2020年9月のサッカー
Index
- 09/05 〇 名古屋1-3鹿島 (J1・第14節)
- 09/09 〇 鹿島2-1仙台 (J1・第15節)
- 09/12 〇 清水1-2鹿島 (J1・第16節)
- 09/19 〇 C大阪1-2鹿島 (J1・第17節)
- 09/23 〇 鹿島1-0湘南 (J1・第18節)
- 09/27 ● 鹿島0-2大分 (J1・第19節)
名古屋グランパス1-3鹿島アントラーズ
J1・第14節/2020年9月5日(土)/豊田スタジアム/DAZN
今季初の3連勝~。しかも対戦相手は前節まで暫定3位につけていた名古屋グランパス。ここへきてようやく内容に結果がついてくるようになったみたいで、安心して観ていられるようになってよかった。
この日のスタメンは沖、小泉、犬飼、関川、永戸、三竿、レオ・シルバ、荒木、和泉、土居、エヴェラウド。途中出場はファン・アラーノ、永木、遠藤、白崎、綺世の5人。
ただし白崎、綺世は後半ロスタイムに入ってからの出場だから、ほぼなにもしていないも同然。2点も勝っている状況で、ほとんどプレー時間がない時間帯に交替カードを使うザーゴ采配にはいまいち納得がゆかない(とかいいつつ、そこから得点した試合もあったわけだけれども)。
でもこの試合で文句をいいたいのはそれくらい。3点もとって快勝したのに、ケチばかりつけていたらバチがあたる。
この日の先制点は和泉。右サイドからエヴェラウドが入れたグラウンダーのクロスに楽々あわせた。和泉、今年はゴールに嫌われまくりだけれど、古巣との対戦で得点するってのは、やっぱなにかしら持っている人なのかもしれない。
まぁ、あの場面、ペナルティ・エリア内には和泉のほかにも攻撃の起点となった土居とレオ・シルバもいたし、いちばんボールに近かった土居はあと一歩及ばなかったけれど、もしも和泉が打てなかったとしても、その横にいたレオ・シルバが決めていただろうし、チームとして完璧な崩しだった。
2点目は荒木。レオ・シルバが相手の裏をとったラストパスに反応して、豪快に決めた。荒木、見た目はまだまだ高卒っぽいけれど、ここぞのプレーは堂々としていてすごい。
後半のあたまに相馬からのクロスを稲垣祥――今季広島から完全移籍してきたそうだ――に決められて1点差においあげられた場面は、相馬のクロスがチェックにいった犬飼の足にあたって、稲垣の足元へと山なりに落ちてくるナイス・パスになってしまったのが不運だったので、まあ仕方なし。きちんと決めた稲垣もうまかった。
そのあと鹿島の駄目押し弾となった3点目は土居。最初に自身が打った右サイドからのマイナスのクロスは相手に止められたものの、そのこぼれ球をGKランゲラックの股抜きシュートで決めてみせた。最初のクロスのところで打てよって思ったけれど、結果オーライ。いいシュートでした。
名古屋では出戻りの金崎、相馬という鹿島の元チームメイトのプレーが観られた。
相馬はベンチスタートだったけれど、スタメンの前田直樹が早い時間に怪我したために、前半のうちに出番がまわってきた。その相馬のプレーから1点が生まれたのだから、交替策自体は成功だろうけど、前田がかなり存在感のあるプレーをしていたので、彼の途中後退は名古屋にとっては痛かったのではと思う。
それにしても堅守が売りのフィッカデンティ率いる名古屋から3点も取れるとは思わなかった。丸山、中谷という移籍組のCBコンビに、スキンヘッドの吉田豊(見ためが少林サッカーっぽい)、故障明けの米本らを擁する守備陣はけっこう強力だと思うんだけれどな。それをきちんと崩して3得点を奪ってみせたいまの鹿島の攻撃陣は、それだけ質が高いってことだろう。よき
そうそう、この試合はキックオフからわずか12分で、雷雨のために一時間半も中断したんだった。そういう意味では、どちらにとってもなかなか難しい試合だったんだろうなと思う。とりあえず祝・3連勝。
(Sep. 06, 2020)
鹿島アントラーズ2-1ベガルタ仙台
J1・第15節/2020年9月9日(水)/カシマサッカースタジアム/DAZN
今季初めて勝ち星が先行した。順位も暫定ながら7位まで上がった。なんでも4連勝は3年ぶりだとかいう話だ。やっぱサッカーは勝ってなんぼだなぁと思うきょうこの頃――とかいっていると、毎年下位に沈んでいるクラブのサポーターに怒られそうだけど。なんにしろ、調子が上向きでめでたい。
