Coishikawa Scraps / Football

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最近の五試合

  1. 02/07 ▲ F東京1ー1鹿島(PK:5-4) (J1百年構想リーグ・第1節)
  2. 12/06 ○ 鹿島2-1横浜FM (J1・第38節)
  3. 11/30 ○ 東京V0-1鹿島 (J1・第37節)
  4. 11/22   町田3-1神戸 (天皇杯・決勝)
  5. 11/08 ○ 鹿島2-1横浜F (J1・第36節)
    and more...

FC東京1ー1鹿島アントラーズ(PK:5ー4)

J1百年構想リーグEAST・第1節/2026年2月7日(土)/味の素スタジアム/DAZN

 いよいよ今年から秋春制に移行することになった2026年のJリーグ。半年の移行期間を埋めるために、東西二リーグに分けて四ヵ月限定で開催される特別大会、J1百年構想リーグの開幕戦!

 FC東京との味スタでの対戦ってことで、いつもだとスタジアムに観にゆくのだけれど、今回はちょっとした手違いがあって、一緒にゆく友人との連番のチケットが取れず、もともと寒い時期だし、どうしようかなぁと思っていたこともあって、スタジアム観戦は見合わせてしまった。

 そしたらこの日の天候はまさかの雪。テレビで見ているだけで寒かった。スタジアムに集まった三万人超えのお客さんたち(ふくむ友人)えらい。

 ということで雪が舞う中でキックオフを迎えたこの試合。

 鹿島のスタメンはGKが昨年MVPの早川、4バックは右から濃野、植田、キム・テヒョン、小川、ダブルボランチが三竿と知念、攻撃的MFは右が荒木、左にエウベル、でもってレオ・セアラと鈴木優磨のツートップという布陣。

 ベンチ入りは梶川、千田、溝口、小池、柴崎、樋口、林晴己、徳田、チャヴリッチというメンバー。松村は左肩の脱臼の手術をしたとのことで離脱中だった。

 対するFC東京の監督はひきつづき松橋力蔵氏。去年の成績が悪かったので解任されるかと思ったら。FC東京のフロント、意外と辛抱強い。

 まぁ、監督の手腕はどうだかわからないけれど、GKは韓国代表歴のあるキム・スンギュだし、4バックはアレクサンダー・ショルツと稲村隼翔のCBコンビに、長友、室屋という元代表のSBを擁している。

 稲村のことは知らなかったけれど、去年、新潟からセルティックへ移籍するも出番がもらえずに出戻ったそうで、海外スカウトの目に留まるくらいなんだから、いい選手なんだろう。いずれにせよ、4バックは全員海外経験という折り紙つき。

 中盤では遠藤渓太や高宇洋がいいアクセントになっていたし、ツートップの長倉とマルセロ・ヒアンのコンビも強力。でもって、ベンチには森重、橋本拳人、仲川らが控えているんだから、選手層も薄くない。

 昨シーズンとさほど陣容はかわらないのだから、これで鳴かず飛ばずの成績で終わったというのは、やっぱ監督の問題なのでは?――という気がしてしまった。まぁ、人様のチームのことなので、外野がつべこべいうことでもないのかもしれない。

 いずれにせよ、この日のFC東京は悪くなかった。時折ひやりとさせるような攻撃を繰り出してきた。対する鹿島も荒木を中心に、去年よりはスムースにボールがまわるようになったかな?――とか思っていたら、前半のうちに思わぬアクシデントが発生。

 ゴール正面で三竿がマルセロ・ヒアンにボールを奪われ、苦しまぎれにユニフォームをひっぱって攻撃機会を阻止したということで、DOGSO(Denying an Obvious Goal Scoring Opportunity)の判定を受けて、一発レッドで退場になってしまう。

 三竿、存在感のあるプレーを見せていたので、あそこでの一瞬の油断を見せたのは残念だった。まぁ、本人もさぞや反省しているだろう。

 でもマルセロ・ヒアンはやっかいだった。三竿にレッドをもたらしただけでなく、別の場面では止めにいった植田をはねとばし、優磨にもイエローを与えていた。あれで23歳(まじか!)だというんだから恐れ入る。

