2020年10月のサッカー
Index
- 10/03 ● G大坂2-0鹿島 (J1・第20節)
- 10/09 △ 日本0-0カメルーン (親善試合)
- 10/10 〇 鹿島3-2横浜FC (J1・第21節)
- 10/13 〇 日本1-0コートジボワール (親善試合)
- 10/14 〇 鳥栖0-2鹿島 (J1・第22節)
- 10/18 ● 札幌1-0鹿島 (J1・第23節)
- 10/21 〇 神戸1-3鹿島 (J1・第33節)
- 10/24 〇 鹿島1-0広島 (J1・第24節)
- 10/31 ● 鹿島0-2名古屋 (J1・第25節)
ガンバ大阪2-0鹿島アントラーズ
J1・第20節/2020年10月3日(土)/パナソニックスタジアム吹田/DAZN
夏の暑いあいだは大半の試合が夜の同時刻キックオフだったから、アントラーズ以外の試合はほとんど観れなかったけれど、夏が終わってようやく昼間にも試合が行われるようになって、試合時間がばらけてきた。
ということで、この日はアントラーズ戦の4時間前に行われた川崎とC大坂の首位対決も観戦。結果は川崎が3-1で勝って、連勝を8に伸ばした。セレッソも健闘はしたけれど、終盤にたてつづけに2失点を喫して力負け。今年はもう川崎の快進撃を止められるクラブはなさそうだ。
われらがアントラーズにこそ、その役割を務めて欲しいところなんだけれど、ここへきてふたたび連敗。首位との勝ち点の差は23と開き、順位も8位まで下がってしまった。あとはもう2位セレッソとの差9をどれだけ詰められるかが焦点って感じだ。
この日のスタメンは沖、小泉、犬飼、関川、山本脩斗、三竿、レオ・シルバ、ファン・アラーノ、和泉、土居、エヴェラウド。
故障明けの土居が帰ってきたのと、山本脩斗が本職の左SBとして起用されたのが注目点。
対するガンバは運動量重視の宮本恒靖のサッカーにマッチしないために出場機会が激減した遠藤保仁がジュビロに移籍するという噂が流れている。よってヤットは不在。あとキャプテン三浦玄太も怪我で離脱中だった。
でも今年のガンバには昌子がいる。この日のガンバは4バックで、昌子とキム・ヨングォンがしっかりと真ん中を固めていた。ここぞというチャンスをそんな昌子に止められたり、東口のナイスセーブに阻まれたり。シュート数ではあいかわらず相手を上回っているのに、最後のところで決めきれない展開がつづいた。
でもって、スコアレスのまま突入した後半にパトリックの突破を許して、これを止めにいった沖がファールを取られてPKで先制点を献上。その後、綺世、荒木、遠藤、永木、松村を入れて同点を目指すも、ゴールをこじ開けられず。ロスタイムにはカウンターから途中出場の渡邉千真に追加点を奪われて勝負あり。上位争いのライバルであるガンバに負けて、順位で追い抜かれてしまった。
前節まで無敗を誇っていた沖がここにきて連敗。しかもこの日は自らのファールで与えたPKが決勝点だから、ちょっとへこんでいるかもしれない。
土居が戻ってきても勝てなかったのは痛いけれど、でもチャンスの数では相手を上回っているのだから、そう悲観する内容ではないと思う。
それにしても、昼間の試合で三笘や旗手が活躍してフロンターレが勝つのを観てしまうと、どうにも上田綺世は伸び悩んでいる感が否めない。このままだとたとえ来年五輪があったとしてもレギュラーは確保できそうにない。うーむ……。
(Oct. 04, 2020)
日本0-0カメルーン
親善試合/2020年10月9日(金)/スタディオン・ハルヘンワールト(オランダ、ユトレヒト)/日本テレビ
一月以来、じつに九ヵ月ぶりの代表戦――とか思っていたら、一月のやつは五輪代表だった。なんとA代表はこれが今年初。でも内容は、あーそうだった、森保ジャパンってこんなだったよって試合。もうがっかりなカメルーン戦。
オランダへ遠征しての今回の親善試合、招集メンバーが全員欧州組なのは日本代表史上初ということで注目された一戦で、スタメンを任されたメンバーは、GKが権田、DFは酒井宏樹、吉田麻也、冨安、安西(そういや海外組だったっけ)の4バック、ダブル・ボランチが中山雄太と柴崎で、攻撃的MFに堂安、南野、原口の3人、そして大迫のワントップという布陣だった。
