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2018-08-17サッカー J1 第22節・長崎-鹿島 New!
2018-08-15音楽 FUJI ROCK FESTIVAL '18
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【早期購入特典あり】海のOh,Yeah!!(2CD)(完全生産限定盤)(サザンオールスターズ 40th キックオフポスター A2サイズ+ 負け犬にアンコールはいらない(初回生産限定盤) Mixed Up SPARKLE HARD [帯解説・歌詞対訳/デジパック仕様/国内仕様輸入盤CD] (OLE13852) Lovelaws Wake Up(初回限定盤)(DVD付)

新譜@Apple Music

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ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー (幻冬舎文庫) オンブレ (新潮文庫)

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V・ファーレン長崎1-2鹿島アントラーズ

J1・第22節/2018年8月15日(水)/トランスコスモススタジアム長崎/BS1

 夏休み企画で義妹夫婦とワイン3本を空にしながらのテレビ観戦だったので、内容についてはほとんどなにも書けない長崎戦。
 まぁ、長崎でアントラーズが公式戦を戦うのは始めてだそうだし、ジーコがテクニカル・ディレクターに就任してからの試合を観るのは初めてなので、記念にいちおう記録を残しとこうと思う。
 スタメンはGK曽ケ端、DF伊東、犬飼、チョン・スンヒョン、山本、MF三竿、レオ・シルバ、遠藤、安部裕葵、FW土居、金森という布陣。途中出場は安西、永木、優磨。
 金崎と交換する形で鳥栖からやってきたチャン・スンヒョンはもうこれで3試合連続でのスタメン。あと、山本修斗は故障明けでひさびさのスタメン。伊東もリーグ戦でのスタメンは3ヶ月ぶりだというし、入れ替わりが激しいディフェンス・ラインにはいろいろ苦労の跡がしのばれる。
 ベンチには新加入したブラジル人セルジーニョもいたんだけれど、この日は出番なし。あと、なぜ優磨がベンチ・スタートかは不明。クォン・スンテがベンチ入りさえしていない理由もわからない。なんとなくいろいろうまくいってない気がする。
 試合は前半14分に長崎のサイドバックの高杉という選手にダイレクト・ボレーでループ・シュートを決められて先制を許す苦しい立ち上がり。
 あのシュートはロング・ボールに思い切りよくダイレクトであわせた高杉がうまかった──というか、とにかく意表をついていた。曽ケ端もさすがにあのタイミングでシュートがくるとは思わなかったんだろう。反応が遅れてボールにととかず。
 長崎はこのシーンに限らず、あまり手数をかけずに効率よく、積極的にシュートまで持ってゆこうという意識が浸透している気がした。監督はアジアの大砲・高木琢也。なかなかいい仕事してるっぽい。高木が監督のチームとJ1で対戦するってのもちょっとばかり感慨深い。
 とはいえ、あちらは降格候補。こちらもそうやられてばかりはいない。その8分後には左サイドでフリーでボールを持ったレオ・シルバが角度のないところからミドル・シュートを決めて同点に追いつく。さらには前半のうちに、遠藤が得意の角度からミドルを決めて逆転。
 長崎の先制点もレオ・シルバの同点弾もそうだけれど、やっぱゴールが狙えるポジションで相手をフリーにしちゃ駄目だよなって思った。遠藤にしてもあの角度でボールを持たせたら、やっぱいい仕事をする。狙えるときにはしっかり狙って、きっちりと点を取るのがいいチームだろう。そういう意味では、こういう得点シーンがいくつも見られるのは、Jリーグが日々よくなっているあかしだと思った。
 後半あたまから安部にかわって出てきた安西が途中で怪我をして永木と交替するハプニングがあったりしたせいもあってか、得点は動かないまま試合終了。僕はすでに酔っ払っていて、後半の内容はほとんど記憶にない。
 ということで、なんとか勝った鹿島は勝ち点32で7位。首位を独創する広島は49。残り12節でその差17じゃ追いつくのはまず無理。まずは勝ち点40で3位につけるFC東京に追いついて、ACL出場権を得るのが現実的な目標でしょうかね。あーあ。
 というか、この日の黒星で17位に順位を落とした長崎だって、最下位のガンバと並んで勝ち点21だというんで、7位の鹿島とは11しか違わない。ちょっと調子があがったり、さがったりで順位がガンガン入れ替わる。今年のJ1は最後まですげー厳しい戦いがつづきそうだ。
(Aug 16. 2018)

