2017年1月のサッカー
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- 01/01 鹿島2-1川崎(延長:1-0) (天皇杯・決勝)
鹿島アントラーズ2-1川崎フロンターレ(延長:1-0)
天皇杯・決勝/2017年1月1日(日)/吹田スタジアム/NHK総合
やりました、鹿島アントラーズ、川崎フロンターレを延長戦の末に破り、みごと19冠目を獲得~。
いやぁ、去年のJ1を代表するクラブが川崎だというのには異存がないから、一冠くらいは譲ってあげるべきでは……とか思わないでもないんだけれど、でもこの試合に負けると、2月のゼロックス杯がまた同じカードになっちゃうんだよねぇ。僕としてはできればレッズとの試合が観たかったので、川崎さんには悪いけれど、ぜひとも鹿島に勝って欲しかった。
とはいえ、川崎はそう簡単に勝てる相手ではない──はずなんだけれど、それを期待通りしっかりと勝ち切ってくれてしまうのは、確実にクラブW杯効果でしょう。クラブW杯でレアルやナシオナルなどの強敵と対戦した経験が、確実にこの天皇杯の糧になっているのを感じる。レアルの猛攻をしのげたんだから、川崎相手でも大丈夫、みたいな。
まぁ、やっているサッカーが特別に素晴らしいとは思わないんだけれど、でも全員がワンプレー、ワンプレー、球際でしっかり競りあえている──つまり身体を張ってがんばっている──から、押し込まれる展開が多くても、観ていて不満を感じない。
ひとことで守備がいいとはいっても、受け身に入る守りではなく、耐えるところは耐えたうえで、積極的にボールを奪いにいって、チャンスにつなげようってサッカーができている。ほんと、体調不良の選手が多くてベスト・メンバーが組めない中、それでも結果を出してみせたこの年末年始のサッカーは立派だった。
この日のスタメンは、GK曽ヶ端、DF西、植田、昌子、山本脩斗、ダブル・ボランチが永木と小笠原、2列目に遠藤と柴崎、そして土居と赤崎のツートップという形。
体調不良で戦線離脱していた西がスタメンに戻ってきたものの、金崎は結局この決勝もベンチ外だった。そんな中、攻撃的なポジションでは唯一この年末の8試合すべてにスタメン出場している土居は、あまり目立たないながらも意外とたいしたもんかもしれない。無事これ名馬とかなんとか。
たいしたもんだといえば、この日の先制ゴールを生み出した遠藤のCKの精度の高さもそう。ゴールにつながらなかった場面でも、ほんといいキックを見せていた。なかでも先制ゴールの場面でのキックは、スピードといい、コースといい、絶品だった。
これまで僕は以前から遠藤には批判的な目を向けることが多かったけれど、この一年のプレーについてはほとんど不満を感じることがなかった。遠藤なくして今シーズンの二冠はなかったと思う。この試合、僕ならばMVPは遠藤にあける。いいプレーをどうもありがとう~。
もちろん先制ゴールの場面では、得点を決めた山本脩斗のヘディングも素晴らしかった。なのに、なぜか後半からはその殊勲の山本がファン・ソッコと交替になってしまう。レギュラーのSBがハーフタイムで交替するなんて、ふつうはないことだから、修斗になんらかのトラブルがあったのだと思う。
でも交替で出てきたファン・ソッコは、やはりひさしぶりの出番で試合勘が足りなかったのか、後半早々に小林悠との競りあった場面で相手を止めきれず、同点ゴールを許してしまった。でもまぁ、あれは小林が上手かったかな。さすが得点王のウタカを抑えて、今季のベスト・イレブンに選ばれただけのことはある。うしろからのチャージに負けず、しっかりシュートまで持っていったプレーは敵ながらあっぱれだった。
この日の川崎はその小林悠のほか、同じくCSでは欠場していた大島もスタメンに戻ってきていて、エドゥアルド・ネット(もうひとり別にエドゥアルドというDFがいてまぎらわしい)が累積警告で出場停止だったことを除けば、ほぼベスト・メンバーっぽかった。昨年のJリーグMVPの憲剛はもちろんいるし、大久保はこれがラスト・ゲームだし、途中出場の19歳・三好のドリブルも脅威だった。
ということで、先制したときには、これで逃げ切って楽に勝てるかも……と思ったのだけれど、さすがにそうは問屋が卸さない。同点ゴールを決められたあとはすっかり攻め手を欠いて、赤崎→優磨、オガサ→ファブリシオとカードを切るも状況は好転せず。苦しみながら同点のまま90分を終了して、天皇杯ではひさしぶりの延長戦に突入した。
でもその前半わずか4分で、ファブリシオに決勝ゴールが生まれる。セットプレーからの跳ね返りを(たぶん)永木が頭でポーンとゴール前に浮かすと、そこから西が競りあってこぼれたボールを、最後はフリーになっていたファブリシオが豪快にゴールネットに突き刺してみせた。
ファブリシオはレンタル移籍の期限がこの元日までとのことで、すでに来季に向けてペドロ・ジュニオールとレオ・シルバ(なんちゅう補強だ)の獲得が決まっていることから、おそらく契約延長はない模様。本人もヒーロー・インタビューでこれが最後の試合だと言っていた。なんか、とても謙虚なインタビューで好印象でした。短いあいだだったけれど、最後の最後に大仕事、どうもありがとう。
ということで、勝ち越しゴールが決まったあとは、再三のカウンターで何度も相手ゴールを脅かしつつ、危なげなく残り時間を使い切って試合終了。2017年最初の試合でアントラーズは通算19冠を達成した。
川崎にはほんと気の毒だと思うけれど、受験イヤーのわが家にとってはとても幸先のいい滑り出しとなった。アントラーズの勝負強さをうちの子にも少しわけていただきたい。
いざ、2017。
(Jan 01, 2017)