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2026-06-27『村上朝日堂超短編小説 夜のくもざる』 New!
2026-06-24宮本浩次@ぴあアリーナMM
2026-06-22W杯・チュニジア-日本
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村上朝日堂超短篇小説 夜のくもざる

村上春樹・安西水丸/新潮文庫/Kindle

村上朝日堂超短篇小説 夜のくもざる(新潮文庫)

 村上春樹という人の評価が賛否両論に分かれるのは――そして僕が春樹氏を無条件に受け入れられない理由は――こういう作品があるからなんだろうなぁって思うような一冊だった。

 『カンガルー日和』につづく二冊目の超短編小説集。

 とはいっても、こちらは安西水丸氏とのコラボで、連載誌の広告として掲載されたものとのことで、あちらよりももっと短い。

 僕が読んだ端末だと、小説本編は一話あたり三ページ足らず。『カンガルー日和』の表題作は九ページだから、一遍あたりのボリュームは三分の一。あちらが超短篇だとしたら、超々短篇って感じだ。

 さすがにそのページ数だと起承転結のある物語をつむぐのは難しいので、内容はワン・アイディアで笑いを誘うようなものが中心となっている。

 その内容がなぁ……。

 よくいえば無邪気でユーモラス。悪くいえば幼稚で馬鹿っぽい。

 単行本の刊行が1995年の六月だから、『ねじまき鳥クロニクル』と同時期の作品だ。すでに作家としての地位を確固たるものにしていた村上氏が、そのステータスからすると軽薄すぎる嫌いがあるこういう本を臆面もなく出しているという事実が、この人の評価を二分しているんじゃなかろうか。

 だって『ねじまき鳥クロニクル』を読んでファンになった人が、同じような作品を期待して表題作の『夜のくもざる』を始めとした動物がしゃべる系の話を読んだら、やっぱとまどうでしょう? なにこれって話になる。

 中には『夜中の汽笛について、あるいは物語の効用について』みたいな味わいのある短篇もあるけれど、それはほんの一握りで、あとはナンセンスなものばかりだ。

 そういう村上さんを「おもしろい」「かわいい」と受け入れられる人を世間ではハルキストと呼ぶんだろう。残念ながら僕はそういう読者ではないので、うーんって感じになってしまう。

 とくに引っかかったのが『激しい雨が降ろうとしている』という作品のなかの一節。

 「これは小説ではなくて、ほんとうにあった話」と断って始まるこのエッセイの中で、春樹氏は若いころの自分について、「議会制民主主義に対して不信感を抱いており、一度も投票したことがない」と書いている。

 以前のエッセイでは子供はいらないっていっていたし、村上春樹という人が基本的に社会とは最低限しかかかわらないという姿勢を貫いているのは知っている。

 それは仕方ない。子供をつくらなかろうと、選挙にいかなかろうと、それは個人の自由だ。他人が口出しをすべきことではないと思う。人に迷惑をかけないかぎり、なにをするのも自由だ。僕だってゆかずに済むならば選挙になんかいきたくない。

 でも誰ひとり子供をつくらず、選挙にいかなくなったら、国は滅びるわけですよ?

 子供がひとりも生まれない国では、国民全員が年老いたあとに働き手がゼロになって、社会が回らなくなる。誰も選挙にいかない国では、立候補した悪人が独裁者になって、戦争を始めるかもしれない。

 僕らがいまのこの平和な日常を維持できているのは、ふつうに子供をつくり、選挙にゆく人たちがいてくれるからだ。

 村上氏の言説からは、そういうあたりまえのことに対する認識が感じられない。その一方でこの本に載っているようなナンセンスなユーモアをまき散らしている姿勢をみると、どうにも尊敬できないよなって気になる。

 選挙にゆかなくても、子供をつくらなくてもいいけれど、つべこべいわずに黙っていればよくないですか?