 三竿のレッドに加えて痛かったのは、そのファールで与えた直接FKを遠藤渓太に決められてしまったこと。

 リプレイを見ると、ゴール向かって右手の壁の横を突かれている。あそこに蹴られて決められちゃうってのは、GKの指示が足りなかったんじゃなかろうか? この日はキックの精度も低かったし、早川は昨年度MVPらしからぬプレーぶりだった。

 そういや、早川がMVPをもらったのはめでたいけれど、その一方で鈴木優磨がベストイレブンにさえ選ばれなかったのは信じがたかった。あれだけ活躍してチームを優勝に導いた立役者を表彰しないなんて、どうなってんだJリーグ。欠席したのがよくなかったの? でもそんな式典への出欠で表彰結果が変わるなんてあり? 今年に限って投票数を公表しなかったりして、選定理由がもやもやして気持ち悪いし、もう来年からはJリーグアワードなんて気にするのはやめようと思ってしまった。以上、やや脱線。

 ということで、前半の終わり近くに守備の要というべき二人のミスから先制点を許す苦しい展開だったけれど、不幸中の幸いはその直後に同点にできたこと。失点のわずか2分後には右CKからのこぼれ球をキム・テヒョンが蹴り込んで同点とした。特別大会のチーム初ゴールはキム!

 あの場面、FC東京の選手たちは数人が重なってバタバタと倒れてしまい、シュートの瞬間に誰もマークに入っていなかった。東京が勝ちきれない理由はああいうころにあるような気がする。

 ということで、前半は1-1で終了。数的にひとり少ない鹿島は後半、優磨を二列目にさげて4ー4ー1のフォーメーションで戦った。途中出場は林、小池、樋口、チャヴリッチの4人。

 注目はエウベルと交替で開幕戦デビューを果たした明大卒のルーキー林晴己――なのですが。サブ一番手として起用されるくらいだから、鬼木からの期待は大きいんだろうけれど、残念ながらこの試合ではたいしたインパクトは残せなかった。

 対するFC東京でも注目の若手、佐藤龍之介が林と同じく後半18分から出てきてピッチに立った。で、そちらは決して多くない出場時間のあいだに、枠内シュートを3本も打って存在感を見せつけた。なるほど、最近よく名前を聞くだけのことはある(去年岡山でシュートを決められたのを忘れていた)。恐るべし、19歳。

 そんなわけで、相手の勢いのあるルーキーの存在などもあって、さすがに数的不利は跳ね返せず。後半は防戦一方になってしまい、でも持ち前の守備力を発揮して相手に得点も許さず、試合は1-1のまま終了。勝敗の行方は、今大会の特別ルールであるPK戦に託された。で、5本すべてを決めたFC東京に対して、鹿島は4本目の小池が止められて決着。初戦は勝ち点1という結果に終わった。

 この大会は東西に分かれているため、神戸、広島、大阪勢らとの対戦がない分、鹿島に有利かと思っていたのに、いきなり幸先の悪い滑り出しになってしまった。あーあ。

(Feb. 09, 2026)

鹿島アントラーズ2-1横浜F・マリノス

J1・第38節/2025年12月6日(土)14:00/メルカリスタジアム/DAZN

 やっったああぁーーー、9年ぶり9度目のリーグ優勝! 通算21冠達成!!

