2017年11月のサッカー

Index

  1. 11/04   C大阪2-0川崎 (ルヴァン杯・決勝)
  2. 11/10 ● 日本1-3ブラジル (親善試合)
  3. 11/16 ● ベルギー1-0日本 (親善試合)
  4. 11/18   川崎1-0G大阪 (J1・第32節)
  5. 11/25   浦和1-0アルヒラル (ACL・決勝)
  6. 11/16 △ 鹿島0-0柏 (J1・第33節)
  7. 11/29   川崎1-0浦和 (J1・第33節)

セレッソ大阪2-0川崎フロンターレ

JリーグYBCルヴァンカップ・決勝/埼玉スタジアム2002/フジテレビ

 セレッソ大阪が初のタイトルを獲得したルヴァン杯の決勝戦。どちらが勝っても初タイトルってことで、チケット完売で入場者数は史上最高だったらしい。
 両チームとも日本代表レベルの選手がごろごろいる実力者どうしなので、試合自体はとても伯仲した内容の濃いものだったと思う。でも終わってみれば、キックオフからわずか1分で決まった杉本健勇のゴールがすべてだったような気がする。そのゴールが──というか、そのゴールを許す原因となったDFのミスが。
 誰だったか知らない(あえて調べない)けれど、足元のボールを空振りして杉本にフリーでシュートを打つチャンスをあたえてしまったあの陳腐なプレーは非常に高くついた。優勝賞金は一億五千万円で、二位だと五千万らしいので、あのミスひとつに一億の価値があったことになる。川崎にとってはまさに痛恨のミスだった。
 ま、なんにしろなかなかいい試合だった。J1得点王争いをしている小林悠と杉本(両者とも興梠につぐ2位)のエース・ストライカー対決も興味深かったし、セレッソには柿谷、清武、山口蛍(今年は背番号10なんっすね。ちょっと驚いた)、水沼宏太、山村(故障明けなのでこの日は途中出場)、フロンターレには中村憲剛、家長、大島に三好、車屋、谷口と、年代別も含めた代表経験者がたくさんいる。GKは両方とも代表経験のある韓国人だし(キム・ジンヒョンとチョン・ソンリョン)、ソウザ(後半ロスタイムの駄目押し弾はこの人)やエウシーニョらの外国人にも存在感がある。そんな両チームが切望している初のタイトルをかけて争うのだから、そりゃ内容がよくってあたり前って一戦だった。
 セレッソを優勝に導いたのは、今年から指揮をとっている尹晶煥(ユンジョンファン)。ユン監督はJ2から昇格したばかりのセレッソをリーグ戦でも一度は首位に立たせ(途中で失速しちゃったけど)、この日は初のタイトルをもたらしている。サガンのときでさえ、あわや首位なんてシーズンがあったし、指導者としての手腕には間違いがないんだろう。
 対するフロンターレで風間監督のあとを引き継いで今季から指揮官を務めるのは、なんと元アントラーズの鬼木。まぁでも通算キャリアではその後の川崎に在籍していた期間のほうが長いようなので、さすがに鹿島仕込みの勝者のメンタリティも薄れちゃってるのかもしれない。
 それにしても本当にフロンターレの勝負弱さときた日には……。
(Nov 04, 2017)