FUJI ROCK FESTIVAL '18

2018年7月27日(金)/苗場スキー場

 五年ぶり、三度目のフジロックへ行ってきた。
 前回と同じ二十四時間バスツアーでの一日だけの参加ながら、前回とのいちばんの違いは奥さんが一緒だったこと。バスで見知らぬ人と相席になるのも一興かもしれないけれど、やはり長年つれ添った相棒と一緒ってのは気が楽だった。
 あと、一日じゅう快晴だったのも前回との違い。フジロックには雨がつきものだというし、ひとりで行った前回は猫の目のように変わる天候に降りまわされたので、今回も雨を覚悟してレインコートを新調していったのに、まったく降らなかった。うちの奥さん、フジロックに二日参加して降水確率ゼロ。家族三人で出向いた初回はうちの子が晴れ女だからだと思っていたけれど、もしかしたら彼女も晴れ女だったか。ふたりそろうと最強のてるてる坊主かも。

 今回のフジロックはエレカシが初出演するのに加えて、観たいバンドがいくつかあったから行くことに決めたのだけれど、チューン・ヤーズ(Tune-Yards)をはじめとして、興味のあるバンドの過半数が後半に集中してしまい、時間帯がかぶってちゃんと観られなかった。
 よりによって、もっとも楽しみにしていたチューン・ヤーズがエレカシともろかぶりというのが痛恨の極み。なんでそんなことしてくれちゃうかなぁ……。まぁ、あのふたつのバンドを両方観たがる俺みたいなオーディエンスは少ないのかもしれないけれど。エレカシは年中観ているけれど、やっぱフジロック初出演はフルで観ないわけにはいかない。というわけでチューン・ヤーズをたった二曲しか全部観られなかったのは、ほんと残念だった。

 とにかくこのふたつのバンドを効率よくつづけて観なくちゃならないってんで、苗場に到着してすぐに、まずはチューン・ヤーズが出るレッドマーキーからエレカシの出るホワイト・ステージまでの移動時間を測っておこうということになった。でもその前にちょっと休憩……とレッドマーキー前の木陰のところで腰を下ろしたとたん、いきなり小指に熱湯がかかったような痛みが走る。「熱っ!」と手を振ると、なんか蜂みたいなやつが目の前の草むらにジジジと落ちてきた。ちくしょう、刺された。なにこの虫。黒と灰色のしましまで、よく見ると蜂じゃないっぽい(すぐに踏みつけて抹殺)。フジロック最初のイベントはアブだかブヨだか知らないけれど、謎の虫からの洗礼でした。ちくしょう、小指痛い。

Pretty good!!

 ということで、虫に刺されて小指ぱんぱんに腫れあがった状態でさいさき悪く始まった今回のフジロック(指が痛くて拍手がつらかった)。
 まずはグリーン・ステージのモンゴル800からスタート──とはいっても、僕はモンパチってまったく聴かないので、グリーン・ステージに向かった林の入り口あたりの木陰で遠巻きにモニターを観ていた。

SUMMER BREEZE / スタンドバイミー(完全限定生産盤)<CD(12)s+DVD>

 モンパチを三十分くらい観たあと、ホワイト・ステージに移動して、うちの奥さんが視聴したらけっこう好きだったという go!go!vanillas という若いバンドを観た。
 モンパチもゴーゴーバニラズも僕にとっては元気すぎというか、影がなさすぎる印象であまり盛りあがれない。やっぱ日本語のロック(とくに男性のもの)は人生の鬱屈がその言葉のはしばしに見え隠れしてくれないと夢中になれない。

 ホワイト・ステージでは三曲くらいで陽射しの暑さに音をあげて移動。ジプシー・アヴァロンとフィールド・オブ・ヘヴンの場所を確認してまわった。観たいステージがあったわけでもないのに、こんなところで無駄な体力を使ったのを後悔することになるのは夜になってからの話。