 いやぁ、鬼木すごいわ。2018年にACLで優勝して20冠を達成してからの7年間、誰にも成し遂げられなかったリーグ制覇を、就任1年目にして実現してしまうのだから。マジ名将。まちがいなく森保退任後の日本代表監督候補の筆頭だろう。だとすると来年の夏にはお別れってことなってしまう。それは困った。

 でもまぁ、素晴らしいのは中田浩二もだ。フットボールダイレクターに就任してチームの強化責任者となってすぐ、鬼木を招聘して、レオ・セアラ、小池、キム・テヒョンらを補強、荒木、松村もレンタル先から呼び戻して、シーズン途中で怪我人が出ると、即座に小川諒也やエウベルを獲得してみせた。彼ら新戦力がいてくれたからこその優勝だ。フロントって大事なんだなぁって思った。

 鹿島がみごと優勝を決めたこの最終節のスタメンは、GK早川、4バックが濃野、植田、キム・テヒョン、小川、ダブルボランチが知念と三竿、二列目に松村、荒木、優磨を配して、レオ・セアラのワントップという布陣。途中出場は田川、小池、津久井の3人だけだった。

 優勝のかかったこの大一番に荒木、松村をスタメン起用してきた鬼木はさすがだった。この先のことを考えれば、このふたりに自分たちがチームを優勝へ導いたという成功体験をさせるのは、とても大事なことだから。

 実際にふたりはこの試合で大きな仕事をしてみせた。荒木は先制点、松村は追加点のアシストを決めている。松村は1点目にも絡んでいるし、守備でも気合のこもったプレーを見せてくれていて最高だった。この日のMVPはレオ・セアラで文句なしだけど、僕の選ぶ陰のMVPは松村。きょうみたいなプレーができるならば、来年はレギュラー確保も夢じゃないだろう。

 でもまぁ、彼らが作ったチャンスをきちんと決めて、この日2ゴールで得点王を確実にしたレオ・セアラはさすがだった。結果的にはノーゴールでも得点王だったわけだけれども。彼の21ゴールが今年の栄冠をもたらしたのは間違いなし。移籍してきてくれてありがとう!

 もちろん優磨もね。この試合ではそれほど目立っていなかったけれど、一年間最高のプレーを見せてくれた。今年の年間MVPが彼でなかったら驚きだ。

 いや、でも今年よかったのは彼らだけじゃない。守っては早川がスーパーセーブを連発して、日本代表デビューを果たすまでになったし、植田直通は全試合フル出場・警告なしという素晴らしい成績を残した。関川の故障後に相棒をつとめたキム・テヒョンも成長著しく、この試合でもハイボールを跳ね返させたら、向かうところ敵なしの勢いだった。ボランチと両SBもローテーション気味の起用にめげずにがんばってくれた。

 そういや、今年は前半の出来が悪い試合が多かったのに、この試合は珍しく前半からよかった。マリノスの守備が最近の相手よりも緩かった、というのもあるのかもしれないけれど(降格争いに巻き込まれたわけがわかった気がした)、それでも序盤からボールを支配して、前半は相手のシュートをゼロに抑える安定ぶり。おかげでレオ・セアラの先制点が生まれてからは、安心して観ていられた。まぁ、後半ロスタイムに途中出場の天野にゴールを許すまでは。最後がちょっと締まらなくて、いささかはらはらしてしまったけれども、でもまぁ、それもいい経験だ。終わりよければすべてよし。最高のシーズンの終わり方だった。

 優勝を決めたあと、優磨が植田と三竿に抱きついて泣いていたのには、さすがにこちらも涙を誘われた。優勝監督インタビューでの鬼木の晴れ晴れとした表情もよかった。やっぱプレッシャーすごかったんだろうなぁって思った。ほんといい顔してました。お疲れさま。

 今になってこんなことを言うとあとだしジャンケンみたいだけれど、今年は3連覇したころに近い感じがあった。あの頃も決して最強って感じではなかったのに、不思議と結果がついてきていた。今年もそう。ことやっているサッカーに関しては、柏、広島、町田なんかのほうが完成度は高くて、鹿島より強いんじゃないかと思っていたのに、結果的に頂点に立ったのは鹿島だった。

 数えてみたら、全23勝のうち、2点差以上つけて勝ったのは7試合しかない。つまり残りの7割は1点差の勝利だったわけだ。ドローも含めれば、8割以上が1点差以内。そういうあたりもこれぞ鹿島の伝統って気がする。