 「議会制民主主義に対して不信感を抱いており」なんてエクスキューズはいらない。金はいくらでもあるのだろうから、議会制民主主義に不信感を持っているのならば、議会制民主主義がない国を探して移住すればいい。そうもせずに日本でのほほんと暮らしながら「選挙には行きません」なんてのは単に無責任なだけだ。

 この本は英語に翻訳されていないようだけれど、もしも翻訳されて世界中の目に触れるようになった日には、村上春樹がノーベル賞を取ることは金輪際ないだろうなって思った。

(Jun. 27, 2026)

宮本浩次

60周年記念公演 さあ、ドーンと行くぜ!/2026年6月12日(金)/ぴあアリーナMM

 宮本浩次、記念すべき六十歳の誕生日に開催されたバースデイ・コンサート。今年も無事にチケットが取れました。

 今年は遅刻もしなかったし、席もまあまあよし。花道を左手の真横から眺める一階スタンド席。最高とはいえないまでも、宮本の姿が肉眼で追える距離だから、十分にいい席だった。われらがチケット運、いまだ衰えず。

 さて、還暦を迎えた宮本が、六十代最初の一曲に選んだこの日のオープニング・ナンバーは『I love 人生!』。

 それもスタートはステージではなく楽屋から。あの曲のイントロのドラムループに乗せて、これからステージへ向かおうとする宮本の姿をカメラが追う映像がスクリーンに映し出される。まっすぐステージに向かわず、ところどころにおふざけを挟む、おちゃめな六十歳の一挙一動に湧く客席。

 ようやくステージの袖に到着ってところで映像は途切れ、いざ登場ってシーンでは、左右に配置された縦型のスクリーンに、この日の主役の全身像がドーンと映し出される。

 黒のスーツにダークレッドのシャツ。首にはシャツと同じ色のスパンコールのマフラー。でもって黒い中折帽をかぶり、帽子に上から手をあてて、ポーズを取っている。それを見て思いました。

 マイケル・ジャクソンかよっ!

 あとで聞いたら、うちの奥さんもそう思ったらしい。まぁ、僕らの世代にとっては共通認識だろう。あのファッションとポーズを見て、マイケル・ジャクソンを思い出さない人のほうがおそらく少数派だ。

 いやしかし、宮本を見てマイケルかと思う日が訪れようとは……。

【SET LIST】
    【セットリスト】
    [第一部]
  1. I love 人生!
  2. 漂う人の性
  3. 悲しみの果て
  4. over the top
  5. 昇る太陽
  6. ジョニィへの伝言
  7. 哀愁につつまれて
  8. 飾りじゃないのよ涙は
  9. 風に吹かれて
  10. close your eyes
    [第二部]
  11. 夜明けのうた
  12. 愛を抱きしめろ
  13. はじめての僕デス
  14. 今宵の月のように
  15. ロマンス
  16. rain -愛だけを信じて-
  17. 俺たちの明日
  18. ハレルヤ
  19. Today -胸いっぱいの愛を-
  20. あなたのやさしさをオレは何に例えよう
  21. I AM HERO
    [Encore]
  22. 冬の花
  23. P.S. I love you
  24. RESTART

 この日は還暦祝いってことで、その後の衣装もずっと赤を基調にしていた。

 第二部では黒いロングシャツの脇腹あたりに縫いつけられた赤いシフォンのスカーフみたいなやつがひらひらと靡いていた。

 終始クラシックなデザインのものしか身につけない宮本にしては随分と珍しい衣装だなと思ったら、やっぱ着ていて落ちつかなかったのか、二曲ぐらいで着替えて、ふつうの黒の上下に戻ってたのがおかしかった。そのときもネクタイは赤だった。

 でもってアンコールは全身赤! 赤いスーツに赤いシャツ、赤いネクタイ。ただ靴だけが黒い(京極堂の憑き物落しの衣装と逆!――なんて思うのはエレカシファンで俺だけ?)。靴もエナメル製で、光を反射してぴっかぴかだった。

