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  1. ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
  2. インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌
  3. シリアスマン
  4. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
  5. オーシャンズ8
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ゴジラ キング・オブ・モンスターズ

マイケル・ドハティ監督/カイル・チャンドラー、ヴェラ・ファーミガ、ミリー・ボビー・ブラウン/2019年/アメリカ/WOWOW録画

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(字幕版)

 ゴジラ、モスラ、ラドン、キングギドラが一堂に会する『三大怪獣 地球最大の決戦』のハリウッドによるリメイク版。『キングコング:髑髏島の巨神』でその存在がほのめかされたときからとても楽しみにしていた作品だったのだけれども……。
 これもぜんぜん駄目だった。なんでハリウッドがゴジラを撮るとこんなになっちゃうんでしょう?
 渡辺謙演じるキャラの名前が「芹沢博士」だったり、ゴジラを退治するために使われる秘密兵器が「オキシジェン・デストロイヤー」だったり、モスラを研究するアジア系の女性学者が双子だったり、音楽にゴジラやモスラのオリジナル・スコアが使われていたりと、日本のオリジナル・シリーズへのオマージュたっぷりなのはいい。日本人としては素直に嬉しい(そういえばオープニングで東映のクレジットがどーんと出たのにも驚いた)。
 でも、とにかくシナリオがひどい。なにもかもが行きあたりばったりな感じ。人々の行動原理がデタラメすぎて、興ざめはなはだしい。怪獣映画だからって物語も荒唐無稽でいいってことはないでしょうよ。もっとちゃんとしたシナリオを書いてくださいよ。高い金もらってんでしょうに。
 『ストレンジャー・シングス』のミリー・ボビー・ブラウンがメイン・キャストにいるのも楽しみのひとつだったのに、彼女の行動にもいちいち疑問符がついてばかりだし、こんな話じゃまったく盛り上がれない。
 あと、毎度の話だけれど、やはり今回も怪獣のデザインが駄目。
 いや、ゴジラ、キングギドラ、ラドンは悪くない――最新CGは迫力満点。でもあのモスラだけは駄目でしょう? 手足長すぎて、あれじゃ普通に巨大な昆虫じゃん。仮にも南海の孤島で「神」と崇められる存在なのだから、もうちょっとキュートでないと。「クイーン・オブ・モンスターズ」とか持ち上げといて、あの扱いはひどい。がっかりもいいところ。あと、キングギドラの再生能力が超絶的に高いのも興ざめだった。
 ということで、劇場で観ようか迷ったくらい楽しみにしていた作品なのだけれど、観てみたらはずれもいいところだった。わざわざ映画館で観なくてよかった。もうほんとがっかり。
 次回作は『ゴジラVSコング』らしいけれど、このモンスターバースというシリーズには期待しちゃいけない気がしてきた。
(May. 24, 2020)

インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌

ジョエル&イーサン・コーエン監督/オスカー・アイザック、キャリー・マリガン/2013年/アメリカ、フランス/WOWOW録画

インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌(字幕版)

 もう一本つづけてコーエン兄弟の作品。
 1960年代のグリニッジ・ヴィレッジを舞台に、知人の部屋のソファーからソファーへと渡り歩きながらその日暮らしをしている売れないフォーク・シンガーの姿を描いたペーソスたっぷりのコメディ映画。
 その時代のフォーク・シンガーといえば、なによりまずはボブ・ディランだから、主人公はディランをモデルにしているのかと思ったら違う。主人公のルーウィン・デイヴィス――演じるのは『スター・ウォーズ』最新三部作でポー・ダメロン役を務めたオスカー・アイザック――には自殺した相棒とコンビで活動していた過去があるし、それ以前に、明らかにディランだってキャラが最後にちょっとだけ出てくる(歌声を聴いた途端にディランだとわかるのがすごい)。
 ということでこの映画の主人公は邦題のサブタイトルにもなっている通り「名もない男」。まぁ、仮にもレコードを出しているのだから、まったく無名ってことはないだろうけれど、それでも自宅さえないんだから生活力はゼロ。歌手仲間(なんとジャスティン・ティンバーレイクだそうだ)の恋人(キャリー・マリガン)に手を出して妊娠させちゃったりもしているし、世話になった家の愛猫を行方不明にさせちゃったりもする。そんな憎みきれないろくでなし(いや、妊娠させた女の子からはおそらく憎まれている)。
 でもこの人、とりあえず歌とギターは上手いです。『スター・ウォーズ』の彼がこんなに歌えて弾ける人だとは思わなかった。
 そういや、この映画には彼と一度だけ一緒に仕事をする低音ボイスの歌手役で、カイロ・レン役のアダム・ドライバーも出ている(このころはまだ細め。ほんと最近よく見るな)。彼もセールスは主人公とどっこいという役どころ。『スター・ウォーズ』のメイン・キャストが揃って売れない歌手役で競演しているという。そういう意味でもなかなか興味深い作品かもしれない。
 まぁ、なんにしろこれもひとつ前の『シリアスマン』ほどではないけれど、なにが描きたかったんだか、いまいちよくわからない映画だった。とくにジョン・グッドマン演じるジャズ・ミュージシャンとのシカゴへの珍道中とか、なんだったんだろうって感じ。でもまあ、『シリアスマン』よりは楽しく観れました。
 月並みだけれど、ポスターにもなっている猫にまつわるエピソードがいい。猫好きの人はぜひ。
(May. 24, 2020)

