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2025-10-13『暗闇に戯れて 白さと文学的想像力』 New!
2025-10-11『ミスコン女王が殺された』
2025-10-08J1 第33節・鹿島-G大阪
2025-10-06『天国と地獄 Highest 2 Lowest』
2025-10-04「『ハックルベリー・フィンの冒けん』をめぐる冒けん」
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Lovin’ You BLIGHT (輸入盤) あにゅー D o n' t  L a u g h  I t  O f f Twilight Override One Battle After Another (Original Motion Picture Soundtrack)

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最強で最速の無限レベルアップ(9) ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~ (月マガ基地) 脱落令嬢の結婚(1)【電子限定特典付】 (FEEL COMICS swing) 弱虫ペダル 97 (少年チャンピオン・コミックス) ダンダダン 21 (ジャンプコミックスDIGITAL) アオのハコ 22 (ジャンプコミックスDIGITAL) SPY×FAMILY 16 (ジャンプコミックスDIGITAL) 3月のライオン 18 (ヤングアニマルコミックス) 異世界おじさん 14 (MFC) 雨夜の月(10) (コミックDAYSコミックス)

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草の竪琴 巨神計画 下 〈巨神計画〉シリーズ (創元SF文庫)

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暗闇に戯れて 白さと文学的想像力

トニ・モリスン/都甲幸治・訳/岩波文庫

暗闇に戯れて 白さと文学的想像力 (岩波文庫)

 トニ・モリスンがアメリカ文学における黒人の存在意義を考察した論文集。

 『ハックルベリー・フィンの冒険』についても取り上げられているようなので、ちょうどいいから、このタイミングで読んでおくことにした。

 わずか百七十ページ強の薄い文庫本なので、二、三日で読み終わるかと思ったら、そうはいかない。この人の小説同様、文章が難解で、さらっと読み流そうとすると、まったく内容が頭に入ってこない。序盤で挫折して、数日間読まずに放置してあったこともあり、結局二週間近くかかってしまった。

 内容はアメリカ文学=白人男性作家の作品限定という状況にあった当時の文学評論のあり方に対して異議を唱えたもの。

 書き手は白人男性ばかりだけれど、でも彼らの作品の根底には黒人奴隷と人種差別主義がはびこるアメリカ社会の状況が計り知れないほどの影響を与えているぞと。黒人の存在抜きにしてアメリカ文学を語るなかれ!――ってくらいの勢いで、「アフリカニズム」という造語とともに、アメリカ文学における黒人の重要性が主張されている。

 序文+全三章の構成で、それぞれの章では黒人問題を論じてから、具体例として作品が分析されるという形で、第一章がウィラ・キャザーの『サファイラと奴隷娘』、第二章で『ハックルベリー・フィンの冒険』やポーやフォークナーらが語られ、第三章がヘミングウェイの『持つと持たぬと』と『エデンの園』が取り上げられている。

 白人男性がうんぬんと語ったあとで最初に取り上げた作品が女性作家の作品だったり、白人男性至上主義の代表選手のようなイメージのヘミングウェイについて詳細に分析してみせているのに意外性があった。

 まぁ、全体としてはわたくしには難し過ぎました。半分も理解が及ばない。

(Oct. 13, 2025)

ミスコン女王が殺された

ジャナ・デリオン/島村浩子・訳/創元推理文庫/Kindle

ミスコン女王が殺された 〈ワニの町へ来たスパイ〉シリーズ (創元推理文庫)

 そのうち読もうと思っているうちに、前作から三年も過ぎてしまっていた『ワニの町に来たスパイ』シリーズの第二弾。

 なにが驚いたかって、僕自身は三年ぶりですっかり内容を忘れているのに、物語は第一作が終わった直後から始まること。まだルイジアナにきて一週間しかたってないのか!

 まぁ、主人公のフォーチューンは、身を隠すため、つかのまこの町にやってきたという設定なのだし、彼女が身分を偽装している女性も、いまはたまたま旅行中で不在みたいな話なので、そう遠くない未来にその辺の設定が見直されることにはなるんだろうけれど、それにしたって、まだ一週間とは思わなかった。

 だって前回からわずか二、三日で、次の殺人事件が起こるなんて、そんな話あり?

 あまりに強引なご都合主義にびっくりだよ。

 とにかく、今回はシリーズ化にあたって無理やり事件を起こしました、みたいな感が強くて、ミステリとしてはいまいちだった。

 まぁ、キャラクター劇として読むならば、お騒がせお婆ちゃん二人組はあいかわらず元気だし、フォーチューンにアリーという同世代の友人ができたり、カーター保安官助手との仲も進展中だったりして、それなりには楽しめた。でもつづきを読まずにはいられないほどおもしろかったかというと、残念ながらそこまでではないかぁなと……。

 それにしても、第一作が『Louisiana Longshot』、この第二作が『Lethal Bayou Beauty』と、「ルイジアナ」や「バイユー」という言葉を盛り込んでアメリカ南部を舞台にしたシリーズの特徴を示す、なかなか気の効いた原題がついているのに、それをここまでダサい邦題に変えてしまうのって、ある意味すごい。