 さすが六十周年。いままでにないお色直し四回は――趣味のよしあしはよくわからないけれど――過去最高にレアだった。

 その一方で音楽自体に関しては、とてもオーソドックス。二曲目に『漂う人の性』を持ってきたときには、エレカシの曲を積極的に取り入れたキャリア総決算的なステージになることを期待したのだけれど、終わってみればレアだったのはそれとラストナンバーくらい。あ、あと「実は歌手デビュー五十周年です」という説明につづけて、縦型サイネージに映し出されたアニメの少年と並んで歌った『はじめての僕デス』くらい(ふたたびこの曲を生で聞くとは思わなかった。こうなると将来的にまだまだ聴く機会がありそうな……)。

 いずれにせよ、それらを除くと、あとはソロのド定番って感じだった。バースデイ・ライブでここまでスタンダードな宮本を感じるセットリストって逆にレアかもって思った。六十歳になった最強の自分を見せたいという意識の表れだったのかもしれない。

 バンドは小林武史、名越由貴夫、玉田豊夢、須藤優というお馴染みの面々。なので音作り的にもおなじみの安定感。宮本がアコギを弾く曲がいつもより多かった気がしたけれど、でも最初だけ弾いてあとは放り出しちゃうパターンがほとんどで、実質的には弾いてないも同然だった。ギターはもっとちゃんと弾いて欲しいぞ。

 新譜『I AM HERO』が出たばかりなので、そのアルバムに収録された新曲がどれだけ聴けるかも注目ポイントだったわけだけれども、初披露された新曲は『愛を抱きしめろ』一曲だけだった。公演終了後にアリーナ・ツアーのスケジュールが発表されたので、新曲はそちらで聴いてくださいってことだろう。

 ちなみにこの曲は第二部の二曲目(『夜明けのうた』の次)に演奏された。宮本には珍しいジャングル・ビート(それともセカンド・ライン? 違いがよくわからない)のこの曲のイントロが鳴った途端、座っていたうちの奥さんがすっと立ち上がった。最近は腰が悪くて率先して立ったりしないのに珍しいなと思ったら、本人曰く、あのイントロを聴いたら身体が勝手に反応しちゃったんだそうだ。ニューオリンズ愛あふれててすごいなって思いました。

 すごいといえば、『over the top』だったかの映像演出――割れたガラスの万華鏡みたいなやつが回転しながら大小様々なサイズで宮本の姿を映し出すやつ――もすごいと思った。さすがAI時代。リアルタイムであの映像を作る演算能力って、もやは理解の範囲外だ。プログラマとしての引退の日近し。

 あと、アンコールの最後だったか、スクリーンに『I love 人生!』のアートワークを模した六十本の蝋燭が映し出されて、それを宮本がオーディエンスと一緒に吹き消す(ふりをする)というフレンドリーな余興があった。ステージを横から眺める形だったせいか、映像系の演出に関しては、印象に残っているのはそれくらい。

 物理的なステージセットだと、第二部の始まりの『夜明けのうた』で、花道のサブステージが一メートルくらい持ち上がったのがレアだった。最近のアーティストではありがちだけれど、宮本もいまやこういう演出しちゃうんだって思った。

 でも宮本さんの場合、複数のスポットライトに照らされたそのステージから、歌の途中で降りてしまう。無人のステージでマイクスタンドだけがスポットライトを浴びている風景は、なんかちょっと間違っている気がした。でもまぁそういう自由気ままなところも、らしいっちゃらしい。

 そういや、この日のライヴはいちばんステージに近い席が三万円もしたので(お土産に虎屋の羊羹がもらえたらしい)、そのことに対するお礼の意味を込めてか、宮本が客席に降りていって、花道のまわりを徘徊するシーンが二度三度あった。まぁ、前にもやっていた気はするけれど、今回はちょっと多めな気がした。

 前回、前々回はいまいちだったようなことを書いてしまったけれど、今回は最初から還暦祝いという特別な回だったので、こちらのご祝儀気分も手伝って、とくに不満に思うこともなく、楽しく観させてもらった。今回は『rain』の口パクにもつべこべいわない。

 でもって、なによりよかったのがラスト・ナンバー。

 アンコールで『冬の花』、『P.S. I love you』という、〆の定番中の定番って二曲を聴かせて、これで終わりかと思ったそのあとに。この日はもう一曲やってくれた。

 それがなんと――エレファントカシマシの『RESTART』~!!!!