All Of Us(初回限定盤)(DVD付)

 ホワイト・ステージからボードウォークの迂回路をつたってグリーン・ステージへと戻ってみると、GLIM SPANKY が演奏中だった。
 このバンドも俺には関係ないと思いこんでいたのでスルーしちゃったけれど、通りすがりに生で聴いたボーカルの子のハスキーな歌声はけっこう気持ちよかった。あ、これならちゃんと観ておいてもよかったかなと思いました。いずれまた機会があれば、次はちゃんと聴こう。

I'm All Ears

 スタートから3時間目にして、この日はじめてフルに観たのが、その次のレッド・マーキーの LET'S EAT GRANDMA。
 「お婆ちゃん、食べよう」と訳すんだか、それともお婆ちゃんを食べちゃうんだか、いまいち意味のわからない名前の、十代の女の子二人組ユニット。
 ステージにはロングヘアをなびかせたスレンダーな女の子ふたり──遠目だと双子みたい──が並んで立ち、右手に男のドラマーがいるというスリー・ピースの編成で、女の子たちはシンセを弾きつつ、たまに左の子がギターを弾き、右の子がサキソフォンを吹いてみせたりする。若いくせに、意外と芸達者。
 印象的にはハイムと The xx のいいとこ取りをしたみたいなバンドだと思った。女の子のガーリーな外見やポップなメロディ・センスはハイムっぽいのに、音響的には打ち込みの重低音が効いていて The xx ぽいという。レコーディングされた音源はシンセ色が強くてあまり趣味じゃなかったので、途中で移動しようと思っていたんだけれど、予想外に聴き応えがあったので、結局最後まで見てしまった。そこんところも僕にとっては五年前に同じステージで観たハイムと一緒だった。初々しいわりには思いのほか技巧的で、とても楽しいステージでした。

 そのあとすぐにグリーン・ステージへと移動すると、間髪いれずに ROUTE 17 Rock'n'Roll ORCHESTRA の演奏が始まった。
 ドラムの池畑潤二という人がバンド・リーダーをつとめるフジロック御用達の大所帯セッション・バンドで、今年のゲストはトータス松本、奥田民生、甲本ヒロト、仲井戸麗市の四人。
 バンドの内訳はギター三本、キーボード二名、ホーン・セクション四人にベース、ドラムにパーカッションの総勢十二名。僕はよく知らない人ばかりだけれど、有名どころだとルースターズの花田裕之や、RCファンには懐かしいサックスの梅津和時氏、SOIL&"PIMP"SESSIONS のトランペットのタブゾンビなんかがいる。あと、エレカシの野音でお馴染みの細身魚さんもいる(終始ノリノリでした)。
 本当は同じ時間にホワイト・ステージでやっているパーケイ・コーツが観たかったんだけれど、このメンツを無視してほかへはいけないでしょう?
 ステージはトータス、民生、ヒロト、チャボが順番に入れ替わりで出てきて、それぞれカバーを中心に二、三曲ずつを歌うという構成。
 トータスは知らない曲(エルモア・ジェイムズとのこと)のあとでヤング・ファイン・カンニバルズの『Johnny Come Home』という意表をつくカバーを聴かせてくれた(三曲目はウルフルズの曲)。おぉ、やはり同世代だと思う。
 民生さんも最初の二曲は古いロックン・ロール・ナンバーのカバー。でもって三曲目がなんとRCサクセションの『スローバラード』。これがめちゃくちゃよかった。
 ホーンとオルガンが苗場の山に気持ちよく響き渡り、そこに民生さんの歌と梅津さんのサックスが鳴り響くんだから、もうこれがよくないわけがないでしょうよって話で。いやぁ、最高でした。
 前のふたりがオールディーズのカバーだったのに、その次のヒロトは日本語だったから、オリジナルかと思っていたら、これもカバーだったらしい。それどころか一曲目はディランの『くよくよするなよ』(えー、マジ?)、二曲目はニール・ヤングの『Don't Cry No Tears』(『Zuma』収録)だというからびっくりだ。まったく気がつかなかった俺の音楽偏差値っていったい……。
 とりを飾るチャボはディランの『Harricane』を日本語に意訳して歌ってみせた。実際にあった黒人ボクサーの冤罪事件を歌ったあの歌を換骨奪胎して、狭山事件なんかを歌詞に盛り込んで、完璧に日本語の歌にしていたのにすごいと思った。
 そのあと、もう一曲フジロックのテーマ曲みたいなのを歌い、最後はゲスト四人そろってエディ・コクランの『C'mon Everybody』をやって終了。フェスならではのお祭りバンドだけれど、だからこその楽しさがあってよかった。
 いや、それにしても民生氏の『スローバラード』が絶品でした。この一曲だけでも苗場に足を運んだ甲斐があるってレベル。