日本1-3ブラジル

親善試合/2017年11月10日(金)/スタッド・ピエール・モーロワ(フランス)/テレビ朝日

 日本代表には珍しい欧州遠征での強豪国との親善試合二連戦。最初の対戦相手はA代表では過去に一度も勝ったことがない──そして今回もやっぱり惨敗したブラジル。あぁ、いったいいつになったらブラジルに勝てることやら。
 今回は選手選考に大いに不満がある。今回の欧州遠征にハリルホジッチは本田、香川、岡崎を招集しなかった。僕にはそれがなによりの不満。
 メキシコにいる本田はともかく、あとのメンバーは所属クラブの大陸での開催なのだから、わざわざ日本に呼び戻すよりもいいプレーが期待できるはずだ。それなのになぜ呼ばない? 先月のハイチとニュージーランドとの試合にはわざわざ呼び戻した香川や岡崎を今回は外すなんてナンセンスすぎる。その点では武藤や小林祐希だってそう。前回の彼らのプレーは及第点だったと僕は思う。なぜに今回はいない?
 かわりに大抜擢して久保建英を連れてきたとかいうならばまだ許せるのだけれど、彼らのかわりが興梠や長澤だってんだから、なおさら許しがたい。
 べつに彼らが代表にふさわしくないとは思わない。ただタイミングが悪い。最近はまったく呼んでいなかった興梠を、レッズがACL決勝を控えたこの大事な時期になぜ呼ぶのかって話で。しかもこの試合では使いもしないし。使うにしても次のベルギー戦ってことでしょう? ACL決勝まで中3日とかになっちゃうじゃん。いったいなに考えてんだ? レッズになにか恨みでもあるのか? あぁ、わけがわからない。
 というわけで今回はハリルホジッチに大いに不満を持っている。ブラジル相手にいい試合をしてくれたのならば、まだ溜飲も下がったかもしれないけれど、前半だけで3-0とこてんぱんにされちゃったので、なおさら腹が立つ。
 この日のスタメンは川島、酒井宏、麻也、槙野、長友、長谷部、蛍、井手口、久保裕也、原口、大迫だった。
 長谷部がいるのに長友がキャプテンマークを任されていたのは、長友がこの試合で通算百回目の代表戦出場を果たしたからだろうか。
 いずれにせよ、長谷部、蛍、井手口の3人が併用されている時点で印象は百パー守備的。現状のハリルホジッチが考える、守備に軸足を置いて戦う際にもっとも信頼できる11人ってことなのだろうと思う(槙野のところが昌子じゃないのが個人的には残念)。そういう意味ではいかに失点を抑えるかがポイントだったはずだ。それなのに前半で3点も失ったんじゃ話にならない。
 まぁ、最初の失点は不運もあった。VAR(ヴァーチャル・アシスタント・レフェリー)なる新企画の採用のせいで麻也がPKを取られた1点目は、なにがPKなのかわけがわからなかったし、そのあとにももう一度、今度は蛍がPKを取られた場面にしても判定が厳しかった(キッカーはどちらもネイマール)。親善試合なんだから、あれくらいのファールはどちらも流してくれよって思った。この日のフランス人レフェリー、空気読まなさすぎ。
 まぁ、それでも試合自体はやっぱ格が違うなぁって内容ではあった。序盤からもうブラジル・サッカーの質の高さにたじたじ。ブラジルうますぎ、日本弱すぎで、観ていてすげーむかついた。
 2点目は蛍がとられたPKを川島がみごとに止めたにもかかわらず、その直後のCKからのこぼれ球を井手口が足を滑らせてクリアミスして、マルセロにスーパーミドルを決められたもの。PK失敗の直後に、その失敗をなかったかのようにあたりまえのように得点を決めるブラジルと、ピンチを防いだ直後に失点する日本に両者の実力差が如実に表れていると思った。
 3点目もそう。久保が相手ペナルティ・エリアへドリブルで切れ込もうとボールを持ち込すぎ、奪われたところからカウンターであっという間に失点を許してしまう。こちらのチャンスだったはずが、わずか十数秒であっという間に駄目押し弾を食らう始末なんだから、もう話にならない。
 まぁ、救いだったのは、そのままいったら悲惨なスコアで終わりそうだった試合を、後半はなんとかスコアレスでしのげたこと(相手がすっかりリラックス・モードになっちゃったからだとは思うけど)。あと、とりあえず1点だけでも返せたこと。南米予選をわずか3失点で戦い終えたというブラジル相手に、クリーンシートを避けられたのは不幸中の幸いだった。
 後半から途中出場したのは、浅野、乾(背番号10)、森岡(From ベルギー)、杉本、遠藤航の5人。ほとんどプレー時間のなかった遠藤はともかく、それ以外はみなそれぞれに持ち味を発揮していたかなと思う。浅野、杉本にはそれぞれ惜しいシュート・シーンがあったし(浅野はあたりそこない、杉本はオフサイド)。ただ、浅野はシュート・ミスのあと苦笑いしていたのが駄目。ちゃんと悔しがらないと。
 得点は井手口のCKを槙野が頭で決めたもの。個人的にはなんで昌子じゃなくて槙野なんだよぉって思っていたけれど、ハリル・ジャパンになってからは、そういう風に「なんで?」と思った選手が結果を出すことが多い気がする。
 そうそう、DFといえば前半に麻也がバー直撃のFKを蹴ったのにはびっくりした。キッカーを務めたこと自体に意外性があったし、それがあれほどいいシュートなのにも驚いた。麻也があんな技を持っているとは思わなかった。
 こういう強い相手と対戦してみると、やはり現状では日本一のDFはやはり麻也かなぁと思う。でも彼の場合、この日のPKの場面みたいに、大事なところで痛すぎるミスがあるんだよなぁ。やっぱ昌子にもっと成長して、麻也に負けないDFになってもらわないことには。
 あと、この試合でよかったのが、ネイマールと同じフランス・リーグで戦っているという酒井宏樹。世界のネイマールとさしでガンガンやりあっていて、それだけでもたいしたもんだと思った。
(Nov 12, 2017)