シリアスマン

ジョエル&イーサン・コーエン監督/マイケル・スタールバーグ/2009年/アメリカ/WOWOW録画

シリアスマン (字幕版)

 このところマーベルを中心に気楽に観られるエンタメ映画ばかり観ていて、大好きだったはずのコーエン兄弟やイーストウッドの監督作品で観ていない作品がけっこう増えてしまったので、ここいらで最近の作品を一気に観てしまおうって気になった。
 ということでまずは、2009年のコーエン兄弟のこの作品から。
 ――って、いやしかし。この映画はなんなんでしょうかね。
 この映画でコーエン兄弟が描くのは、小さなトラブルの連続に悩まされるユダヤ人の大学教授の話。
 主人公のマーク・スタールバーグは『ボードウォーク・エンパイア』でロススタイン役を演じていた人で――まぁ、いわれないとそうとはわからない――ギャング役だったあのドラマとは打って変わって、ここでの役どころはいたって善良な小市民。
 そんな彼のもとにささやかで不条理な不幸がつぎつぎと巻き起こる。
 無職の兄が居候としていすわり、妻は唐突に離婚を切り出し、その愛人からは自宅を追い出され、大学での永年教職権の審査もなんだか怪しいことに……。
 悩んだ彼はユダヤ教のラビに相談に行くのだけれど、会う人、会う人、くわせものばかり。はてさて、この人は最終的にどうなっちゃうんだろう――と思って観ていたら、この映画は「えっ」って思うような唐突な終わり方をする。
 いったいコーエン兄弟がこの映画でなにを描きたかったのか、僕にはまったくわかりません。そもそも冒頭の前世紀のオカルトっぽいシーケンスはその後にどう絡んでいるんだろうか? あの最後のラビが最初に出てきたラビと同じ人ってこと?
 ――うーん、ぜんぜんわからない。
 たまにこういう作品があるから、コーエン兄弟の作品を観るには覚悟がいるんだよなって。自分が最近マーベルばかり観ている理由が腑におちた一編。
(May. 17, 2020)

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

クエンティン・タランティーノ監督/レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット、マーゴット・ロビー/2019年/アメリカ、イギリス/WOWOW録画

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド (字幕版)

 クエンティン・タランティーノ監督の最新作は60年代のハリウッドを舞台に、レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットのダブル・キャストで描く映画業界の内幕劇。
 とはいっても、この作品で重要なのはこのふたりの競演よりもむしろ、ヒロインがロマン・ポランスキーの妻で、チャールズ・マンソンの信者に殺害されたシャロン・テートであること(演じているのは『スーサイド・スクワット』以来すっかり売れっ子のマーゴット・ロビー)。ディカプリオはポランスキー宅のとなりの屋敷に越してきた落ちぶれ気味の西部劇俳優で、ブラッド・ピットはその相棒のスタントマンという役まわりになっている。
 でもって、この映画でおもしろいのは、そんな主役のふたりと隣人であるシャロン・テートにまったく接点がないこと。
 実在の美女を配役しておいて、主役たちと彼女が最後までまったく絡みがないなんてはずがないのに、観ていてもまったく出会う気配がない。いったいこの人たちがどのように出会うんだろう……という疑問に対するタランティーノの答えがこの映画の最大の見どころだった。
 いやー、実話を下敷きにしたからこそ可能なあの展開はあまりに見事だった。タランティーノすげーってまたもや思わされました。
 アカデミー賞ではブラッド・ピットが助演女優賞を獲っているけれど、ディカプリオの演技もすごくよかった。とくに西部劇の撮影シーンが素晴らしい。映画監督に絶賛されるシーンはお世辞じゃなく本当に最高だと思った。
 どちらかというと僕にはブラピよりもディカプリオの演技のほうがよいように思えたので、これでなぜディカプリオがオスカー獲ってないんだろうと思ったら、この年の最優秀主演男優賞は『ジョーカー』のホワキン・フェニックスだった。ああ、なるほど(まだ観てないんだけれど)。ついてないねぇ、ディカプリオ……。
 作品全体をみると、タランティーノ作品のつねで、あいかわらず「長すぎじゃん?」とは思うし、とくに序盤の西部劇や戦争映画へのオマージュはタランティーノの趣味性全開で、その辺のジャンルが得意でない僕としては親しみにくい部分があるのは否めないのだけれど、それでも、それらがあってこそのあの驚愕のクライマックスが生きてくるわけだから、けちをつけるのはなし。
 すべてが終わったあと、エンド・クレジットの弛緩したムードの中に漂う不穏な空気が絶品だ。こんな映画、おそらくこの人にしか撮れない。
 やはりタランティーノはひと味もふた味も違った。
(May. 10, 2020)