この日の対戦相手はベガルタ仙台。梁勇基がいなくなってしまって以来、いまいちチームの顔が定まらない感があるけれど、この日のスタメンはなかなかおもしろかった。
GKがポーランド人のスウォビィク、DFにはモザンビーク人のシマオ・マテがいて、FWのゲデスがポルトガル人。さらにはジャーメイン良とか、途中出場の
対するこちらのスタメンは、GK沖、DF小泉、犬飼、関川、永戸、MF永木、三竿、ファン・アラーノ、荒木、FW土居、エヴェラウドというメンツ。このところ、うしろの5人と前のふたりはすっかり固定されている。途中出場は遠藤、綺世、レオ・シルバ、和泉、奈良の5人だった。
先制ゴールは前半ロスタイムのエヴェラウド(3試合ぶり9点目)。ペナルティ・エリア内に侵入した小泉がGKの裏をかいてブロックをかわし、ゴールラインぎりぎりから入れたラストパスを頭で押し込んだ。あれは半分は小泉の得点だ。ナイス。
2点目は途中出場の綺世の個人技。左サイドで最終ラインからのロングボールを受けた綺世は、ペナルティ・エリアに切れ込んで相手DFを一枚かわすと、そのまま豪快なシュートをファーサイドに放り込んでみせた。
その時間帯にはひやひやするシーンもあったから、この追加点はでかかった。おかげで勝利を確認できた。サンキュー、綺世。
惜しむらくは、さぁ、あとはクリーンシートで試合を終えるだけ……と思ったそのあとに失った1点(CKからのこぼれ球を長沢に決められた)。それも奈良を入れて守備固めに入ってからの失点だったからいただけない。点は取れるようになったけれど、どうにも守備はいつまでたってもピリッとしなくて困りものだ。
でもまあ、一時期に比べれば全体的によくなったのは確か。犬飼とか今年はずいぶん成長したなぁって思うし。関川も――正直まだまだ頼りないけれど――それほどミスが目立たなくなってきたかなとは思う。その結果がこの4連勝なんだろうから、まあよしとしよう。やっぱ勝つって気持ちいい……。
(Sep. 10, 2020)
清水エスパルス1-2鹿島アントラーズ
J1・第16節/2020年9月12日(土)/IAIスタジアム日本平/DAZN
4連勝中の鹿島のこの日の相手は現在5連敗中だという清水エスパルス。結果はこちらが連勝を5に伸ばし、あちらが6連敗と明暗が分かれた。
清水の監督のクラモフスキーという人は、去年までマリノスでポステコグルーの下でヘッドコーチを務めていたそうで、なるほど、序盤のエスパルスは攻撃的でとてもいいサッカーをしていた。Jリーグは実力均衡で楽な相手ってないよなぁと思いながら観ていた。
この日のスタメンはGK沖、DF小泉、犬飼、町田、杉岡、MF三竿、レオ・シルバ、ファン・アラーノ、和泉、FW土居、エヴェラウドの11人。
前節まで固定されていた最終ラインのメンツが変わった。町田がおよそ1ヵ月ぶりにスタメン復帰。杉岡もひさびさに出てきた。
杉岡の起用に関しては永戸を休ませるのが主な目的で、次節はきっとまた永戸が帰ってくるんだろうけれど、町田についてはわからない。次節で町田と関川、どちらが起用されるかはちょっと注目だ。
試合については、前述のとおり、立ち上がりはエスパルスのペースだったけれど、10分かそこらでアントラーズもリズムよくボールをまわせるようになり、29分にはエヴェラウド、その3分後には土居にゴールが生まれて、エスパルスを圧倒。ふたりには他にも惜しいシュートが1本ずつあったし、後半途中でふたりがそろって引っ込むまでは4-0とかになっていてもおかしくない試合展開だった。
殊勲のツートップが綺世、荒木の若いふたりにかわってからは、悪くはないけれど、決めきれもしない展開がつづいた。でもまぁ、この調子ならば勝ちは間違いないだろう――きょうこそはクリーンシートでゆけそう――と思っていたら、後半途中から出てきたティーラシンにゴールを許して1点差とされてしまう。やっぱ守り切れねー。
――ってでもまぁ、あれは短い出場時間でワンチャンスをものにしたティーラシンが上手かった。さすがタイの英雄、勝負強い。
これで1点差となってしまい、終盤はセットプレーのたびにひやひやしたものの――なんたって今年の鹿島はセットプレーからの失点が多いし、対する相手は総得点の半分以上がセットプレーからだというし――その後はなんとかしのいでそのまま試合終了。みごと5連勝を成し遂げた。
