Coishikawa Scraps / Football

Menu

最近の五試合

  1. 11/30 ○ 東京V0-1鹿島 (J1・第37節)
  2. 11/22   町田3-1神戸 (天皇杯・決勝)
  3. 11/08 ○ 鹿島2-1横浜F (J1・第36節)
  4. 11/01   柏1-3広島 (ルヴァン杯・決勝)
  5. 10/25 △ 京都1-1鹿島 (J1・第35節)
    and more...

東京ヴェルディ0-1鹿島アントラーズ

J1・第37節/2025年11月30日(日)14:00/味の素スタジアム/DAZN

 いやぁ、やたらと疲れる試合だった。ほんと勝ててよかった。

 前節も書いたように、今季のヴェルディは守備がよくて、ここまでのリーグ戦の結果を確認したら、ウノゼロや、スコアレス・ドローの試合がずらりと並んでいた。たまに大量失点で負けている試合もあるけれど、基本堅守が生命線。でもって明確な弱点は得点力のなさ。年間の総得点がわずか22点というのはリーグ最低の数字で、降格が決まった3チームよりも少ない。それなのに降格争いに加わらずに済んでいるのは、ひとえに守備で踏んばり切れるから――なんだろう。

 果たしてこの試合もそんなヴェルディの堅守にてこずりまくることになった。

 最初の10分くらいは鹿島が両サイドからいい感じでクロスを入れてチャンスを作れていたから、これはけっこう楽な展開になるかも?――と思ったら、そんなの単なる勘違い。その後はヴェルディがボールを支配する展開になって、ずっと劣勢がつづいた。なんで15位とかのクラブがこんなクオリティなんだよぉ。

 とにかくチェックが厳しくて、ぜんぜんボールの出しどころがない。苦しまぎれのロングボールは跳ね返されて、セカンドボールを拾われ、前線にボールが収まらない。とはいえ、あちらも決定力のなさは折り紙つき。たまのチャンスも守護神・早川のファイン・セーブにあって、どちらもスコアレスのまま前半が終了する。

 裏では柏が順調に得点を重ねて、前半だけで2-0で勝っているという情報が入ってくる。このまま終わったら首位陥落じゃん!

 ――というような感じで前半を終えたこの日の鹿島のスタメンは早川、濃野、植田、キム、小川、知念、三竿、優磨、エウベル、田川、レオ・セアラという顔ぶれだった。

 なぜだか小池、チャヴリッチがベンチ外。かわりに樋口がひさびさにベンチ入りしていた。最近名前を聞かないので気になっていたから、元気な姿が見られてよかった(それにしても柴崎はどこいっちゃったんだか……)。

 後半に入っても、この日はひとまずメンバーチェンジはなし。最初の交替は後半9分のエウベル→松村だった。

 その後、後半も半分を過ぎたところで、鬼木は知念、田川をさげて、船橋、荒木を入れる。で、この交替(と敵のミス)が鹿島に勝機をもたらす。

 荒木が出てきてわずか2分で、相手のプレゼントパスが敵陣にいた彼のもとへ。前を向いてカウンターを仕掛けた荒木は、レオ・セアラに見事なスルーパスを通す。それを受けたレオ・セアラのアクションも完璧だったのだけれど、あいにくシュートは東京のGKマテウスに止められてしまう。でも浮き球となったそのこぼれ球に詰めてきていた選手がいた!

 松村ぁーーーー!!!!

 今季の松村は途中出場ばかりだけれど、なんとここまでの全試合に出場している。鹿島で全試合出場を果たしているのは、早川、植田、優磨のほかは、彼だけ(のはず)。

 そんな鬼木の期待と信頼にこたえるように、ここ最近の彼には一皮むけた印象がある。千載一遇のチャンスをものにしたこの日の泥臭い決勝ゴールも、そんなニュー松村の成長を感じさせる素晴らしいプレーだった。

 なんにしろ、途中出場の荒木が作ったチャンスを松村が決めるという、鹿島サポーターにとっては最高のゴールが決勝点となり、鹿島が勝ち点3をゲットした。

 このゴールの前のシュート以外にも、この日のレオ・セアラには3本くらい惜しいシーンがあったのだけれど、どれも決めきれなかった。以前だったら確実に決めていたようなシュートがこのところ決まらない。セレッソ大阪のラファエル・ハットンが1ゴール差まで詰めてきているので、最終節で上乗せがないと、もしかしたら得点王のタイトルが危ういかもしれない。