ベルギー1-0日本

親善試合/2017年11月14日(火)/ヤン・ブレイデルスタディオン(ベルギー)/テレビ朝日

 現地時間では火曜日だったけれど、日本では午前4時半。ということで、いつになく早起きして、暗いなかで観たベルギーとのアウェイでの一戦。陽が昇るのがすっかり遅くなっていて、ようやく明るくなってきたのはそろそろ試合も終わるってころだった。こたつがないと寒いし、そろそろ冬も本番が近いっすねぇ……。
 ってさて、そんなこの日の日本代表は、ブラジル戦から二人を入れ替えただけのスタメンでベルギーに挑んだ。久保のかわりに浅野が入り、長谷部が抜けて、レッズの長澤が初招集で初スタメンを飾った。キャプテンマークは麻也。途中出場は森岡、久保、杉本、乾、酒井高徳の5人。
 強豪との二連戦だから、経験値が高くてテストの必要がない香川たちをはずしたのかと思っていたけれど、どうにもハリル氏にはあまり新戦力を試す気はないらしい。結局、長澤が目新しかっただけで、2試合とも起用された選手は途中出場を含めてほとんど一緒だ。しかもDFは両酒井の入れ替えだけで、それだって酒井宏が足を痛めたからだし。めったに戦えない強豪国相手なんだから、若い昌子とか三浦とかも試してくれよなぁ。まぁ、負け試合ゆえに──そしてハリルホジッチが負けず嫌いゆえに──DFを試す余裕がなかったのかもしれないけれどさ。それにしたってもうちょっと気の効いた采配を振るってほしかった。
 とにかく、僕にはこの試合、まったくおもしろくなかった。試合の入り方こそブラジル戦よりよかったけれど、いいかもと思ったのは最初の10分くらいだけ。その後は次第にベルギーに押し込まれるようになり、たまにボールを持っても攻め手を欠く展開ばかり。スペースの動きが少なすぎて、まったく点が取れる気がしなかった。香川、岡崎をはずしておいて、こんな試合しても仕方なくない?
 いや、長澤はなかなかよかった。でも彼を含めたこの日の攻撃陣のプレーが、本田、香川、岡崎たちを上回るほどよかったかといえば、僕の答えはノーだ。こんなつまらない試合を見せられるくらいならば、俺は香川や岡崎が見たかった。本田が新戦力とどう絡むかが見たかった。もしくは乾がスタメン出場したらどれくらいやれるか見たかった。そもそもからして、背番号10を託した選手を2試合で40分たらずしか使わないのもどうかと思う。
 攻撃でふがいなかった分、守備はまあ悪くなかったけれど──とくに川島はよかった。彼が3大会連続で正GKなのは確定したっぽい──、0点に抑えているあいだもところどころに危なかしい場面があったし、失点の場面──22番のシャドリという選手にペナルティエリアへのドリブル突破を許し、悠々とラストパスをあげられ、最後はルカクに決められた──の緩さときたら目もあてられなかった。なんであそこであんなにやすやすと突破を許しちゃうかなぁ。麻也も前の試合で褒めたと思ったら、次の試合でまたあんな下手な守備を見せるしなぁ。いやんなっちゃうぜ。
 僕は欧州サッカーを観ないので、ルカクとか言われても、そういや名前は聞いたことがあるなぁってくらいの印象しかなかったけれど、それでもそんな僕でさえ名前を知っているほどの選手はやっぱりいいところで仕事する。さすがに身長194センチとかいう選手にあそこでヘディングを打たれたらアウトだ。
 あぁ、わが軍で相手のネームバリューにかろうじて太刀打ちできる数少ない選手たちがなぜにここにいないんだか……。
 今回ビッグ3を呼ばなかったのは、本大会で対戦する可能性のある相手だから、手の内を見せたくなかったとかの理由であって欲しいよ、ほんともう。
 最近は試合を観るごとにハリルホジッチに対する不満ばかりが募ってゆく。W杯本番が楽しみだって気分がぜんぜん湧いてこなくて困ったもんです。
(Nov 15, 2017)

