2006年3月の音楽
Index
- ダイアモンドダストが降った夜 / Rosso
- Curtain Call - The Hits / Eminem
- Martika / Martika
- Guerolito / Beck
- 大人(アダルト) / 東京事変
- The Astoria London Live / Radiohead
- The Right Spectacle: The Very Best of Elvis Costello / Elvis Costello
- First Impressions Of Earth / The Strokes
- New Whirl Odor / Public Enemy
ダイアモンドダストが降った夜
Rosso / 2005 / CD
ミッシェルを解散したあとも、ひとり精力的に活動を続けているチバユウスケ。でもなんでもまた別のプロジェクトを始めるとか、なんとか……。このロッソがメインだと思っていたのに、どうにも腰がすわらない印象が強い。よってなんだか、こちらとしてもいまひとつ身を入れて聴こうという姿勢になれないというか……。
ということでこのライブ・アルバムについては残念ながら内容を語れるレベルにない。あしからず。
(Mar 13, 2006)
Curtain Call - The Hits
Eminem / 2005 / CD
頂きもののエミネムの二枚組ベスト・アルバム。
この人の場合、その音楽性については特に語る言葉を持たないけれど、コマーシャリズムの面での打ち出し方の上手さは史上最高じゃないかと思う。デビュー・アルバムで別人格スリム・シャデイを名乗り、二枚目では本名をさらし、三枚目で芸名をまんま出して 『エミネム・ショウ』 と銘打つ。そして4枚目が 『アンコール』 で、このベスト盤が 『カーテンコール』 だ。ネーミングもジャケットのデザインも最高に格好いいし、これほどまでスタイリッシュにアルバムをリリースしてきたアーティストはざらにはいない。あまりの見事さに惚れ惚れしてしまう。
(Mar 13, 2006)
Martika
Martika / 1989 / CD
80年末にデビューしてアルバム2枚だけ残して姿を消したアイドル、マルティカのファースト・アルバム。
わが家には、プリンスが参加したというのでこの娘のセカンド・アルバムがある。コレクター気質が騒ぐせいで、一枚だけあるのもなんだから、どうせならばファーストも揃えてしまいたいと前々から思っていたのだけれど、このたびエミネムが "Like Toy Soldiers" でこのアルバムに収録されている大ヒット・シングルをサンプリングしているのを聴いたことで、ようやく購入する気になったのだった。
でも今さらこういうのを買って、デビュー・シングルの "More Than You Know" を繰り返し聴いてしまっている自分が、やっぱりちょっと気恥ずかしい。
(Mar 13, 2006)
Guerolito
Beck / 2005 / CD
最新アルバム 『Guero』 のリミックス集。あのアルバムの曲順そのままに、全曲の別ミックスが収録されている。おまけにスペシャル・エディションのボーナス・トラックとして収録されていた "Clap Hands" も入っているのは、ちょっと反則な気が……。
なんにしろ、リミックス集というよりもオルタネイト・バージョンという感じの統一感のあるアルバムで、ベックの才人ぶりをよく表している。
(Mar 13, 2006)
大人(アダルト)
東京事変 / 2005 / CD
圧倒的な完成度を認めながらも、いまひとつ馴染めなかった 『加爾基 精液 栗ノ花』 。
新たなスタートを祝福すべきだと思いつつも、まるで楽しめなかった 『教育』 。
そうして今回の 『大人』 でもやはり僕は椎名林檎の新しい作品に特別な思い入れを持てないでいる。
別に出来が悪いとは思わない。いや少なくても音響や楽曲の面では、前作よりもいいと思っている。でもそこ止まり。悪くないけれど……、と言って終わってしまう。かつての胸のときめきを、僕は椎名林檎の新しい音楽から受けとれないでいる。かつてあれほどに強く魅了された人だけに、そうした自分のリアクションの無感動さに裏切られたような気がしてしまう。
なぜこんなに伝わらないだろうと考えてみて、あえて一つ理由をあげるとするならば、その歌詞のあり方だろう。少なくても 『加爾基』 以降の作品には、かつての作品にあったような、切実さが欠けているのだと思う。