 鹿島が最後の交替枠を使ったのは後半のロスタイムに入ってから。レオ・セアラと小川を、樋口と津久井に替えて逃げ切った。終盤にはヴェルディのCB谷口栄斗たにぐちひろとの強烈なミドルがポストをたたくあわやというシーンがあったし、ロスタイムが8分もあって、最後のワンプレーも相手のCKという、最後まではらはらさせられる一戦だった。あぁ、観ていただけなのに、本当に疲れた。

 ヴェルディはミスから失点してしまったけれど、やっているサッカーの質は鹿島より高かった気がする。染野、林の元鹿島コンビもスタメンで、ともに主力としてフル出場を果たしていた。

 でもまぁ、ワントップの染野の今季のゴールがわずか4ではねぇ……。この試合も彼に決定力があったらやばいシーンが何度かあったし。来季は彼のさらなる成長か、決定力のあるFWの補強が必須でしょう。城福さん、一年間お疲れさまでした。

 さぁ、これで残すところはあと1試合。最終節の対戦相手は、降格争いをしていたはずが、ここへきてゴールを量産していて、4連勝と絶好調のF・マリノス。なぜこのタイミングで調子を上げてくるかなぁ……。

 まぁ、レイソルの対戦相手も天皇杯王者・町田なので、そう簡単にはいかないだろう。昌子が鹿島のために柏をシャットアウトしてくれるよう祈っとく。――ってそんな他人任せな弱気なことじゃいけないな。

 いずれにせよ、9年ぶりの優勝まであと1勝! ちゃんと勝って優勝を決めてくれっ! よろしくっ。

(Dec. 1, 2025)

町田ゼルビア3-1ヴィッセル神戸

天皇杯・決勝/2025年11月22日(土)/国立競技場/NHK総合

 黒田剛くろだごう監督体制になって3年目にして、町田ゼルビアがついに国内タイトルを取るところまで昇り詰めた。

 決勝戦の対戦相手は昨年度王者のヴィッセル神戸。

 どちらもリーグ戦では上位につける実力者どうしだから、拮抗する内容になるかと思ったら、早めの時間帯に先制した町田が、その後も効率よく追加点を重ねて、あっさりと逃げ切った。どちらが前年度チャンピオンだかわからない。まったく危なげのない堂々たる勝ちっぷりだった。

 勝手な印象だけでいえば、監督のビジョンの違いが勝敗を分けた気がしている。黒田監督は、決勝戦は最初の15分が勝負だといっていたそうで、その言葉どおり開始6分で先制点を奪ってみせた。対する神戸の吉田孝行は、チームの柱である大迫をなぜだか後半まで温存した。

 延長もある決勝戦だから、後半勝負だという作戦だったんだろうか? でも前半ですでに2-0と差をつけられ、後半の頭から大迫を入れて、厚い攻めを見せるようになったものの、せっかくの攻勢も報われず、カウンターから3点目を奪われて万事休す。その後は宮代のヘディングで1点を返すのが精いっぱいだった。

 今年は柏が細谷をスーパーサブとして使うことで結果を出していたりするし、エースをスタメンで使わないのがちょっとしたトレンドなのかもしれないけれども、この試合に関しては大迫が最初からプレーしていたら、また違う展開になっていた気がする。――というか、せっかくの決勝なんだから、やっぱ最初からベストメンバーで戦って欲しかった。それくらい、大迫がいるといないでは、神戸は違った。

 町田の得点は1点目と3点目がセレッソユース出身の24歳、藤尾翔太。

 貴重な先制点は、中山雄太(この日はボランチとしてプレーしていた)が敵陣を深くえぐってあげたクロスに頭であわせたもの。後半の3点目はショートカウンターからの豪快な左足ミドルだった。

 2点目はミッチェル・デュークのスルーパスを受けてフリーで抜け出した相馬の左足。デュークのパスが通った時点で勝負ありだった。相馬も落ち着いてよく決めた。

 今年の町田はリーグ戦の序盤は守備が安定せずに失点を重ねていたようだけれど、この日は昌子、望月ヘンリー海輝ひろき、ドレシェヴィッチという代表歴のある3バックが安定していたし、ボランチに入った中山雄太がとても効いていたので、3点はさすがにセイフティーリードだった。

