2013年7月の映画

Index

  1. ボードウォーク・エンパイア2
  2. ヘルプ ~心がつなぐストーリー~

ボードウォーク・エンパイア2

テレンス・ウィンター製作総指揮/スティーヴ・ブシェミ、ケリー・マクドナルド/2011年/アメリカ/WOWOW録画

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 スコセッシが製作総指揮に名を連ねている──とはいっても、今シーズンはほとんど関係なさそうな──禁酒法時代のアトランティック・シティを舞台にしたギャング・ドラマの第二シーズン目。
 前のシーズンの終わりに、さらなるドロドロな展開が予告されていたし、このところ2時間の映画一本観るのにも不自由しているので、観はじめるまではあまり気乗りしなかったのだけれど、いざ観てみれば、それはそれ。今シーズンも十分に楽しめた。なにより最終話に思いがけない意外な展開が待ち受けていて、びっくり仰天。
 本当は、そろそろめんどくさくなってきたので、こういう連続テレビ・ドラマについては、今後は感想を書くのをやめてしまおうかと思っているのだけれど、このドラマはその最終回の意外性ゆえに、ひとこと書き残しておかなくてはいけない気分になった。いやぁ、すごかったです。制作者側の思い切りのよさに感心。
 まぁ、ただ前作の「次のシーズンはいったいどうなっちゃうんだ?」というドロドロ感と比べると、今回はある意味、非常に切りがいいところで話が終わっている。いや、今後どうなっちゃうのかは、前シーズン以上に不透明だけれど、それはこれまでの伏線の多くに決着がついてしまっているからであって、その分、あと腐れがない感じ。これだったら、次のシーズン以降は観なくても後悔しないかもしれない。
 まぁ、でも観るか、観ないかって聞かれれば、絶対に観るけど。
(Jul 20, 2013)

ヘルプ ~心をつなぐストーリー~

テイト・テイラー監督/エマ・ストーン、ヴィオラ・デイヴィス、オクタヴィア・スペンサー/2011年/アメリカ/WOWOW録画

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 その年のアカデミー賞では、ミニー役のオクタヴィア・スペンサーが助演女優賞を受賞したのを初め、作品賞ほか4部門にノミネート、そして主演が『ゾンビランド』でとても可愛かったエマ・ストーンということで、こりゃ観とくべきでしょうと思った作品。
 物語は60年代のアメリカ南部を舞台に、あからさまに差別を受けながら白人家庭に仕える黒人のメイドたちの姿をノンフィクションとして出版しようとする大卒美女スキーター(エマ・ストーン)と、黒人女性たちの交流を描いてゆく。
 黒人差別をテーマにした話ながら、あまり深刻にならないところがこの作品の特徴。スピルバーグの『カラーパープル』も似たテイストの作品だったけれど、あちらが同じテーマをより深刻に描きつつ、演出の妙で深刻に見せないという作品だとしたら、こちらは、あくまで厳しすぎる現実はシナリオに乗せなかった、という印象。暴力的な迫害シーンはほとんどないし、KKKが出てきて人を殺したりもしない。
 その点で甘すぎる気がしなくもないけれど、この映画は人種差別という問題を深く掘り下げるのが目的ではなく、差別という厳しい状況を、勇気と笑いでもって乗り越えてゆこう、というコメディだと思うので、これはこれでありかなと思う。深刻になりすぎない分、素直に笑えるところがよかった。
 でも、注目のエマ・ストーンはちょいと浮いています。まわりが60年代という時代設定にジャストなのに、彼女ひとりがいまどきの美女って感じ。まぁ、もとより南部の差別的風潮に馴染まない先進的な意識の女性の役だから、わざとなのかもしれない。
(Jul 21, 2013)