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  5. ザ・ローリング・ストーンズ オレ!オレ!オレ! トリップ・アクロス・ラテン・アメリカ
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ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー

ロン・ハワード監督/オールデン・エアエンライク、ウディ・ハレルソン、エミリア・クラーク/2018年/アメリカ/WOWOW録画

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー (字幕版)

 若き日のハン・ソロがいかにしてチューバッカと出逢い、ミレニアム・ファルコン号で冒険をするようになったかを描くスター・ウォーズのスピンオフ。
 いまいち気が乗らなかったのでいままで放置してあったこの映画を、『スカイウォーカーの夜明け』でシリーズが完結したのにあわせて、いまさらようやく観た。
 僕が思うこの映画の問題はただひとつ。ハン・ソロをハリソン・フォード以外の俳優が演じていること。
 『男はつらいよ』の寅さんを渥美清さん以外の人が演じたら「贋作」を名乗らざるを得ないのと同じことで、初代スター・ウォーズのキャスト――ルーク、レイヤ、ハン・ソロ――に関しては、最初の三人以外の配役は考えられない。「これは若いころのハン・ソロの話です」といわれても、まるでぴんとこない。それがこの映画のいちばんの欠点だと思う。
 その点をのぞけば、それなりにおもしろい作品だった。いまどきのSF作品だけあって映像はあたりまえのように綺麗で迫力満点だし、ハン・ソロ役のオールデン・エアエンライクという人こそ知名度が低いけれど、ソロの恋人キーラ役のエミリア・クラークは『ゲーム・オブ・スローンズ』の主要キャストらしいし、そのほかにソロの仕事仲間役でウディ・ハレルソン、ランド・カルリジアン役でドナルド・グローヴァー(チャイルディッシュ・ガンビーノ)が出演していて、スター・ウォーズ・シリーズにしては珍しくキャスティングが豪華なのもいい。監督がロン・ハワードってのも、なにげにびっくりポイントだったりする。
 なので、とにかく問題は主役がまったくハン・ソロには見えないこと。見た目がハリソン・フォードというよりは、ディカプリオやブラッド・ピット系で、イケメンはイケメンなんだろうけれど、スター・トレックの最新シリーズでカークを演じるクリス・パインにも似た雰囲気があるし、スター・ウォーズではおなじみのストームトルーパーなんかも出てこないから、なんだかスター・ウォーズというよりはスター・トレックを見ているみたいな気分になってしまった。
(Jan. 19, 2020)

スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け

J・J・エイブラムス監督/デイジー・リドリー、アダム・ドライバー/2019年/アメリカ/ユナイテッド・シネマとしまえん

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け オリジナル・サウンドトラック(限定盤)

 スター・ウォーズ九部作のとりを飾る最後の一本『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』をロードショー初日の夜にさっそく観た。
 公開直前からなにやら不人気の噂が漏れ伝わってきていたので、どんなもんかと思っていたけれど、僕にはこの映画、普通におもしろかった。
 なんたって前作の『最後のジェダイ』がひどかったので――観た当時は「まあまあ?」とか思ったけれど、その後、観るたびに評価が下がり、いまはシリーズ最低の作品だと思っている――あれに比べたらぜんぜんマシじゃん? と思う。
 まあ、いきなり往年のあの人が復活しちゃうところとか、ジェダイやシスの超能力が時空を超え過ぎていたり、宇宙船をも破壊するほどに強力なのはいかがかと思うけれど、でも序盤から物語はスピーディーでにぎやかだし、少なくても観ていて退屈はしない(忙しすぎる嫌いはある)。レイとカイロ・レンが荒れ狂う海上でチャンバラを繰り広げるシーンとか、非常にカッコいいと思うし。いまは亡きキャリー・フィッシャーがなにごともなかったかのように普通に出ているのにもじわっとくる。こと一本のSFアクション映画としては、けっして出来の悪い映画ではないだろうと思う。
 ただし、これは熱烈なファンがいるスター・ウォーズの最新作。しかも四十年に及ぶサーガの幕を引く作品だからだろうか。こんなんじゃあ許せないってファンが多いらしい。僕自身は特別スター・ウォーズが好きってわけではないので、あまたのSF映画のうちの一本として普通に楽しく観ることができたけれど、熱烈なファンにとってはどこか納得がゆかないところがあるんでしょう。よくわからないけど。
 まあ、僕はエピソード4~6をリアル・タイムで観ていないせいか、あまり評判のよろしからぬエピソード1~3もおもしろかったっていえちゃう人間なので、基本的にこのシリーズのコアなファンとは趣味が合わないのかもしれない。
 とりあえず、あの前作のあとを受けてシリーズに決着をつけるのは大変だったんだろうなと思う。J・J・エイブラムスにお疲れ様でしたといいたい。
(Dec. 30, 2019)