もうね、正直このスタメンを観た時点でがっかり。なぜに世界中から注目を浴びている久保建英がベンチスタートなんだ。
久保をスタメンで使わない所属クラブの監督が批判を浴びているというけれどさ、母国の代表監督だってスタメンで使わないんなら一緒じゃん。
なぜここであえて久保をスタメン起用することで、日本の将来のエースを強烈にプッシュする姿勢を見せてくれないかなぁ……。
今回中島翔哉を呼んでいないのは、去年から所属クラブでトラブっていて出場機会を失っているからだという話だけれど、それだって個人的には大いに疑問だ。
森保が監督になってから、あれだけチームに貢献してきた選手だよ? 所属クラブでプレーできていないんだったら、なおさら代表に呼んでプレーさせてあげればいいじゃん。ここでいいプレーをして、クラブを見返してやれよって。森保には代表監督として、そういうエールを送って欲しかった。なのにそういうのゼロだもんなぁ……。
もう森保のやることなすこと気に入らない。それで結果がともなえばまだしも、スコアレス・ドローなんてふがいない結果に終わってしまえば、反感はなおさらだ。
W杯最終予選がいつ再開するかもわからない状況での親善試合なんて、勝つ負けるよりも、まずはどれだけおもしろい試合をして見せるかのほうが重要でしょう? ファンあってこその代表だろうに。観ている人を楽しませなくてどうする。しかも久保の加入でこれまでになく海外からも注目されているのに。
森保にはサッカーをエンターテイメントと捉えて、ファンサービスに徹しようって姿勢が決定的に欠けている気がする。そこがなにより駄目だと思う。
この試合で収穫があったとするならば、麻也と冨安のCBコンビに酒井を加えた最終ラインが安定感抜群だったこと(長友が怪我で辞退したために出番が回ってきたんだろう安西はまあともかく……)。
麻也は年を重ねてようやく安心して観ていられるようになった気がするし、冨安はもう最初からすごいし、酒井宏樹もいまや代表史上最強のSBって印象になってきた。左SBがどうなるかは未知数だけれど、いずれにせよ最終ラインはかなりいい感じで固められそうな気がする。
ボランチでは柴崎はいまいちだったけれど、中山はよかった。残念なのはその前の四人。なんだか連携がまったくない。中島翔哉がいないとやっぱ駄目なんじゃんって思ってしまった。だからこそ最初から久保が観たかったのに……。
後半は頭から安西を伊東純也に替えて、フォーメーションを3バックに変更したのも気に入らない。3バックになってからの方が内容がよかったのは認めるし、実際に伊東純也は大いに目立っていたけれど、でもならば最初から伊東を使えばいいじゃんって話だ。そもそも親善試合なのにフォーメーションさえ固定できないのはやっぱり不満(単に個人的に3バックが嫌いなだけだって話もある)。
注目の久保の出番は後半の20分過ぎから。でも最後の最後にFKでバーをたたいた場面以外、それほど目覚ましい活躍はしていなかったと思う。交替で出てきたのはあと鎌田と菅原由勢の計4名(五輪代表で二回は見ているはずなのに「菅原って誰?」とか思ってしまった)。無得点の試合で交替枠を残して終わるのもよくわからない。
まあ、それにしても前線からのプレスはなかなかすごかった。こんなに前からがつがつとデュエルを仕掛けてゆく――しかもある程度ボールが奪える――日本代表を観たのは初めてな気がした。さすがに全員欧州でもまれているだけのことはあるんだなと思った。
でもだからこそ、そんな個々の能力の向上をチーム力にうまく還元できていない森保の監督としての不甲斐なさには失望しか感じない。
あぁ、これからW杯本番まであと一年半もこの人のサッカーにつきあわされるのかと思うと、本当にもううんざりだよ……。
(Oct. 11, 2020)
鹿島アントラーズ3-2横浜FC
J1・第21節/2020年10月10日(土)/カシマサッカースタジアム/DAZN
前の晩に日本代表のつまらない試合を観てしまったので、アントラーズで口直しをしたかったのに、試合開始からわずか15分で0-2というひどい内容。こりゃ駄目だ、3連敗確定か――と思ったところからまさかの逆転勝利を収めた横浜FC戦。