清水では10番のブラジル人、カルリーニョス・ジュニオがやはりちょっと目立っていたくらい。あとはGKがかつてFC東京にいた大久保択生で、DFに東京からレンタル中の岡崎慎と五輪代表の立田がいて、途中出場でドゥトラが出てきた。知っている選手はそれくらい。エウシーニョやファン・ソッコもいなかったので、台所事情が苦しいのかもしれない。あ、でも現役高校生の
ま、なんにしろこれで暫定ながら順位も5位まで上がりました。ここまで1節多く消化しているので、この試合でちょうどリーグ戦の半分を消化したことになる。
一つ下にいるレッズ他6~9位のクラブより1、2試合多いので、それらのクラブの成績によっては9位まで下がる可能性もあるけれど、でもとりあえず序盤戦の低調さを考えれば、この順位は上出来でしょう。今年はリーグ1位と2位が天皇杯決勝を戦う可能性が高いので、4位までに入れば来年のACLに出場できる可能性大。なんとしてもそこまでは順位をあげたいところだ。
(Sep. 13, 2020)
セレッソ大阪1-2鹿島アントラーズ
J1・第17節/2020年9月19日(土)/ヤンマースタジアム長居/DAZN
破竹の勢いで首位を独走する川崎フロンターレを勝ち点5の差で追う2位セレッソとの対戦。あちらさんもリーグ戦は6連勝中とのことで、好調どうしの上位対戦だけあって、とても見ごたえのある試合だった。
鹿島のスタメンは沖、小泉、犬飼、関川、永戸、三竿、レオ・シルバ、ファン・アラーノ、和泉、土居、エヴェラウドの11人。
どうやらこのメンツがザーゴの考える現時点でのベスト・メンバーらしい。町田、やはりレギュラー争いで関川に敗れる……。でもとりあえず町田はこの試合もベンチ入りして、後半途中から3バックでの守備固め要因として出番をもらっていた。
対するセレッソは山形から移籍してきた坂元達裕という23歳の選手が今季の注目株らしい。柿谷、高木俊幸、西川潤、丸橋といった実績やネームバリューのある選手たちにベンチを温めさせてスタメンに名を連ねているのだから、それだけロティーナが高く評価しているってことなんだろう。実際にこの試合では彼のアシストから1点を奪われている。
とりあえず、先制点は鹿島。和泉のシュートがGKキム・ジンヒョンに止められたそのこぼれ球にファン・アラーノが詰めていて、身体ごとボールを押し込んだ。ゴールマウス内に倒れこんだ相手DFにボールが止められたので、ゴールネットが揺れない泥臭いゴールだったけれど、あそこにいたからこその1点だからOK。ファン・アラーノが少しずつだけれど、点に絡んできているのもいい傾向だ。
ただ、先制ゴールの喜びはそう長くつづかない。そのわずか4分後には右サイドをワンタッチ・パス2本で見事に崩され、最後は坂元のアシストからブルーノ・メンデスにフリーでシュートを決められてしまう。こちらの泥臭いゴールとは対照的なきれいな崩しだった。最近はミス絡みの失点が多い印象だったので、あそこまできれいに崩されての失点はひさしぶりな気がする。まぁ、それも右サイドからのパスの出所を止められなかったところからの失点だから、ある意味守備のミスかなのかもしれないけれど。いやしかし、敵ながらきれいなゴールでした。さすがにリーグ2位は手強い。
この日の決勝点が決まったのは、後半に入ってすぐ。2点目も和泉のシュートのこぼれ球からだった。決めたのはエヴェラウド(通算11ゴールで得点王ランキング単独2位!)。いまや和泉のシュートは決まらないから、ちゃんとこぼれ球に反応しようというチームメイトの共通認識ができているのかもしれない(失礼)。
結局その1点が決勝点。残り10分ちょっとという時間帯までスタメンを引っ張り、そのあと町田、荒木を入れ、ロスタイムに入ってから綺世、もうロスタイムを使い切ったってころに遠藤と永木を入れて、だらだらと逃げ切った。カードの切り方はもうちょっと効率よくできないのかって思う。ロスタイムからじゃ出てくる選手もモチベーションがあがらないだろう。ザーゴ采配に対する現時点での不満はそれくらいだ。
この試合では沖が相手のシュート2本をたてつづけに止めて、勝利に貢献した。もう今年の正ゴールキーパーは沖で決まりみたいだ。となると、クォン・スンテとの契約もおそらく今年いっぱいだろう。出番がないのは気の毒だけれど、でもいつまでもクォンに頼っているわけにもいかないので、こればかりはいかんともしがたい。
