2016年12月のサッカー
Index
- 12/03 ○ 浦和1-2鹿島 (Jリーグチャンピオンシップ・決勝第2戦)
- 12/08 ○ 鹿島2-1オークランド・シティ (クラブW杯・開幕戦)
- 12/11 ○ マメロディ・サンダウンズ0-2鹿島 (クラブW杯・準々決勝)
- 12/14 ○ アトレティコ・ナシオナル0-3鹿島 (クラブW杯・準決勝)
- 12/18 ● レアル・マドリード4-2鹿島(延長2-0) (クラブW杯・決勝)
- 12/24 ○ 鹿島1-0広島 (天皇杯・準々決勝)
- 12/29 ○ 横浜M0-2鹿島 (天皇杯・準決勝)
浦和レッズ1-2鹿島アントラーズ
Jリーグチャンピオンシップ・決勝(第2戦)/2016年12月3日(土)/埼玉スタジアム2002/NHK総合
いやぁ、まぁね。こんなこともあるかもとは思っていたんだ。
前の試合に負けたため、この試合で2点とって勝たないと優勝はないのだから、鹿島に不利なのは確かだった。
とはいえ、こちとら優勝を争えること自体が儲けものって立場だ。負けたって失うものはなにもない。それが2点とって勝ちさえすれば、年間優勝をかっさらえちゃうってんだから、これはもう思いきり鹿島向きのシチュエーションなんじゃないかと。
はたしてそのミッションを見事にクリアして、アントラーズが2016年の年間王者に立ってしまいました。
わりぃ、浦和。ごめん、川崎。でもこれが鹿島アントラーズだっ。
さて、そんなこの日の試合のスタメンは、僕が期待した通り、前の試合のメンツから中村充孝をはずして、柴崎を攻撃的MFに起用した11人だった。これぞという形でこの大一番に臨めたってのはでかい。
ただ、試合自体は思ったような形で始まりはしなかった。
早い時間帯に先制すればおもしろくなるぞ──と思っていたのに、先制点を奪ったのはレッズ。開始からわずか7分、右サイドからの関根のクロスを、ゴール前でフリーになった興梠がダイレクト・ボレーでゴールへと流し込んだ。
なぜそこで興梠がフリー? しかもなんでこんなに早く?
──ってまぁ、失点の理由には首をかしげざるを得なかったけれども、それでもこの1点はおもしろいくらいにダメージがなかった。
なんたって、こちとら2点を取らないと始まらないわけで。1失点は許容範囲内。たぶん、僕がこれまでに観てきた失点のうちでも、歴代ナンバーワンってくらいにショックの少ない1点だった。
試合の流れとしては、前半のうちに同点に追いつけたのも大きかった。貴重な同点弾は、遠藤の右サイドからのクロスに、夢生が頭であわせたもの。準決勝の川崎戦の決勝ゴールを反対サイドから再現するような形だった。
この同点弾の場面では、レッズの守備がまずかった。ロングボールを遠藤と競りあった選手──誰だろう、宇賀神? 関根?──がボールに触れずにごろんと転倒。そのままドリブルでボールを持ち込んだ遠藤がフリーでクロスをあげれば、ファーでそれにあわせた金崎もフリーだった。うちの失点もまずかったけれど、相手のミスはそれ以上だろう。とても年間失点数リーグ最少のクラブとは思えない。
そういう意味では決勝点の場面はなおさらだった。
カウンターからのスルーパスを止められず、途中出場の鈴木優磨にどフリーのチャンスをあたえてしまい、それを阻止しようとして、うしろから倒しちゃう槙野って……。
第1戦で西が取られたPKは、判定に文句を言いたくなるようなものだったけれど、槙野のこれはまごうことなきファールだった。頼むから日本代表ではやんないでおくれね。
ということで、このPKを夢生が決めて、これが決勝点。いまだ闘志満々の小笠原を伊東に替えたり、途中出場の優磨を赤崎に替えたりした石井監督の采配には疑問を感じる部分もあったけれど(優磨はどこぞを痛めたらしい)、それでもなんとか残り時間を逃げ切って、アントラーズが見事2016年のJ1タイトルを獲得してしまった。
レッズに勝ち点15も差をつけられたクラブが年間王者ってのはどうなんだって話は出て当然だと思うけれど、でもこれもレギュレーションどおりですからね。少なくても今回のチャンピオンシップに関していえば、アントラーズは3試合とも勝ってしかるべきサッカーができていた。そもそも大一番に手を抜くようなクラブと戦ってタイトル獲ったって楽しくないでしょう?――って、そんなことないか。