川崎フロンターレ1-0ガンバ大阪

J1・第32節/2017年11月18日(土)/等々力競技場/NHK総合

 浦和レッズが進出を決めたACL決勝の日程がJ1とかぶったため──って、なんでそんなことになっちゃうかな? 優勝争いの真っ只中で一部のクラブだけ日程が変わるなんてフェアじゃないでしょう? Jリーグはなにを考えてるんだか――、この日に予定されていた鹿島-浦和戦は2週間前倒しで行われた。その試合にアントラーズが勝ったことで、2位川崎との勝ち点の差は7に広がっていた。
 つまり、この日の試合で川崎が負けると、残り2節に連勝しても勝ち点は6で、鹿島には追いつけない。ということで、もしかしたらアントラーズの優勝が決まってしまうかもしれない──ってことで観ることにしたフロンターレとガンバとの一戦。
 まぁ、鹿島にはさっさと優勝して欲しけれど、とはいえ川崎が負けて優勝が決まってしまうと、その後の世間の関心が残留レースへと移ってしまって、残り2節のアントラーズ戦がテレビ放送されなくなる公算が大きい。それは嫌だからこの日はとりあえず川崎の応援。
 ──とは思ったものの、ライバル・チームを応援するってのもいまいち気が進まない。いちばんいいのはドローで終わって、勝ち点6差となって、次節の鹿島がドローでも優勝って展開が理想的だったけれど、まぁさすがにそうは問屋が許さない。川崎は順当にガンバを破って自分たちの優勝の望みをつないでみせた。
 まぁでも、試合自体は決して楽勝って内容でもなかった。川崎シュート決まらなさすぎ。で、東口シュート止めすぎ。だてに日本代表に呼ばれちゃいないなと思わせた。
 今年は低迷したガンバだけれど、最終ラインは今野、三浦の新旧代表のCBコンビに、右サイドも元代表の藤春、左だけは初瀬という若い子だったけれど、この子も二十歳でガンバのスタメンに起用されているのだから、将来は有望なんでしょう。そのうしろで日本代表の東口がゴールマウスに鍵をかけているのだから、さすがにディフェンスは粘りづよい。フロンターレが手を焼いたのも当然だった。
 まぁ、憲剛とか家長とかが、なぜそれを決められないってシーンもあったけれど、それにしても川崎はどこからでも点が取れそうなところがすごい。決勝点はセットプレーからのこぼれ球をエウシーニョが決めたもので(なぜそこにいる)、そのほか、エドゥアルド・ネットや谷口らの守備的な選手がおしいシュートを打つシーンもあった。ほんと多彩なパスワークと攻撃の引き出しの多さが印象的だった。
 対するガンバは反対に攻撃があまりにしょぼかった。遠藤、井手口がいる中盤はともかく、この日はそれより前がさっぱり。後半の頭から赤崎(今年の序盤に鹿島からレンタル移籍した)が出てきたりもしたけれど、ほとんど活躍できずじまい。日本代表の倉田や途中出場の長沢もほとんど目立っていなかったし、これじゃあ順位も上がらないわけだと思った。
 ということで川崎が勝ったので、優勝は次節以降に持越し。裏ではこの日の結果、アルビレックス新潟のJ2降格が決まってしまった。でもまぁ、新潟はすでに数節前に降格が決まっていてもおかしくない状況だったのに、よくぞここまで粘ったと思う(この日も勝っている)。もうちょっと早くその粘りが出せていればなぁ……。おしい。でもシーズン途中で監督に就任した呂比須が最後にちょっとだけ意地を見せたのはよかったんじゃないだろうか。
 そのほか、大宮もこの日負けて次節での降格がほぼ決まったも同然(こちらもなんと今節から元鹿島の石井が監督に就任している)。残り一枠は甲府、広島、清水の3チームの争いになっている。
 序盤戦で今年は駄目かと思わせた仙台や札幌が残留を決めている一方で、去年まで優勝争いの一角を担っていた広島があぶないってんだから、本当に最近のJリーグって先の予測がつかない。でもだからこそおもしろい。まだまだ課題は多いけれど、それでもうちのリーグは捨てたもんじゃないと思う。
(Nov 18, 2017)

