Coishikawa Scraps / Football

日本１－０マルタ

2006年6月4日（日）／ドイツ・デュッセルドルフ／ＴＢＳ（録画）

　いよいよ本番まであと一週間。この日のマルタ戦は開会前の最後の親善試合だったのだけれども──。
　この期におよんで、なんて試合をしているんだ。ドイツ戦のいいイメージが水のあわ。この完成度の低さはいったい……。頭が痛くなってきた。
　スタメンはドイツ戦のメンバーから、足を痛めた２トップと右サイドを入れ替えた構成。ＧＫ川口に坪井、宮本、中沢の３バック、右が駒野、左がアレックス、福西、ヒデの２ボランチに俊輔がトップ下、２トップが玉田と大黒という組み合わせ。捻挫の加地はチームに残り、回復を待つことになったらしい。いいのか悪いのか……。
　本当にこの試合、良かったのは開始わずか２分にアレックスの短いクロスに玉田があわせて先制ゴールを決めたところまでだった。あまり強くない国を相手の早い時間のゴール。こういう展開にあまりいい思い出がないんだよなあと思っていたら、やっぱり案の定。その後の日本代表のプレーには、まるで見るところがない。なにしろ動きがない。パスミス連発、コンビネーションもボロボロ。もう嫌になるくらい低調なサッカーに終始した。
　ジーコも業を煮やしたらしく、後半の初めから、坪井をさげて小野を投入して４バックにフォーメーションを変更してきた。それでもあまり効果がないと見るや、次から次へと新しい選手を放り込んでくる。アレックス→中田浩二、玉田→小笠原、福西→稲本、大黒→巻。最終的には４－５－１だろうか。本番を見据えれば、今こそ選手を固定して少しでも長い時間を一緒にプレーさせるべき時だろうに……。いったい、なにを考えているのやら。この采配は自己否定じゃないだろうか。困ったものだ。
　そんなジーコの血迷ったような采配の結果として中盤のタレント総出演という印象になった後半は、もう一方的にボールを支配し続けることになった。けれどもゴールを脅かすには到らない。ただただボールを回しているうちに時間ばかりが過ぎてゆき、ロスタイムなしでゲームセット。まったく内容のない、困ったゲームだった。
　この試合の唯一の成果は、あまりのまとまりのなさゆえに、本番での対戦相手各国が日本代表がどういうサッカーをするか、的を絞れないことなんじゃないだろうか、などと思う。今日のゲームを見てしまうと、ジーコが本番にどういう布陣でのぞむつもりなのか、まったくわからなくなってしまう。個人的にはやはり小笠原、小野を使った４－５－１の形が、中盤を支配して勝利に近づく上で、一番いい形だと思うのだけれど……。
　いずれにせよ、次の日本代表の試合はワールドカップ予選リーグ初戦、オーストラリア戦だ。不安ばかりのまま、いざ、本番へ──。
(Jun 05, 2006)