そういや、前々節で仙台が意外と多国籍……とか書いたけれど、セレッソもアルゼンチン人のデサバト、クロアチア人のヨニッチ、あと韓国人のキム・ジンヒョンにブラジル人のブルーノ・メンデスと四ヵ国の選手がプレーしていた。まあ考えてみると、歴代フィールド・プレーヤーはほぼ全員ブラジル人なんていうアントラーズが少数派なのかもしれない。
なんにしろ、これにて全クラブとの一巡目の対戦が終了。ここ最近の6連勝で鹿島は自分たちより上位にいる2位から4位のチーム――C大阪、F東京、名古屋――に勝っている。たぶんここまでの全試合でシュート数では相手チームを上回っているし、これならば実質2位も同然(調子に乗っている)。川崎に追いつくのはさすがに難しいとしても、ベスト3に食い込むのは時間の問題って感じになってきた。こうなると本当に序盤に出遅れたのが悔やまれるよなぁ……。
次節は前回の対戦で敗れた湘南戦だから、しっかり借りを返して連勝を伸ばしていただきたいと思います。
(Sep. 20, 2020)
鹿島アントラーズ1-0湘南ベルマーレ
J1・第18節/2020年9月23日(水)/カシマサッカースタジアム/DAZN
いやあ、ついに連勝が途切れたかと思ったら――。
最後のワンプレーで途中出場のファン・アラーノが劇的な決勝ゴール。からくも勝ち点3を拾ったホームでの湘南戦。
この日のスタメンは沖、小泉、犬飼、関川、杉岡、永木、レオ・シルバ、荒木、和泉、遠藤、エヴェラウド、途中出場は染野、ファン・アラーノ、名古、綺世、松村という顔ぶれ。
累積警告で出場停止の三竿と、前節で足をねん挫したという土居がベンチ外。好調のチームをひっぱっていた二人が欠場ということで、どうなることかと思ったら、やはり出来はいまいち。ここまで勝ち点9で最下位に沈んでいる湘南を相手にぴりっとしない展開がつづく。
湘南は梅崎が故障中とのことで――そういえば前回の対戦時にもいなかったっけ――山田直輝もなぜかベンチ外だし、外国人はゼロだしと、戦力的には苦労していそうなのだけれど、それでいて、やっているサッカーの内容は決して悪くなかった。カウンター主体でチャンスの数こそ多くはないけれど、いざというところではワンタッチ・パスをつないできちんとシュートまでつなげてくる。前回決勝ゴールを許した石原直樹には今回もあわやというシュートを3本も打たれている。前線からの守備もやたらとしつこいし、なんで最下位のチームがこんなに手強いんだって思ってしまった。
湘南は去年、
ま、なんにしろ湘南は今回も予想外に手強かった。前回はこちらの調子が悪かったから不覚を取ったのだと思っていたけれど、連勝中で好調なはずの今回も同じような試合になってしまった。ただ、今回は相手のシュートミスや味方のいい守備で助けられたのが勝因。
ほぼ毎試合失点しているから今年は守備がいまいちだと思っていたけれど、でも試合全体をみると、高い位置から鋭いチェックでボール奪取して攻撃につなげるシーンがとても多いので、決して一概に守備が駄目ってこともないのかなって、このところ思うようになった。あとはセットプレーやミスからのつまらない失点さえなくなれば、いまのチームって相当強いんじゃないだろうか。なんにしろ、この日はひさびさに無失点で終わってよかった。クリーンシートでの勝利は10試合ぶりだとか。それはそれで残念な数字だが。
劇的な決勝点は、自ら攻撃の起点となってワン・ツーでゴール前に切り込んだファン・アラーノが強引に打ったシュートが相手DFにあたって絶妙なループ・シュートになったもの。相手には気の毒なラッキー・ゴールだったけれど、でも最後まで諦めずに攻めつづけたからこそ生まれた得点だ。運も実力のうちと自信を持っていいと思う。
裏では首位・川崎が10連勝のあと再び6連勝中と、強すぎてまったく追いつける気配さえないのが困りものだけれど、でも2位セレッソとの勝ち点差6なら射程圏内。ようやく来季のACLへの道がはっきりと見えてきた。
ちなみに、この日の川崎-横浜FC戦では、カズ(53歳)が俊輔や松井とともにスタメン出場を果たして大きな話題になっていた。よもやふたたびJ1でカズがプレーしたなんてニュースを聞く日がこようとは……。
(Sep. 24, 2020)
鹿島アントラーズ0-2大分トリニータ
J1・第19節/2020年9月27日(日)/カシマサッカースタジアム/DAZN
あぁ、ひさしぶりに負けました。連勝は7でストップ。でもあの試合内容じゃ仕方ないよなぁと思う。