 ここ数年の神戸の躍進も、この日の町田の優勝も、代表レベルにある日本人選手たちの補強がみごとにはまった結果だと思う。もやはJリーグを制するには、外国人の力を借りなくても大丈夫だって。そんな時代が確実に実現しつつあるのを感じる。

 いやでも、町田がこの先もずっと黒田体制でゆくとなると、年々厄介なことになりそうでちょっと嫌だ。予算が少なさそうだから、長期政権まったなしっぽいしなぁ……。

 ちなみにこの試合には元鹿島の選手が何人もいた。町田では昌子、相馬が主力として活躍していて、ベンチには白崎がいた。終了後はスタンドのサポーターに向かって、中島裕希がメガホンで感謝を告げていた。神戸では永戸、広瀬がスタメンだった。

 かつて応援していた選手たちの雄姿にいささか複雑な気分になった。

 まぁ、これで残す国内タイトルはJリーグのみ。次は鹿島の番だっ!

(Nov. 27, 2025)

鹿島アントラーズ2-1横浜FC

J1・第36節/2025年11月8日(土)14:00/メルカリスタジアム/DAZN

 さぁ、Jリーグの優勝争いもいよいよ佳境。

 残り3節のアントラーズの対戦相手は、横浜FC、ヴェルディ、F・マリノスの3チームで、最高位はヴェルディの14位。横浜FCとマリノスは降格争いの真っ最中だし、要するに首位の鹿島にとっては、勝って当然って組み合わせしか残ってないことになる。

 でもこれを単純に追い風とは思えないのが今年のJリーグ。

 失点数をみると、3チームでいちばん多いマリノスでも44で、50失点以上している川崎、G大阪、C大阪なんかの上位クラブよりも少ない。

 要するにどのチームもディフェンスはそれなりに安定していて、大崩れしたことがないってことだ。ヴェルディなんて、クリーンシートの数が鹿島より多くて、柏につぐリーグ2位だという。なにその守備力?

 対する鹿島も守備には定評があるけれど、このところ3試合連続ドローと勝ちきれないのは、攻撃が湿りがちのせい。この状況でそこそこ守れる3バックのチームとの対戦がつづくのは不安でしかない。

 横浜FCもこの試合に負けると降格の可能性が濃厚になるので、死にもの狂いで戦ってくるだろう。このところ鹿島は前半がよくない試合ばかりだしなぁ……とか思っていたら、果たしてこの試合も前半はいいところがないまま終わってしまう。あぁ、本当になんでこうも前半の出来が悪いんだか……。

 この日のスタメンは早川、小池、植田、キム・テヒョン、小川、知念、三竿、松村、優磨、田川、レオ・セアラという11人だった。

 右SBに濃野ではなく小池を起用して、左には小川がひさびさのスタメン出場。そして松村、田川が先発。松村のスタメンはじつに4ヵ月ぶり。田川はメンバー表ではMF登録だったけれど、レオ・セアラとのツートップでの起用だった。で、優磨が二列目の左という布陣。

 前半の出来がさんざんだったので、このスタメン変更が悪手だったのかと思ったら、結果的には真逆。後半の得点に絡んだのがひさびさにスタメン起用された注目の3人だった。鬼木マジック、すげー。

 待望の先制点は、松村が持ち込み、田川がワンタッチしてつないで、レオ・セアラが決めたもの(今季19点目!)。追加点は小川の右CKから知念のヘディング。

 さすがにこの2点で勝負ありかと思ったら、そのあとロングスローから1点を失い、結局最後まではらはらさせられることになった。

 失点の場面では、最初の山田康太(移籍しまくっているな)のシュートは早川が止めたものの(さすがっ!)、ポストにあたって跳ね返ったそのこぼれ球をルキアンに折り返され、ゴール前に詰めていたンドカ・ボニフェイスに決められた。まぁ、あれは相手の執念が上だった。

 ということで、その後は1点差での攻防がつづき、最後まで落ち着かない気分ではあったけれど、なんとかそのまま試合を締めて、4試合ぶりの勝ち点3をゲットした。

 途中出場は後半の頭から、小池にかえて濃野。途中からチャヴリッチと津久井、最後に船橋と徳田が出てきた。エウベルは移籍以来初の出番なし。

 そういや、試合終了間際には、腹の立つ判定があった。優磨との連携から徳田が見事なゴールを決めたのに、判定はオフサイド。そこにVARが入った結果、オンフィールドレビューになって、ひとつ前のプレーでGKのスウォビィク(今年の途中に加入した)に対してチャヴリッチがファールをしたという理由で、結局ゴールは認められなかった。

