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Recent Notes

  1. IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。
  2. ジョン・ウィック:チャプター2
  3. カフェ・ソサエティ
  4. バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生
  5. マン・オブ・スティール
    and more...

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。

アンディ・ムスキエティ監督/ジェームズ・マカヴォイ、ジェシカ・チャステイン/2019年/アメリカ/Netflix

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。(字幕版)

 前作で“イット”と戦った少年たちが大人になって再びピエロのペニーワイズと対峙するシリーズの完結編。
 前作を観たあとで原作を読んだので、今回はそれを踏まえての話になるけれど、今作も基本的にはかなり原作に忠実な内容になっていると思う。冒頭でゲイのカップルがイットに襲われるシーンとか、省略してもよさそうなシーンなのに、きちんと原作を踏まえて映像化されている。
 原作からの変更点でもっとも大きなものは、ビルの奥さんとベバリーの旦那が事件にかかわってこない点。あと少年少女たちが前回の事件のときに経験した(さすがにそれを映画化したら教育委員会が黙っちゃいなさそうな)人には言えない秘密が描かれなかった点。
 この二つの変更によって、“イット”との最後の戦いの部分の改ざんを余儀なくされ、結果としてモンスター退治の結末がずいぶんとしょぼい感じになってしまったのがこの映画の残念な点(なんだか子供の口喧嘩みたいだった)。
 でも、それ以外の点ではけっこういい出来映えだと思う。二時間半を超える長さがほとんど気にならなかったのがその証拠。ジェームズ・マカヴォイをはじめとした俳優陣がそれぞれ子供時代の面影を残している感じなのもいい。こういう的確なキャスティングができる懐の広さがハリウッドの強みだよなぁと思う。
 そういえば、メインは大人になってからの話ではあるけれど、回想シーンとして前作の子供たちの出番もけっこうあるので、あの子たちが好きだった人も引きつづき楽しめる内容だと思う。
 まぁ、ホラー映画としてはそれほど怖くない――というか、びっくり箱的な驚かせ方が多くて、思わず笑ってしまようなシーンも多かった――ので、身の毛もよだつようなホラー映画が観たい人には期待外れかもしれないけれど、とりあえずホラーが苦手な僕にはほどよい感じの、なかなかおもしろい映画だった。
(Aug. 23, 2020)

ジョン・ウィック:チャプター2

チャド・スタエルスキ監督/キアヌ・リーヴス、コモン、ローレンス・フィッシュバーン/2017年/アメリカ/Amazon Prime Video

ジョン・ウィック:チャプター2(字幕版)

 愛犬を殺された伝説の殺し屋の壮絶な復讐を描いたキアヌ・リーヴス主演のバイオレンス・アクションの続編。
 前作につづき、今回も派手なアクションシーンと銃撃戦だらけ。まあ、それが売りの映画なんだろうけれど、あまりに過剰にそういうシーンばっかりなので、僕はいささか食傷気味になってしまいました。こんなに主人公が車にはねられまくる映画も珍しいと思う。
 そもそもなぜに僕は主人公が撃たれても死なないのかがわからないし(防弾仕様の特殊スーツを着ているとかいう噂)、どうして主人公が犬と一緒にいるのかもわからない。前作で新しい犬を飼ったんでしたっけ?
 いろいろとわからないことが多い中、延々とバトル・シーンがつづくのを観ていたら、なんだかとても眠くなってしまった。いまいちこのシリーズとは相性がわるい気がする。でも今回は明らかに続編がありますって終わり方をしているので、懲りずに次回作もたぶん観てしまうんだろうと思う。
 とりあえず、邦題が『ジョン・ウィック:チャプター2』と原題のまんまで、「炎の復讐」みたいな陳腐な装飾がついていないのはよいと思います。
 キアヌ・リーヴスと戦っている感じのいい黒人がラッパーのコモンだと知って、ちょっとびっくり。
(Aug. 23, 2020)