 第一作はともかく、この第二作のタイトルはさすがにどうかと思った。シリーズの続編でなかったら、絶対に手に取ろうとも思わない。

 ということで、第三作以降を読むかどうかは、現時点では未定。

(Oct. 11, 2025)

鹿島アントラーズ0-0ガンバ大阪

J1・第33節/2025年10月5日(日)15:00/メルカリスタジアム/DAZN

 この日の試合は15時キックオフ。試合が昼間にあると、あぁ、夏も終わったんだなぁと思う。

 さて、今回のJ1第33節、日曜日に試合があったのは、この鹿島-ガンバ戦のみだった。あとの対戦はすでに前日の土曜日に終了している。

 結果は2位の神戸が負けて4位に後退。京都、柏、神戸の3チームが2位以降に勝ち点60で並ぶという大混戦になっている。

 つまり鹿島はこの試合に負けても、勝ち点4差をつけたまま、首位は変わらず。それどころか勝てば2位以下に7ポイント差をつけて、優勝に大きく前進ということになったわけだ。

 しかも対するガンバは木曜にACL2の試合があったので(なぜガンバが?と思ったら、去年4位だったんでしたっけ。すっかり忘れていた)、この試合は中2日。そのため、宇佐美ら主力の一部がベンチスタートだった。

 これは優勝に向けて、鹿島に追い風吹いてんじゃん?――と思ったのに。

 そこはJ1、そうは問屋が卸さない。去年の4位のクラブはそう簡単に勝たせてくれない。試合はスコアレス・ドローに終わって、勝ち点1を加えるに留まった。

 この日の鹿島のスタメンは、出場停止明けのキム・テヒョンが戻ってきて、津久井が抜けた以外は前節と一緒。まぁ、これが鬼木の考える現時点でのベストメンバーなんだろう。

 一方のガンバのポヤトス監督は、いつもは4バックで戦っているのに、この試合では3バックを採用してきた。守るときには両ウィングバックも下がるので、実質5バック。過密日程を乗り切るため、まずは守備という姿勢が明確だった。

 で結局、この戦略にはまってしまったということなんだろう。鹿島にとってはリーグ戦ではおよそ半年ぶりとなるスコアレス・ゲームとなった。まぁ、それそれですごい。

 とりあえず、ガンバは強かった。過半数の選手を入れ替えて戦っているにしては、とてもバランスよく組織的に守れていたし、倉田秋(2ヵ月ぶりのスタメンだったそうだ)がDFラインの裏へ抜け出して、触ればゴールという危ないシーンを二度も作られた。後半途中から出てきた宇佐美も、あいかわらず上手かった。序盤戦のつまずきが響いて、ガンバが一度も優勝争いに加わわらずにいてくれて助かった。

 鹿島の途中出場は、松村、津久井、徳田、知念、荒木の5人。

 でもって、この試合でもっとも注目を浴びたのが、後半ロスタイムのPKのチャンスにキッカーを任されて失敗に終わった徳田誉だった。

 徳田は試合後に責任を感じて涙していたけれど、やはりあれは彼をキッカーに選んだ鬼木のミスでしょう。いくら将来のエースと期待をかけるルーキーとはいえ、あの場面では彼ではなく、今季ノーゴールの荒木にチャンスをあげるべきだったと思う。

 これでももしも優勝を逃したら、徳田がさらに責任を感じて病んでしまいそうなので、諸先輩方にはかわいい後輩のためにも、是が非でも優勝杯をもぎ取っていただきたい。よろしく。

(Oct. 08, 2025)

天国と地獄 Highest 2 Lowest

スパイク・リー監督/デンゼル・ワシントン、ジェフリー・ライト/2025年/アメリカ/Apple TV+

 Apple TV+オリジナルで配信公開されたスパイク・リーの最新作。

 エド・マクベインの『キングの身代金』が原作だと聞いて、なんでいまさらその小説を映像化?――と不思議に思っていたら、冒頭に黒澤明の『天国と地獄』にインスパイアされた、とあって、さらに「?」となった。

 あとから確認したら、黒澤明のその作品がエド・マクベイン原作なんすね。しかもiMDBではオールタイムのベスト100に入る名作。スパイク・リーは黒澤明をリスペクトしているようなので、その作品をリメイクするとなれば、献辞をつけるのも当然かと思った。黒澤版も観てみたくなった(原作は近々読む予定)。

 物語はかつては音楽業界を牛耳る勢いだったのに、いまは落ち目のレコード会社のCEO(デンゼル・ワシントン)が、会社の買収だなんだの資金繰りで苦労している最中に、息子を誘拐したという脅迫を受けるというもの。