この日のスタメンは沖、小泉、犬飼、関川、永戸、三竿、レオ・シルバ、ファン・アラーノ、和泉、土居、エヴェラウドというメンツ。
ザーゴにとってはこれがベストなのかもしれないけれど、個人的には和泉の起用は疑問。シーズン序盤ならばともかく、終盤になってもこの程度では、さすがに貢献度が低すぎる。彼がスタメンで出て内容がいい試合を観た記憶がほとんどない。特にファン・アラーノと一緒にスタメンで出た試合が駄目な印象。この二人って併用しちゃ駄目な組み合わせな気がする。
和泉、積極的にシュートを打つ姿勢は買うけれど、あまりに決まらなさすぎだし、かといってまわりを生かすプレーをしている印象もない。クラブが背番号11を託して今季の主力と位置づけた選手としては、ここまでは完全に期待外れ。
ファン・アラーノも似た感じだったけれど、彼はここへきてようやく結果を残せるようになってきた。この日もエヴェラウドのゴールをアシストしているし、そもそもずっと運動量は多い。
それと比べると和泉の場合は消えている時間が長くて、目立つのはシュートを外したときだけって印象。なまじ生え抜きの遠藤康や、去年活躍した白崎をベンチに追いやってスタメン起用されているだけに、結果を出せないといかんせん印象は悪くなる。気の毒だけれど、今季の低迷の一番の原因は和泉に思えてしまう。
実際にこの試合では、ずっと鹿島劣勢だった試合内容が劇的に変化したのが、和泉が途中後退してからだったので、なおさらそういう印象になってしまった。
でもまあ、勝った試合で一個人を責めてばかりもなんなので、和泉の話はこれでおしまい。遅ればせながらの活躍に期待している。
いやしかし、この試合の前半にはまいった。開始わずか2分でセットプレーから失点を許し、さらに13分にもセットプレーの流れから追加点。それも瀬沼とか、松尾とか、誰それって選手らにゴールを奪われている(それも見事な)。
1点目はあまりに早すぎたから、かえってダメージはないかなと思ったけれど、前半の給水タイムより前に2点目を失ったのはさすがに痛かった。2連敗中だし、相手の守備もよかったし、きょうも駄目かと思ってしまった。
そんな空気がいっぺんに変わったのが、後半12分の選手交替以降。
土居、和泉、レオ・シルバをさげて、綺世、白崎、荒木を入れ、さあここから反撃だと思ってから、エヴェラウドの劇的なゴールが決まるまで、たった1分しかかからなかった。それも複数名が絡んだ見事な崩しからの得点。
荒木がドリブルでチャンスを作り、三竿が気のきいたヒールパスでつないで、最後はファン・アラーノの高速クロスから、エヴェラウドが右足をコンパクトに振り抜いて強烈なシュートをゴールネットに突き刺すまでの流れが絶品だった。これで盛り上がらない方がどうかしている。追い上げムードが一気に高まった。
それにしてもエヴェラウド、シュート上手いな~。ヘディングも足元も抜群じゃん。決定力のなさがまるで日本人のようだと思った序盤戦はいったいなんだったんだ。こんなに頼りになる助っ人とは思わなかった。おみそれしました。どうもありがとう。
ザーゴはその後に永戸→永木、ファン・アラーノ→松村と選手を入れ替え、交替カードを使い切る。
結果的にはこの選手交替が功を奏した。終了間際とロスタイムに生まれたそのあとの2得点はどちらも永木のCKから生まれたものだったし、松村のドリブルも攻撃のギアをあげる役割を果たしていたように思う。
同点弾は永木のCKをエヴェラウドが折り返したボールが相手のオウン・ゴールを誘発したもの。最後のところで荒木が詰めてボールを押し込んだけれど、その前にボールがゴールラインを割っていたということでオウン・ゴールの判定になった。どうせならば、荒木のゴールにしてあげたかった。ちょい残念。
ロスタイムの決勝ゴールも永木のCKから。ここでは綺世(か、もしかしたらまたエヴェラウド?)がヘディングで落としたボールを荒木がゴールラインぎりぎりからターンしてゴール前に入れて、最後は小泉がドンっと決めた。小泉の移籍後初ゴールが貴重な決勝点となった。小泉グッジョブ!
