2017年10月のサッカー
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- 10/06 ○ 日本2-1ニュージーランド (親善試合)
- 10/10 △ 日本3-3ハイチ (親善試合)
- 10/21 ● 横浜M3-2鹿島 (J1・第30節)
- 10/29 ○ 札幌1-2鹿島 (J1・第31節)
日本2-1ニュージーランド
親善試合/2017年10月6日(金)/豊田スタジアム/日本テレビ
ひさびさの親善試合2連戦──でも対戦相手はきょうがニュージーランドで、次がハイチと聞いたときには、そんなとこと戦ってどうすんだと思ったものだけれど、いざ戦ってみたらニュージーランド、意外と悪くなかった。
さすがにご近所だけあって、オージーのちょっとばかり経験値がたりない異母兄弟みたい。序盤こそ日本の一方的な内容だったけれど、途中からは攻めても攻めても得点にならない日本がいささか攻め飽きて単調になったこともあって、次第に危ないシーンを作られるようになった。
で、後半5分にこちらが大迫のPKで先制したにもかかわらず、そのあとしばらくして左サイドを崩され、見事な同点ゴールを食らってしまう。
決めたのはクリス・ウッドという選手。さすがプレミア・リーガーの肩書は伊達じゃなかった。こちらの得点がPKだっただけに、このままドローで終わっていたら、目もあてられなかった。
まぁでも、日本もそのあとの選手交替が功を奏して徐々に勢いを取り戻し、終盤はだいたいのところ、危なげない試合運びになった。で、残り時間5分を切ってから、途中出場の倉田の代表初ゴールで勝ち越して試合終了。なんとか白星をもぎとった。いやぁ、でもホームでニュージーランド相手にこの調子じゃ、先が思いやられる。
本田、岡崎、長谷部らが招集されていない今回の代表で、この日のスタメンを飾ったのは川島、酒井宏、吉田、槙野、長友、井手口、蛍、香川、久保、武藤嘉紀、そして大迫というメンツだった。
槙野がちょっと意外だったくらいで、あとは順当な印象。ひさびさに武藤が見れたのはうれしかったけど、どうせならば、川島、麻也、酒井、長友、蛍あたりの実力がわかりきっている選手は外して、東口や中村航輔、高徳、車屋(初招集!)、遠藤航あたりをスタメンで使ってほしかった。ハリルホジッチ、いまいちおもしろみが足りない。
本田らの不在で今回のチームでは断トツのネームバリューを誇る香川だけれど、この日は序盤に惜しいシュートがポストをたたいた場面以外、出来はいまいち。あいかわらず代表だと実力を発揮できないのはなぜなんだか。
香川は試合後のインタビューでこのレベルの相手では強化にならない、というようなことを言ったそうだけれど、3ゴールくらい決めたならともかく、ノーゴールに抑え込まれた選手のいうセリフじゃないだろう。いまだW杯予選たけなわのこの時期にわざわざ日本まで遠征してくれる強豪国なんてそう簡単に見つかるわけもないし。少なくても試合がないよりはあったほうがいいのは間違いないのだし、もうちょっと頭を使ったほうがいい。
でもまぁ、香川個人の責任ではないにしろ、内容が不出来だったのは確かだから、愚痴りたくなるのもわからなくはない。少なくても前半のうちはボールは回れど得点にならず、どうにもストレスがたまる内容だった。
ようやく楽しくなったのは、後半途中にそんな香川がひっこんで、乾と小林祐希──小林と聞いて悠かと思ったら祐希だった──が出てきてから。このふたりはよかった(乾はもとより、小林は予想外のよさ)。そのほかに杉本と浅野と倉田と遠藤航が出てきたけれど(順番的には杉本と小林が最初)、殊勲の決勝ゴールを決めた倉田はともかく、あとの人はこれといって存在感がなかった。
いや、というか、ロスタイム3分のうち2分が過ぎてから出場させられた遠藤にはちょっと同情してしまった。親善試合だよ? 1分でなにができるんというんだって話で。なに考えてるんだか、ハリルホジッチ。
この日の1点目は蛍のシュートが相手のハンドを誘って、そのPKを大迫が決めたもの。2点目は乾の左からのクロスをファーで酒井が折り返し、真ん中でそれを倉田がダイビングヘッドで決めた。この見事なゴールがあったおかげで、かろうじて救われた。
まぁ、次の試合がW杯出場をかけての南米の国(もしかしたらアルゼンチン!?)とのプレーオフだというニュージーランドと、本選へ向けての選手選考会でしかない日本とのモチベーションの差がはっきりと出ていた気がする。
なんにしろ、勝ちはしたけれど、全体的に内容はいまいちって試合でした。せっかくだから次はもうちょっとおもしろい試合をみせて欲しい。