 でもなにそれ? オフサイドじゃなかったなら、ゴールでよくない? その前のプレーで見過ごされたファールをあとから取るとかあり? もう時間帯的には勝負は決していたんだし、誰も喜ばないそんなファールを進言したVARにも、それを見て判定を下した福島主審にもがっかりだよ。

 横浜は7月に四方田監督を解任して、いまは三浦文丈が監督を務めていた。でもJ1でこれといった実績を残せていない彼にチームを託さざるを得ない時点で、降格まったなしだった気がする。結局翌日の試合でマリノスが勝ったので、一日遅れで正式に降格が決まってしまった。お気の毒さま。マリノスは残留おめでとう!

 優勝争いに関しては、レイソルも勝ったので、2位との勝ち点の差は1のまま変わらず。翌日、京都と神戸がともに勝ち点3を奪えず、優勝争いから脱落したので、優勝の可能性は鹿島と柏の2チームに絞られた(神戸3連覇ならず)。

 柏は次節の対戦相手が最下位の新潟なので、取りこぼす可能性は極めて低そうだから、もしも鹿島がヴェルディの堅守を崩せないと、首位陥落の可能性がある。それとも監督交替以来いまだ1勝もできていない新潟が、最後にホームのサポーターのために奮起して、一矢報いてくれるとか? いや、絶対に無理だよなぁ。今年のレイソルは強いもんなぁ……。

 まぁ、いずれにせよ正念場。次の試合は代表ウィークと天皇杯・決勝を挟んで3週間後だっ!

 ――って、なんでこんな佳境にそんなに時間が空くんだよぉ。

 来年の秋春制への移行にあわせて、こういう変なスケジュールは是正されてくれるよう願ってやまない。

(Nov. 12, 2025)

柏レイソル1-3サンフレッチェ広島

YBCルヴァンカップ・決勝/2025年11月1日(土)13:00/国立競技場

 今年のルヴァン杯決勝は、今季絶好調で首位・鹿島を追って2位につける柏と、僕が個人的に優勝候補の筆頭だと思っていた広島の対戦。

 この両チームはイメージが似ている。どちらも日本にきてしっかりと実力を示してきた外国人監督が指揮をとる3バックのチームで、チームとしての熟練度が高い。ことチームとしての完成度だけでみたら、鹿島よりもこの両チームのほうが上に思える。

 そんなクラブどうしの対決だから、好ゲームになるのは必至――かと思っていたら、試合は意外な展開をみせた。広島が前半だけで3ゴールを奪っての優勝。

 まぁ、スコアほど内容が一方的だったわけではなくて、広島のゴールはどれも「えっ?」って思ってしまうようなあっけなさだった。

 1点目はロングスローからの荒木のヘディング。2点目は東峻希の直接FK(素晴らしかった)。3点目がふたたびロングスローから。ニアでの競り合いからファーに流れたボールをジャーメイン良がジャンピング・ボレーでぶちこんだ。

 ロングスローはどちらも右ウィングバックの中野就斗によるもの。広島ではもっとも馴染みのない選手だったけれど、この試合で否応なく覚えました。

 正直ロングスローが多用される最近の風潮はあまり好きではない。ロングスロー自体は否定しないけれど、そのたびにいちいちボールをタオルで拭いて時間を無駄にしている感じが嫌だ。足でボールを蹴るスポーツなんだから、ボールは濡れててあたりまえ。いっそタオルの使用は禁止にしちゃってくれませんかね。

 まぁ、なんにしろ柏にとっては守備が崩されたでもないまま失った3失点だ。憮然とするしかなかったろう。お気の毒さまでした。

 そんなわけで前半で大勢が決してしまったので、後半は退屈になるかと思ったら、意外とそうでもなかった。なんたって柏は準決勝では3点差を跳ね返して川崎に勝ったわけだし。わずかな可能性を信じて攻撃を仕掛ける展開が意外と熱かった。途中出場の細谷がマークについた荒木を振り払ってゴールを決めたシーンには舌を巻いた。細谷すげぇ。スタメンの垣田も悪くなかったけれど、やっぱ柏のエースは細谷でしょう。