 まぁ、でも今年はまだ鬼木がやりたいサッカーには程遠い内容だったんだろうし、来年以降、チームがとう変わってゆくのか大いに楽しみだ。――って、だからこそ、マジで日本代表監督として引き抜かれそうなのが気がかり。代表監督を任すのは、願わくばあと4年後にして欲しい。よろしく。

 裏では柏も勝ったので、結局最終的な勝ち点の差はわずか1(あぶねー)。いやぁ、ほんと最後まで厳しい戦いだった。京都が3位で終えたのもすごい。この2チームは監督が変わらないんだろうし、来年はなおさら厳しい戦いになりそうだなぁ……。

 ということで2025年のJ1はこれにて終了。優勝は鹿島で、2位・柏、3位・京都。降格は横浜FC、湘南、新潟の3チーム。昇格は水戸、長崎に、プレーオフ準決勝を勝ち抜けた千葉、徳島のどちらか。千葉が昇格すると、ひさしぶりにJ1にオリジナル10が揃うそうなので、がんばって昇格してきて欲しい(ごめん徳島)。

 来シーズンは半年たらずの百年構想リーグを挟んで、8月からの開幕。優勝してACLの出場も決まったし、忙しい一年になりそうだ。

(Dec. 09, 2025)

東京ヴェルディ0-1鹿島アントラーズ

J1・第37節/2025年11月30日(日)14:00/味の素スタジアム/DAZN

 いやぁ、やたらと疲れる試合だった。ほんと勝ててよかった。

 前節も書いたように、今季のヴェルディは守備がよくて、ここまでのリーグ戦の結果を確認したら、ウノゼロや、スコアレス・ドローの試合がずらりと並んでいた。たまに大量失点で負けている試合もあるけれど、基本堅守が生命線。でもって明確な弱点は得点力のなさ。年間の総得点がわずか22点というのはリーグ最低の数字で、降格が決まった3チームよりも少ない。それなのに降格争いに加わらずに済んでいるのは、ひとえに守備で踏んばり切れるから――なんだろう。

 果たしてこの試合もそんなヴェルディの堅守にてこずりまくることになった。

 最初の10分くらいは鹿島が両サイドからいい感じでクロスを入れてチャンスを作れていたから、これはけっこう楽な展開になるかも?――と思ったら、そんなの単なる勘違い。その後はヴェルディがボールを支配する展開になって、ずっと劣勢がつづいた。なんで15位とかのクラブがこんなクオリティなんだよぉ。

 とにかくチェックが厳しくて、ぜんぜんボールの出しどころがない。苦しまぎれのロングボールは跳ね返されて、セカンドボールを拾われ、前線にボールが収まらない。とはいえ、あちらも決定力のなさは折り紙つき。たまのチャンスも守護神・早川のファイン・セーブにあって、どちらもスコアレスのまま前半が終了する。

 裏では柏が順調に得点を重ねて、前半だけで2-0で勝っているという情報が入ってくる。このまま終わったら首位陥落じゃん!

 ――というような感じで前半を終えたこの日の鹿島のスタメンは早川、濃野、植田、キム、小川、知念、三竿、優磨、エウベル、田川、レオ・セアラという顔ぶれだった。

 なぜだか小池、チャヴリッチがベンチ外。かわりに樋口がひさびさにベンチ入りしていた。最近名前を聞かないので気になっていたから、元気な姿が見られてよかった(それにしても柴崎はどこいっちゃったんだか……)。

 後半に入っても、この日はひとまずメンバーチェンジはなし。最初の交替は後半9分のエウベル→松村だった。

 その後、後半も半分を過ぎたところで、鬼木は知念、田川をさげて、船橋、荒木を入れる。で、この交替(と敵のミス)が鹿島に勝機をもたらす。

 荒木が出てきてわずか2分で、相手のプレゼントパスが敵陣にいた彼のもとへ。前を向いてカウンターを仕掛けた荒木は、レオ・セアラに見事なスルーパスを通す。それを受けたレオ・セアラのアクションも完璧だったのだけれど、あいにくシュートは東京のGKマテウスに止められてしまう。でも浮き球となったそのこぼれ球に詰めてきていた選手がいた!