この日のスタメンは沖、山本脩斗(!)、関川、町田、永戸、永木、三竿、ファン・アラーノ、和泉、名古、エヴェラウド。
前節イエローをもらった犬飼が累積警告で出場停止になったため、CBは開幕戦以来の町田、関川コンビ。でもって山本脩斗が右SBとして今季初登場。ボランチはレオ・シルバを休ませて三竿と永木。でもってなぜだか名古がトップ下という布陣。
まぁ、ここまでいじったら、そりゃいいリズムでは戦えなくても仕方ない。前半はたたみかけるような厚い攻撃を見せる時間帯もあったけれど、でもゴール前までは運べど、なぜだかシュートを打てない。なんかこの日はそういう思い切りの悪いプレーが多くて、けっこうストレスだった。
低調だったここ2試合の内容には、開幕当時の低調さに通じるものがあると思う。なぜそうなっちゃったかといえば、理由はおそらく明確。――土居聖真がいないからだ。
開幕からしばらく勝ちから見放されているあいだは土居がレギュラー・ポジションをつかみきっていなかった。鹿島が勝ち始めたのは、土居がスタメンで常時使われるようになってからだ。でもって、土居が戦列を離れた途端にこのていたらく。こりゃもう今年のキーマンが土居なのは明らかでしょう。
ということで、ボールをまわせど攻めきれずにスコアレスのまま前半を終わったこの試合は、後半になって相手に先制され、終盤スクランブルで攻めて出ようとした矢先に追加点を奪われてジ・エンド。結局1点も奪い返せずに無得点のままの敗戦となった。ノーゴールに終わったのもずいぶんとひさしぶりだ。
大分の1点目は小塚という選手が思い切りよく打ったシュートが永戸の背中にあたってコースが変わり、沖の反応のできないところへ飛び込んでしまったもの。いってみれば前節でのファン・アラーノの決勝ゴールと同じ形。前回のラッキー・ゴールが見事に相殺されてしまった。まぁ、そういう意味では前節で途切れるはずだった連勝がひとつ伸びた分のツケを払わされたってことだろう。
ザーゴは後半の頭からエヴェラウド、名古を下げて、綺世と荒木を投入。先制を許したあとは、山本を遠藤に、さらには関川、和泉を染野、松村に替えて1点を奪い返しにいった。スタメンの4バックのうちふたりを攻撃的な選手と替えているんだから、そりゃ守備が破綻しても当然(最後は三竿がCBを務めていた)。なので、カウンターから奪われた2点目は致し方ないと思う。でもそこまで攻撃的な交替カードを切るザーゴって、僕はけっこう好きだったりする(結果はまったくついてこなかったけど)。
そもそもザーゴさん、普段からベンチにはたいていDFはひとりしか入れていないですからね。そのひとりがこの日はボランチが本職の小泉だってんだから、要するにDFの交替カードは実質ゼロも同然。どれだけ攻めんのが好きなんだって話だ。そのうち痛い目にあいそうで怖いです。
ちなみに大分の2点目は前回の対戦で先制ゴールを許した高澤。要するにこの人には2試合連続でゴールを許している。この日はサブで後半からの出場だったけれど、それでも得点に絡んでしまうあたり、天敵の匂いがする。どうも去年の藤本といい、大分のFWとは相性が悪いんじゃないだろうか。それとも相性が悪いのは、監督の片野坂氏のサッカーとだろうか? そういえば、片野坂さん、ザーゴとはかつて柏でチームメイトだったらしいです。しかもあの顔で俺より年下。なんと。
そのほか大分では田中達也という聞いた名前の知らない若者が活躍していた。あと、GKがムン・キョンゴンという25歳の韓国人に替わっていた。でもって、前回よりは今回のGKのほうが間違いなく安定感があった。前回4点も奪った相手に無失点で終わったのは、このGK交替の影響も少なからずあったと思う。どうせならば、そのまま高木にゴールマウスを守っていてもらいたかったよ……。
そういえば、前回大分と対戦したときには三竿雄斗がJ1通算出場100試合達成ってことで表彰を受けていたけれど、今回は同じ理由で弟の健斗が表彰されていてびっくりだった。兄弟対決で兄と弟が二試合つづけて節目の試合を迎えるって、そんなことある? 歳は離れているのに誕生日が同じだというし、すごい星の下に生まれているな、三竿兄弟。
まぁ、なんにしろ、負けました。3位も目前とか思っていたら、この日負けてあっという間に暫定6位に転落。あーあ。まぁ、そう簡単にはいかないか。
(Sep. 28, 2020)