2014年4月のサッカー

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  1. 04/26 ○ 広島0-3鹿島 (J1・第9節)
  2. 04/29 ○ 鹿島2-1清水 (J1・第10節)

サンフレッチェ広島0-3鹿島アントラーズ

J1・第9節/2014年4月26日(土)/エディオンスタジアム広島/BS1

 前節、神戸に負けて首位から落ちたアントラーズ。
 その試合はTBSチャンネル(スカパーの基本パックに入っているから、Jリーグパックを契約していなくても観られる)で放送があったにもかかわらず、僕は後半途中までそのことに気がつかずにいて、ほとんどを見逃してしまった(もったいない)。
 しかもその試合、僕が観始めた時点では2-1と勝っていたのに、その後に青木がペナルティエリア内のハンドでPKを取られて、なおかつ、それが2枚目のイエローで退場。PKをマルキに決められ、同点に追いつかれると、青木が抜けた穴を埋めるための選手交替にもたついているうちに、あっという間に逆転を許してしまうという悲惨な展開。もしかして、俺が途中から観始めたのがいけなかったかと思ってしまった。
 序盤戦は予想外に好調のアントラーズだけれど、ここへきて新潟、神戸と続けてつまずいて、2連敗中。このタイミングで対戦するのが、ディフェンディング・チャンピオンの広島。しかも前節退場をくらった青木が出場停止とくる。
 こりゃ3連敗もあり得るなぁと思っていんですが、ところがどっこい。
 去年、おととしと1勝もできなかったサンフレッチェ相手に、この日のアントラーズは完璧な試合運びで勝利を収める。これだからサッカーはわからない。
 この日のスタメンは、曽ヶ端、伊東、植田、昌子、山本、柴崎、小笠原、遠藤、土居、カイオ、ダヴィの11人(途中出場は西、ルイス・アルベルト、豊川)。
 青木の代役に19歳の植田、そして20歳になったばかりのカイオもスタメンということで、おいおい、平均年齢はいくつだ。気がつけば、スタメンの半分以上がU-23じゃん。この顔ぶれで寿人、高萩、石原、青山、森崎兄、水本、塩谷ら、代表クラスの選手たちが揃った広島に完勝って、ちょっとすごくないですか?
 まぁ、広島はACLのグループリーグ最終戦から中2日で、疲れていたというのはあると思う(とりあえず勝ち抜けおめでとう!)。得点はどれもあちらのミス絡みだったし。それにしても、2連覇中のチャンピオン・チーム相手に、平均年齢がおそらく20代前半のチームで圧勝しちゃうってのは、ちょっと予想外。トニーニョ・セレーゾ、マジで名将かもしれないって気がしてきた。
 とにかく、いまのチームは、やっているサッカーの質が高い。全体守備が徹底していて、高い位置からのチェックが最後まで衰えないし、いざ攻撃に転じた際のテンポも小気味よい。攻守の歯車がみごとに噛みあって、ここまでの得失点差12はリーグ1位とくる。上出来もいいところだ。
 この日、ゴールを決めたのは、カイオ、土居、遠藤の3人。
 カイオの先制ゴールは、相手GKの林のパスミスをダヴィが横取りしたボールを決めたもの。カオイ、シュート上手い。ダヴィもいまのところゴールこそ多くないけれど(といっても4ゴールは決めている)、こういう守備面での貢献度が意外と高い。
 そういや、ふと気がつくと、今年のアントラーズにはダヴィ、カイオ、ルイス・アルベルト、ジャイールと、ブラジル人選手が4人もいる。
 なぜ?と思って調べたら、外国人でも20歳未満のC契約の選手は、A契約とは別枠らしい。とはいえ、カイオは今月で20歳になっているはずなんだけれど、シーズン開始時点で条件を満たしていればOKなんでしょうか。よくわからない。
 2点目は相手のチャージを受けてオガサが倒れたあと、広島の選手がファールだと思って一瞬プレーを止めた隙を見逃さず、柴崎から土居へとスルーパスがつながって、これを土居が確実に決めたもの。土居もなにげにこれが4ゴール目。
 遠藤のゴールは直接FK。とはいえ、これはおそらく直接決めようと思ったわけではなく、誰かにあわそうと蹴り込んだボールが誰にもあわず、それがGKの不意をつく形になって、直接ゴールに吸い込まれるというラッキーなものだった。
 こうしてみると、1点目も3点目もGK林のミス絡みだ。林はキャリア的には西川と遜色のない印象だけれど(林のほうが4歳年上らしい)、この日のプレーを見てしまうと、代表のゴールを任せられるレベルではないのかなと思う。広島にとっては、西川の移籍は意外とダメージが大きいのかもしれない。
 なんにしろ、遠藤はこれが今季5ゴール目。これにより現在の得点王ランキングのベスト10以内に、遠藤、ダヴィ、土居と、アントラーズの選手が3人も入っているという、例年あまり記憶にない展開になっている。
 守るほうでは、後半の開始直後に山本がイエローカードを受けた時点で、4バックのDF全員がイエロー1枚ずつという状況になったので、おいそれはちょっとまずいんじゃないかと思ったのだけれど、その後はとくに危ない場面もなくてなにより。もしも退場者が出ていたら、こんなに楽な試合にはなっていなかったろうから、そういう意味では、スコアほど楽勝って気もしなかった。今年はそういう試合が多い気がする。
 この日は前節で首位に立った神戸(なぜか今年はやたらと強い)が引き分けたため、この勝利により再びアントラーズが首位に返り咲き。まぁ、とはいえ、神戸、鳥栖(なんと)と勝ち点18で並んでいて、そのあとにつづくチームも軒並み勝ち点3差の中にひしめく大混戦だから、首位だ!って浮かれていられる感じでもない。今年のリーグ戦はきっと最後までとても大変なんだろう。
 まぁ、なんにしろアントラーズが強くて嬉しい。
(Apr 27, 2014)