オーシャンズ8

ゲイリー・ロス監督/サンドラ・ブロック、ケイト・ブランシェット、アン・ハサウェイ/2018年/アメリカ/WOWOW録画

オーシャンズ 8(字幕版)

 もう一本つづけて泥棒映画を。
 ジョージ・クルーニー主演でヒットした『オーシャンズ11』シリーズを、サンドラ・ブロックほかの豪華女性キャストに置き換えてリブートしたスピンオフ・ムービー。
 この映画でサンドラ・ブロック演じるデビー・オーシャンは、ジョージ・クルーニーが演じたダニー・オーシャンの妹という役どころ(ダニーさんはこの映画の時点ではなぜかすでに故人)。父親も泥棒だという話だったから、1960年公開のオリジナル版『オーシャンと十一人の仲間』で主演したフランク・シナトラがお父さんという設定なのかもしれない。そこんところはよくわからない。
 物語は兄同様に刑務所から出てきたばかりのサンドラ・ブロックが、収監中に温めていたメトロポリタン美術館での大掛かりな窃盗計画を実施にうつすために、ケイト・ブランシェットをはじめとした仕事仲間を呼び集めるというもの。
 前シリーズ同様、周到な計画をたてて実行に移すという泥棒映画ならではの楽しさが味わえるのがこの映画のいいところだ。まぁ、盗まれた首飾りが発見される場面とかちょっと不自然だし(見つけた人が最初に疑われるだろう)、旧作ではメンバーのひとりとしてカウントされていた計画上とても重要な役どころのメンバーが、シナリオのせいでメンバーとしてカウントされていないのはどうなんだと思うけれど、全体的には楽しめたからまぁよし。
 キャスティングで意外性があったのは、アン・ハサウェイがオーシャンズ8のメンバーではなく、狙われる側のセレブ役であったこと。そのせいもあって、僕が知っている泥棒仲間のキャストは、中心人物であるふたり――そういや、珍しく前髪をたらしたパンキッシュな雰囲気のケイト・ブランシェットもちょい違和感がある――を除くと、リアーナとヘレナ・ボナム・カーターくらいだったので「豪華キャストというほどでもない?」感がなくもなかった。
 でもまぁ、その点は『オーシャンズ11』も同じだった気がするし、ちょい役でダコタ・ファニングが出ていたり(とうぜん気がつかない)、泥棒の舞台となるMETのガラ・パーティーでは『プロジェクト・ランウェイ』のハイジ・クラム(最新シーズンでは降板してしまっていてさびしい)ほかの著名人がたくさんカメオ出演しているから、やっぱ豪華といえば豪華なんでしょう。
 キャスティングで地味によかったのが、事件のあとで盗品の行方を追う保険調査官の役がジェームズ・コーデンだったこと。この人は『カープール・カラオケ』で車を運転しながらゲストと一緒にノリノリで歌いまくる姿がおかしくて、すっかりわが家の人気者(『はじまりのうた』でキーラ・ナイトレイが居候する男友達の役だったこと、つい最近になって気がつきました)。
 なにはともあれこの映画、『オーシャンズ8』というタイトルにしたのは、このあと9、10とつづけて三部作にする腹づもりだったのだろうけれど、それほど評判がよくもなさそうなので、さてどうなることやら。僕はつづきがあれば、喜んで見るけれど。
(May. 10, 2020)