まぁ、いずれにせよ、一対一の攻防にも見ごたえのある、とてもいい試合だった。
それにしても勝った側にして、こんなにも複雑な心境になるタイトルも珍しかろう。それもこれも、年間を通して戦うリーグ戦の決勝に一発勝負のチャンピオンシップなんか導入したJリーグの方針が間違っているせいだ。来年からはまた1ステージ制に戻るそうだから(なんだったんだ2ステージ制)、もう二度とこんな欠陥だらけのレギュレーションが復活しないよう、みんなで1ステージ制を大事にしてゆきましょうね。
ということで、2016年のJ1はわれらが鹿島アントラーズの優勝で幕。そして来週からはクラブW杯だっ……って、そんなもん、まったく眼中になかったわ。よもやアントラーズが出ることになるとは思ってもみなかった。まだ天皇杯も残っているし、今年はもう少しサッカー・シーズンがつづく予定。
とりあえず、祝18冠。ほんとごめん、レッズ。
(Dec 04, 2016)
鹿島アントラーズ2-1オークランド・シティFC
FIFAクラブワールドカップ・開幕戦/2016年12月8日(木)/横浜国際総合競技場/BS日テレ
クラブW杯開幕。祝・アントラーズ初出場で初勝利~、って喜べるほどの内容ではなかったけれど。
相手がオセアニア代表だってんで、それはさすがに勝てるでしょうと思っていたら、ところがどっこい。このオークランド・シティが意外とめんどくさい。だてに6年連続出場とか言っちゃいない。
決して強いって感じではないんだけれど、ハイプレスがきびしくて、ぜんぜん自由にボールを持たせてもらえない。あぁ、うっとうしい……って思いながら、ボールをまわしていたら、なにもしないうちに前半が終わってしまった感じ。
この日の鹿島は、チャンピオンシップ決勝のメンツから、コンディション不十分の金崎をベンチスタートにして、ファブリシオを起用した形。
つまり、柴崎はこの試合でも左サイドウィングでのプレーだった。
でも、どうも出来がいまいちで……。
やはり故障明けで試合勘がじゅうぶんじゃないのか、パスミス連発で、やたらとプレーの精度が低い。うーん、こんなプレーをしていたんでは、噂されているスペイン移籍なんて実現しないんじゃないの? と思って見ていたのだけれども……。
後半、相手にセットプレーから先制され、追撃のために温存していた金崎を投入するにあたって、なんと石井は小笠原を下げてきた。
おいおい、またもや闘将を下げるたー、ちょっと石井さん、オガサに対する評価が低すぎやしませんか?──と思ったのは、僕が浅はかだったようで。
いや、まぁ、石井の小笠原に対する評価がどうとかいう話はともかくとして。
鹿島がようやくらしさを見せてくれるようになったのはここからだった。やはり金崎が出てきたから──という風な話になるのかもしれないけれど、僕はそれよりも、柴崎がボランチに下がった効果が絶大だったと思った。
それまでいまいちだった柴崎が、いつものポジションに下がったとたんに、いやぁ、めだつこと、めだつこと。なんだったんだ、いままでのプレーは……ってくらいに、いきなりキレキレになった。視野は広いし、球離れも速い。そうそう、これでこそ俺の好きな柴崎。なんだ、やっぱり柴崎のベスト・ポジションはボランチなのかって思わされる豹変ぶりだった。
夢生が登場するより少し前に、先にファブリシオに替わって赤崎がピッチに立っていた。相手もさすがにこの時間になると、最初のようなハイプレスは仕掛けてこなく(これなく?)なっていたので、このメンツになってからは、ようやくいいときのリズムでボールが回せるようになった。で、いい感じの崩しから、最後は右サイドを深くえぐった永木のマイナスのパスを受けて、赤崎の同点ゴールが生まれる。
同点に追いついたことでやや勢いが落ちて、そのあとはずるずると時間が過ぎて、まずい、延長戦の流れか……と思ったところで、最後にまた夢生がひと仕事してくれる。左サイドからの修斗の山なりのクロスをファーで聖真が折り返すと、ゴール前で夢生が相手DFに競り勝っての決勝ゴール!