FRANCIS TROUBLE

 次はホワイト・ステージでのアルバート・ハモンド・ジュニア。
 この人のステージもおもしろかった。よもやストロークスという一時代を象徴するバンドのギタリストが、ソロではハンド・マイクで歌ばっか歌ってて、ほとんどギターを弾かないなんて誰が思うって話で。たまにギターを持っても、ソロとか弾かないし。本当にこの人はストロークスのギタリストなんだろうかと不思議に思ってしまった。
 バンドは主役の彼のほか、ギター二本に、ベース、ドラムの五人編成。ベースが女の子で、あとは男。で、見た目はみんな普通に地味。
 主役のアルバート・ハモンド・ジュニアは新譜のださださなジャケットのイメージそのままに、赤いシャツに白いパンツというファッションで、ハンドマイクをコードのところで持ってぐるんぐるんと振り回したり、長すぎるコードを束にまとめたりと、とにかくそのマイク扱いがいちいち気にかかる人だった。なんでギターじゃなくてマイクなのさってずっと思っていた気がする。
 でもまぁ、バンドの演奏はポップでタイトでとてもよかった。僕には無条件にしっくりきて、とても楽しかった。単純に楽しさということでいえば、この日いちばんだったかもしれない。このステージを観て、僕はこれまでに一度もストロークスを観たことがないのを、ちょっとだけ後悔した。できればジュリアン・カサブランカのステージも観たいなと思った。

I can feel you creep into my private life [輸入盤CD](4AD0052CD)

 その次がこの日の目玉──になるはずが、わずか二曲しか観ないで終わってしまった──チューン・ヤーズ@レッド・マーキー。
 バンドはステージ中央に主役のメリル・ガーバス、右手に新しく彼女のパートナーとなったネイト・ブレナー、左にドラマーという三人編成。
 CDで初めて聴いたときにはまったく性別不明な印象だったけれど、いざ生で聴くとちゃんと女性らしい声だったのがまずは印象的。シンセを操り、シーケンサーで自らのボーカルをリピートさせながら、個性的なダンス・ビートをつむいでゆくその演奏は予想通りに刺激的だった。オーディエンスも最初から大盛りあがり。
 うーむ。こんなおもしろいステージをわずか二曲であきらめなきゃなんないとは……。まじでもっと聴きたかった。再来日を期待するっきゃないな。ソロで来たら絶対に観にゆく。来てくれそうにないけど。

Wake Up(初回限定盤)(DVD付)