浦和レッズ1-0アル・ヒラル

AFCチャンピオンズリーグ決勝・第2戦/2017年11月25日(土)/埼玉スタジアム2002/BS日テレ

 浦和レッズが10年ぶりにアジアの頂点に立った一戦。
 試合自体についてはあまり書くこともないんだけれど、前回レッズが優勝したのが2007年、ガンバがその翌年に優勝したときから数えれば、日本勢の優勝はじつに9年ぶり。めでたいので、とりあえずお祝いがわりに記録を残しときます。
 アウェイでの一戦目に1-1で引き分けているレッズは、この試合、無失点で終わりさえすれば、ドローでも優勝だった。
 ということで、大事なのは守備。その点では見事にミッション・クリアって内容だったと思う。うん、よく守った。まぁ、トラップとかあまり上手くないじゃんと思わせるシーンも多かったけれど、とりあえずよく守った。
 守備について意外だったのは、フォーメーションが4バックになっていたこと(右から遠藤航、阿部、槙野、宇賀神)。そしてそのために森脇がベンチだったこと。すでにペトロヴィッチ体制は過去の話になっているらしい。
 そのせいか、守るには守ったけれど、攻撃はいまひとつ。長澤がボールを持ったときはちょっとおもしろいかなと思ったけれど、全体としては見どころが少なかった。興梠や柏木が活躍するところを観たかったんだけれどな。残念。
 まぁなんにしろ、とにかく守って守って、そのまま守り切って優勝かと思った残りあと2分という時間帯に、相手のミスでボールをもらったラファエル・シルバが豪快なミドルを突き刺して先制、みごとに優勝に華を添えてみせた。
 まぁ、優勝したのが鹿島じゃないのは残念だけれど、でもJリーグのクラブが再びアジアのトップに立てたのは素直に嬉しい。レッズ優勝おめでとう。そしてありがとう。
(Nov 28, 2017)

鹿島アントラーズ0-0柏レイソル

J1・第33節/2017年11月26日(日)/カシマサッカースタジアム/NHK総合

 レッズがACL優勝を決めた翌日、今度はアントラーズがJ1優勝だっ!──と思っていたのに、そうは問屋が卸さず。勝てば優勝が決まるこの試合、柏に守り切られてスコアレス・ドローに終わってしまった。やはり今年もJ1の優勝は最終節まで持ち越しになるらしい。これでこそJリーグ。
 この日のスタメンは、GK曽ヶ端、DF西、植田、昌子、山本、MF三竿健斗、レオ・シルバ、遠藤、レアンドロ、FW金崎、土居の11人。
 現時点ではのベストの布陣でしょう。ペドロ・ジュニオール(この日はベンチ・スタート)が入ったほうがより強力な気はするけれど、個人的には土居押しなので、レアンドロが絶好調のいまならば、このスタメンがベター。
 でもって、やっているサッカーには文句がなかった。終始ハイ・プレスがきちっと効いていて、観ていて気持ちよかった。これなら勝てると思った。
 でも、どうにも最後のところで決めきれない。中村航輔の再三のファイン・セーヴにも阻まれる。たまに伊東純也やクリスティアーノの突破を許してひやりとする。そうこうするうちにスコアレス・ドローに終わってしまった。
 まぁね。柏の守備も堅かったから、仕方ないかなぁとも思うけれど、でも強いときの鹿島ってこういう優勝のかかった試合でしっかりと勝っていた気がするんだよなぁ。
 この試合では大岩の選手交替の策──聖真をペドロ、遠藤を伊東と替えただけ──にもすっきりしなかった。勝てば優勝、たとえ負けても順位に変動なしって試合で、なぜに交替カードを残して終わるかなぁ。どうせなら最後の一枚切って、優磨入れようよ──というか、それ以前になぜ安部裕葵がいない? 本気で勝ちに行くならば。投入すべきは、伊東じゃなくて、安部じゃん?
 この試合、ベンチには小笠原と永木がふたりとも入っていた。この日で決めるつもりでいたから、年後者のふたりの労をねぎらう意味で入れたのかもしれないけれど──でもって、もしも先制していたら、年功者のふたりを投入して逃げ切ることもできたかもしれないけれど(まぁ、そうなっていれば大英断だった)──、でも勝てなかった以上、捕らぬ狸の皮算用。絶対に勝つつもりならば、一枚でも多く攻撃の駒を用意してほしかった。できれば最後まで勝利を目指して、ペドロ、優磨、裕葵の三人を投入して攻めまくって欲しかったよ。
 監督に就任して見事にチームを立て直したので、大岩に対する世間的な評価は高いのかもしれないけれど、不思議と僕が観た試合に限れば、ここまで勝率は5分で、いまいちいいところがない。大岩くんを素直に称えられなくて、なんかとても残念だ。
 あとを追う川崎はこの日は試合がなかった。前日にACL決勝を戦ったレッズが対戦相手だったため、翌週の水曜日まで持ち越し。その試合で川崎が引き分け以下に終われば鹿島の優勝が決まるけれど、中3日のレッズがいまのフロンターレと互角に戦える気がしないしなぁ……。もうテレビ放送なんてどうでもいいから、川崎、負けてくんないかなぁ……。
 ということで決着はおそらく最終節。まぁ、結果がどうなるにせよ、最後の最後まではらはらドキドキのドラマが堪能できて幸せだと思おう。
(Nov 28, 2017)