 松村ぁーーーー!!!!

 今季の松村は途中出場ばかりだけれど、なんとここまでの全試合に出場している。鹿島で全試合出場を果たしているのは、早川、植田、優磨のほかは、彼だけ(のはず)。

 そんな鬼木の期待と信頼にこたえるように、ここ最近の彼には一皮むけた印象がある。千載一遇のチャンスをものにしたこの日の泥臭い決勝ゴールも、そんなニュー松村の成長を感じさせる素晴らしいプレーだった。

 なんにしろ、途中出場の荒木が作ったチャンスを松村が決めるという、鹿島サポーターにとっては最高のゴールが決勝点となり、鹿島が勝ち点3をゲットした。

 このゴールの前のシュート以外にも、この日のレオ・セアラには3本くらい惜しいシーンがあったのだけれど、どれも決めきれなかった。以前だったら確実に決めていたようなシュートがこのところ決まらない。セレッソ大阪のラファエル・ハットンが1ゴール差まで詰めてきているので、最終節で上乗せがないと、もしかしたら得点王のタイトルが危ういかもしれない。

 鹿島が最後の交替枠を使ったのは後半のロスタイムに入ってから。レオ・セアラと小川を、樋口と津久井に替えて逃げ切った。終盤にはヴェルディのCB谷口栄斗たにぐちひろとの強烈なミドルがポストをたたくあわやというシーンがあったし、ロスタイムが8分もあって、最後のワンプレーも相手のCKという、最後まではらはらさせられる一戦だった。あぁ、観ていただけなのに、本当に疲れた。

 ヴェルディはミスから失点してしまったけれど、やっているサッカーの質は鹿島より高かった気がする。染野、林の元鹿島コンビもスタメンで、ともに主力としてフル出場を果たしていた。

 でもまぁ、ワントップの染野の今季のゴールがわずか4ではねぇ……。この試合も彼に決定力があったらやばいシーンが何度かあったし。来季は彼のさらなる成長か、決定力のあるFWの補強が必須でしょう。城福さん、一年間お疲れさまでした。

 さぁ、これで残すところはあと1試合。最終節の対戦相手は、降格争いをしていたはずが、ここへきてゴールを量産していて、4連勝と絶好調のF・マリノス。なぜこのタイミングで調子を上げてくるかなぁ……。

 まぁ、レイソルの対戦相手も天皇杯王者・町田なので、そう簡単にはいかないだろう。昌子が鹿島のために柏をシャットアウトしてくれるよう祈っとく。――ってそんな他人任せな弱気なことじゃいけないな。

 いずれにせよ、9年ぶりの優勝まであと1勝! ちゃんと勝って優勝を決めてくれっ! よろしくっ。

(Dec. 1, 2025)

町田ゼルビア3-1ヴィッセル神戸

天皇杯・決勝/2025年11月22日(土)/国立競技場/NHK総合

 黒田剛くろだごう監督体制になって3年目にして、町田ゼルビアがついに国内タイトルを取るところまで昇り詰めた。

 決勝戦の対戦相手は昨年度王者のヴィッセル神戸。

 どちらもリーグ戦では上位につける実力者どうしだから、拮抗する内容になるかと思ったら、早めの時間帯に先制した町田が、その後も効率よく追加点を重ねて、あっさりと逃げ切った。どちらが前年度チャンピオンだかわからない。まったく危なげのない堂々たる勝ちっぷりだった。

 勝手な印象だけでいえば、監督のビジョンの違いが勝敗を分けた気がしている。黒田監督は、決勝戦は最初の15分が勝負だといっていたそうで、その言葉どおり開始6分で先制点を奪ってみせた。対する神戸の吉田孝行は、チームの柱である大迫をなぜだか後半まで温存した。