ドクター・スリープ

マイク・フラナガン監督/ユアン・マクレガー、レベッカ・ファーガソン、カイリー・カラン/2019年/アメリカ/ユナイテッド・シネマ浦和

Doctor Sleep

 U2のライブの日に、一時からの物販に並んだために、七時半の開演までに時間をつぶす必要があったので、最寄りの映画館でも観て過ごそうと思って、選んだ映画がこれ。『シャイニング』が好きなうちの奥さんが観たがった、あの映画の四十年ぶりの続編。
 いやしかし、スティーヴン・キングがキューブリックの撮った『シャイニング』を嫌っているという噂を聞いた覚えがあるけれど、この続編を観てみて膝を打った。この映画はものの見事に『シャイニング』と違う。でも、それでいてものすごくスティーヴン・キングらしい。なるほど、キングが書いた『シャイニング』ってこういう話だったんだって思った。
 とにかく前作とまるで世界観が違う。
 物語の中心となるのは、子供を生贄にする不死のヴァンパイア集団(とはいっても血は吸わないサイケデリックなヒッピー風の人たち)と、彼らに狙われる黒人の超能力少女。そしてその女の子とテレパシーで通じる主人公が、前作での惨劇を生き残った男の子の慣れの果てであるユアン・マクレガーという設定。でもって、その両者のあいだでけっこう派手な超能力バトルが繰り広げられる。
 ほんと、そのテイストは密閉状態での雪山で精神的に病んでゆく主人公の狂気を描いた映画版『シャイニング』とはまるで別物。
 でもこういう続編が作られるってことは、もともと『シャイニング』の原作にはこういう内容が盛り込まれていたってことだよね? それを映画化したのがあの内容ならば、そりゃ原作者はおもしろくないだろうなぁって思いました。
 ほんとあまりに違いすぎるから、なんでこれが『シャイニング』の続編なんだ?」って不思議になる。少なくても全体の四分の三くらいまでは。
 でもそのあと、最終コーナーに入ってようやくこの映画は、とてもわかりやすい形で『シャイニング』につながる。でもってようやく前作からの伏線を回収して、大団円を迎える。
 しかしまー、そこまでに至る展開のにぎやかなことったらない。まごうことなき超能力SFホラー。これぞまさにスティーヴン・キング印って作品。
 ようやくスティーヴン・キングが『シャイニング』をキューブリックから取り戻した――そういう意味での記念すべき作品なのではなのかもしれない。来年は両方あわせて原作を読もうかな。
 それにしても映画館でホラーを観ると、自宅で昼間に観るのと違っていっさい雑音がないから、静かなシーンのおどろおどろしさが違いますね。ホラーを観るなら映画館っていいかもと思った。
(Dec. 15, 2019)