 六十歳になったその日の最後に「再出発!」って歌って終わるというね。

 こんなカッコいい締め方ってある?

 やっぱ宮本浩次は六十になってもなお特別だと思わせてくれた最高の一曲だった。

 宮本、お誕生日おめでとう!

(Jun. 24, 2026)

チュニジア0-4日本

FIFAワールドカップ26・グループF/2026年6月20日(日)13:00~(日本時間)/エスタディオ・モンテレイ(メキシコ)/DAZN

 日本代表はこれまで日韓大会以外では一度も第2戦に勝ったことがない――。

 そんな不吉なデータがネットを騒がせたチュニジアとのグループリーグ第2戦。

 三苫、南野、遠藤と主力が故障で招集できなかったこの大会。加えてこの試合ではオランダ戦で怪我をした久保まで欠場を余儀なくされてしまった。

 それでもすっかり選手層の厚くなったいまの日本代表だと、そんな負傷者続出の状況でも問題なし。FIFAランキング45位のチュニジア相手に不覚を取ったりはしない。結果は4-0での快勝だった。

 この日のスタメンは、鈴木彩艶、富安、板倉、伊藤裕樹、堂安、佐野海舟、田中碧、中村敬斗、伊東純也、鎌田、上田綺世の11人。

 3バックを富安、板倉のふたりに入れ替え、鎌田を二列目に移して、ボランチには田中碧を起用。でもって久保のところには伊東純也をスタメン起用してきた。

 キーマン伊東がスタメンって時点で、あ、きょうは大丈夫そうだなと思った。

 そしたら開始わずか2分、中村敬斗のグラウンダーのクロスにゴール前の密集地帯にいた鎌田がヒールであわせて日本が早々に先制~。

 その後も「え、それが決まらないのか~」って決定機を再三作ってチュニジアを圧倒。やや試合が落ち着いてきたかと思った前半30分には、上田綺世のゴラッソで追加点を奪ってみせる。綺世すごっ。

 上田綺世は後半にもワンタッチパスで伊東純也の3点目をお膳立て。さらには佐野海舟のアシストから滞空時間の長いふわっとしたヘディングを決めて、2ゴール1アシストの大活躍でMVPに選ばれた。素晴らしい~。

 アントラーズの推しとしては、佐野海舟のアシストから綺世が決めた4点目がやっぱ胸熱だった。元鹿島のホットライン炸裂!――とはいっても、鹿島では一緒にプレーしたことがないから、僕がふたりの連係を見るのはこれが初!

 そういや、前半の日本は田中碧が最終ラインまで下がってボールをさばくシーンが多くて、海舟はボールに触る機会が少なく、きょうもいまいちかと思ったら、後半に入ってからは田中が前へ出て、海舟が下がる形になって、がぜん存在感が増した。やっぱ佐野はボールに触ってなんぼだよなって思いました。

 いやしかし、前半と後半でふたりの立ち位置を入れ替えるあたり、森保ってもしかしてすごいのか……。

 選手交替は、堂安&鎌田→菅原&鈴木淳之介、中村&富安→鈴木唯人&瀬古歩夢、綺世→後藤啓介の5組。両鈴木に後藤ら、馴染みのない若手が本当に代表にふさわしい選手なのかは、前節の塩貝と同様、いまだによくわからない。

 得点に絡んだ選手以外では、堂安がやたらと守備に献身的でびっくりした。得点力のある彼があれだけ守れれば、そりゃスタメンで使うよなって思った。

 チュニジアではカーリーヘアの10番ハンニバルがキーマンだったようだけれど、富安がマンマークに近いチェックについていて、自由にプレーさせていなかった。

 富安も板倉もぜんぜん普通にプレーできていたので、なぜにオランダ戦でスタメンをはずれたのか謎。強敵ブラジルかモロッコとの対戦が予想される決勝トーナメントの初戦へ向けたローテーションってことなのか。だとしたら森保、まじですごいかも……。

