ウェンズデー シーズン2
ティム・バートン他・監督/ジェナ・オルテガ、エマ・マイヤーズ/2025年/アメリカ/Netflix(全8回)
『ウェンズデー』のファースト・シーズンは主人公の魅力に全振りしたような作品だった。少なくても僕の印象ではそうだった。
対するこのシーズン2は違う。ウェンズデーがなぜだか未来予知の能力を失ってしまって、一般人に近い存在になってしまうのが影響しているのか、肝心のウェンズデーが前のシーズンに比べると目立っていない。
その分、彼女を取り囲む脇役たちが存在感を増している。エマ・マイヤーズ演じるルームメイトのイーニッド、ウェンズデーのストーカーとして新登場した透明人間の女の子アグネス(イーヴィー・テンプルトン)のふたりは主役を食わんばかりの勢いだし、ウェンズデーの弟パグズリー(アイザック・オルドネス)がネバ―モア学園に入学したのにあわせて、寄付がどうしたという話で父母(ルイス・ガスマンとキャサリン・ゼタ=ジョーンズ!)まで学園で居住するようになって、アダムス・ファミリーの全員がレギュラーに昇格。ハンドがじつは……というサプライズまである。
さらにはウェンズデーの元カレや前校長など、ファースト・シーズンで出番が終わったかと思っていたキャラが何人も引きつづき登場してくるし(すっかり忘れていて困った)、そこに今シーズンの重要キャラである時計仕掛けの心臓をもったゾンビや、新校長役のスティーヴ・ブシェミまでが加わるという。レディー・ガガも出演しているけれど、出番は一度だけだった(でもイメージ的にはぴったり)。
そんな多彩なキャラに囲まれて、様々な事件が巻き起こり、物語は前作に増してにぎやかだ。ただおかげで主人公の印象が控えめ。そこだけがやや残念かなと。
そんな今シーズンでもっとも出色のエピソードは、呪いのせいでウェンズデーとイーニッドが『君の名は。』なことになる六話目。いつもとは違う役どころを演じるジェナ・オルテガとエマ・マイヤーズの演技が素晴らしい。
(Sep. 13, 2025)