アイリッシュマン

マーティン・スコセッシ監督/ロバート・デ・ニーロ、ジョー・ペシ、アル・パチーノ/2019年/アメリカ/Netflix

 マーティン・スコセッシが『グッドフェローズ』のロバート・デ・ニーロとジョー・ペシに『ゴッドファーザー』のアル・パチーノを競演させた、ネットフリックス製作の話題のギャング映画。
 原作は60年代に一世を風靡した全米トラック運転組合(チームスター)のボス、ジミー・ホッファ――この映画によれば、当時はエルヴィスやビートルズ並みの人気だったとか――の謎の失踪事件の真相を描いたノンフィクションだそうで、タイトルの『アイリッシュマン』はアル・パチーノ演じるホッファさんのことだと思うけれど、メインとなるのはデ・ニーロ演じるヒットマンらのイタリア人たち。要するにこれは『ゴッドファーザー』や『グッドフェローズ』などに連なるマフィア映画の最新作だ。
 それをかの三人を主役に、ちょい役にハーヴェイ・カイテルまで配し、さらにはボビー・カナヴェイル、スティーヴン・グレアムら『エンパイア・ボードウォーク』でお馴染みの俳優たちに脇を固めさせて、スコセッシが監督しているのだから、もうこれが話題にならないはずがないって作品。出来も当然いい。
 ただし。この映画の三時間半は、僕にはどうにも長すぎた。特に終盤、事件があらかた片がついてからのデ・ニーロの老境を描くシーンがなげーなげー。なにもそんなに淡々と執拗にその後を描かなくたっていいんじゃないかって思ってしまった。
 そもそもこの映画、余命いくばくもなさそうな老人の回顧譚として始まり、その後も回想シーンと平行して、すっかりよぼよぼになったデ・ニーロとペシのふたりがともに奥さんをつれて借金の取立てをしながら旅をするロードムービー的なシーケンスがずっとインサートされているので、本編もやたらと老人度が高いんだった。回想シーンのデ・ニーロたちだって特殊メイクで若返った本人たちだから、基本老人。
 とにかく全編これ老人、老人、老人って印象。スコセッシが自らの老境にいたって、いま現在の自分にとってのリアルを表現したらこうなりました、みたいな感じの豪華激渋老人マフィア映画だった。
(Dec. 05, 2019)

ザ・ローリング・ストーンズ オレ!オレ!オレ! ア・トリップ・アクロス・ラテン・アメリカ

ポール・ダグデイル監督/2016年/アメリカ/Netflix

ザ・ローリング・ストーンズ『オレ! オレ! オレ! ア・トリップ・アクロス・ラテン・アメリカ』【通常盤ドキュメンタリーBlu-ray+ライヴBlu-ray(日本先行発売/日本語字幕付き/日本語解説書封入)】

 ストーンズの映像作品をきちんとフォローしなくなってひさしい。ストーンズがアーカイブ系のライヴ作品を映像と音声の複数フォーマットでリリースし始めた時期が僕の金欠時期と重なってしまい、もうコンプリートは無理だと諦めてしまったのが敗因(どうせちゃんと揃えられないならば、最初から手を出さないほうがまし)。
 それでもできれば新作くらいはきちんとフォローしようと思っているだけれど、これはそんなリリース・ラッシュのなかに埋もれて見落としていた作品。
 そもそもストーンズには歴史的なキューバでのフリー・コンサートを映像化した『ハバナ・ムーン』という作品もあって、僕はそれはWOWOWで観てすませてしまったので、それと姉妹編みたいな印象で、いったいなにが違うんだかわからなかったこの作品も、はなから購入対象外になってしまっていた。
 今回ネットフリックスに入っていることを知って観ることができて、ようやくその内容に納得。『ハバナ・ムーン』はキューバ公演の内容を収録したコンサート・フィルムだったけれど、こちらはそのコンサートに至るまでの南米ツアーの模様を追ったドキュメンタリー・フィルムだった。
 で、これがなかなかおもしろい。演奏シーンは多くないし、そもそも断片的なので、ストーンズの音楽をたっぷりと聴きたいって時には向かないけれど、そのかわりあまり馴染みのない南米各国の人たちのストーンズの来訪に対する熱狂が鮮やかな彩りで描かれていて、野次馬的な視点で楽しんで観ることができた。
 この映画を特にお薦めしたいのがサッカー・ファン。ふだんはスタジアムでの日本代表の強敵としてしか意識していない南米の各国の風景がまとめて観られるのが一興。ブラジル、アルゼンチンあたりは以前になにか別の作品でも観たような記憶があるけれど(なんだったっけ?)、ウルグアイやチリやメキシコがとりあげられるのは初めてだと思うので、そうしたサッカーでしか知らない国の都会の風景やストーンズへの熱狂ぶりが観られたのはとても新鮮だった。
 いやしかし、やはり中南米の人の熱狂ぶりは日本とは桁が違う。
(Dec. 05, 2019)