2016年1月の映画

Index

  1. ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
  2. シェフ 三ツ星フードトラック始めました

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー

ジェームズ・ガン監督/クリス・プラット、ゾーイ・サルダナ/アメリカ/2014年/WOWOW録画

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(字幕版)

 なんだか最近は映画を観る全体量が減ったせいか、マーヴェルの映画ばっかり観ている気がする。
 これはマーヴェルだからというよりは、主要キャラクターにアライグマがいるからということで、うちの奥さんの琴線に触れた作品。でもまぁ、ここでのアライグマは、それほど可愛いやつではなかった(そこがまたうちの奥さんにはよかったりするのかもしれないけど)。
 この映画はオープニングが意表をついている。余命いくばくもない母親の病室のまえで、幼い少年がひとりウォークマンを聴いているという悲しいシーンから始まるのだった。あまりにマーヴェルのイメージと違いすぎて、間違った映画を録画しちゃったのかと思ったくらい。
 まぁ、そのあとのシーケンスで、母親をなくした少年が悲しみにくれて病院を飛び出したところ、UFOに誘拐されるという意味不明な展開になって、ようやく、あぁ、やっぱりマーヴェルなんだと思うわけだけれど。
 いずれにせよ、この冒頭のシーンにおけるウェットな感覚が、この作品を象徴しているような気がした。宇宙を舞台にしゃべるアライグマや巨木の妖精みたいなキャラが活躍する、マーヴェル作品のなかでもとびきりSF色が強い作品のわりには、演出や話の運びにかなり浪花節が入っている。個人的にはもうちょっと軽く笑える話のほうが好みだった。
 意外といえば、注目のアライグマ・キャラ、ロケットの声優をブラッドリー・クーパーが務めてるのにもけっこう意外性がある。声だけ聞くとただの親父キャラで、二枚目俳優としての面影を微塵も感じさせない。ブラッドリー・クーパー、どうやら男っぷりのよさだけが売りではないらしい。おみそれしました。
(Jan 31, 2016)

シェフ 三ツ星フードトラック始めました

ジョン・ファヴロー監督/ジョン・ファヴロー、ジョン・レグイザモ、エムジェイ・アンソニー/アメリカ/2014年/WOWOW録画

シェフ 三ツ星フードトラック始めました (字幕版)

 『アイアンマン』のジョン・ファヴローが監督・主演をつとめているグルメ映画だってんで、そりゃおもしろそうだと観ることにした作品。うん、これはあたり。
 物語はファヴロー演じるフレンチ・レストランの雇われシェフが、人気ブロガーの料理評論家から料理を酷評されたことがきっかけとなって職を失い、サンドイッチを売るフードトラックで再出発を果たすというような話。
 彼には別れた奥さんとのあいだに男の子がひとりいる。料理命でワーカホリックな彼はその子とあまりうまい関係を築けずにいたのだけれど、その子とともにフードトラックで旅をつづけることになり、しだいに親子の絆が深まってゆく……というのが、この映画の泣かせどころとなっている。とはいっても、その部分が必要以上にべたべたした感じになっていない。そのさじ加減がいい感じ。
 あと、話の展開にインターネットが大きく絡んでいるのもポイント。シェフと評論家の口論がツイッターを通じてあっという間に広がったり、彼が評論家に切れて大騒ぎした映像がユーチューブで広まって、いちやく時の人になったり。ツイッターでの宣伝効果で、トラックに長蛇の列ができたり。そんなSNS時代ならではのエピソードを、気のきいた演出で見せてくれるのもおもしろい。
 もちろん食べ物にまつわる映画だけあって、料理もやたらとうまそうだ。ジョン・レグイザモ演じるシェフの相棒もとてもいいやつだし、監督ファヴローの人徳か、ロバート・ダウニー・ジュニア、スカーレット・ヨハンソン、ダスティン・ホフマンと、脇役もとても豪華。サウンドトラックも最高で、ソウルやキューバ音楽たっぷりの上に、ゲイリー・クラーク・ジュニアの野外ライブシーンまでフィーチャーされていたりする。
 ということで、気のきいた演出といかした音楽、うまそうな食事に気のいい人たちが集まった、とても気持ちのいい映画。傑作といえるほどの出来だとは思わないけれど、肩ひじ張らない適度なリラックス感がとてもいい。観終わったあとにもう一度観なおしてしまったくらい気に入りました。
(Jan 31, 2016)