 とにかく、W杯での日本代表ということでいえば、4得点はこれまでの最多得点。1試合で2ゴール決めたのも綺世が初とのこと。しかもこれがFIFAワールドカップの通算1000試合目だったそうだ。そんな記録ずくめの一戦だった。

 ちなみにDAZNは有料のくせしてやたらとCMが入ってうざったいので、前の試合はNHKで観たのだけれど(本田が解説だった)、この日はあえてDAZNにしてみた。BS1の解説は森岡・林陵平コンビだというし、日テレはCMが入るから、ならばウッチーが解説のDAZNのほうがいいかなと思って。

 でもDAZN、やっぱ駄目だ。CM多すぎる上に、理由の説明もなく試合開始直前までウッチーが出てこないしで、なんだか放送事故みたいなことになっていた。給水タイムのときに地上波を確認したら、DAZNではCMが流れているのに、日テレはふつうに会場の様子を映していたりするし。金取っているほうがCMが多いのはどういうことだ。

 次のスウェーデン戦はまたNHKかなって思った。

(Jun. 22, 2026)

オランダ2-2日本

FIFAワールドカップ26/2026年6月15日(月)5:00~(日本時間)/ダラス・スタジアム/NHK

 ワールドカップの開幕から3日目。4年ぶりに日本代表の試合を観た。

 森保が監督を辞めるまでは観ないつもりだったけれど、そうなると今回のW杯をいっさい観ないか、もしくは観るけど日本の試合はスルーするかって、なにそれな選択になってしまう。せっかくDAZNと契約していて、全試合リアルタイムで観られるのだから、もうつべこべいわずに観ることにしました。親善試合じゃなければ、森保采配もそれほどストレスにならないだろうし。この4年間でどれだけ日本代表が進歩したのか、お手並み拝見とゆこうと思う。

 ただし。今回の大会は北中米が舞台で、試合は真夜中から午前中が主体だから、ふつうに9時5時で働いている六十近い身としては、さすがに午前1時とか4時とかの試合を観たり、感想を書いたりするのはきびしい。なので今回は観やすい時間にやっている試合だけ適当に観て、日本代表以外の試合は感想も書かないことに決めました。

 ということで、午前4時からだった開幕戦のメキシコ-南アフリカ戦もパス。1998年に初めてW杯を観て以来、開幕戦をスルーしたのは初めてだ。ちょっぴり残念な気がしなくもないけれど、まぁこれも寄る年波のせいと諦めて、適度な温度感でW杯とつきあってゆこうと思います。

 さて、ということで、2026年FIFAワールドカップの日本代表の初戦。対戦相手はグループ一の強豪オランダ。

 優勝を狙うと大言壮語する森保がこの試合に選んだイレブンは、GKが鈴木彩艶、DFが3バックで渡辺剛、谷口彰悟、伊藤洋輝、ウィングバックは右が堂安律で、左が中村敬斗、ダブルボランチは佐野海舟と鎌田大地、シャドーに久保建英と前田大然、そして上田綺世のワントップという布陣だった。

 試合の3日前にキャプテンの遠藤航が離脱するというハプニングがあって、かわりに板倉がキャプテンを務めると聞いていたのに、その板倉はまさかのベンチ。故障明けの富安のスタメン起用も避けたので、3バックは意外性のある顔ぶれになった。

 もしかして、ずっと日本代表を観てきた人たちにとっては、それほど意外じゃないんだろうか? 少なくても前大会が終わった時点で「次の大会は、渡辺、谷口、伊藤の3バックで戦いますよ」なんていわれたら、「なにいってんの?」って思ったと思う。

 鹿島サポとしては、上田綺世と佐野海舟がスタメン起用されているのがポイント。試合を観ようと思った要因のひとつはこのふたりの出場が予想されていたからだし。元鹿島のふたりが世界とどう渡りあうのかは当然気になる。

 まぁ、とはいえ、結果はふたりともぼちぼちだった。綺世は惜しいシュートが1本あったけれど、目立ったのはそのシーンだけだったし、海舟も二、三、彼らしいボール奪取と巧みなボールさばきを見せるシーンがあったものの、正直そこまで特別でもなかった。