 延長もある決勝戦だから、後半勝負だという作戦だったんだろうか? でも前半ですでに2-0と差をつけられ、後半の頭から大迫を入れて、厚い攻めを見せるようになったものの、せっかくの攻勢も報われず、カウンターから3点目を奪われて万事休す。その後は宮代のヘディングで1点を返すのが精いっぱいだった。

 今年は柏が細谷をスーパーサブとして使うことで結果を出していたりするし、エースをスタメンで使わないのがちょっとしたトレンドなのかもしれないけれども、この試合に関しては大迫が最初からプレーしていたら、また違う展開になっていた気がする。――というか、せっかくの決勝なんだから、やっぱ最初からベストメンバーで戦って欲しかった。それくらい、大迫がいるといないでは、神戸は違った。

 町田の得点は1点目と3点目がセレッソユース出身の24歳、藤尾翔太。

 貴重な先制点は、中山雄太(この日はボランチとしてプレーしていた)が敵陣を深くえぐってあげたクロスに頭であわせたもの。後半の3点目はショートカウンターからの豪快な左足ミドルだった。

 2点目はミッチェル・デュークのスルーパスを受けてフリーで抜け出した相馬の左足。デュークのパスが通った時点で勝負ありだった。相馬も落ち着いてよく決めた。

 今年の町田はリーグ戦の序盤は守備が安定せずに失点を重ねていたようだけれど、この日は昌子、望月ヘンリー海輝ひろき、ドレシェヴィッチという代表歴のある3バックが安定していたし、ボランチに入った中山雄太がとても効いていたので、3点はさすがにセイフティーリードだった。

 ここ数年の神戸の躍進も、この日の町田の優勝も、代表レベルにある日本人選手たちの補強がみごとにはまった結果だと思う。もやはJリーグを制するには、外国人の力を借りなくても大丈夫だって。そんな時代が確実に実現しつつあるのを感じる。

 いやでも、町田がこの先もずっと黒田体制でゆくとなると、年々厄介なことになりそうでちょっと嫌だ。予算が少なさそうだから、長期政権まったなしっぽいしなぁ……。

 ちなみにこの試合には元鹿島の選手が何人もいた。町田では昌子、相馬が主力として活躍していて、ベンチには白崎がいた。終了後はスタンドのサポーターに向かって、中島裕希がメガホンで感謝を告げていた。神戸では永戸、広瀬がスタメンだった。

 かつて応援していた選手たちの雄姿にいささか複雑な気分になった。

 まぁ、これで残す国内タイトルはJリーグのみ。次は鹿島の番だっ!

(Nov. 27, 2025)

鹿島アントラーズ2-1横浜FC

J1・第36節/2025年11月8日(土)14:00/メルカリスタジアム/DAZN

 さぁ、Jリーグの優勝争いもいよいよ佳境。

 残り3節のアントラーズの対戦相手は、横浜FC、ヴェルディ、F・マリノスの3チームで、最高位はヴェルディの14位。横浜FCとマリノスは降格争いの真っ最中だし、要するに首位の鹿島にとっては、勝って当然って組み合わせしか残ってないことになる。

 でもこれを単純に追い風とは思えないのが今年のJリーグ。

 失点数をみると、3チームでいちばん多いマリノスでも44で、50失点以上している川崎、G大阪、C大阪なんかの上位クラブよりも少ない。

 要するにどのチームもディフェンスはそれなりに安定していて、大崩れしたことがないってことだ。ヴェルディなんて、クリーンシートの数が鹿島より多くて、柏につぐリーグ2位だという。なにその守備力?

