2017年2月のサッカー

Index

  1. 02/18 ○ 鹿島3-2浦和 (ゼロックス杯)
  2. 02/21 ○ 鹿島2-0蔚山 (AFCチャンピオンズリーグ)
  3. 02/25 ● 鹿島0-1F東京 (J1・第1節)
  4. 02/28 ● ムアントン2-1鹿島 (AFCチャンピオンズリーグ)

鹿島アントラーズ3-2浦和レッズ

FUJI ZEROX SUPER CUP/2017年2月18日(土)/日産スタジアム/日テレ

 J1開幕まで、いよいよあと一週間──ってことで、昨年度リーグ覇者にして天皇杯王者の鹿島アントラーズがリーグ戦最多勝(でも準優勝)の浦和レッズを迎え撃った今年のゼロックス杯。やっぱ応援しているクラブが出てくれると気分が違う。
 新シーズン最初の公式戦でスタメンを飾ったのは、GKが韓国代表経験もあるという新加入のクォン・スンテ、伝統の4バックは、右から西、植田、昌子のおなじみの3人に加え、湘南から越してきた三竿雄斗(健斗の兄)、ダブル・ボランチが小笠原とここ数年Jリーグ最強といわれるボランチのレオ・シルバ(よもやの新加入!)、攻撃的なMFには去年と同じく遠藤康と土居聖真、そしてツートップが金崎夢生とこれまた新加入のペドロ・ジュニオールという新布陣。
 いやぁ、新人4人がすでにすっかりチームに順応している感じなのが素晴らしい。とくにレオ・シルバすげー。もとから弱いクラブであれだけ目立っていた人が、アントラーズみたいな地力のあるクラブにきちゃうと、こうもすごくなるものかと。もう縦横無尽。新潟では守備の人という印象が強かったけれど、攻めてもこんなに効果的な人だったのかと。いやぁ、柴崎の不在を補ってあまりある強力な補強だわ。恐れ入りました。
 ペドロ・ジュニオールも思っていたよりチームプレーができる人みたいだし、三竿兄もいい感じ(まぁ、山本修斗とのレギュラー争いに勝てるかは微妙だけど)。クォン・スンテはまだよくわかんないけど、まぁ、代表経験もあるんだから、いいGKなんでしょう(日本の若い子に引導を渡されたら曽ヶ端のプライドが傷つくから、あえて経験豊富な韓国人を呼んできたんでしょうか?)。個人的にGKは日本人がいいんだけれどな。まぁ、仲間になったからには応援します。
 なんにしろ、これでベンチにはまだ新加入のブラジル人レアンドロや福岡からやってきた元五輪代表の金森健志{たけし}が控えているんだから、今年の補強はじつに魅力的。いやぁ、これからの一年が楽しみだ。
 対するレッズは、おそらく次週のACLに向けて、興梠、柏木、槙野、新加入のラファエル・シルバらを温存してきた。興梠は途中から出てきたけれど、あとのメンバーはベンチにさえ入っていないという。なめてんな、ペトロヴィッチ。そんなんでうちに勝てると思ってると、今年も苦戦必至だと思うぞ。
 こちらは左SBこそ微妙だけれど、そこ以外はベストと呼べる布陣。これで負けるわけにゃいかない。実際に序盤こそ相手に押し込まれる時間帯がつづいたけれど、それを冷静に耐え忍んで途中から攻勢に出るという、昨年末と同じパターンで次第にペースを握りはじめる。でもって、ゴール前の絶好機に遠藤がみごとな直接FKを決めて先制(西川一歩も動けず)。さらには、それから5分もしないで作りだしたチャンスから、夢生のシュートがポストをたたいて跳ね返った球を、またもや遠藤が決めて追加点(西川、真正面のシュートをパンチングで弾くも、無情にもボールはゴールネットへ)。
 ということで、前半で2-0とリードした鹿島がそのまま2点差を守りきって快勝~、といいたかったんだけれども。
 後半途中にレオ・シルバをさげて永木に替えた途端に、途中出場の興梠にPKを取られるわ、ズラタンのヘディングの跳ね返りを武藤に決められるわで、あっという間に同点にされてしまう。
 まぁ、興梠のPKは全速力でペナルティ・エリアに突入してきた興梠が上手かったけれど(引っかけてしまったのはオガサ)、2点目のシーンは駄目。クロスをあげた関根も、ヘディングを打ったズラタンも、そのこぼれ球を決めた武藤も、誰ひとりマークし切れてなかった。追撃弾を受けたことで動揺しちゃったみたいな感じで、いただけない。ああいうのはACLでやったら致命的なので、心してもらいたい。
 ということで、残り15分で同点にされてしまい、しかもその時点ですでに攻め手を欠いていたこともあって、あぁ、こりゃPK戦かも……って空気が漂ったのだけれど、そこを救ったのが、今季から背番号9を背負う鈴木優磨だった。
 夢生と交替で途中出場して、そこまでこれといった見せ場を作れずにいた優磨は、ロングボールを対処しようとしていた遠藤航に猛然とチャージを仕掛けると、相手が西川へのバックパスで逃げようとしたところで、するっとそのパスコースに入り込み、あっという間に決勝ゴールを決めてみせた。なんだそりゃって思ってしまうような、あっけない勝ち越しシーンだった。遠藤航、痛恨のパスミス。
 このシーンにかぎらず、この日はペドロ・ジュニオールが何度も同じような形で、西川に対してニアミスを起こしそうなプレーを仕掛けていたので、チームとしてそういう方針──GKに対しては最後まで球際にしつこく行けみたいな指示──があったのかもしれない。それがあの場面でついに実を結んだのかなと思った。
 というわけで、2失点はいただけなかったけれど、結果的にはいい試合になった。少なくても失点の場面以外の守備は安定していて危なげなかったし、攻撃でも回数はさほど多くないものの、何度か分厚い攻めが繰り出せていた。この調子ならば、今年はJ1もACLも期待してよさそうだ。唯一の気がかりはアウェイ・ユニフォームの蛍光ピンクだけって気がする。
 そう、この日の試合は両チームともアウェイ・ユニフォームでの対戦だった(大会史上初らしい)。どちらも今季は奇抜な色のセカンド・ユニフォームを用意したので、せっかくだからそれで対戦しましょうってことになったんだろうけれど、おいちょっと待てよって感じ。デザインした人は、奇抜で目立つし、遠目に見ているとピッチに映えていいでしょう?ってつもりかもしれないけれど、僕はとても好きになれない。浦和のイエローもどうかと思ったけれど(FKの壁を作って並んでいるのを見たら、目がちかちかした)、やっぱ鹿島のピンクのほうがひどい。今年のアウェイはすべてあの姿って。とくに海外であれってのは勘弁して欲しかった。
 次の試合は来週火曜のACLの開幕戦。スカパーのチャンネル契約で432円で観られるようなので、その値段なら観ないわけにはゆきますまい。
(Feb 18, 2017)