 後ろ髪を引かれながらレッド・マーキーをあとにして、開演の五分前くらいにホワイト・ステージへ移動してみると、ホワイト・ステージはすでにエレカシ待ちの人でぎっしりだった。
 というか、ホワイト・ステージって決して広くないのに、真ん中からうしろは椅子を並べた人だらけってのが問題だと思った。あれってどうなんだ? ライブ開場のモラルとしてNGな気がする。ホワイト・ステージってPAのテントの存在感もありすぎるし、フジロックの中ではもっとも残念なステージな感がある。
 そういや、いつもはコードつきのマイクを使っているエレカシ宮本がこの日はワイヤレスだったけど、あれはホワイト・ステージがもっと広いと思っていたからじゃないだろうか(アルバート・ハモンド・ジュニアもワイアレスにすればいいのに)。ほんと、できればグリーン・ステージで観たかったぜ。
 ……なんて愚痴はまぁいいとして。
 この日のエレカシについては、まずは石くんでしょう。白いタンクトップに黒の短パン、オールバックにサングラスって。なんだそれは。夕涼みしているヤクザにしか見えない。
 途中で宮本にいじられて片側の肩をはだけてからは、江戸時代の賭博師みたいになっていたし、宮本がうしろから頭をつかんで、ロボットのように右へ左へとゆっくりと首を動かすにいたっては、意味不明で大爆笑。世界中にYouTube配信されているステージで、そんなことおくびにも出さすにこれだけ笑いを誘うってのもある意味すげーと思った。
 演奏もアグレッシブでよかった。『Easy Go』『奴隷天国』『RAINBOW』とエレカシ史上もっともスピード感のあるナンバー三連発でのオープニングは文句なしだったし(まぁ、そのうち二曲はあいかわらず宮本の歌がかなり苦しかったけれど)、その後も攻めの姿勢がきわだつ内容だった。洋楽ファンに目にもの見せてやるって気概が伝わってきた。一時間足らずのステージとしては出色の出来だと思った。

【SET LIST】
  1. Easy Go
  2. 奴隷天国
  3. RAINBOW
  4. 悲しみの果て
  5. 旅たちの朝
  6. ガストロンジャー
  7. so many people
  8. ファイティングマン
  9. おはよう こんにちは
  10. 今宵の月のように

 ラス前は「俺たちの唯一のヒット曲です」と紹介して、『今宵の月のように』をやるのかと思ったら、一転して『おはよう こんにちは』をかましてきたのもよかった(苗場であの曲が聴けて嬉しかった)。でもって最後は『今宵』で締め。こういう晴れの場だから、最後はちゃんと知名度のある曲できれいに終えるという姿勢は正しかったと思う。演奏の途中で日が翳ってきて、最後はとても夕焼けがとてもきれいだった。
 宮本がこのところ変にエロに目覚めていて、乳首出してつまんでみたり、股間まさぐったり、前述のとおり石くんいじりで笑いと取ったりと、かっこ悪い姿をたくさん晒していたけれど、でもその一方でカッコいいところもちゃんとあって、やっぱその両極端を行き来するのがエレカシだよなぁと思う。世界じゅう広しといえ、こんなバンド、絶対にほかにない。そのことはちゃんと苗場と世界に知らしめることができたと思う。とても気持ちのいいステージだった。
 そういや、この日のキーボードはソウル・フラワー・ユニオンの奥野真哉でした。テレビ出演なんかで観たことはあるけれど、彼がエレカシと競演するのを生で見るのは、僕はこれが初めて。最近、ソウル・フラワーともすっかりごぶさたしてるしなぁ。エレカシ+奥野(あとミッキー)が観られたという意味でも、個人的に貴重なステージだった。わざわざエレカシのために苗場に来てよかった。

Y R U Still Here

 エレカシのあと、フィールド・オブ・ヘヴンに移動して、マーク・リボーのセラミック・ドッグをちょっとだけ観た。
 このころにはすっかり日が暮れて暗くなっていた。ここまでに四ステージをスタンディングで観てきたので、疲れきっていて、立ち見する気になれず。でもここのステージは砂利びきで埃っぽくて地べたに座っているのも気が進まず。演奏もちょっと小難しい感じだったので、二曲くらいで切り上げて戻ることにした。
 バンドはギター、ベース、ドラムの三点セットだったけれど、でもそうとは思えなくくらい硬質で音数の多い演奏を聴かせていた。三人とも椅子に座っての演奏で、当然かもしれないけれど、なんかむちゃくちゃ技術が高かった。
 リボーさん、孤高のギタリストなイメージの割にはラップっぽい饒舌なボーカルを聴かせいたりしていて、けっこう思っていたのと違った。少なくてもコステロやトム・ウェイツと競演していたころのホンキートンクな印象は皆無だった。なんか学究肌の向井秀徳みたいでした。