 ということで、細谷のゴールこそ生まれたものの、後半の得点は両チームあわせてそれだけ。さすがにリーグ最少失点の守備は堅かった。前半のセイフティリードを守り切った広島が5つめのタイトルを獲得した。

 そういや、この試合、スタメンは両チームの全員が日本人だった。カタカナ表記はジャーメイン良だけ(後半からはジエゴ、ジェルマン、アルスランらが出てきたけど)。カップ戦の決勝戦に日本人だけが名を連ねるという状況に、日本サッカーの確実な変化を感じもした一戦だった。

(Nov. 02, 2025)

京都サンガF.C.1-1鹿島アントラーズ

J1・第35節/2025年10月25日(土)14:00/サンガスタジアム by KYOCERA/DAZN

 またまた勝てなかった。でも負けもしなかった。ラストのワンプレーで鈴木優磨の劇的な同点ゴールが生まれて追いついた。おかげで内容の割にはあと味がよかった3位・京都サンガとの上位対決・第二ラウンド。

 鹿島のスタメンはボランチに三竿・船橋を起用して、あとはいつもの形。三竿をボランチの軸にして、コンビの相手を知念にするか、船橋にするかってところが変わるだけで、あとは固定ってのがすっかり定番となった感がある。

 対する京都サンガは一時はレオ・セアラを抜いて得点王になったラファエル・エリアスが故障のためベンチ外。

 これは鹿島に追い風か?――と思ったのに、もうひとりのブラジル人、マルコ・トゥーリオに前半のうちにゴールを奪われ、先制を許してしまう。DFにあたってコースが変わったのかと思ったのに、実際には誰にもあたっていないという、意外性のある技ありのシュートだった。ちくしょう、この人も上手かったか……。

 最近の鹿島は前半がいまいちなことが多いけれど、この試合もしかり。先制を許したのみならず、反撃の糸口が見えてこない不甲斐ない戦いっぷりだった。

 まぁ、サンガも強かった。伊達に3位につけちゃいない。平戸にフリーでシュートを打たれるシーンが二度もあったし。元鹿島の彼に決められて負けたら、本当にやってらんないから、外してくれて助かった。須貝も見違えるような存在感だったし、鹿島で活躍しきれなかった彼らを活かして優勝争いをしてみせる曺貴裁チョウキジェは、やっぱいい監督なんだなと思った。

 とにかく前半に関してはどっちが首位だかわからない展開だった。

 でもそんな劣勢も、船橋をさげて知念を入れた後半からは一転する。なかなかゴールこそ生まれなかったけれど、後半はほぼ一方的に試合を支配していた。なぜ前半のうちにこういう戦い方ができないかな?

 その後、レオ・セアラ、エウベルの両ブラジル人をさげて、松村・田川を投入。さらには三竿・チャヴリッチをさげて、荒木・徳田を入れ、交替カードを使い切った。

 この試合で意外性があったのは、敵サイドでのスローインで植田にロングスローをさせていたこと。津久井ならばともかく、ターゲットとして得点力がある植田にスローインさせるのはどうなんだ?――と思った。

 後半ロスタイムの最後の最後に生まれた同点ゴールをアシストしたのは松村。荒木も随所で存在感を発揮していたし、印象的にはエウベルよりもこのふたりのほうがよかった。次節はどちらかをスタメンで起用してくれないだろうか。

 まあ、いずれにせよ優磨の同点ゴールには痺れました。さすがエース。今年優勝できたらMVPは彼以外にはいない。

 裏では柏が勝って、ついに鹿島との勝ち点の差が1に……。

 でもまぁ、まだ単独首位だ。神戸も引き分けたので、勝ち点5の範囲にいるのは柏、京都、神戸の3チーム。5位の広島にもまだ優勝の可能性はあるけれど、残り3試合で勝ち点8の差を跳ね返すのは無理があるので、優勝争いは4位の神戸までに絞り込まれたと考えていいだろう。鹿島の優勝まであと3勝!

 裏では今節で湘南、新潟の降格が正式に決定。17位のF・マリノスがここへきてようやく調子を上げてきて、横浜FCに5ポイント差をつけたので、降格レースはほぼ趨勢を決した感じだ。春秋制最後のシーズンもようやく終わりが見えてきた。

(Oct. 28, 2025)