(Oct 06, 2017)
日本3-3ハイチ
親善試合/2017年10月10日(火)/日産スタジアム/TBS
レキシのライヴと重なったので、帰宅後に録画で観たハイチとの一戦。
午後十時半過ぎに帰ってきて(長いライヴだった)、ビールを飲みつつ、遅い食事をしながら観たので、内容についてはほとんど書けない。でもまぁ、それでいいかなと思ってしまうような試合だった。
スタメンはGKが東口、DF酒井高徳、昌子、槙野、長友、MF遠藤航、小林祐希、倉田、FW浅野、乾、杉本という顔ぶれ。途中出場が車屋、原口、井手口、香川、大迫、武藤の6人。
二試合連続のスタメンは長友と槙野のみという。でもまぁ、前の試合に途中出場した選手が今回は全員スタメンだったから、初登場は3人だけのせいか、それほど新鮮味は感じなかった。どうせならば、車屋をスタメンで観たかったぜ。
試合は長友のクロスに倉田が頭であわせて2試合連続ゴールで先制。さらにはもう一本、倉田のシュートのこぼれ球を今度は杉本が決めて2-0。杉本はこれが代表初ゴール。
そこまでは順調だったんだけれど、その後にハイチにゴール真正面をくずされて追撃弾を許してしまう。
2-1で始まった後半もまた、グラウンダーのクロスをゴール真正面から決められて同点。さらには豪快なミドルをくらって、逆転まで許す始末。ハイチ、思いのほかシュートが上手かった。そして日本のディフェンスは緩かった。
同点になってから、このままドローでは洒落にならないと、ハリルホジッチは井手口、香川、大迫らのレギュラー陣を投入してきた。でもちっとも攻撃は活性化しない。
こりゃ負けたかなぁ……と思った後半アディショナル・タイムに、貴重な同点ゴールを決めて日本を救ったのは高徳だった。車屋のクロスがファーに流れたところに入ってきて左足一閃! 記録上は香川のゴールになっているけれど、香川はゴール前で転んでいるところへ飛んできたそのシュートにワンタッチしただけなので、あれは高徳のゴールでしょう? 香川は棚ぼた。車屋も初代表の緊張からか、あまりいいところがなかったけれど、最後の最後にようやくいい仕事をしてくれた。
ホームでドローという結果は想定外だったけれど、でもまぁ考えてみれば4バックは長友以外はサブだし(昌子もこの日の出来ではレギュラーを名乗れまい)、その前が遠藤、小林、倉田というフォーメーションなんだから、そりゃ守備も破綻するよなぁと思う。ハリルホジッチ、スタメンいじりすぎ。
しかしまぁ、ハイチが対戦相手と聞いたときにはなぜそんな弱そうなところを……と思ったものだけれど、聞けばハイチのFIFAランキングは48位で、40位の日本とどっこい。この試合の内容を観るかぎりでは、実力もどっこいだった。アジアで戦っていても思うことだけれど、このごろは日本が勝ててあたり前な国がどんどん減っている気がする。
(Oct 11, 2017)
横浜F・マリノス3-2鹿島アントラーズ
J1・第30節/2017年10月21日(土)/日産スタジアム/BS1
またもや妹夫婦と酒を飲みながら観てしまって、集中力欠きまくりであまりちゃんとしたことが書けない一戦。そもそもスタメンが曽ヶ端、西、植田、昌子、山本、三竿、レオ・シルバ、中村、レアンドロ、金崎、ペドロ・ジュニオールだってこともちゃんと確認していなかった(途中出場は土居、伊東、優磨)。
試合は開始わずか3分でCKから伊藤翔に先制点を許し、そのほんの10分後には植田が天野にボールをかっさわられて2失点目。0-2の苦しい展開になる。
それでも前半ロスタイムにCKの混戦から山本がナイス・シュートを決めて1点差に追いあげて前半を終えたので、これならば確実に追いつけるなと思っていたら、やはり後半途中に植田のヘディングで同点に追いつく。
でもよし!と思ったのもつかの間。想定外だったのがそのあとの失点。途中出場の19歳、遠藤渓太にオフサイドぎりぎりを切り込まれ(オフサイドじゃん?)、打たれたシュートが曽ヶ端の手を弾いて、昌子にあたってゴールインって……。
最終的な記録では遠藤のゴールになったようだけれど、最初のうちはオウン・ゴールの判定だったし、要するにこちらのミス。先制点を許したセットプレーではマークが外れていたし、2点目も安直なバックパスを横取りされたものだったし、この日の失点はすべてミス絡み。自滅もいいところだ。
まぁ、土居がペナルティエリア内で倒されたのに西村主審にPKをもらえなかったりした不運もあったけど(あれはどう見たってファールでしょう?)、よもや齋藤学が怪我で年内不在のマリノス相手にここまで失点するとは思ってもみなかった。