鹿島アントラーズ2-0蔚山現代FC

AFCチャンピオンズリーグ/2017年2月21日(火)/カシマサッカースタジアム/日テレNEWS24@スカパー!

 ACL開幕。そして快勝~。
 ──っていやまぁ、快勝ってほど楽な試合ではなかったけれど、でもきっちりと勝ちました。今年はいろいろ楽しそうでいいぞ~。
 この日の先発メンバーはクォン、伊東、植田、昌子、山本、レオ・シルバ、永木、中村充孝、レアンドロ、金崎、鈴木優磨というメンツ。
 ゼロックス杯でフル出場した小笠原を下げて、レオ・シルバと永木のダブル・ボランチというのは予想通りだったけれど──大事な初戦だから守備力の高いこのふたりは当然──、でも遠藤と土居をはずしてくるとは思わなかった。のみならず両サイドバックも入れ替えているし、二試合連続は5人だけ。石井監督、今年はけっこう大胆にローテーションしてゆくつもりらしい。
 対する蔚山現代{ウルサンヒョンデ}はプレーオフを制して出てきたクラブなので、くみし易いかと思ってちょっと油断していたのだけれど、戦ってみればなんだよ強いじゃないか。考えてみればプレーオフ経由って、日本だとガンバですもんね。強くて当たり前か。ちなみに監督はキム・ドフンだった。最近は韓国でも現役時代を知っている監督が多いこと。
 とにかく蔚山はよかった。この日の試合もなんかもう前半は防戦一方(──って、去年からずっとそんな試合ばっかり)。でも後半からは……ってパターンにもこの日はならなかった。後半もいまいちエンジンがかからない感じで、もたもたした試合内容がつづく。
 やっぱACLでは今年も苦しむのかなぁ……と思っていたら、後半の半分くらいに夢生がやってくれました。永木のCKをヘディングでゴールの隅っこに流し込んでようやく先制。さらにはその夢生のアシストで優磨が追加点をあげ(優磨、今年はもしやすごい?)、終わってみれば2-0というすっきりとしたスコアで、幸先よく勝ち点3をゲットした。
 レオ・シルバはけっこうミスもあったけれど、それでもやはり存在感抜群で、見ていて楽しい。新加入のレアンドロも悪くはなさそうだけれど、まだコンディションがいまいちな感じ。夢生らがみごとな連携で演出した前半最後のフリーのチャンスを、シュートを打てずに無駄にしたのが痛かった。
 先制ゴールが決まった直後に遠藤と土居を入れたのは、そのタイミングで得点が決まると思っていなかったからだと思うのだけれど、結果的にふたりが出てきた時点では勝ち越していたので、やや無駄な交替だった感あり。とはいえ、このふたりが出てくるとやはり攻撃が活性化する(まぁ、時間帯的なものはあったにしろ)。
 いやしかし、この日は金森がベンチにさえ入っていなかったし、赤崎や梅鉢(レンタルから帰ってきた)なんて二試合連続で名前もない。今年は──特に攻撃陣は──ベンチ入りするのも大変そうだ。でもその分、観る側はとても楽しそう。とりあえず3月に入ったらDAZNの無料体験を申し込んで、ひと月様子見しよう。
 そういや、この試合もユニフォームはピンクだった。ホームなのになぜ? Jリーグの開幕戦まで温存? 出し惜しむにもほどがある。いやだ、ピンク。
(Feb 21, 2017)