このゴールのちょっと前に、遠藤に代わって充孝が入っていた。同点ゴールも夢生が出てきたすぐあとだったし、なんか選手交替のタイミングでちゃんとゴールが決まるってのは、なんとなく石井の采配の妙って気がしなくもない。
まぁ、ということで、アントラーズが苦しみながらもなんとか初戦を突破して、準々決勝へと駒を進めた。
いやぁ、いきなり負けなくてよかった~。ほんと先制されたときにはどうなることかと思ったよ(ちなみに決めたのはたぶん韓国人。岩田という日本人SBもいたし、ニュージーランドのクラブだそうだけれど、意外と多国籍だった)。J1であんな風に優勝したすぐあとにオセアニア代表に負けた日には嘲笑の的だわ。
「国内でだけ勝負強い鹿島」なんて言われないよう、せめてもうひとつは勝って欲しい。
(Dec 08, 2016)
マメロディ・サンダウンズ0-2鹿島アントラーズ
FIFAクラブワールドカップ・準々決勝/2016年12月11日(日)/市立吹田サッカースタジアム/BS日テレ
よし、勝ちました~。無事にベスト4進出~。
前の試合同様、決して楽な試合ではなかった。中継でアナウンサー(鹿島の10番を背負った選手をジーコ以外に言えないレベル)が、さかんに前半のシュート数が鹿島は0、相手は11だと強調していたけれど、ほんと前半は受け身一方で、まるでいいところがなかった。
それが後半になると見違えるようになるんだから、よくわからない。今大会は前半は捨てるとかいうコンセプト? 曽ヶ端が三回くらい横っ飛びしてファインセーヴしていたけど、あれがなかったら負けてるよ? あぶねぇったらありゃしない。
でもまぁ、確かに前半は不出来だったものの、でもそこをじっと耐え忍んでスコアレスのままで後半に入ったことで、観ているこちらも、あ、この試合は勝てるかも思った。なんかこの展開は鹿島のペースだなって気がした。
そしたら後半にちゃんと2ゴールが決まるから素晴らしい。決めたのは遠藤と夢生(つい飲みすぎて、ぐだぐだになってしまったのでディテールは省略)。終わってみれば、スコアは2-0で、気分もすっきり。これで準決勝で負けても、三位決定戦まで戦える。他国のチャンピオン・クラブとあと2試合も試合ができるってのが、なにより嬉しい。
この日の先発は、曽ヶ端、西、植田(!)、昌子、山本、永木、柴崎、遠藤、充孝、土居、赤崎というメンバーだった。途中出場は夢生、優磨、杉本の3人。
おそらく中2日という過密日程への配慮なんだろう、石井はスタメンから小笠原とファン・ソッコをはずしてきた。まぁ、前の試合の永木、柴崎のコンビがよかったし、小笠原がベンチってのは(残念だけれど)わからなくもない。でもここへきての植田の起用はびっくりだった。リーグ戦でならばともかく、この短期決戦で最終ラインいじるとは思わなかった。石井もずいぶんな博奕うちだな、おいおい。
まぁでも、無失点で終わっているんだから、結果オーライってことでしょう。どうせならば、このまま植田を最後まで使ってほしいところだけれど、さて次はどうなりますやら。
そうそう、この日は昌子の24歳の誕生日だったそうなのだけれど、昌子、せっかくの誕生日に接触プレーで前歯を折ってしまった。気の毒にもほどがある。
(Dec 12, 2016)
アトレティコ・ナシオナル0-3鹿島アントラーズ
FIFAクラブワールドカップ・準決勝/2016年12月14日(水)/市立吹田サッカースタジアム/日テレ
いやはや、よもや準決勝で南米王者に勝ってしまおうとは……。
相手のアトレティコ・ナシオナルは、さすがに強かった。前半を観たかぎりでは、とても勝てる相手だとは思えなかった。幸運なPKで先行こそしたものの、勝っていながらにしてなお、まったく勝っている気がしないハーフタイムだった。
とにかく相手の攻撃力がはんぱねぇ。もう前の2チームとはあきらかにレベルが違う。当然とはいえ、こちらよりも格上。そんな相手の猛攻に耐えに耐えた前半だった。