今季はあまりセットプレーから得点できていなかったので――もしかしてこれが初だとかいわないよな?――ここぞできちんと得点につながるプレーが生まれて本当によかった。
やっぱカズや俊輔のいない横浜FCに負けちゃつまらない。J2上がりのクラブに負け越しなんてのも願い下げだから、ほんと勝ててよかった~。
(Oct. 11, 2020)
日本1-0コートジボワール
親善試合/2020年10月13日(火)/スタディオン・ハルヘンワールト(オランダ、ユトレヒト)/TBS
今年は新型コロナウィルスのせいで代表戦が極端に少なくて、年内はこれが最後の試合になるかもしれないから(と思ったら来月メキシコ戦があるらしい)、ついに日本代表が勝つところを一度も観ないで終わる史上最悪の一年になるかと思いきや――。
後半のロスタイムに柴崎と植田の鹿島ホットラインがつながって劇的な決勝点をゲット。森保監督にとっては今年初となる白星をあげて、なんとか不名誉な一年を逃れたコートジボワール戦(無観客試合@オランダ)。
この日のスタメンはGKシュミット・ダニエル、DF室谷、麻也、冨安、中山雄太、MF遠藤航、柴崎、伊東純也、鎌田、久保建英、FW鈴木武蔵というメンバー構成。途中出場は南野、原口、堂安、植田直通の4人だった。
久保がスタメン起用されたのはめでたいけれど、でも南野はベンチ。いま日本人選手としてはもっとも話題のふたりが一緒にプレーするところが観られないあたりが、これぞ森保采配って気がする。
森保は今回の遠征ではなるべく多くの選手を使いたいといっていたという噂だけれど、ではこの試合で南野、原口、堂安といった主力の選手たちを途中から投入しておいて、三好は出番なしってのはどういうことだ。ベンチ入りしていた以上、怪我ってわけじゃないよな? 今回招集されたにもかかわらず、出番なしで終わったのは川島、板倉、三好の3人だけだ。ベテランでしかもGKの川島はともかく、板倉と三好は使ってあげてもいいじゃん。なんで麻也、冨安、柴崎といういまさら実力を証明する必要がない人たちをフル出場させておいて、三好や板倉にベンチを温めさせてんだよ。
麻也や柴崎をチームの柱と考えて固定して使うのならば、攻撃的なポジションだって同じようにひとりくらいは固定してしかるべきじゃん? そういう方針だとわかればまだしも、攻撃的な選手を総入れ替えしておいて、三好だけ使わないで終わるから納得がゆかないわけで。
そもそもなんで左SBは中山なの? 中山はべつに悪くなかったけれどさ。でもプロパーじゃないよね。海外組ってサイドバックそんなに少ないんだっけ?