いまの自分自身や自分を取り巻く環境へのやり切れない思いや、満たされない気持ち。椎名林檎の最初の2枚のアルバムは、他のアーティストを圧倒するほどの説得力を持って、それらを伝えてきていた。僕は音楽の質の高さとともに、それらの思いの激しさに、なにより強く惹かれていた。
けれど今の椎名林檎からはそうした思いがほとんど感じられない。音楽活動を通じて得た新しい生活や信頼できる仲間の存在が、彼女からそうしたマイナスの感情をあらかた拭い去ってしまったかのような印象がある。それは林檎さん本人にとっては幸福なことだろう。ただ、結果として出てきた音楽に、僕にはかつてのような輝きを見出すことができない。リスナーである僕にとって、それは決して幸福な出来事ではなかったことになってしまう。
おそらく椎名林檎はこのアルバムのタイトルのとおり、 『大人』 になったんだろう。そしていい年をしてガキのまんまの僕は、そんな彼女の成長から取り残されて、一人さびしい思いをしているだけにちがいない。
いつの日か、このアルバムを心から楽しんで聴ける日が、そういう自分になれる日がきてくれたならばいいなと。そう思いながら今日も僕は彼女の音楽に耳を傾けている。
(Mar 14, 2006)
The Astoria London Live
Radiohead / 1995 / DVD
レディオヘッド、94年のライブ映像。セカンド・アルバム 『The Bends』 リリース前のライブではあるにもかかわらず、あの作品の核となる楽曲もちゃんと演奏されているのが嬉しい。 『OK Computer』 の曲がないのは残念だけれど、そこまで望むのは贅沢というものだ。これだけでも十分に素晴らしい。まだまだ一介のUKバンドといった佇まいのトム・ヨークやジョニー・グリーンウッドの初々しい姿が見られるのもおもしろい。
(Mar 14, 2006)
The Right Spectacle The Very Best of Elvis Costello - The Videos
Elvis Costello / 2005 / DVD
コステロのビデオ・クリップ集。VHSで出ていたやつに、それ以降の分を追加して、音声解説をつけて、さらにいろんな音楽番組でのスタジオ・ライブ映像をおまけにつけたという、ボリュームたっぷりの内容だ。
DVDではすっかりお馴染みになった音声解説というものを、僕はあまり観たことがない(聞いたことというべきなのかな)。映画などだと、本編とあわせて2度観ないといけないということになるわけで、いまの生活で2度も同じ作品を繰り返し鑑賞している余裕はないためだけれど。でも今回この作品では思わぬ発見をした。英語の音楽ビデオクリップの音声解説は、日本語字幕だけで鑑賞可能なのだった。音楽自体を聴きながら、音声解説は字幕スーパーで読むと、1回で本編と解説を両方鑑賞できる。これはお得。だからなんだと言われると困るんだけれど。
なんにしろ忙しくて嫌だぞ、という話。好きなDVDを何度でも繰り返して見ることのできるだけの時間が欲しい。
(Mar 14, 2006)
First Impressions Of Earth
The Strokes / 2005 / CD
ストロークスのサード・アルバム。このバンドもちゃんと聴きもしないうちに、いつの間にかもう三枚目。今回もなかなかいいじゃないかと思いつつ、ほとんど聴かないまま、放置しっぱなしになってしまっている。いけねえなあ。
なにはともあれ、個人的にはこれまでで一番好印象だった。でもよくあるパターンで世間の評価は正反対なんではないかと推測される。どうも僕が気に入る作品というのは、いまひとつB級な印象が強いみたいだから。
(Mar 14, 2006)
New Whirl Odor
Public Enemy / 2005 / CD
知らないうちにリリースされていたパブリック・エナミーの最新作。ボーナスDVD付きのせいか、高いなあと思って保留しているうちに、リリースから随分たってしまった。気がつけば次のアルバムが来週リリースの予定。既に旧譜じゃないか。
ま、PEに関しては僕のようなリスナーが語ることは特にない。生バンドをバックにした10分を超えるラストナンバーが新機軸だろかとか、ボーナスDVDの2時間を超えるメイキング・ドキュメンタリーだかインタビューだかは、字幕がないから見てもわからないぞ、とか。どうでもいいような話しか出てこない。
(Mar 14, 2006)