まぁ、それでも前半の出来自体は、前の2戦とくらべるとまだましだった。いくらか攻撃のチャンスもあったし(だからこそのPKだったわけで)。
それでも相手の圧力が強すぎて、あちらがシュート3本打つあいだに、こちらはようやく1本打てるかどうかってレベル。よくもまぁ、前半を無失点で終われたもんだと感心してしまうような内容だった。チャンピオンシップ以来の守備面での粘り強さは賞賛に値する。
この日のスタメンは、曽ヶ端、西、植田、昌子、山本、小笠原、柴崎、遠藤、中村、赤崎、土居の11人。
相手が強敵なだけに、守備重視でくると思っていたから、永木ではなく小笠原を起用してきたのはちょっとした驚きだった(このところのパターンで、オガサは後半途中に永木と交替)。でも中村充孝を使うんなら、トリプル・ボランチでもよかったと思うんだけれど……(充孝、あいかわらずどこがいいのかよくわからない)。とりあえず植田が引きつづき先発で観られたのはよかった。
ま、なんにしろよく守った。この大会はあたりまくりの曽ヶ端にも助けられた(この試合のMOMだそうだ)。で、後半になって、さすがに相手に前半のような集中力がなくなってきたところで、効果的に追加点をあげて、なんと3-0というスコアでの勝利。スコアのイメージほど楽な試合ではなかったけれど、でも結果は完勝。なんてこったの番狂わせだった。
いやしかし、この日の3ゴールはどれもなんだそりゃって思ってしまうようなゴールばかりだった。
1点目のPK(なんとキッカーは聖真)はFIFAがこの大会で導入した史上初のビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)によるビデオ判定で、セットプレーで西が倒されたプレーが、あとからファールと認定されたもの。問題のプレーのあと、しばらくたってからだったし、PKをもらったこちらまで、いったいなにごと? って思ってしまうような判定だった。まぁ、ありがたかったけれど。
後半の追加点は、柴崎のラストパスをDFの裏へ抜け出した遠藤が受け取って、ゴールを背にしたまま、ヒールでちょこんとゴールに流し込んだもの。いつもなら、「おしゃれな」と形容したくなるプレーだけれど、舞台が舞台だけに、相手のいらだちに油をそそぐようなプレーに思えた。おいおい、いいのかそれってと思ってしまった。
さらには途中出場の金崎と鈴木優磨のコンビネーションから3点目。金崎が右サイドで相手DFに競り勝ってフリーとなり(夢生つえぇ)、ゴール前へ飛び込んできた優磨へ絶妙のグラウンダー・クロスを配給。優磨はこれを豪快に決めると、クリスティアーノ・ロナウドの真似をしたゴール・パフォーマンスで締めくくった。でもこれは赤面もの。若者こわいもの知らず。
まぁ、前半を無失点で終えられたのは、アントラーズに運があったからだとは思うけれど、運だけでは3-0なんてスコアじゃ勝てない。鹿島がそれなりの力のあるクラブだってことは世界で認めてもらえたんじゃないでしょうか。
ということで、棚ぼた感たっぷりの今回のクラブW杯も、いよいよ次が最後の試合。アジアのクラブとしては史上初の決勝、なんと対戦相手はレアル・マドリーだ~。
FIFAの公式戦でレアルと戦える機会なんて、そうそうあることじゃないでしょう。悔いが残らない最高の試合をして欲しい。
(Dec 17, 2016)
レアル・マドリード4-2鹿島アントラーズ(延長2-0)
FIFAクラブワールドカップ・決勝/2016年12月18日(日)/横浜国際競技場/日テレ
レアル・マドリーに負けて、こんなに悔しい思いをするとは思わなかった。
いやぁ、アントラーズはよく戦った。みごとに戦った。いきなり失点したときには、なにやってんだとがっくりきたものの、それでレアルが安全運転モードになったおかげで、それ以上の痛手を負うことなく、前半をしのぐことができた。
それどころか、残り時間が少なくなってから、柴崎が値千金の同点ゴールまで決めて、前半を折り返しさえした。
さらには後半わずか7分で、またもや柴崎が逆転ゴールをたたき込むという大殊勲!
