2016年9月のサッカー
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日本1-2アラブ首長国連邦
ワールドカップ最終予選/2016年9月1日(木)/埼玉スタジアム2002/テレビ朝日
ワールドカップ最終予選始まる──って聞いて、「えっ、もうなの?」と思ったのけれど、考えてみれば、オリンピックもすでに終わったことだし、本大会まであと2年もないんだな。本当に最近は月日が流れるのがはえぇ……。
しかしまぁ、きょうの試合にはとてもむかついた。カタールの主審が最低ってのは当然として、そんな外圧に屈した選手たちにも、選手交替でちっとも状況を改善できなかったハリルホジッチにもがっかりだった。
注目のこの日の先発は、GKが西川、DFが酒井宏樹、吉田麻也、森重、酒井高徳、MFがキャプテン長谷部にA代表デビュー即スタメンという大島僚太、本田、香川、清武、そしてFW岡崎というメンバー。
長友が故障のため、サイドバックを両酒井で固めて、これまた故障でリタイアの柏木にかえて大島をいきなりの抜擢。リーガ・エスパニョーラで評判上々のデビューを果たした清武が香川とともにスタメンってあたりがポイント。
なかなか楽しそうな顔ぶれだったし、実際に序盤戦はなかなかいい感じでボールがまわせていた。でもって、前半11分に清武のCKから、ファーに流れた本田がダイビング・ヘッドを決めて先制をしたところまでは上出来だった。
でもそこから先が……。
直接FKを決められた同点ゴールは、相手のキックが見事だった。でも問題はミスからそのFKを取られることになった守備と、そしてなにより、そのファールを取ったカタール人のレフェリー。
いやぁ、この主審の判定がひどいこと、ひどいこと……。こんなにレフェリーにむかついたのもひさしぶりだ。これが日本以外だったら、フーリガンに命を狙われて無事に帰国できないんじゃないかってレベル。
決勝点になったPKを取られた場面だって、たしかに大島の足が一瞬ぶつかってはいるけれど、相手の蹴ったボールはそのままゴールラインを割っていたし、あんなの普通PK取らないだろうよ。反対に宇佐美が体当たりでブロックされても、PKよこさないし。
さらに最悪だったのは、浅野のシュートをGKがゴールマウスの中からはたきだした場面で、ボールがゴールラインを越えていたにもかかわらず、ノーゴールとしたこと。あんなあきらかな誤審を恥と思わないようなやつは、今後入国禁止にすべきだ。
でもまぁ、そんなひどいレフェリーに試合を振りまわされたとはいえ、そのまま同点にさえ追いつけないで終わってしまった日本代表も、あまり褒められたものではなかったとは思う。パスミスがやたらと多かったし、途中からは暑さに負けて疲労したのか、パスの出しどころが見つからずに横パスやバックパスに逃げるシーンが多くて、いらいらさせられた。負けている試合でちんたらパスをまわしている場合じゃないだろう。縦に速いサッカーってコンセプトはどこへ行っちゃったんだよ、まったく。
ハリルホジッチの選手交替が、清武→宇佐美、岡崎→浅野、大島→原口ってのも納得がいかなかった。きょうは清武が素晴らしく、香川の出来はいまいちだと僕は思っていたので、その清武を最初に交替させて、香川を最後まで引っぱったのは、てんで納得がいかない。負けている展開で岡崎を下げたのにも不満だ。どう考えたって、きょうの出来ならば、替えるのは香川でしょうよ。
A代表デビューを果たした大島は、いいプレーもあったものの、2失点に絡んでしまったのがマイナス。1点目の直接FKは、背の低い彼の頭上を狙われたものだったし(せめてジャンプしようぜ)、決勝点のPKを取られた場面も、一度は3人がかりで相手からボールを奪いとったにもかかわらず、彼がボールコントロールをミスったせいで、ふたたび相手にボールが渡ってしまった結果だ。3人で囲い込んでおきながら、結局PKってのが情けなかった。なんだかなぁ……。
あと、テレビ朝日の「最終予選の初戦に負けた国が予選突破した確率は0%」ってあおりにもいらいらさせられた。うるせぇよ、まったく。
あぁ、なんだかんだとうんざりポイントがたくさんあって、いまいち楽しくない試合だった。なんか今回の最終予選はこの先もあまり楽しめない予感が……。
(Sep 01, 2016)
タイ0-2日本
W杯・最終予選/2016年9月6日(火)/ラジャマンガラ・スタジアム(バンコク)/テレビ朝日
W杯最終予選初の緒戦黒星から5日後に行われたアウェイでのタイ戦。
ハリルホジッチは前の試合から3人を入れ替えてきた。ボランチには大島にかえて山口蛍を起用。左の攻撃的MFは、清武ではなく原口。そしてワントップに浅野を抜擢。岡崎が怪我でもないの出場機会なしで終わるのっていつ以来だろう。
僕自身は実績的にFWのファースト・チョイスは岡崎であるべきだと思うし、この2試合の香川の出来がよくなかったので、彼がフル出場を果たす一方で、岡崎、清武が出番なしで終わったことにはてんで納得がゆかないのだけれど、結果的には原口、浅野のふたりのゴールで日本がなんとか勝利を収めたのだから、とりあえずハリル氏の起用はずばりはまったことになる。
とはいえ、試合内容は、やはりいまいち。あの内容で2点で終わったんでは不完全燃焼の感は否めない。
ほんと、なぜそんなに決まらないんだって不思議に思ってしまうほど、ゴール前での決定力が低かった。まぁ、シュート自体は打てている──つまりチャンスは作れている──ので、そんなに悲観することはないと思うんだけれど、それでもあまりに決まらなさすぎて、観ていてストレスがたまった。前の試合もこの試合も、なにしろゴール前の決定機にミスでシュートを打てずに終わるシーンが多すぎた。なんで本田までがフリーでのシュートを空振りするかな。日本代表の誰かがなにか悪いことして、変な呪いがかかってんじゃないだろうかって。そんなバカなことを思うくらいの決まらなさだった。
あと、この試合で文句を言いたくなったのは、ようやく浅野のゴールが決まって2点差となったあとの試合運び。タイとの実力差を考えれば、2点差あればじゅうぶん安全圏のはずなのに、なんだかしらないけれど、そこから妙にミスが多くなって、終盤はなんとも危なっかしいプレーを連発していた。なぜに勝っているチームが最後にあんなにどたばたしないといけないんだ。まったく、わけがわからない。
まぁ、ハリルホジッチがその時間帯になってようやく交替カードを切り始め、武藤嘉紀(おぉ、ひさしぶり!)、小林悠、宇佐美の3人をピッチに送り込んできたので、それらの攻撃的な選手交替によって守備のリズムが乱れた結果なのかもしれないけれど、だとしたらそんな采配をふるったハリル氏の責任ってことになる。いずれにせよ、褒められたものではなかった。頼むからもっと自信をもってプレーして欲しい。
ということで、とりあえず勝ち点3を奪えてひと安心──でもよかったのはそれだけって試合だった。年内にあとまだ3試合もあるらしい。どうにも先行き不透明でいけない。
(Sep 10, 2016)