2016年9月の音楽
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- 君の名は。 / RADWIMPS
君の名は。
RADWIMPS / CD+DVD / 2016
映画、音楽ともに大ヒット中の、RADWIMPSによる長編アニメ映画『君の名は。』のオリジナル・サウンドトラック。
収録曲は全27曲で、それらがすべて映画で使われている順番で並んでいるとのこと。そのうち歌モノはわずか5曲で、最後の『なんでもないや』は同じ曲がふたつに分けて収録されているので、実質は4曲。あとはぜんぶインストゥルメンタル・ナンバー。
ということで、大好きな RADWIMPS の新譜とはいえ、それほど聴かないかなぁと思っていたこの作品。意外や僕はけっこう繰り返し聴いている。
たしかにインスト中心ではあるけれど、そこは一個のロック・バンドの作品なので、ギターやピアノを中心としたナンバーがほとんどだから、トレント・レズナーのそれのように打ち込みで不穏なムードを出すふわふわしたものとは違って、とても聴きやすい。歌がない分、ひとつひとつの音の出し方にいままで以上に神経を使っている感じが伝わってきて、その丁寧な仕事ぶりにも好感が持てた。
単にバンド・サウンドだけのアルバムかというとそうでもなくて──というか、ドラムの山口くんが抜けた影響か、それとも映画音楽だからかのか、大半の曲はドラムが入っていないので、バンド・サウンドという表現自体が正しくない気もする──ストリングスだけで厳かに奏でられる『御神体』のように、まるで久石譲みたいな曲もある。後半になると主旋律のはっきりしない、いかにも映画音楽って感じの楽章も増える。でもって、あぁ、きっとこの辺が起承転結の「転」のあたりなんだろうなぁって思う。
そのあと、クライマックスにいたって9分近くもある大曲『スパークル』がきて──この曲は間奏が長くてそこだけでインスト曲一曲ぶんくらいのボリュームがあるので、きっと今後登場する別バージョンではもっと短くなるのが確実でしょう──、インスト1曲を挟んで『なんでもないや』で大団円を迎えるという。あ、この曲がおそらくエンド・クレジットでかかるんだなと思うという。
通して聴くと、映画を観ずしてそんなふうに話の流れがだいたい想像できてしまう。そういう作品に仕上がっている。
全27曲とはいっても、『
節約生活中だから映画はレンタルが始まるまで観ないつもりだったけど、やっぱこれは映画館で観とかなきゃいけないかなぁ……という気がしてきました。
(Sep 25, 2016)