試合内容はカメルーン戦に比べればよかったと思うし、今回は勝ってもいるのだからケチをつけるのはどうかと思うんだけれど、でも得点は最後のワンプレーで、そこまでずっと点が取れない展開は前回と同じだったから、これで森保よくやったという気分にはとてもなれない。選手交替だって、南野らの主力を途中から投入しながら、結局彼らは結果を出せなかったわけだし。予想外の時間帯での植田の投入(後半43分だよ?)が功を奏したのは見事でしたけどね。なんか狙ってやったというよりは、棚からぼた餅って感がぬぐえない。
注目の久保は開始1分にいきなりファーストタッチでシュートを打った(でも思い切りふかした)ときには期待を抱かせてくれたけれど、結局その後はそれほど多くの見せ場を作れず。うーん、この内容だと所属クラブの監督がスタメンで使わないのもわからないくないかも……と思ってしまった。
まぁ、久保については期待値が高すぎるのでどうしても評価が辛くなってしまう気がする。その他の選手についてはとくに不満なし――というか、スタメンの選手たちはそれぞれに持ち味を発揮していいプレーをしていたと思う。
なんでもコートジボワールにはアーセナルやミランといった強豪クラブの選手たちがひしめいるという噂だし、そんな国を相手に互角以上の試合をしてみせているのは、それだけ日本代表の実力が上がっている証拠だろう。
――とはいっても、今回対戦したふたつの国より日本のほうがFIFAランキングは上らしいから――日本の28位に対してコートジボワールが60位、カメルーンは53位――そんなにてこずってもらっても困るけれど。
まぁ、とりあえず、柴崎が最後の最後にいい仕事をしてくれてなによりだった。植田のダイビング・ヘッドもどんぴしゃでお見事でした。
(Oct. 14, 2020)
サガン鳥栖0-2鹿島アントラーズ
J1・第22節/2020年10月14日(水)/駅前不動産スタジアム/DAZN
このところ難しい試合がつづいていたから、ひさびさに最初から最後まで安心して観ていられる試合だった。前半12分に白崎のゴールで先制して、終了間際に犬飼のヘディングで追加点、そのまま無失点で逃げ切ったサガン鳥栖とのアウェイでの一戦。
この日のスタメンは沖、小泉、犬飼、町田、永戸、三竿、永木、荒木、和泉、白崎、エヴェラウドの11人。途中出場は土居、松村、レオ・シルバ、綺世の4人。
注目点はひさびさに町田がスタメンで関川がベンチ外だったこと。あとファン・アラーノも不在で、白崎、荒木がひさびさのスタメン。出番なしで終ったけれど、ベンチには常本佳吾という明大生のDFの名前もあった。
先制点は永木が左サイドから放り込んだアーリークロスをエヴェラウドが頭でワンタッチ、そのボールが相手にあたってこぼれてきたところをフリーだった白崎が決めたもの。白崎、今年は出番が少ないのに和泉と同じだけゴールを決めててすごい(――とか、はからずしてまた和泉バッシングに……)。
後半終了間際の追加点も永木のCKから。ファーに流れたこぼれ球を拾った松村が左足でクロスを入れ、それに犬飼がどんぴしゃであわせた。松村(左利きじゃないよな?)のクロスも犬飼のヘディングも文句なしでした。
まぁ、その2ゴール以外にはそれほど見どころのない試合だったので、あまり書くことがない(おまけに平日なのに酒を飲みながら観ていたのでなおさら書けない)。上田綺世があいかわらずぱっとしないのが気がかりなくらい。あと、ここ2試合での4得点はすべて永木のセットプレーが起点となっているので、ザーゴがこのあと永木をどう使うかはちょっと注目かもしれない。
鳥栖は高橋秀人が怪我で離脱中で、知っている選手は金森、原川、松岡大起だけだった。で、原川が目立ちまくりだった。あと、なぜか松岡がDF登録だった(ポジションはたぶんボランチだったけど)。なんで? よくわからない。
裏では川崎がリーグ記録である今季二度目の十連勝を成し遂げている。そろそろ史上最速で優勝決定までのカウントダウンがすでに始まりそうな……。
(Oct. 14, 2020)
北海道コンサドーレ札幌1-0鹿島アントラーズ
J1・第23節/2020年10月18日(日)/札幌ドーム/DAZN