お~、これはいけるか~!
──と喜んでいられたのもつかのま。わずか8分後に山本脩斗がPKを取られて、同点に追いつかれてしまう。なんちゅうもったいない……。
まぁ、でもほんと、そのあともよく戦った。後半の最後のほうは一方的に攻め立てて、あとちょっとで勝ち越しってシーンを何度も作った。優磨のヘディングが、遠藤のシュートが、枠に飛んでさえいれば……。
でも結局、90分で決着をつけられなかったのが勝負のわかれめだった。延長の前半に、それまでいいところのなかったクリスチアーノ・ロナウドに2つのゴールを決められて勝負あり。なんだよ、そのトラップとシュートは。なんでそんなのビシッと止めて、しっかり決められんの? あぁ、さすがに年収90億越えは半端じゃねぇ……。最初のPKも彼だったので、結果的にC・ロナウドはハットトリックを達成。なんだか彼に活躍の場を与えるための延長戦だったみたいだ。
レアル・マドリーには、そんなクリスチアーノ・ロナウドはもとより、ベンゼマ、マルセル、クロースなど、W杯でさんざん観た選手がたくさんいた。監督はジダンだし、噂のモドリッチもホント上手かった。でもそんな相手だから負けても当然という気分には、ぜんぜんなれなかった。負けて、ただただ悔しかった。
なまじ、前半の早い失点で、相手が手を抜いてきたのがわかっただけに、なんかすげー腹が立った。こいつらにぎゃふんと言わせないと気がすまないって気分になった。だから同点ゴールが決まったときには、ざまぁみろ、ジダン! とか思った。逆転ゴールは痛快極まりなかった。
でも勝てねぇ。やっぱ勝てねぇ。先制ゴールのシーンにしろ、同点のPKにしろ、あんな風に失点していたら、そりゃ勝てなくて当然。強いチームのやることじゃない。昔から日本代表なんかでおなじみの、ぶざまな失点だった。それをこの大一番でやってしまったのが痛恨の極み。
でもまぁ、こっちのホームで必死に食らいつけば、銀河系軍団と呼ばれるクラブ相手でも、90分間で引き分けにまでは持ち込めることが確認できたのは収穫。実力差があるのは認めるけれど、でもいつまでもこのままでいると思うなよー。
なんかもう、世界最強のクラブと戦えて幸せとかって、そういう感覚ぜんぜんないや。勝たないと気がすまない。よその国のクラブ応援している人の気がしれない。もっともっとアントラーズが海外のクラブと戦うところが見たいっ!