鹿島アントラーズ0-1FC東京

J1・第1節/2017年2月25日(土)/カシマサッカースタジアム/NHK総合

 2017年シーズン、ふたたびワン・ステージ制に戻ったJ1開幕~。
 ……って、でも負けました。ちくしょー。あそこでオウン・ゴールかぁ……。
 今年の開幕スタメンは、GKクォン・スンテ、DF西、植田、昌子、山本、MF小笠原、レオ・シルバ、遠藤、土居、FW金崎、ペドロ・ジュニオールという組み合わせ。まぁ、鉄板の11人。
 対するFC東京は、GKが林彰洋、DF室屋、森重、丸山、太田宏介、MF橋本、高萩洋次郎、河野、東、永井謙佑、そしてFW大久保嘉人というメンバー(新加入の選手をフルネームにしてみました。太田は出戻りだけど)。
 相手チームなのに、全員の名前を書きたくなるくらいの充実度。世代別もあわせれば全員が代表経験者じゃん。
 ということで、今年のFC東京は手ごわかった。この日の鹿島はこのところの試合では比較的前半からボールを持てていたけれど、それでも最後まで崩し切るような形はそれほど作れていなかった。
 でもいまのチームは後半型だからな……と思ってみていると、やはり後半になるとだんだん得点の匂いがし始める。でも、さぁ、そろそろか……と思ったところで、痛恨の失点が生まれてしまう。途中出場の中島が打った得意の右からのミドルをクォンが弾いて止めた、その跳ね返りを三竿健斗がオウン・ゴール。あぁ……。
 三竿は後半はじまってちょっとしてから、西と交替で出ていた。それと同時に山本脩斗を右サイドに回したから、なにか西にトラブルがあったんだろう(山本の右サイドって初めて見た気がする)。三竿を責めるつもりはないけれど、結局はこの交替が勝負の綾だったなぁ……。中島は好きだけど、今日は活躍して欲しくなかったなぁ……。
 まぁ、そのほかでいえば、恒例のように小笠原を永木に替えたのも、その時点で試合がスコアレスのままだったことを考えると、最適の手だったか疑問だったし、最後のカードを切って遠藤に替えて優磨を入れたのも、この日は特別有効ではなかったようで残念だった(FWを三枚にする攻撃的な采配でおもしろかったけれど)。
 でもまぁ、負けはしたけれど、失点はオウン・ゴールだけだったし、今年はいまんところ守備がとても安定しているので、あとは攻撃がはまれば、そうそう連敗することはないだろう。そう思えるのが救い。きょうは相手の守備もよかった。次はちゃんと点をとって勝とう。
 いやしかし、今年のFC東京は、GKの林、海外経験を積んだ司令塔の高萩、過去3年連続得点王の大久保にスピードスターの永井と、弱点を補ってあまりある感じでやばいかも。途中から出てきた前田もまだまだ衰えてはいないようだし、これで中島がブレイクした日には手に負えなくなりそうな……。
 とか思わしておいて、次あたりにころっと負けるのがFC東京という気もする。
 そうそう、アントラーズはこの日が今シーズンのホーム・ユニフォームのお披露目だった(ようやく)。今年はひさしぶりにボーダーだというのは知っていたけれど、びっくりしたのは背中側が紺一色だったこと。おかげで遠目に見るとチームカラーのダークレッドがほとんど目立たない。アウェイのピンクといい、今年のユニフォームをデザインはちょっとどうかと思う。
(Feb 25, 2017)