カフェ・ソサエティ

ウディ・アレン/ジェシー・アイゼンバーグ、クリステン・スチュワート/2016年/アメリカ/Amazon Prime Video

カフェ・ソサエティ(字幕版)

 ひさしぶりのウディ・アレン作品。すっかり映画を観る時間が減ってしまったので、アレン作品コンプリートへの道はまだまだ先が長い。
 2016年公開のこの作品は、ハリウッドの大物プロデューサーである叔父をたよってニューヨークからハリウッドにやってきた青年が恋した叔父さんの美人秘書がじつは……というロマンティック・コメディ。
 特別にどこがすごいという映画ではないけれど、でもそこはウディ・アレンだけあって安心して楽しめる良作。なにごともCG頼りの大味な映画があふれかえる2010年代になってなお、こういう奇をてらわない昔ながらの良質なコメディをあたりまえのように作れるのって、逆にそれだけでもうある種の偉業なのではという気がする。
 キャスティングもいい。ジェシー・アイゼンバーグはウディ・アレンの主人公を演じるにはうってつけだし(背は高いけれど)、ヒロインのクリステン・スチュワートもかわいい。主人公の叔父役でスティーヴ・カレルがまるで笑いどころのない役をふつうに演じているも意外といい感じだ。
 クリステン・スチュワートって僕はこれまで知らなかったけれど、『パニック・ルーム』の子役にして、トワイライト・サーガの主演の子なんですね。トワイライト・サーガってある種のアイドル映画だと思いこんでいたからまったく眼中になかったけれど、この映画の彼女はとても好印象だったので、そんな彼女がヒロインならば、ちょっと観てみたいかもって思った。
(Aug. 23, 2020)

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生

ザック・スナイダー監督/ベン・アフレック、ヘンリー・カヴィル/2016年/アメリカ/Amazon Prime Video

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(字幕版)

 新バットマンにベン・アフレックを配して『マン・オブ・スティール』のつづきを描くDCエクステンデッド・ユニバースのシリーズ第二弾。監督もひきつづきザック・スナイダーが務めている。
 この映画は過去のバットマン映画でも繰り返し描かれた――それこそつい先日『ジョーカー』でも観たばかりの――ブルース・ウェインの両親が射殺されるエピソードから幕を開ける。そしてブルースが地下の洞窟に転落して、コウモリの群れに襲われるという、バットマン誕生秘話ともいうべき象徴的なシーンも描かれる。
 ここまでは、まあよし。正統的なバットマン映画を踏襲しているのだろうし、原作に対するリスペクトが感じられて好感が持てた。
 でもそのあとの展開がいろいろ問題。バットマンがスーパーマンと敵対関係になるにいたる展開が説明不足だし、なによりバットマンのキャラクター設定がいまいちしっくりこない。そもそも洞窟でブルース少年が浮かび上がるシーンの超常性がどういう意味なんだかわからない。この映画のバットマンは特殊スーツを着た大富豪ではなく、ある種の超人なの? それともあれは単なる幻想シーン?
 バットマンは『マン・オブ・スティール』のクライマックス――この映画ではバットマンの視点から再現されているのはよかった――でスーパーマンの戦闘でマンハッタン(ここではメトロポリスという都市らしい)が甚大な被害を負ったことに憤慨して、「こんなやつにゴッサムの運命を任せてられない!」と義憤を感じたらしいのだけれど、その後の彼の行動の善悪があまりに不明瞭で、いい人なんだか悪い人なんだかがよくわからない。スーパーマンとの直接対決シーンも毒ガスなんか使っちゃって、なんかズルしているアンフェア感がすごい。
 『マン・オブ・スティール』同様にスーパーマンの戦闘シーンの天変地異感がはんぱないので、そんな天災レベルの超人を相手に常人のバットマンが互角に戦うという展開に説得力があるはずがない。だからこそ冒頭のシーンでバットマンを一種の超人っぽく描いてみせたとか? でもまったく成功していないから。できるかぎり五分の戦いに持ち込むためにあの緑のガスでスーパーマンを弱らせたりしてみせたのだろうけれど、あれってバットマンの弱さと卑怯さを際立たせただけにしか思えない。
 ジェシー・アイゼンバーグ演じるレックス・ルーサー――スーパーマンのライバルとして、バットマンにとってのジョーカー的な立ち位置のキャラらしく、1978年の『スーパーマン』実写版でジーン・ハックマンが演じているのがこの人とのこと――がふたりの対決に割って入る奇人の大富豪役として、エキセントリックな演技を見せているけれど、彼が定番のヴィランだって知らない僕らにとっては、なんなのこの人って感じで、彼が物語に絡んでくる理由もよくわからない(宇宙人の宇宙船が指紋認証なのもすごい)。そして哀れを誘うスーパーマンの末路……。なんでこの内容で最後があんなにお涙頂戴なんだ。
 ほんと、原作を知らない僕らのような観客にとっては、いったいなんなのこれって映画だった。マーベルの作品が原作を知らなくても普通に楽しめるのと大違い。DCコミックスはマーベルに大きく水をあけられていやしないだろうか。
 終盤になって唐突に正体をあらわして超絶的な強さを見せるワンダーウーマンとか、なぜにそんなに強いんだって気になったから、彼女が主役の続編にも興味がなくはないんだけれど、でも最初の二作がこの出来だと、このシリーズはもういいかなぁって気がしてしまう。
 ベン・アフレックはバットマン役としては過去でいちばん好きだったし、ジェシー・アイゼンバーグの演技もそれ自体はよかったので、この映画全体の出来栄えはほんと残念だった。
(Jul. 29, 2020)