川崎フロンターレ1-0浦和レッズ

J1・第33節/2017年11月29日(水)/等々力競技場/BS1

 ああ、やっぱりフロンターレは強かった……。
 もともと中3日のレッズでは……とは思っていたけれど、そんなコンディション以前の問題。この日のレッズでそのアル・ヒラル戦と同じだったのは、西川、阿部、遠藤航、長澤、武藤の5人だけだった。槙野、青木、柏木、興梠がベンチで、ラファエル・シルバや宇賀神なんて、ベンチにさえいやしない。
 ただまぁ、そのかわりに出ているのが森脇、高木、矢島、ズラタンだってんだからね。マウリシオ、菊池らというなじみのない選手もいいプレーをしていたし、さすがにレッズ、選手層は厚い。このメンツならあまり遜色ない──というか、レギュラーを狙ってモチベーションも高いだろうし、かえって期待もできるかも……。
 ──とは思ったものの、やはり川崎相手ではそう簡単にはいかなかった。前半わずか14分で家長の素早い崩しから小林悠に先制弾を許してしまう。
 で、結局その1点が決勝点となって試合終了。いや、この日のレッズは決して内容は悪くなかった。思ったよりガンガン攻め立てていたし、終盤は槙野と柏木を入れてパワープレーまで仕掛けていたけれど、最後まで川崎のゴールをこじ開けられなかった。
 さて、ということで首位・鹿島と2位・川崎は得失点差2で最終節を迎えることになってしまった。対戦相手は鹿島がジュビロ磐田──なんと5位! そしてリーグ最少失点だと?──で、川崎が17位でJ2降格が決まった大宮ってんだから、単純に勝ち点3がとれる可能性だと圧倒的に川崎有利。
 でもって、もしも次節で川崎が勝った場合、鹿島が負ければ川崎優勝なのは当然として、鹿島がドローの場合でも勝ち点で並んでしまい、得失点差はあちらの圧勝なので川崎の逆転優勝。要するに鹿島は勝たない限り、優勝できない可能性大という……。
 なんかいきなり追い込まれた気分なんですが。
 あとは中2日となる川崎の取りこぼしか、ここぞの勝負弱さに期待するか、大宮の石井監督が古巣に恩返ししてくれることを期待するか(どっちかというと解任したことで恨み買ってそうだが)……。
 ――っていや違うだろう。弱気になってどうする。
 現時点では首位なんだから、あとひとつ勝ちゃいいんです、勝ちゃあ。磐田には前回のホームで3-0で負けたらしいから、同じ相手に2度もつづけて苦杯を呑まされるようなクラブにチャンピオンの称号はふさわしくない。ここはきっちりと勝って、気持ちよく優勝を決めてもらおう。
 というわけで泣いても笑っても次節決着。決戦は3日後の土曜日。
(Nov 29, 2017)