ということで、来年のクラブW杯へとつながる来季のACLがとても楽しみになった。
でも、この試合で柴崎の海外移籍はほぼ確定だろうなぁ。レアルから2ゴール奪えるMFを世界が放っておくはずがない。もしかしたら昌子(めちゃくちゃよかった)もあぶないかも。そういう意味では、今後のチーム編成を考えると、ちょっと微妙な一戦だったかもしれない。
この日の出場選手は、スタメンが曽ヶ端、西、植田、昌子、山本、永木、小笠原、遠藤、柴崎、土居、金崎の11人、途中出場がファブリシオ、優磨、伊東、赤崎の4人(延長に入った場合には4人まで替えられるレギュレーションだった)。
金崎がスタメンに戻ってきたので、現状ではベスト・メンバーだったと思う。でも先制点を許したのは、植田のクリアミスからだったし、決勝ゴールの場面も植田が残っていたためにオフサイドにならなかったしで、やっぱ植田の試合勘のなさがこの試合ではちょっと響いたかなぁという気がする。結果論だけれど、本気でこの試合に勝つ気ならば、ファン・ソッコのほうがよかったかなぁ……と思ってしまった。
でもまぁ、植田にはこの経験を糧にして大きく成長して欲しい。石井にしたって、そう考えたから、スタメン起用してきたのだろうし。昌子とともに日本代表の最終ラインを担えるだけの選手だと信じているよ~。
というわけで怒涛のクラブW杯もこれまで。週末は天皇杯の広島戦だっ。
(Dec 19, 2016)
鹿島アントラーズ1-0サンフレッチェ広島
天皇杯・準々決勝/2016年12月24日(土)/カシマサッカースタジアム/BS102
なんとも不甲斐ない結果に終わったセカンド・ステージの憂さを晴らしているようなこの十二月の快進撃だなぁと思う。アントラーズは難敵・サンフレッチェ広島を破って、天皇杯・準決勝への進出を決めた。
この日は金崎、柴崎、西がコンディション不良のため欠場。ということで、スタメンは曽ヶ端、伊東、植田、山本、永木、小笠原、遠藤、中村、土居、赤崎というメンバーだった。途中出場は優磨、三竿、ファブリシオ。
主力を3人も欠いてはいるものの、それでもとくに問題なく、いつも通りの戦いができてしまうのが、いまのアントラーズの強み。粘り強く守って、後半にここぞのカウンターで得点をあげて逃げ切る──きょうもそういう試合だった。
相手の広島も今季得点王(なのになぜかベスト・イレヴンには選ばれなかった気の毒な)ピーター・ウタカが欠場。こちらとしては助かった。
でもまぁ、アンデルセン・ロペスとか好印象だったし、ミキッチとか以前から好きだし、広島の外国人はネーム・バリューのわりには質が高い。あと、負けたら今季での退団が決まっている佐藤寿人の最後の試合になるってんで、モチベーションも高い。なのでとうぜん、そう楽な戦いにはならない。クラブW杯での試合と比べても、そうそう見劣りしない内容のある一戦だったと思う。
試合を決めたのは、赤崎の一撃。小笠原が浮き球でゴールラインの裏側へとふわっとあげたパスに追いついて、ほとんど角度のない、まさかってところから、みごとに決めてみせた。いや、あれにはびっくりでした。赤崎、グッドジョブ。
そのあとで昌子がPKを取られて、あわや同点という場面があったのだけれど、そこではクラブW杯以来絶好調の曽ヶ端がナイスセーヴを見せる。きょうはノイアーばりに守備範囲も広かったし、曽ヶ端、なんかホント絶好調だな。シーズン途中には、そろそろ櫛引にポジション譲ってあげてもいいんじゃないかと思っていたけれど、おいそれと退く気はないらしい。恐れ入りました。
まぁ、勝ちはしたけれど、そうとう押し込まれた試合だった。CKの数が広島12、鹿島1(その1本も後半ロスタイム)ってんだから、どちらが優勢だったか、数字が物語っている。それでも勝ったのはこちらだってところが、いかにも鹿島らしかった。
ということで、次の準決勝はヤンマースタジアムでマリノスと対戦とのこと(ガンバ三連覇ならず)。なぜこの両チームが大阪で? って感じだけれど、まぁ、そういう変な大会なんじゃ仕方ない。というか、この日の試合だってカシマスタジアムってのがフェアじゃない。なんか天皇杯って狙っているところがいまいちよくわからない。