THIS OLD DOG

 そのあとはレッド・マーキーのマック・デマルコを観にゆくつもりだったんだけれど、そのころになるともうすっかり真っ暗になっていて──苗場は街灯がないので、夜になるととても暗い──グリーン・ステージにたどり着いたあたりでうちの奥さんが疲れたから休みたいというし、僕もさすがにグロッギーだったので、マック・デマルコは諦めて、朝と同じ林の入り口あたりで休みながら、ヘッドライナーのN.E.R.Dを待った。
 マック・デマルコのステージは変な意味でおもしろかったらしいので、ちょっと後悔。でもまぁ、体力的にはここらがまじで限界だった。

No One Ever Really Dies

 僕はN.E.R.Dをほんんど聴いていないので、漠然としたファレル・ウィリアムズのイメージから、陽気なパーティー・バンドかと思っていたら、ぜんぜん違った。そもそもファレルのイメージからして違う。ソロのときより扇情的でこわもて。俺たちには伝えるメッセージがあるんだという意気込みが伝わってくる。
 ステージ自体は映像を駆使したカラフルでダンサブルなものだったから、乗りのよさはじゅうぶん以上だし、途中にファレル・ウィリアムズのソロ・コーナーがあって、ファレルがプロデュースしたグウェン・スティファニの『Hollaback Girl』やダフト・パンクの『Get Lucky』を聴かせてくれたりもしたけれど、でもそういうお祭り騒ぎだけが売りじゃないんだってことが、はしばしに感じられるステージだった。いや、それともあれは単に、日本のオーディエンスの乗りの悪さに怒っていただけ?
 とにかくヒップホップのライヴの経験値が低いオーディエンスを相手に、ファレルがサークル・モッシュの仕方を懸命に指導していたり──輪になれって言ったり、左右に分かれろと指示してみたり(モーゼの十戒ごっこかと思った)──相棒の人が終始仏頂面だったりして(あの人はいつもあんななのか、それとも今回は本当に機嫌が悪かったのか、うちの奥さんがとても気にしていた)、やっている側にしてみるといまいち思うように盛りあがっていない感があったのかもしれないけれど、でも観客のなかに混ざっている身としてはじゅうぶんな盛りあがりようだった。
 僕らは疲れきっていたので、最初のうちは遠くに腰をおろして遠巻きにモニターの映像を眺めていたのだけれど、これはやっぱ近くで大音量と映像の極彩色を体感しないともったいないだろうと、途中からがんばって下りていって、オーディエンスの狂騒に混ざった。やっぱヒップホップは坐って聴くもんじゃない。いやぁ、まわりのみんながみんな、やたらと楽しそうに踊っていて、とても気持ちよかった。
 初日のヘッドライナーがN.E.R.Dだと聞いたときには、ボブ・ディランとケンドリック・ラマーが出るのに、なにゆえ唯一自分が聴いていないヘッドライナーの日にあたっちゃうんだと思ったものだけれど、いざ観てみたら、そこはヘッドライナーをつとめるほどのアーティストだけあって、とてもいいステージでした。自分からは絶対に観にゆこうと思わないアーティストだけに、かえって観られてよかったと思った。
 考えてみたら僕はこれまで夏フェスでヒップホップ系のアーティストがトリを飾るのを一度も観たことがなかったので、とてもいい体験をさせてもらいました。

 ということで、この日のフジロックはこのステージでおしまい。ホワイト・ステージなどではまだパフォーマンスが行われていたけれど、体力的にもう無理。わざわざ出口から遠いステージまで移動する気力がなかった。いやぁ、楽しかったけれど、やっぱフジロックは疲れる。一日でじゅうぶん。三日は無理。
(Aug 14. 2018)

バグダッドの秘密

アガサ・クリスティー/中村妙子・訳/クリスティー文庫/早川書房/Kindle

バグダッドの秘密 (クリスティー文庫)