 ただ、実際に誘拐されたのは彼の息子ではなくて、彼が家族ぐるみでつきあっている運転手(ジェフリー・ライト)の息子が間違って誘拐されてしまう。

 いかに親しいとはいえ、他人の子どもを救うために莫大な身代金を払えるか?――もとから金策で悩まされていた彼は、そんなジレンマをかかえて激しく悩むことになる。

 デンゼル・ワシントン演じる主人公をレコード会社のオーナーにしたのが、おそらく黒澤版との最大の違いなのだろうと思う。誘拐事件と絡めて、音楽ビジネスの裏側が描かれてゆくのがこの映画の特色だ。ラッパーのエイサップ・ロッキーが重要な役どころで出演しているし、音楽愛あふれるスパイク・リーらしいアレンジだと思う。

 ただ、その流れで最後にアイヤナ・リーという女性シンガーのパフォーマンスをフィーチャーしたのはどうかと思った。スパイク・リーにとっては推しのボーカリストなのかもしれないけれど、クライマックスのあとにそのパートがあることで、映画の印象がぼやけてしまった感がある。

 なかなか見ごたえのある映画だったので、その点がちょっと残念だった。

(Oct. 06, 2025)

『ハックルベリー・フィンの冒けん』をめぐる冒けん

柴田元幸・編著/研究者

『ハックルベリー・フィンの冒けん』をめぐる冒けん

 柴田元幸先生による新訳版『ハックルベリー・フィンの冒けん』の副読本。あまりに僕を辟易とさせたあの翻訳がいかに生まれたかに興味があったので、せっかくだからこれも読んでおくことにした。

 第一章は小説の冒頭部分を原文と翻訳と対比させて説明したもの。第二章は『ハックルベリー・フィンの冒険』に関する書評等の引用。第三章はこの小説から派生して生まれたアメリカ文学作品の断片的な紹介。でもって第四章が『ハックルベリー』本編から割愛された二章の翻訳という内容。

 英文の引用があるので、横書き左開きのA5版ソフトカバーの本だけれど、第四章だけは普通の小説のように縦書きの右開きで、本書のうしろからさかのぼって読む変則的な構成になっている。

 そのうちの一篇『筏のエピソード』は『ハックルベリー・フィンの冒けん』の巻末あとがきで、柴田さんが「研究者のウェブサイトで公開する」と言っていた通り、ネットでも読めるけれど、本好きにとってはこうして紙で読めるのは嬉しい。

 とりあえず、『ハックルベリー・フィンの冒険』を大学の授業で学んだり、卒論のテーマに取り上げようって学生にとっては、願ってもない副読本だと思う。

 まぁ、僕にとっては、自分がいかに英語ができないかを痛感させられた、手痛い一冊だったりした。

 この本ではなく『ハックルベリー・フィンの冒けん』で知ったのだけれど、マーク・トウェインは僕の亡父と誕生日が同じだった。しかも生まれたのは九十九年前。あと一年ずれていれば百年できりがよかったのに……。ってまぁ、うちのお父さんはマーク・トウェインとか一度も読んだことがなさそうだったけれど。

 ちなみに僕が生まれたのは夏目漱石の命日の翌日で、それも漱石が他界したちょうど五十年後だったりするので、日米の文豪とのそこはかとない接点がそれぞれ微妙に的を外しているところが親子だなぁと思った。

 ほんとどうでもいい話でごめん。

(Oct. 4, 2025)



【相棒】
しろくろや

【Shortcuts】
音楽 作品 / ライブ / 会場 / 購入 / エレカシ
作品 / 作家 / 翻訳家 / 出版社 / 読了 / 積読
映画 作品 / 監督 / 俳優 / / シリーズ / ドラマ
蹴球 鹿島 / Jリーグ / 日本代表 / W杯

【新譜】
10/151R+1 / 十明
10/17Nebraska '82: Expanded Edition / Bruce Springsteen
10/17All is Love and Pain in the Mouse Parade / Of Monsters And Men
10/17Deadbeat / Tame Impala
10/31Bootleg Series Vol. 18: Through The Open Window / Bob Dylan
10/31We Are Love / The Charlatans
10/31Everybody Scream / Florence + The Machine
11/07Sad and Beautiful World / Mavis Staples
11/14Eusexua Afterglow / FKA twigs
11/14Black And Blue [Deluxe Edition] / The Rolling Stones
11/21Around The World in A Day [Deluxe Edition] / Prince
11/21Anthology 4 / The Beatles

【コンサート】
10/27宮本浩次@日本武道館
12/22ずっと真夜中でいいのに。@東京ガーデンシアター
12/27RADWIMPS@有明アリーナ

【サッカー】
10/17[J1 第34節] 神戸-鹿島
10/26[J1 第35節] 京都-鹿島
11/01[ルヴァン杯・決勝] 柏-広島
11/08[J1 第36節] 鹿島-横浜FC
11/22[天皇杯・決勝]
10/30[J1 第37節] 東京V-鹿島
12/06[J1 第38節] 鹿島-横浜FM

【新刊書籍】
10/30『プレイグラウンド』 リチャード・パワーズ
12/01『高校のカフカ、一九五九』 スティーヴン・ミルハウザー

【準備中】
10/12秒速5センチメートル
10/12ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ
10/13ジェイムズ

【過去のコンテンツ】
Coishikawa Scraps Bootleg 2.0