注目の佐藤寿人はこの日は途中出場。来季からはJ2降格が決まった(そしてなお幸先不透明な)名古屋だというから、僕が彼の現役でのプレーを観るのは、もしかしたらきょうが最後かもしれない。森崎弟も今季かぎりで引退するそうだし、広島もそろそろ世代交替の時期なのか、知っている選手がどんどん減ってしまって、ちとさびしい。
(Dec 24, 2016)
横浜F・マリノス0-2鹿島アントラーズ
天皇杯・準決勝/2016年12月29日(木)/ヤンマースタジアム/NHK総合
鹿島アントラーズ、2016年最後の試合を白星で飾るの巻。
これで12月の対戦成績は6勝1敗。その1敗もレアル・マドリーと延長戦の末という。つまり90分勝負に限ってみれば、この12月は7戦無敗。
いやはや、チャンピオンシップが始まるまでは、こんな年末は想像だにできなかった。
なんたって僕個人の話でいえば、ファースト・ステージの最終節で優勝を決めた試合を最後に、チャンピオンシップ準決勝での川崎戦まで──その間およそ5カ月──にわたって一度もアントラーズが勝つ試合を観ていなかったのだから。それでここまでハッピーな年末が想像できるわきゃない。
まぁでもね、ファースト・ステージの優勝はべつにフロックだったわけではないし、もともと実力があったのは確かで、セカンド・ステージではその歯車が狂ったまま修正できなかったのを、この一ヶ月ちょいで見事に修正してみせたってことなんだろう。石井なにげに名監督かも(まぁ、退任騒動とかありましたけどね。あれがあってなお年間最優秀監督ってのもどうかと思うけど)。なにはともあれ、祝・決勝進出~。
ということで、この日のスタメンは曽ヶ端、伊東、植田、昌子、修斗、永木、小笠原、柴崎、充孝、土居、赤崎。途中出場は優磨、遠藤、ファブリシオ。
前の試合を外れた柴崎が戻ってきたと思ったら、交替で遠藤が体調不良だとかでベンチ・スタートだった。なので柴崎はこの日は右サイドの攻撃的なポジションに入った。
でも結果的にはこれが勝因。2ゴールはどちらも右サイドからの柴崎のクロスからだった(どちらもワンタッチのダイレクトで打っているのがさすが)。1点目は土居のヘディングで、2点目は途中出場の優磨がクラブW杯と同じような形で決めたもの。柴崎はこの2アシストのほかにも、あわやというシュートを自ら2本も打っているし、ここんところ攻撃面での貢献がめざましい。
チームとしてはこのところのパターンで、押し込まれることは多くあっても、最後のところでしんぼう強く守って無失点で終える。いやしかし、クラブW杯以来、昌子がすんごいいい。ほかのクラブに引き抜かれないか、心配なレベル。
対するマリノスは、故障明けの俊輔がベンチスタート。でも今季ベスト・イレブンの齋藤学、いまだなお健在な中澤ほか、中谷、富樫敬真、天野純、前田直輝、マルティノスといった選手らがよくて、敵ながら好印象だった。
それでも、横浜といえば、やはり俊輔。後半途中から出てくると、最初のCKでいきなりあわやというシーンを演出して見せてこちらを冷やりとさせ、以降も要所ようしょで素晴らしいボール捌きを見せて、観客を魅了する。いやぁ、俊輔カッコいいわ。敵ながら惚れ惚れした。
この日の勝負を分けたのは、その俊輔のセットプレーから同点ゴールが生まれたかと見えた場面。さいわいオフサイドの判定でゴールは認められなかったけれど、オフサイドかどうか微妙な判定だったし、あれが決まっていたら、また違った結果になっていたかもしれない。
でもいまの鹿島が強いなーと思わせたのは、そのプレーの直後に2点目のゴールを決めてみせたところ。あと一歩で追いつけるという感触を相手がつかみかけたかって矢先に、どーんと突き放してみせたところがさすが王者って感じだった。
いやしかし、この試合もシュート数は14-6と打ち負けている。まぁ、夢生がいない影響もあるんだろうけれど、一時期のように一本でも多くのシュートを打って攻め勝つっていうんではなく、とにかくしっかり守ってカウンターから少ないチャンスをものにするってスタイルになっている。個人的には攻め手の多いころのサッカーのほうが好きだったりするんだけれど。まぁ、いまのサッカーはそれはそれで見ごたえがあるし、勝っているからいいですが。
とにかくこれにて2016年は全日程終了~。そして2017年はアントラーズ戦とともに始まることが決定。対戦相手は川崎だっ! 天皇杯決勝進出時はじつに6年ぶりだとのこと。いい試合を期待しよう。
(Dec 29, 2016)