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  1. マリッジ・ストーリー
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  3. マーベラス・ミセス・メイゼル シーズン3
  4. グリーンブック
  5. ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー
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マリッジ・ストーリー

ノア・バームバック監督/アダム・ドライヴァー、スカーレット・ヨハンソン/2019年/アメリカ、イギリス/Netflix

 主演のふたりを筆頭にアカデミー賞で六部門にノミネートされ、そのうちのひとつでローラ・ダーンが最優秀助演女優賞を射止めたネットフリックス・オリジナル作品。
 『結婚物語』というタイトルに反して、内容はアダム・ドライヴァーとスカーレット・ヨハンソンが演じる舞台監督と女優の夫婦のあいだの離婚劇。
 当初は弁護士抜きで穏当に離婚手続きを済まそうといっていた二人だけれど、ひとり息子の親権をどうするかが問題だったのか、なぜだか奥さんがローラ・ダーン演じる弁護士を雇ったことから、話はどんどんややこしくなってゆく。
 あぁ、離婚って本当に大変なのねって。観ていると、どちらがどうというわけでもなく、主役ふたりへの同情心がわいてきてしまような作品だった。すんげーおもしろいって映画ではないけれど、内容はどうしようもなく切実。
 それというのも出演者全員の演技の素晴らしさに追うところが多いように思う。ほんと、アダム・ドライヴァーなんて、これまで観たことがないほどのいい演技をしている――って、まあ、これまでに僕が観たことのある彼の演技って、『スター・ウォーズ』限定なわけだけれど。カイロ・レンの役はなんだったんだってくらい、この映画の彼は素晴らしい。
 そういや、スカーレット・ヨハンソンは『アベンジャーズ』のブラック・ウィドウ役だから、この映画ってスター・ウォーズとアベンジャーズの主役級どうしの離婚劇なわけだ。そう思うと上手くゆかないのもさもありなんな感じ。
 監督のノア・バームバックは僕の知っている映画では『マーゴット・ウェディング』を撮った人だった。あれもなんだかいびつな印象の作品だったけれど、これもその点は同じ。もしかして家族の破綻を描くのが大好きな人なのかもしれない。でもってその手腕はこの作品では冴えわたっている。
 もしかして離婚を考えているアメリカ人にこれを観せたら離婚を思いとどまるんじゃないかって思ってしまような映画だった。
(Mar. 01, 2020)

ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル

ジェイク・カスダン監督/ドウェイン・ジョンソン、ジャック・ブラック、ケヴィン・ハート、カレン・ギラン/2017年/アメリカ/Netflix

ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル (字幕版)

 気軽なコメディが観たくなって選んだ『ジュマンジ』の続編――といいつつ、これを続編と呼んでいいのか、疑問を感じる内容だった。
 ロビン・ウィリアムズが主演した前作――すっかり忘れていたのでこの映画のあとに観直した――はボードゲームの内容が現実世界に溢れだしてパニックを引き起こすってコメディだったけれど、この続編は発想が逆。コンピュータ・ゲームの世界に主人子の高校生四人が入り込むという、もろRPG的な内容になっている。
 なんでボードゲームがテレビゲームに変身しちゃうんだかはわからないけれど、もともとが説明不能な魔法を前提とした話なので、そこはまあご愛嬌。今作では現実とは違う世界へ入り込むというヴァーチャル・リアリティーな設定を利用して、主人公たちをそれぞれ本来とは別のキャラクターに変更してみせたところがポイント。
 ゲームオタク青年は筋肉むきむきのマッチョな博士に、体育会系の黒人青年は運動能力ゼロの小柄な黒人荷物持ちに、ケータイ命のギャルは小太りの男性地図学者に、理屈屋の女の子はスレンダーな女性格闘家に。本来の自分とは違ったキャラを割り当てられた彼らの行動のミスマッチが大いに笑いを誘う。
 前作は少年がゲームに取り込まれて二十年以上が過ぎたという設定ゆえに、少年の失踪事件という悲劇を踏まえたシナリオになっていて、ばかばかしい中にもいくらか風刺性を感じさせるところがあったけれど、今回はいかにも最近の映画って感じで、そういう社会性のようなものはほとんどない。
 まぁ、主人公四人のあいだには校内カーストの軋轢があるけれど、ゲームの世界に入ってからはあっという間に関係性が逆転してしまうし、ライフが三つあって一度死んでもやり直せるというテレビゲームならではの設定ゆえに、物語全体はいたって能天気だ。
 ということで、それなりに笑えるシーンは多かったけれど、映画的にはいさかかイージーすぎるかなあって思う。印象的には『ジュマンジ』の続編というよりは、どちらかというと『LOST』の島を舞台にインディ・ジョーンズの世界観をベースにして作った短すぎるRPGみたいな映画だった。
(Feb. 29, 2020)

マーベラス・ミセス・メイゼル シーズン3

エイミー・シャーマン=パラディーノ製作/レイチェル・ブロズナハン、マイケル・ゼゲン、アレックス・ボースタイン/2019年/アメリカ/Amazon Prime Video(全8話)

マーベラス・ミセス・メイゼル シーズン3 (字幕版)