 対する鹿島も守備には定評があるけれど、このところ3試合連続ドローと勝ちきれないのは、攻撃が湿りがちのせい。この状況でそこそこ守れる3バックのチームとの対戦がつづくのは不安でしかない。

 横浜FCもこの試合に負けると降格の可能性が濃厚になるので、死にもの狂いで戦ってくるだろう。このところ鹿島は前半がよくない試合ばかりだしなぁ……とか思っていたら、果たしてこの試合も前半はいいところがないまま終わってしまう。あぁ、本当になんでこうも前半の出来が悪いんだか……。

 この日のスタメンは早川、小池、植田、キム・テヒョン、小川、知念、三竿、松村、優磨、田川、レオ・セアラという11人だった。

 右SBに濃野ではなく小池を起用して、左には小川がひさびさのスタメン出場。そして松村、田川が先発。松村のスタメンはじつに4ヵ月ぶり。田川はメンバー表ではMF登録だったけれど、レオ・セアラとのツートップでの起用だった。で、優磨が二列目の左という布陣。

 前半の出来がさんざんだったので、このスタメン変更が悪手だったのかと思ったら、結果的には真逆。後半の得点に絡んだのがひさびさにスタメン起用された注目の3人だった。鬼木マジック、すげー。

 待望の先制点は、松村が持ち込み、田川がワンタッチしてつないで、レオ・セアラが決めたもの(今季19点目!)。追加点は小川の右CKから知念のヘディング。

 さすがにこの2点で勝負ありかと思ったら、そのあとロングスローから1点を失い、結局最後まではらはらさせられることになった。

 失点の場面では、最初の山田康太(移籍しまくっているな)のシュートは早川が止めたものの(さすがっ!)、ポストにあたって跳ね返ったそのこぼれ球をルキアンに折り返され、ゴール前に詰めていたンドカ・ボニフェイスに決められた。まぁ、あれは相手の執念が上だった。

 ということで、その後は1点差での攻防がつづき、最後まで落ち着かない気分ではあったけれど、なんとかそのまま試合を締めて、4試合ぶりの勝ち点3をゲットした。

 途中出場は後半の頭から、小池にかえて濃野。途中からチャヴリッチと津久井、最後に船橋と徳田が出てきた。エウベルは移籍以来初の出番なし。

 そういや、試合終了間際には、腹の立つ判定があった。優磨との連携から徳田が見事なゴールを決めたのに、判定はオフサイド。そこにVARが入った結果、オンフィールドレビューになって、ひとつ前のプレーでGKのスウォビィク(今年の途中に加入した)に対してチャヴリッチがファールをしたという理由で、結局ゴールは認められなかった。

 でもなにそれ? オフサイドじゃなかったなら、ゴールでよくない? その前のプレーで見過ごされたファールをあとから取るとかあり? もう時間帯的には勝負は決していたんだし、誰も喜ばないそんなファールを進言したVARにも、それを見て判定を下した福島主審にもがっかりだよ。

 横浜は7月に四方田監督を解任して、いまは三浦文丈が監督を務めていた。でもJ1でこれといった実績を残せていない彼にチームを託さざるを得ない時点で、降格まったなしだった気がする。結局翌日の試合でマリノスが勝ったので、一日遅れで正式に降格が決まってしまった。お気の毒さま。マリノスは残留おめでとう!

 優勝争いに関しては、レイソルも勝ったので、2位との勝ち点の差は1のまま変わらず。翌日、京都と神戸がともに勝ち点3を奪えず、優勝争いから脱落したので、優勝の可能性は鹿島と柏の2チームに絞られた(神戸3連覇ならず)。

 柏は次節の対戦相手が最下位の新潟なので、取りこぼす可能性は極めて低そうだから、もしも鹿島がヴェルディの堅守を崩せないと、首位陥落の可能性がある。それとも監督交替以来いまだ1勝もできていない新潟が、最後にホームのサポーターのために奮起して、一矢報いてくれるとか? いや、絶対に無理だよなぁ。今年のレイソルは強いもんなぁ……。

 まぁ、いずれにせよ正念場。次の試合は代表ウィークと天皇杯・決勝を挟んで3週間後だっ!

 ――って、なんでこんな佳境にそんなに時間が空くんだよぉ。

 来年の秋春制への移行にあわせて、こういう変なスケジュールは是正されてくれるよう願ってやまない。

(Nov. 12, 2025)