連勝が途切れて以来、どうにも内容がぴりっとしない。土居も怪我から戻ってからは出来がいまいちだし、頼りのエヴェラウドにもいいボールが入らない。そんな調子で攻めあぐねているうちに、小さなミスからコンサドーレに見事なゴールを奪われ、結局そのまま逃げ切れられたアウェイでの札幌戦。
この日のスタメンは沖、小泉、犬飼、関川、杉岡、三竿、レオ・シルバ、ファン・アラーノ、荒木、土居、エヴェラウド。途中出場は永木、松村、綺世、染野、和泉だった。
珍しくエヴェラウドがシュート1本に抑え込まれ、チーム全体のシュート数でも相手に及ばなかったようだし、決定機も見どころも少ない試合だった。ひさびさに上田綺世にポストをたたく惜しいシュートがあったのが、個人的にいちばん印象的だったシーン。あれが決まっていればねぇ……。
あとこの試合でおもしろかったのは、小泉を下げて永木を右SBに、杉岡を下げて和泉を左SBに起用したザーゴ采配。ほんとザーゴって意外性のあるカードを切るよね。しかもいつでも超攻撃的だし。そこはけっこう好きだ。なんとか手を尽くして勝ちたいという意欲は伝わってくる。
札幌のゴールは三竿が中盤の深い位置で奪ったボールを攻撃につなげようと中途半端な位置に出したところで相手に奪い返され、そこから福森→駒井という見事な連携でフィニッシュまで持っていかれたもの。相手も上手かったけれど、近くにキックの名手の福森がいたのだから、あの場面はセーフティにクリアしておきたかった。
このところの札幌はジェイとタナティップが不在で、この日はアンデルソン・ロペス、ドウグラス・オリヴェイラもベンチ・スタートだったから、スタメンの外国人はルーカス・フェルナンデスだけだった。で、なぜか駒井がサイドではなく中盤の高い位置で起用されていた。その駒井のゴールで勝っているんだから――狙ったかどうかはともかく――札幌にしてみればしてやったりの結果だろう。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督はきょうが63歳の誕生日だそうだ(おめでとうございます)。いやなフラグが立ってんなぁと思ったら、見事にバースデイ・ゴールを奪われしまった。あぁ……。
あと、札幌で目を引いたのが現役法政大学生で上田綺世と同級生だというGKの中野小次郎。ぱっと見でもなんかでかいなと思ったら、身長が2メートルあるんだそうだ。おぉ、日本人で2メーター越えのGKが出てくる時代到来。すげー。
まぁ、なんにしろ、これで今年は札幌に2連敗。札幌相手にシーズンで2連敗したのは史上初とのこと。今年の札幌は下位に低迷しているから、連敗はないと思っていたんだけれどなぁ……。
この敗戦で2位セレッソとの勝ち点差は9に開いてしまった。暫定順位のため、まだガンバにもそこまで勝ち点を積み上げる可能性があるし、ほかにもFC東京と名古屋が上にいる。残り10節で複数チームに2、3勝差をつけられる状況はさすがにきびしい。うーむ、今年はもはやこれまでか……。
(Oct. 18, 2020)
ヴィッセル神戸1-3鹿島アントラーズ
J1・第33節/2020年10月21日(水)/ノエビアスタジアム神戸/DAZN
また知らないうちに日程が変更になっていた。ACLの日程が11~12月に無理やり突っ込まれたせいで、その時期に予定されていた出場クラブ――神戸がACLに出場していたことなんてすっかり忘れていた――の試合が前倒しになったらしい。
ということで、この日の試合は第33節。つまり今年はもう最終節の直前まで暫定順位がつづくわけだ。今年は川崎の優勝が実質的に決まったも同然とはいえ、暫定っていまいち納まりが悪くて気分がすっきりしないよねぇ……。
神戸は「今年の優勝はもう無理」と早々と白旗をあげていたフィンク監督が9月に退任(それとも解任?)。後任にはゼネラルマネージャーだった三浦淳宏が就任している。
三浦敦が監督としてどうかはまだ未知数だけれど、きょうのスタメンを見た限り、おそらく駄目なんじゃないかと思う。
だって前の試合でスタメンだった飯倉、高徳、フェルマーレン、ダンクレーがベンチ外だよ? ドウグラスもベンチで、スタメンの外国人、イニエスタだけだよ?