 クリスティーによるひさびさのサスペンス・スリラー。一目惚れした青年のあとを追ってバグダッドへ飛んだタイピストのお嬢さんが国際的なスパイ事件に巻き込まれるという話。
 要するにデビュー当時に書いた『秘密機関』や『茶色い服の男』などの系統のスリラーの最新版なのだけれど、内容的にはあのころと五十歩百歩で、びっくりするくらいの成長のあとがない。ミステリ作家として円熟期を向かえて、すばらしい傑作を連発していたこの時期のクリスティーが、なにゆえスパイ・スリラーを書くとこんなんなっちゃうんだろうと不思議になるくらいの能天気な内容。
 印象的には、クリスティー自身が考古学者の夫とともにバグダッドで過ごした日々の思い出を、若き女性主人公に託して描いてみたいというのがこの作品を書いた動機だったのかなと思う。スリラーとしての本編よりも、ひょんなことから遺跡発掘隊に加わることになった都会っ子の主人公ヴィクトリアがその仕事に喜びを見いだし、一見さえない考古学者たちに好意的な目を向けるようになってゆく過程を描いた部分がもっともハッピーで楽しげだった。
 まぁ、ひとりの女の子のゆきあたりばったりでトラブル満載の中東旅行記として読むならば、そこそこ楽しい小説かもしれない。でも、それにしては翻訳が古い。とくに女の子のせりふがオールド・ファッション。内容がいまいちだから、せめて翻訳だけは新しくして欲しかった。
 とはいえ、お世辞にもクリスティーの代表作とはいえない作品だけに、わざわざ新訳するコストは出せないのもわかる。
(Aug 05. 2018)

魔法の夜

スティーヴン・ミルハウザー/柴田元幸・訳/白水社

魔法の夜

 緻密な文章で現実とも幻ともつかぬ世界を描くのがスティーヴン・ミルハウザーという作家の特徴だとするならば、これはまさにそういう作品。
 ある暑い夏の夜に、月の光に誘われるように家を出てきたさまざまな人々の姿を描く断片的な章をいくつも積み上げて、一夜の夢ともうつつともつかぬ世界を浮かび上がらせてみせる。
 仮面をつけた少女たちのグループが他人の家に無断で忍び込むエピソードがあったりするので、もしかしたら以前この人が書いた短編『夜の姉妹団』(内容はまったく覚えていない)を長編──もとい、柴田氏のいうところだと中篇──に膨らませたような作品なのかもしれない。でも柴田氏はそんなことひとことも書いてないから、やっぱ違うのかな。
 これまでに翻訳されたミルハウザーの長編三作はどれもストーリー自体はしっかりしていたけれど、そんなわけで今回はストーリーはそっちのけで、イメージがすべてって仕上がりになっている。小説というより詩に近い印象の作品。それゆえ、その雰囲気に浸れる人にはいいだろうけど、普通の小説のようにストーリーありきで読むとおそらくまったく楽しめないじゃないかと思う。
 かくいう僕自身はどうだったかって? うーん……。
 ところどころに惹かれるものはあったけれど、小説としておもしろかったかと問われると正直なところ困る。
(Aug 05. 2018)

Wake Up

エレファントカシマシ / 2018 / CD

Wake Up(初回限定盤)(DVD付)