 平凡な主婦だった主人公がスタンダップ・コメディアンとして立身出世してゆく姿を描くアマゾン・オリジナル・ドラマの第三シーズン。
 今シーズンはこれまでに増して見所たっぷりでにぎやか。
 ミッジ(レイチェル・ブロズナハン)の元夫ジョール(マイケル・ゲゼン)はチャイナタウンでクラブ経営者の道を歩みはじめるし(なんと中国人の彼女までできる)、ミッジの両親エイブとローズ(トニー・シャルーブ&マリン・ヒンクル)はエイブの失業を機に家計が破綻して宿なしとなってしまう。
 マネージャーのスージー(アレックス・ボースタイン)はミッジとは犬猿の仲のソフィ・レノン(演じるは『グリー』のスー先生ことジェーン・リンチ)のマネージャーを兼任するようになって、ソフィをブロードウェイ俳優として成功させるために奔走するようになる。
 主人公のミッジもグラミー受賞者だという設定の黒人歌手シャイ・ボールドウィン(リロイ・マクレイン)のオープニング・アクトとしてツアーに同行するようになるから、それなりにいろいろ事件はあるんだけれど、まわりの人々がそんな風にそれぞれ激動の人生を送っているので――特に両親とソフィの駄目っぷりがすごい――順風満帆な彼女は比較的印象が薄め。
 スージーも意外な愛されキャラっぷりを発揮して仕事を成功に導いてゆくので、今回は主役コンビの株があがるばかりだなぁと思ってみていたら、ところがどっこい、最後に思わぬどんでん返しが――。あらら。こりゃまた次のシーズンはいろいろ大変そうなことになりそうな……。
 このシリーズ、とうぶん終わりそうにない。
(Feb. 25, 2020)

グリーンブック

ピーター・ファレリー監督/ヴィゴ・モーテンセン、マハーシャラ・アリ/2019年/アメリカ/WOWOW録画

グリーンブック(字幕版)

 去年のアカデミー賞受賞作。
 黒人ミュージシャンの運転手を務める白人の話だというので、『ドライビング Miss デイジー』のネガポジ逆転バージョンみたいな?――と思っていたら、あたらずとも遠からず。主人公がマッチョなイタリア系の白人で、乗っける相手が博士号を持つエリート黒人音楽家だから、通常の白人・黒人の関係が逆転しているところがミソな、あまりべたべたしていないところが魅力の人情話だった。
 この映画はキャスティングとスタッフに意外性があった。
 主演のトニーを演じるのはヴィゴ・モーテンセン。僕が知っているところでは『ロード・オブ・ザ・リング』のアラゴルン役の人。えっ、あのヒーローがここでは腹の出た中年親父かいっ!――って驚いた(いい人だけど)。
 あと、監督のピーター・ファレリーが以前はファレリー兄弟として知られていた兄のほうと聞いてびっくり。だってあれだ、ファレリー兄弟といえば、『メリーに首ったけ』とかのお下劣なコメディで有名だった人たちだよね?
 その兄がいまやオスカー受賞者――しかも最優秀作品賞の――とは……。
 世の中わかんないもんですねぇって思わされた良作。
 とにかく主人公のさばさばした性格もあって、観ていてとても気持ちのいい作品だった。感触的には『ドライビング Miss デイジー』よりも、去年観た『最強のふたり』に近いと思った。そういや、実話をベースにした白人と黒人の友情の物語ってところがもろ同じだ。あの映画が好きな人は必見。
(Feb. 25, 2020)

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー

ロン・ハワード監督/オールデン・エアエンライク、ウディ・ハレルソン、エミリア・クラーク/2018年/アメリカ/WOWOW録画

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー (字幕版)

 若き日のハン・ソロがいかにしてチューバッカと出逢い、ミレニアム・ファルコン号で冒険をするようになったかを描くスター・ウォーズのスピンオフ。
 いまいち気が乗らなかったのでいままで放置してあったこの映画を、『スカイウォーカーの夜明け』でシリーズが完結したのにあわせて、いまさらようやく観た。
 僕が思うこの映画の問題はただひとつ。ハン・ソロをハリソン・フォード以外の俳優が演じていること。
 『男はつらいよ』の寅さんを渥美清さん以外の人が演じたら「贋作」を名乗らざるを得ないのと同じことで、初代スター・ウォーズのキャスト――ルーク、レイヤ、ハン・ソロ――に関しては、最初の三人以外の配役は考えられない。「これは若いころのハン・ソロの話です」といわれても、まるでぴんとこない。それがこの映画のいちばんの欠点だと思う。
 その点をのぞけば、それなりにおもしろい作品だった。いまどきのSF作品だけあって映像はあたりまえのように綺麗で迫力満点だし、ハン・ソロ役のオールデン・エアエンライクという人こそ知名度が低いけれど、ソロの恋人キーラ役のエミリア・クラークは『ゲーム・オブ・スローンズ』の主要キャストらしいし、そのほかにソロの仕事仲間役でウディ・ハレルソン、ランド・カルリジアン役でドナルド・グローヴァー(チャイルディッシュ・ガンビーノ)が出演していて、スター・ウォーズ・シリーズにしては珍しくキャスティングが豪華なのもいい。監督がロン・ハワードってのも、なにげにびっくりポイントだったりする。
 なので、とにかく問題は主役がまったくハン・ソロには見えないこと。見た目がハリソン・フォードというよりは、ディカプリオやブラッド・ピット系で、イケメンはイケメンなんだろうけれど、スター・トレックの最新シリーズでカークを演じるクリス・パインにも似た雰囲気があるし、スター・ウォーズではおなじみのストームトルーパーなんかも出てこないから、なんだかスター・ウォーズというよりはスター・トレックを見ているみたいな気分になってしまった。
(Jan. 19, 2020)