ムアントン・ユナイテッド2-1鹿島アントラーズ

AFCチャンピオンズリーグ/2017年2月28日(火)/スパチャラサイ国立スタジアム/日テレNEWS24@スカパー!(録画)

 まさかアウェイだからって、タイのクラブに負けるとは思わなかった。初のアジア制覇という目標に向けて、いきなり暗雲のたちこめたACLの二試合目。
 この日はライヴがあって生放送が観られなかったので(ウォーペイント最高!)、帰宅後にハイボールを片手に録画で観たので、あまりちゃんとしたことは書けないけれど、それにしても黒星以外にも、なんだかびっくりすることの多い試合だった。
 まずは最初にアントラーズの控室にぶらさがったユニフォームの映像を見て驚いた。なに、ユニフォーム白じゃん! それもデザインは去年のセカンド・ユニフォームのまんま。なぜピンクじゃない? あのショッキングな色がACLの査定にでもひかっかったんでしょうか。まぁ、俺は白のほうが嬉しいけれど。どうせならばJでもこのユニフォームで戦ってほしいくらい。
 そんな白いユニフォーム姿でピッチに立ったスタメンの11人はクォン、伊東、植田、昌子、三竿兄、永木、レオ・シルバ、レアンドロ、充孝、ペドロ・ジュニオール、赤崎というメンツ。
 赤崎が今季初登場。で、小笠原と夢生がベンチにさえ入っていなかったのもなにげに驚いた。まぁ、タイのクラブ相手ならば、あのふたり抜きでも勝てるという目算だったんだろうけれど、でも結局それが仇となった感あり。
 ムアントンは思いのほか強かった。いや、強いというとあれだけど、少なくてもたやすく勝てるほど弱くはなかった。
 実況がムアントンには青山という日本人がいるというので、へー、日本人がいるんだと思ったくらいで特に気にも留めていなかったのだけれど、いざその人の顔を見てびっくり。げっ、青山って元五輪代表の青山直晃かいっ! いまタイにいるのかよ。
 そのほかにもシスコというスペイン人のFWがいるし(決勝点はこの人)、元韓国代表のDFもいる。メンバーの多くがタイ代表だというし、要するにタイ代表を青山ほかの外国人で補強したようなチームなわけだ。おまけに気温は34度とかいっちゃって。シーズン開始早々、寒い日本からそんな国へ行って、そんな相手と戦ったら、さすがにそう簡単な試合にはならなくて当然。
 まぁ、だからといって開始12分でいきなり直接FKを決められるのは、さすがに想定外。ティーラトンという選手のキックが見事だったのは確かだけれど(通称・悪魔の左足だそうです。サンジ@ワンピースかい)、そのFKを与えた永木のファールがいただけなかった。あんな位置でファールを与えるようじゃ、代表定着は無理だと思うぞ。
 前半はその1点に追いつけずに終了。でも、こりゃまずいかと思った後半早々にペドロ・ジュニオールの移籍後初ゴールで同点に追いついたので、よしこれで大丈夫だろうと、それからあとは安心して観ていた。
 でもまぁ、その後もスコアはなかなか動かず。これではドローも仕方ないかなと思っていた82分に、途中出場していた鈴木優磨がPKを獲得~。当然のように「俺が蹴る!」とボールを手にする優磨。よしこれで勝ったろうと思ったらば、このPKをまさかの優磨が外しちゃうんだ。おいおい。これにもびっくりだったよ。
 なぜGKが逆に動いているのに、枠に飛ばせないんだよ~。いやぁ、去年のチャンピオンズシップのPK、夢生に蹴らせておいてよかったなぁ……。
 結局、このPK失敗が勝負の分かれ目だった。あぁ、結局ドローかぁ……と思って観ていた後半のアディショナル・タイムも残り1分を切ったところで、相手にカウンターからまさかの痛恨の決勝ゴールを許してしまうたぁ……。いったいなにやってんだろうか。まったく、最後の最後に余計なサプライズを。そんな驚きはいらない。
 30度を超える高温のなか、交替のカードを優磨と遠藤の二枚しか切らなかった石井采配にも疑問が残るけれど、やっぱこの試合は優磨のPK失敗。あれはなかった。
 いやぁ、まいりました。やっぱアジアは楽じゃないや。
(Mar 01, 2017)