マン・オブ・スティール

ザック・スナイダー監督/ヘンリー・カヴィル、エイミー・アダムス/2013年/アメリカ/Amazon Prime Video

マン・オブ・スティール(字幕版)

 『ウォッチメン』の監督ザック・スナイダーによる『スーパーマン』のリメイク版。
 DCエスクテンデッド・ユニバースというシリーズの第一作目で、それにつづく第二弾の『バットマン vs スーパーマン』に興味があったので、先にこれを観ておくことにした。
 この映画、まずはキャスティングが豪華で驚いた。
 スーパーマンことクラーク・ケントを演じる主演のヘンリー・カヴァルこそマイナーだけれど、クリプトン人であるその父親がラッセル・クロウ、地球での養父母がケヴィン・コスナーにダイアン・レイン、のちに恋人となる新聞記者のロイス・レイン役がエイミー・アダムスで、その上司がローレンス・フィッシュバーン、敵の将軍がマイケル・シャノンと、まわりを囲む俳優陣にオスカー受賞者を含む主演級がずらり。この内容でこの豪華さはいささか無駄なのでは……と思ってしまった。
 でもまぁ、『スーパーマン』ってクリストファー・リーヴが主演を務めた1978年の実写版でも今回のラッセル・クロウの役どころをマーロン・ブランドが演じていたり、敵役でジーン・ハックマンが出演していたそうなので、キャスティングの豪華さはある種の伝統なのかもしれない。
 この映画でもうひとつ驚いたのが、その破壊シーンの過剰さ。スーパーマンと敵との戦闘シーンでマンハッタンが遠慮なく破壊されまくる。その模様はまるでゴジラのようなモンスター映画か大災害映画のよう。そこまで破壊しちゃうのはどうなんだって思わずにいられなかった。宇宙人であるスーパーマンの戦いに巻き込まれて過剰な被害が出る展開には、なんとなくいたたまれない気分になってしまった。
 ザック・スナイダーによる演出もところどころ不親切でわかりにくいし――赤ん坊のまま地球に送り込まれたスーパーマンが次のシーンでいきなり成人していたり、突然北極の宇宙船に登場したりと、説明不足でとまどってしまうようなシーンがあちこちにある――無駄に豪華なキャスティングと過剰な被害ばかりが印象的な、これってどうなんだって思ってしまうようなスーパーヒーロー映画だった。
(Jul. 29, 2020)