 僕は森保が守田を招集せず、コンディションが計算できない遠藤を呼んでドタキャンしたのは海舟がいればひとりで十分だと考えたためだと踏んでいるのだけれど、この日くらいの出来だとスタメンに定着できるかは微妙な気がした。ただ、守備力が軸のボランチってほかにいないんだよなぁ……。海舟がけがしたら森保はどうする気なんだか。

 そのほかだと綺世と前田大然を併用してきたのがいささか意外だったけれど、FIFAの公式サイトだと大然はMFになっているので、今回は最初からFWの扱いではないのかもしれない。

 ちなみに代表発表時にFWとMFを区別しない曖昧さも僕が森保を嫌いな要因のひとつ。試合当日のメンバー表ではポジションを明記する必要があるんだろうから、それなら最初から男らしく、はっきりしとけよなぁって思う。

 森保の嫌いなところをあげつらっていると、それだけで原稿用紙十枚くらい書けちゃいそうなので、ひとまずこれくらいにしとく。

 まぁ、4年ぶりの代表戦ではあったけれど、その間も試合結果はニュース等で追っていたし、前大会にはいなかった彩艶、渡辺剛、海舟のプレーはJリーグで観ていたので、プレースタイルに馴染みがないのは中村敬斗だけだった。その中村の活躍もニュースで漏れ聞いていたし、そういう意味では意外性があったのは3バックの顔ぶれだけという印象の今回の日本代表だった。

 あ、あと途中出場の塩貝。彼はまったく知らなかった。最後に出てきて、プレータイムも10分程度だったから、どんな選手かまったくわからず。その他の途中出場は、伊東純也、富安、小川航基、菅原の計5名だった。

 今大会は、スローインは5秒以内じゃないといけないとか、選手交替には10秒以上かけちゃいけないとか、いろいろ細かいルール変更がある。運営上のルールでも、国歌斉唱はスタメンだけではなくベンチ入り全員でするとか、暑さ対策のため、試合の途中に給水タイムを取るというのがある。

 給水タイムは「ハイドレーション・ブレイク」というそうだけど、わざわざそんな文字数使ってカタカナ英語にしなくてもいいじゃんって個人的には思う。そもそもこの日は気温20度とかだったらしいので、それだったら中断をはさむ必要がないんじゃって気がするけれど、試合ごとに取ったり取らなかったりだと不公平だし、理由もわかりにくいから、一律ブレイク入れましょうってことなのか。いろいろ面倒くさい世の中だ。

 こういう試合内容に関係のないどうでもいい話って、いままでだと日本代表以外の試合を観て書いていたと思うんだけれど、今回は日本の試合しか書かないので、どうにも無駄話が増えてしまう。いけません。

 さて、肝心の日本代表の初戦がどうだったかというと――。

 正直、スコアレスで終わった前半はどんなだったか記憶にない。午前5時に起床してすぐ観始めたので、まだ頭が働いてなかったのかもしれない。

 試合が動いたのは後半5分。オランダのキャプテン、ファンダイクにセットプレーの流れからヘディングを決められてしまう。高さに負けたとかいうんではなく、単純にマークがずれていただけって失点。

 でもその7分後には日本代表にも同点弾が生まれる。決めたのは中村敬斗。思い切りのいい見事なシュートだった。彼はいい選手だなって思った。

 でもせっかく追いついたのに、それから10分もせずにまた失点してしまったのがいただけない。

 決めたのは、でかい選手ばかりのオランダにあって、身長が僕と変わらないサマーフィルという小柄な黒人の選手。ペナルティエリアの右からの豪快な一発。シュートコースに日本の選手が複数いたのに、あっさりとゴールネットに突き刺さってしまって、なにそれって感じだった。1点目の失点もけっこうイージーな感じだったし、今回の代表って守備がよくなくない?

