鹿島アントラーズ3-0湘南ベルマーレ
J1・第29節/2025年9月13日(土)19:00/メルカリスタジアム/DAZN
代表ウィークを挟んで2週間ぶりのJリーグ。
鹿島より上の順位にいる3チームは前日に試合があり、首位・京都は難敵・広島相手と引き分け、2位の柏と3位の神戸の直接対決もスコアレスドローに終わった。
そんな風に上位がそろって勝ち点を取りこぼした今節。鹿島にとってはホームゲームだし、相手は降格圏内にいる湘南だ。優勝を目指すならば、ここで勝ち点3を上乗せしないでどうするという試合だった。
で、結果はひさびさの快勝。しっかりと優勝争いに絡んでいけてよかった。
スタメンは早川、濃野、植田、キム・テヒョン、小池、樋口、三竿、チャヴリッチ、エウベル、優磨、レオ・シルバという11人。
左SBに小池を移籍後初めて起用してきたのは、横浜でチームメイトだったエウベルとの連携を考えてのことだそう。あとはダブル・ボランチが樋口と三竿のコンビだったのがちょっとレアなイメージだった(柴崎はなぜだか2試合連続ベンチ外)。
気持ちよく勝ったとはいえ、スコアレスのまま終わった前半は、このところの試合と同じような煮え切らない内容だった。
でもまぁ、今季の鹿島がスコアレスで終わったのは数えるほどだし、相手の湘南は失点数でリーグ1位2位を争うクラブだ。そのまま無得点なんてことはないだろうと思っていたら、後半に予想外の爆発を見せた。
まずはチャヴリッチ。樋口がハイブレスで相手ボールを奪い取ったところから、レオ・シルバ→優磨でつないで作ったチャンスを、きっちりと仕留めた。これぞ鬼木サッカーというワンタッチのプレーがつづいて生まれた美しいゴールだった。これが後半わずか3分。
2点目はようやく生まれた濃野の今季初ゴール。樋口の右CKが逆サイドにに流れたところでフリーでボールを受けた濃野が、落ち着き払ったコントロールショットを決めてみせた。うまいっ! そういう素晴らしいゴールをもっと見たいっ。
駄目押しの3点目はレオ・セアラ。これも濃野がハイプレスで相手ボールを奪ってからのショートカウンター。ボールを拾ったレオ・セアラがペナルティエリアに入り込んで、思い切りよく打ったシュートが、相手DFにあたって浮き球になり、相手GKの手の上をすり抜けて、ゴールマウスの中に落ちた。
前日の試合で京都のラファエル・エリアスが今季16ゴール目を決めて、ついに得点王の称号を奪われていたので、一晩でふたたび追いついたという意味でも貴重なゴールだった。ああいう風に強引に打ったシュートが得点に結びつくシーンが多いので、今季のレオ・セアラには流れが来ている気がする。ぜひともこのまま得点王として今季を終えてもらいたい。
いつもは積極的に選手を代えてくる印象の鬼木だけれど、この日の交替は比較的ゆっくりだった。最初は3得点を決めたあと、後半34分のチャヴリッチ→松村。その後に樋口、レオ・セアラ、エウベルを、津久井、田川、知念に替えて、ここからは、津久井が右SBに入って、濃野が一枚前、松村が左という形。最後は優磨をさげてターレス・ブレーネルを入れた。
ターレス・ブレーネル、エウベルの加入で出番がなくなるかと思っていたけれど、ちゃんと使ってもらえていてよかった。それだけ真面目に取り組んでいるということなんだろう。
守っては日本代表のアメリカ遠征から帰ったばかりの早川(出場機会なし)がしっかりとゴールを守り、無失点のまま試合終了。勝ち点3を積み上げた鹿島が勝ち点で京都と並んで2位となった。
湘南は開幕戦でゴールを守っていた上福元が怪我で長期離脱して、代役に獲得したはずのホープ・ウイリアムスもなぜだかいなくて、吉田舜という28歳の選手がGKを務めていた。でも1点目はこの人の中途半端なフィードを奪われてのものだったし、濃野のシュートも彼がもっと上手かったら止められていたかもってコースだったから、いっちゃなんだけれど、鹿島としては彼がGKで助かった感があった(失礼)。
開幕戦で決勝点を許した福田はデンマークへ移籍していなくなっていたし、キャプテン鈴木章斗や元鹿島の藤井など、あいかわらず勢いのある選手もいるものの、湘南はいろいろ苦しいシーズンを送っているみたいだ。山口智監督、お気の毒さま。
(Sep. 15, 2025)