 全国四十七都道府県ツアーに紅白出演と、デビュー三十周年を祝いたおしたエレカシが新たなシーズンへ向けて第一歩を踏み出した注目のニュー・アルバム。
 二年前のシングル『夢を追う旅人』から先行配信シングル『Easy Go』を含めたシングル曲とそのカップリングが六曲、タイトルナンバーの『Wake Up』ほかの新曲が六曲。計十二曲が収録されている。
 このところの常で半分は知っている曲だから、新譜を聴いたって満足度があまり高くないのがネックだけれど、作品の質自体は高いと思う。なんたって近年の最重要曲『Easy Go』が収録されているのがなにより大事。
 エレカシってスタジオ録音の音源よりもライヴがいいことのほうが多いんだけれど、この曲に関しては宮本がいまだライヴだとまともに歌いこなせていないので、このスタジオ・テイクのしっかりと歌えているバージョンがなおさら最高に思える。五十を過ぎてからこんなに高速でノイジーでパンキッシュな曲が書けるのって尋常じゃないと思う。
 これであとは宮本がライヴでもっとうまく歌えれば最強なのに。しかしなんで自分で書いた曲をあそこまで歌えないかな。そこだけがいつまでたっても残念で仕方ない。まぁ、ファンとしてはそこんところの駄目さ加減が愛おしかったりもするんだけれど。いつの日か生で完璧な『Easy Go』を聴ける日がくるのを待ち望んでいます。
 とにかくこの曲と『RESTART』という昨今のシングルでは最高の強度を誇るロック・ナンバーが一緒に収録されている一方で、『夢を追う旅人』のようなキャッチーなシングルや、『風と共に』や『今を歌え』のような優しいバラードが一緒に並んでいる。『神様俺を』のようなエレカシ初のレゲエ・ナンバーもある(あまりレゲエっぽくないけど)。先日のツアーを観ても思ったことだけれど、この振り幅の広さ、バラエティの豊かさが今回のアルバムではとても印象的。
 あと『旅立ちの朝』『いつもの顔で』『オレを生きる』という新曲が三曲ならんだラストがいい。ここんところには、どことなくEMI期を思い出させるテイストがあって、ぐっとくる。とくに『オレを生きる』はあのころの無骨な宮本っぽさが濃厚で、個人的には最高のラスト・ナンバーだと思う。
 もうひとつ印象的だったのは『旅立ちの朝』のサウンド・スケールの大きさ。
 基本エレカシの音ってどうしてもライヴハウスが最適で、スタジアムの規模で鳴らすのは無理があるってイメージが強いのだけれど、この曲からはエレカシの作品では初めてスタジアムで鳴らしても遜色なく聴けそうな印象を受けた。
 今回のアルバムでは全曲に村山☆潤がプロデュースでクレジットされている。ムラジュンのプロデュースって、彼自身の好みかエンジニアリングの問題か知らないけれど、なぜだか音は厚いのに芯が軽いイメージがあって、洋楽ファンの僕にはもの足りなく感じることが多い。そんな彼が全編的に絡んだ今回のアルバムは、あ、なるほどムラジュン印って感触が強いのだけれど、それでも『Easy Go』と『旅立ちの朝』は文句なし。この二曲に関しては本当にいい仕事をしてくれている。
 いやしかし、やっぱ『Easy Go』がいいです。聴いてるとやみくもに力が湧いてくる。エレカシの曲をこんなに繰り返し聴いたのって本当にひさしぶりだ。
(Jul 31. 2018)

【相棒】
しろくろや

【過去のコンテンツ】
過去の噂

【Shortcuts】
音楽 CD/DVD / コンサート / エレカシ / 購入CD
作品 / 作家 / 翻訳家 / 読了 / 積読 / クリスティ
映画 作品 / 監督 / 俳優 / 公開年
蹴球 日本代表 / Jリーグ / 鹿島 / W杯

【New Releases】
08/29インコの have a nice dayツアー 2018.05.09 Zepp Tokyo / FLOWER FLOWER
09/07And Nothing Hurt / Spiritualized
09/07Egypt Station / Paul McCartney
09/07Raise Vibration / Lenny Kravitz
09/07Ruby / Macy Gray
09/07In the Blue Light / Paul Simon
09/21Piano & A Microphone 1983 / Prince
09/21The Blue Hour / Suede
09/26カンタンカンタビレ / 奥田民生
09/26ムキシ / レキシ
09/28Aaarth / The Joy Formidable
10/05Wanderer / Cat Power
10/12Look Now / Elvis Costello & The Imposters
10/19Natural Rebel / Richard Ashcroft
11/02No Tourists / The Prodigy

【ライヴ】
08/17SONICMANIA
08/18SUMMER SONIC
08/19SUMMER SONIC

【サッカー観戦予定@TV】
08/28[ACL] 鹿島-天津権健
09/07[親善試合] 日本-チリ
09/11[親善試合] 日本-コスタリカ
09/20[ACL] 天津権健-鹿島

【新刊コミックス】
08/20『ワカコ酒(11)』 新久千映
08/24『アシガール(11)』 森本梢子
09/04『ONE PIECE(90)』 尾田栄一郎
09/06『MFゴースト(3)』 しげの秀一
09/28『ギャラリーフェイク(34)』 細野不二彦
09/28『細野不二彦短編集(3)』 細野不二彦
09/28『バディドッグ(3)』 細野不二彦