マリノスはこの勝ち点3で3位に浮上。対する鹿島は首位こそキープすれど、これで2位川崎との勝ち点の差はわずか2になってしまった。残り全勝するくらいの勢いで圧倒的な優勝を決めてくれるかと思っていたのに、やっぱそうは問屋が卸さないらしい。これでこそJリーグ。
しかし川崎は前の試合で退場者を出しながら2点差をひっくり返して逆転勝利をあげていたりするし、このところの勢いは完璧にあちらが上。なんかいやな流れになってきたな。川崎が唯一三冠の可能性を残しているだけにちょっと不気味。
(Oct 22, 2017)
コンサドーレ札幌1-2鹿島アントラーズ
J1・第31節/2017年10月29日(日)/札幌ドーム/NHK総合
優勝争いをしてくれていると、残り試合が少なくってからの無料放送が増えるのがありがたい。ということで、鹿島が首位でなければおそらく放送されなかったんじゃないかという札幌戦。
とはいえこの試合、首位といまだ降格争いの一角を担っているクラブとの試合にしてはなんとも難しい内容だった。
この日の鹿島のスタメンはGKが曽ヶ端、DF西、植田、昌子、山本、MF三竿、レオ・シルバ、遠藤、レアンドロ、FW金崎に土居という顔ぶれ。なぜだかペドロ・ジュニオールがいなかった点をのぞけば、おそらく大岩が考える現時点でのベスト・メンバーでしょう。
対する札幌は今年ブレイクした感のある都倉に、シーズン途中加入のジェイ、そしてタイ人初のJリーガーとして話題のチャナティップという攻撃陣がさすがにあなどれない。都倉とジェイの高さには冷や冷やさせられたし、チャナティップのドリブルに手を焼くシーンもあった。
スタメンにはそのほかには知っている選手はいなかったけれど(監督も四方田という知らない人だった)、それでもベンチには小野、稲本、兵藤、河合竜二といった豪華なベテラン勢が控えているわけで、彼らを差し置いて起用されているってだけでも、スタメンの選手たちの能力が決して低くはないことがわかる。GKのク・ソンユン(今年はなんでこんなに韓国人のGKが多いかな)も韓国代表歴があるというだけあって、ナイス・セーヴを連発するし。おかげで前半はスコアレスのまま終わってしまった。
それでも鹿島は首位の意地をみせて、後半に入るとわずか2分で先制点をゲットする。ゴール前で夢生がねばってキープしたボールがこぼれたところに、三竿が走り込んできて思い切りのいいシュートで札幌のゴールマウスをこじあけた。三竿はこれがJ初ゴールとのこと。おめでとう!
とはいえ、最近のパターンだと1点じゃ安心できないんだよなぁ……と思ったら、あぁ、やっぱり。このリードが15分と持たない。
途中出場で札幌の兵藤が出てきて、この時間にいやな選手が出てくんなぁと思ったらば、だ。直後のセットプレーからのクリア・ボールの落下地点へと駈け込んできた兵藤がこれをダイレクト・ボレーでシュートすると、弧を描いたボールは右のポストにあたって、そのままゴールインしてしまった。あー、なんだそりゃ。兵藤、いきなりいい仕事しすぎ。
この時点で残り時間は30分。いやぁ、このまま下位のクラブ相手にドローはまずいだろー。
――というこのピンチを救ったのは夢生だった。右サイドから再三仕掛けていたと思ったら、最後は角度のないところから積極的に打ったクロス気味のシュートがそのままファーサイドのネットに突き刺さる。お~、夢生グッジョブ!
さすがにこの2点目で勝負あり。ここからふたたび同点に追いつかれるようじゃ優勝なんて無理でしょう。
その後は西を残したまま伊東を入れる大岩お気に入りのパターンから、安部裕葵と鈴木優磨を投入して前線を活性化させて、そのまま逃げ切った。
札幌は途中から小野が出てきたりしたけれど、とくにこれといって見せ場はなかったと思う。それがちょっと残念。まぁ、活躍されても困っちゃうわけだけれど。
裏では川崎(天皇杯で負けて三冠はなくなった)が柏との試合で引き分けたので、これで2位の勝ち点差は4に広がった。残り3節だから、あと2勝すればアントラーズの優勝が決まる。おぉ!──とはいえ、その3試合の対戦相手が浦和(7位)、柏(4位)、磐田(6位)ってんだから、どう考えたって簡単にゆくとは思えない。
まぁ、対する川崎の対戦相手も、ガンバ、レッズ、そして降格レースのど真ん中にいる大宮とくるので、あちらもあちらで決して楽ではないんだけれど。それでも川崎はこの日も2点のビハインドを追いついていたりするし。それも大雨のためにまったくボールの転がらないぐしゃぐしゃのピッチで。あのしぶとさは驚異的だわ。マジで川崎ちょっとこわい。
(Oct 30, 2017)