 まぁ、3バックには急造感があるし、ウィングバックが堂安と中村で、ボランチに鎌田を起用しているって時点で、かなり攻撃的ではあるから、致し方ないのかもしれないけど。でもこの日みたいな失点をしていたんでは、優勝なんてとんだ笑い話だろう。

 森保で不思議なのは、そのあとの選手交替。1点負けている状況で、なぜ富安と菅原を投入する? 菅原なんて堂安との交替だよ? 得点が必要なのに攻撃力下げてどうする――と思ったのだけれど。

 その二人と一緒に入った小川航基がセットプレーからヘディングを決めて同点に追いついちゃうんだからびっくりだよ。もうわけわかんない。森保采配、ミラクルすぎる。

 小川が喜びを爆発させてゴールパフォーマンスを見せたので、誰もが小川のゴールだと思ったこの場面。シュートコースにいた鎌田の頭にあたっていたので、記録は鎌田のゴールになったのもお笑い種。鎌田、ごっつぁんゴール過ぎる。W杯初ゴールを奪われた小川はお気の毒さま。触んなよなぁ、鎌田。

 ちなみにこの得点シーンでCKを蹴ったのは伊東純也だった。後半に入って日本の攻撃が活性化したのは彼が出てきたからじゃないかって気がするし、森保ジャパンの最重要選手は、じつは久保でも堂安でもなく伊東だろうって状況は、4年前と少しも変わっていない気がする。

 ということで、今大会も伊東純也をどう使うかが、日本代表の命運を分けると見た。

(Jun. 19, 2026)

マルドゥック・アノニマス11

冲方丁/ハヤカワ文庫JA/Kindle

マルドゥック・アノニマス 11 (ハヤカワ文庫JA)

 前作から一年ぶり――といいつつ、遅ればせながらの読者の僕にとってはもうちょい短い――となる最新刊は、ラスティによるホテル籠城事件の決着編。

 序盤からゴリゴリと派手なバトルシーンが延々とつづくので、今回はただひたすらバトルあるのみ!――って展開で最後まで押し切るかと思ったらば、だ。

 ある程度ページ数を残して事件に決着がつき、謎の新キャラエド・ゴーリーの意外な正体があきらかになって、ようやく一段落……と思ったあとに。

 しばしのインターバルを挟み、もうひと波乱ある。

 オフィスとクインテットが同時にシザースの襲撃を受け、仲間がばたばたと倒れる緊急事態が発生。

 さらにシザースは、ノーマ・オクトーバーとの結婚を前提にしたおつきあいのため、彼女のウィルスに感染させられて人事不省となったハンターの拉致へと動き出す。

 この窮地を抜け出すため、バジルはバロットへの緊急コールを発動。

 かくして再び――ではなくみたび?――オフィスとクインテットとの共闘による戦いが始まる。今度の敵はシザース!

 なかなか終わりの見えなかったこの物語にも、ようやく真のクライマックスが近づいてきた感じがする。

 つづきはまた来年かぁ……。

(Jun. 16, 2026)



【相棒】
しろくろや

【Shortcuts】
音楽 作品 / ライブ / 会場 / 購入 / エレカシ
作品 / 作家 / 翻訳家 / 出版社 / 読了 / 積読
映画 作品 / 監督 / 俳優 / / シリーズ / ドラマ
蹴球 鹿島 / Jリーグ / 日本代表 / W杯

【新譜】
07/03Confessions II / Madonna
07/10Foreign Tongues / The Rolling Stones
07/22村越弘明 / Harry The Best 谷間の火狗2
07/24Reality Awaits / The Strokes
08/12RADWIMPS 20th ANNIVERSARY LIVE TOUR [BD] / RADWIMPS

【ライブ】
07/17HARRY & THE BIRTHDAY@SGC HALL ARIAKE
10/28BUMP OF CHICKEN@有明アリーナ
02/06BUMP OF CHICKEN@東京ドーム

【サッカー】
06/30[W杯] ブラジル-日本

【新刊書籍】
07/03『夏帆 -The Tale of KAHO-』 村上春樹
07/14『サリンジャー初期短篇全集』 柴田元幸・訳

【準備中】
06/29[蹴] 日本-スウェーデン
(未定)[本] 小説の読み方、書き方、訳し方
(未定)[映] トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン

【過去のコンテンツ】
Coishikawa Scraps Bootleg 2.0