鹿島をなめるにもほどがある。
いくら中2日の過密日程とはいえ、そんな格落ちメンバーで臨んで、いまの鹿島に勝てると思うのが間違い。きっちり戦力分析できていない証拠じゃないだろうか。
対するこちらのスタメンは、沖、小泉、犬飼、町田、永戸、三竿、レオ・シルバ、ファン・アラーノ、和泉、綺世、土居というメンツ。途中出場はエヴェラウド、永木、荒木、伊藤翔の4人だった。
エースのエヴェラウドこそ珍しくベンチ・スタートだったけれど、でも意外だったのはそこだけ(まぁ、あえて加えるならば、あと町田の起用)。エヴェラウドも途中出場しているし、基本的にはフルメンバーだった。
はたして結果は3-1というスコアに表れている。見くびってもらっちゃこまるよ、三浦くん。リーグの序盤こそ低迷していたけれど、いまの鹿島はそこそこ強いのだよ。
この日の鹿島のスコアラーは上田綺世、和泉、土居の3人。みんなとてもひさしぶりのゴールで、それぞれに貴重だった(そういや伊藤翔を観たのもすごくひさしぶり)。
綺世のゴールは前半12分の個人技。インパクトに力のある見事なシュートだった。和泉は前半の終了間際にファン・アラーノが左から入れたグラウンダーのクロスにフリーであわせたもの。1点差とされたあとの3点目は、犬飼からのロングフィードをファン・アラーノが相手DFをブロックしてマイボールとして、フリーのスペースに走り込んできた土居がそれをしっかり決めたもの。
ということで、なにげにファン・アラーノが2アシストと活躍している。それも両方とも半分は彼の得点じゃんって思うような見事なアシストっぷりだった。あと、3点目の起点となった犬飼も、攻守にわたってとてもいいプレーをしていた。いやー、今年の犬飼はいい。彼がここまで頼れるDFになってくれるとは思ってもみなかった。
そんな犬飼でも止められなかった神戸の1点はまたもや藤本。イニエスタのCKから西がニアでワンタッチして流し込んだボールを、ゴール真正面でヘディングであわせた。なんであんなにどんぴしゃなボールがあの流れの中から渡ってくるかな。藤本、マジで鹿島キラーかもしんない(もしくは犬飼キラー?)。
それにしてもイニエスタ、やっぱすごいっすね。前半にロングボール一本でDFラインの裏をとった古橋のあわやというボレー・シュートを引き出した芸術的なコンビネーションをはじめとして、なぜそこにってパスが次々と出てくる。視野の広さとパスの精度がはんぱない。さすがワールドクラスって思わされました。
神戸さん、イニエスタをこのままチームに引き留めておきたかったら、来年はもっといい監督を連れてこないと駄目なんじゃないだろうか。まぁ、余計なお世話だけれど。
(Oct. 21, 2020)
鹿島アントラーズ1-0サンフレッチェ広島
J1・第24節/2020年10月24日(土)/カシマサッカースタジアム/DAZN
開幕戦では0-3と惨敗を喫した広島だけれど、いまはもうあのころとは違うから難なく勝てるだろうと思っていたら、そこはやはり強敵、そう簡単には勝たせてくれない。意外と難しい試合になった4試合ぶりのホームでの試合。
この日のスタメンは前の試合から上野綺世をはずしてエヴェラウドを入れた形。町田が2試合連続でスタメンだったことを除けば、あとはザーゴにとって、もっとも信頼できる顔ぶれなんでしょう。途中出場は永木、荒木、遠藤、綺世、関川の5人。
対する広島は、開幕戦でゴールを決めているチーム得点王のレアンドロ・ペレイラが出場停止。でもドウグラス・ヴィエイラとエゼキエウのブラジル人ふたりがいるし、佐々木、青山、川辺、森島司ら、日本人も実力者揃い(GKはなぜか大迫ではなく林卓人だった)。知らない名前もいくつかあったけれど、途中交替で曲者の柏好文や野津田、浅野雄也(拓磨の弟、23歳)といった選手が出てくるんだから、それだけ選手層も厚いってことだろう。
ということで実力伯仲のクラブどうし、試合はほぼ互角の展開で、両チームとも決定機を決めきれずに、スコアレスのまま後半へ。