鹿島アントラーズ2-1清水エスパルス

J1・第10節/2014年4月29日(火)/カシマサッカースタジアム/スカパー!

 またもやTBSチャンネルでの放送だったので、観ることができたエスパルス戦。
 この日のスタメンは右サイドが西だったのを除けば、前節といっしょ。西はこれが今シーズン初先発とのことで、伊東はベンチ入りさえしていなかった。前節の出来に問題があったとも思えないから、なにかトラブルがあったのかもしれない。
 試合は、CKからの植田のヘディングが相手のオウン・ゴールを誘って鹿島が先制するも、その後は押し込まれる時間帯がつづく苦しい展開。
 なんとか1-0で折り返した後半には、途中出場の高木俊幸のショート・クロスから、ノヴァコヴィッチに同点ゴールを許してしまう。マークがやや甘かった感もあったけれど、それでも高木のクロス、ノヴァコヴィッチのワンタッチのシュートともに見事だった。
 あまり試合内容がよくなかったので、この同点ゴールで厳しくなったかと思ったんだけれど、今年のチームはここから踏ん張ってみせるところがえらい。
 後半残り10分ちょいに取ったCKのチャンスからシュートを乱れ打ち、相手DFに跳ね返され、ポストに阻まれと、2度、3度と決めきれない展開から、最後に豪快な決勝ゴールを決めたのは、そのCKの直前に途中交替で入った新外国人のルイス・アルベルトだった。
 ルイス・アルベルト、モヒカンのルックスのインパクトこそあれ、選手としてはいまいち特徴がはっきりしないと思っていたら、ここぞでなんといい仕事を。
 この場面でトニーニョ・セレーゾの采配が大当たりだったのは、ルイス・アルベルトの投入とともに、遠藤を下げたこと。最初は土居を下げるつもりだったらしいのだけれど、なぜだか直前に遠藤に変えた。それも遠藤がそのCKを蹴ろうと、コーナーに移動したあとでだ。結局、そのCKからルイス・アルベルトの決勝ゴールが生まれたわけだから、あそこでの選手交替の妙は、ちと神懸かり的だった。トニーニョ・セレーゾ、おそるべし。
 試合はそのあと、青木を入れて守備固めをしてアントラーズが逃げ切り(もうひとりの途中出場は決勝点につながるCKを蹴った野沢)。からくも首位を守った。
 まぁ、首位とはいっても、この試合に負けていたら、勝ち点2の差で6位にいた清水に抜かれて5位になっていたわけで。どうにもゴールデン・ウィーク4連戦の過密日程のあいだ、ずっと首位でいるのは相当むずかしそうだ。
 それにしても、昌子、植田のCBコンビは若いわりにはいい仕事をしている。植田はDFらしからぬ素晴らしいミドル・シュートを打つシーンもあったし──残念ながら清水のGK櫛引に止められた(この21歳のGKもなかなかの活躍だった)──、このまま青木を差しおいてスタメンに定着しちゃいそうな気さえする。
 ついに世代交代が本格化したようで、クラブとしてはとてもいいことだと思うけれど、おかげで出番のない中田浩二や前野らのメンタルが心配だ。
(Apr 29, 2014)