永嗣だった。
 そうだった、彼が日本に戻ってきてたんだった。元A代表の守護神がJ1で観られるの、なんか嬉しい。あとベンチにはコーチとして川口能活もいた。W杯を経験したA代表のGKがふたりもいるの、なにげにすごい。
 チーム自体はDFリカルド・グラッサ、MFレオ・ゴメス、FWペイショットというブラジル人をセンターラインの要所々々に配していて、この助っ人たちが存在感を示していた。監督は森保ジャパンの参謀で、五輪代表では監督代行を務めていたりもした横内昭展{あきのぶ}氏。現役時代は知らないけれど、サンフレッチェでプレーしていたらしいから、森保とはそのころからのつきあいなわけだ。年は僕のひとつ下だった。
 同世代としてはがんばってもらいたいところだけれど、同じ昇格組にもかかわらず開幕から快進撃をつづけて首位を走る町田と違って、ジュビロは降格レースの一角を担うのを避けられなさそうな……。
(Apr. 3, 2024)

アビスパ福岡1-0鹿島アントラーズ

J1・第6節/2024年4月3日(水)/ベスト電器スタジアム/DAZN

 長谷部監督が就任してからのアビスパには毎回てこずっている印象なので、楽な試合にはならないと思っていたけど、ここまでいいところなしで負けるとは思わなかった。
 印象的には町田戦とほぼ同じ。本当にこの試合は内容が悪かった。今年は駄目なときはとことん駄目みたいだ。
 スタメンはGK早川、4バックが右から濃野、植田、関川、安西で、ダブルボランチが知念と海舟、その前に左が名古で、右チャヴリッチ、聖真がトップ下で、優磨のワントップという形。
 海舟が復活してきたので、前節ボランチで新境地をみせた土居がひとつ前の本来のポジションに戻った。
 現時点ではこれがベストの布陣のような気がするのだけれど、でもこれがまるでいいところなし。前半のシュートは関川が強引に打って枠を大きく外したミドル一本に抑え込まれた。相手のハイプレスに押し込まれまくり、CKを山ほど打たれて、本当にしょぼい内容。
 でもまぁ、今年は守備が安定しているし、最悪スコアレス・ドローか――と思っていたら、後半に相手の新加入のイラン人FWシャハブ・ザヘディ(もしかしてイラン出身のJリーガーは史上初?)に見事なヘディングを決められて、先制点を許してしまう。
 その後の選手交替(土居→松村、名古&チャヴ→樋口&パレジ、濃野→垣田)でいくらかマシにはなったものの、でも最後までゴールは奪えず。そのまま無念の敗戦となった。
 福岡はキャプテンの奈良が怪我したらしく、この日はベンチ外。スタメンを外れた金森、小田も出番なしで終わったから、旧鹿島勢はひとりも出てこなかった。これが今季初出場だという23歳のMF北島祐二がCKのキッカーを任されていたこともあり、けっこう目立っていた。
 それにしても、たぶん前節から中三日の過密日程だからだろう、去年のルヴァン戴冠の立役者となった紺野や前はベンチスタートだったし、決してベストメンバーではなかったはずの福岡になすすべなく敗れるとは……。
 まぁ、この日は首位の町田も今季初黒星で(やっぱ広島強い)勝ち点の差が開かなかったのがせめてもの救いだ。
(Apr. 06, 2024)