試合がようやく動いたのは後半31分だった。三竿からのロングボールをジャンプして胸トラップしたエヴェラウドがそのまま相手DFの裏をとってGKと一対一のチャンスを演出。これを確実にものにしてアントラーズに勝利をもたらした。さすがエース、頼れる。
終盤はサンフレッチェに押し込まれてひやひやする展開の時間帯もあったけれど――このところ名前を聞くだけあって、浅野弟もけっこう怖かった――最後は関川を入れて守備を厚くした鹿島が、伝統のカシマりっぷりをみせてそのまま逃げ切り。暫定ながら2位セレッソと勝ち点の差を3まで縮めた(あくまで暫定ながら)。
それにしても、最後ののらくらぶりはひさびさに鹿島っぽかった。本当は伊藤翔が観たかったんだけれど、この試合内容では最後は関川を入れての3バックで正解。なんでも広島に勝ったのは6試合ぶりだとか。なんと、そんなに苦手にしていたとは。
(Oct. 24, 2020)
鹿島アントラーズ0-2名古屋グランパス
J1・第25節/2020年10月31日(土)/カシマサッカースタジアム/DAZN
暫定ながら勝ち点45で並び、アントラーズよりひとつ上の5位につけている名古屋グランパスとの対戦。
ACLに出場するために必要な4位以内を目指すならば、ぜひとも勝っておかないといけない一戦だったのに、結果はあいにくの完封負け。まぁ、でもきょうの試合はつきもなかったから、致し方ないかなぁと思う。
この日のスタメンは沖、小泉、犬飼、町田、永戸、永木、レオ・シルバ、ファン・アラーノ、和泉、土居、エヴェラウドの11人。
当初は三竿が出るはずだったのに、試合前のアップ中になにかトラブルがあったらしく、直前にスタメンが替わって永木が出場した。この日はこれがケチのつき始め。
試合が始まってみれば、最初のプレーで金崎夢生の肘が犬飼の顔面に入るラフプレーでいきなり試合が止まる。町田が夢生に食ってかかって、はなから一発触発なムード。
問題はこの場面で金崎にイエローカードさえ出なかったこと(試合後の記者会見ではザーゴがあれはレッドだと大憤慨していたらしい)。でもって、その後もこの日はとてもラフプレーの多い試合になってしまい、そのたびに判定が微妙だった。
名古屋に先制点をもたらしたのは和泉が取られたPKで、ペナルティ・エリア内でうしろから出てきてボールを奪ったマテウスを蹴ってしまったということで取られたファールだったけれど、でもあの場面、和泉は意図的にマテウスを蹴ったんじゃなかったよね?
意図的ではないということで最初の夢生にカードが出なかったんだとしたら、あそこだってノーファールで流してくれてもよくない?
――ってさすがに背中を蹴っといてそれはないか。
まぁ、その場面はおくとしても、とにかく、この日のレフェリーの荒木友輔の判定は終始すっきりしなかった。笛の基準があいまいで、なぜそれがファール? とか、なぜそこで笛を吹かない? とか思うシーンのオンパレード。
そんな試合でPKで先制を許し、後半にはファン・アラーノが二枚のイエローをつづけてもらって退場になってしまえば、文句のひとつもつけたくなって当然。判定に泣かされた残念な試合でしたといわないではいられない。
ちなみに2失点目は後半ロスタイムに沖がフィードをミスって、相手ボールにしてしまい、マテウスにカウンターを食らったもの。あのミスは残念だったけど、沖は貴重なファイン・セーブ連発でチームを助けたシーンもあったし、プラマイはゼロだと思う。
いやしかし、この日のマテウスはよかった。ガブリエル・シャビエルが離脱中だったけれど、その分まで活躍していた感じ。攻守に存在感ありまくりでした。
そのほか名古屋では元鹿島の夢生と相馬がそろって出場して、犬飼たちとガツガツやりあっていたのも一興だったし、これでラフプレーがもっと少なければ、とても見ごたえのあるいい試合だったのに……。
それにしても、PKで先制を許して、後半ロスタイムにカウンターで失点してそのままスコアレスで負けるって展開は、今月初めのガンバ戦とまったく同じじゃん。十月の最初と最後に、上位争いの直接対決で同じような負けを繰り返してしまったのは痛恨……。
(Nov. 01, 2020)