2021年3月のサッカー
Index
- 03/10 ○ 鹿島3-1湘南 (J1・第3節)
- 03/13 △ 鹿島1-1広島 (J1・第4節)
- 03/17 ● 福岡1-0鹿島 (J1・第5節)
- 03/21 ● 鹿島0-1名古屋 (J1・第6節)
- 03/25 ○ 日本3-0韓国 (親善試合)
- 03/26 ● U-24日本0-1U-24アルゼンチン (親善試合)
- 03/29 ○ U-24日本3-0U-24アルゼンチン (親善試合)
- 03/30 ○ モンゴル0-14日本 (W杯・2次予選)
鹿島アントラーズ3-1湘南ベルマーレ
J1・第3節/2021年3月10日(水)/カシマサッカースタジアム/DAZN
第2節の対戦相手だったガンバ大阪でクラスターが発生したため、先週末に予定されていた試合が延期になったので、鹿島にとっては先週のルヴァン杯・鳥栖戦から1週間ぶり――僕個人にとっては開幕戦以来11日ぶり――となった第3節の湘南戦。
この試合のスタメンはGK沖、DF広瀬、犬飼、町田、永戸、MF永木、三竿、ファン・アラーノ、荒木、FW土居、エヴェラウドの11人だった。
開幕戦から小泉と綺世がはずれて、広瀬と荒木が入った形。3-0と快勝したルヴァン杯・初戦では杉岡、関川、和泉、白崎、遠藤らがスタメンだったというので、もう少し入れ替えがあるかと思ったら、それほどでもなかった。
開幕戦では今年はFWが少なすぎるので、エヴェか綺世が怪我したらまずいんじゃないかとか書いたら、いきなりその綺世くんが怪我でベンチ外。やっぱFWの駒不足は深刻なんじゃないの?――と思ったら、意外とそうでもない。
そもそも去年だって大半はエヴェラウドと土居のツートップという形だったわけで、実質FWは一枚のみってフォーメーションがメインだった。土居、遠藤、荒木、松村はMF登録だけれど、得点だって(ある程度は)期待できる。そもそも左SBに杉岡ではなく永戸を使っている時点で、ザーゴは特定のポジションに特化した選手よりも、よりユーティリティー性の高い選手を好んでいるように思える。なので、最前線に特化したFWよりも、より広いポジションでプレーできるMFを中心にチームの構成を考えているがゆえの今年の編成なのかもしれないなって、この試合を観ながら思った。
実際にFWは少なくてもたくさんシュートは打てている。この試合でも相手の倍以上のシュートを放って3点も取っている。相手が降格候補の湘南とはいえ、去年は1勝1杯で通算スコアが1-1だった相手だ。そこに今年は3-1で快勝したのだから上出来でしょう。開幕戦でこけたときにはどうなることかと思ったけれど、やはり今年はそこそこ期待していてもよさそうだ。
この日の先制ゴールは開始わずか3分の荒木。土居が左サイドから蹴り込んだクロスのクリアボールがゴール前に詰めていた荒木の足元にぴたっと収まった。これを荒木が豪快に決めて、いきなり鹿島が先制~。
荒木、前の試合でも切れのある動きを見せていたから今年は期待できそうだと思ったら、リーグ開幕2試合目で与えられた初スタメンのチャンスにしっかり結果を出して見せたところが立派。しかも後半にも広瀬とのワンツーから追加点を決めてみせる大活躍。これは今季のブレイク必至でしょう。そしてあっという間に海外移籍という阿部裕葵とおんなじパターンかも……。
ま、なんにしろこの試合、前半の内容は一方的だった。得点こそ1点しか奪えなかったけれど、まったく危なげない試合運びができていた。
後半に入るとしばらくは湘南優勢な時間帯がつづいたけれど、その後に荒木の2点目が決まったので、よしこれで勝った、あとはクリーンシートで終わるだけ――と思ったあとで失点を許したのがいただけない。それもセットプレーから。今年もまたもやセットプレーが弱点なのかしらん。そこんところはどうにかして欲しいと思います。
でもまぁ、1点差となって雲行きがあやしくなったあと、ちゃんと3点目を奪って試合を決定づけられたのはよかった。こちらもセットプレーから。決めたのは町田~。遠藤の右CKにファーであわせて、どんぴしゃのヘディングで決めた。町田のゴールは2シーズンぶりだそうだ。鹿島のCBならば、やっぱセットプレーはちゃんと決めないとね。ナイス・ゴールでした。
この得点のあとは難なく逃げ切って試合終了。今年はちゃんと2試合目で勝ち点3を手にした。途中出場は、後半27分にレオ・シルバ、松村、和泉、34分に遠藤と染野。ようやくレオ・シルバが戻ってきた(動きもよかった)。ベテランの遠藤がアシストを決めれば、松村、染野の若手ふたりも活きのいいプレーを見せてくれていた。和泉が今年はどれくらい活躍してくれるのかも注目だ。いやー、今年はいろいろ楽しそうだ。
対する湘南のスタメンには移籍したばかりの山本脩斗がいて嬉しかった。名古もいるかと思ったら、名古はレンタルだから鹿島戦は出場できないんだそうだ。そりゃ残念。どうせならば古巣相手にどんなプレーをするのか観てみたかった。
湘南でそのほかに知っている選手はといえば、山田直輝と途中出場の石原直樹と元・柏の茨田。あとGKの谷。ほぼそれだけ。斎藤未月、鈴木冬一、岩崎悠人といった将来有望な若手はみんな移籍してしまったらしい。梅崎もいなかったし、新しく獲得した外国人もコロナの入国制限のせいで合流できていないそうだ。いろいろ難しいシーズンのようでお気の毒さま。
まぁ、とりあえず湘南が降格候補の一角なのは違いなかろうから、いきなりそこを相手に勝ち点を取りこぼすようだとお先真っ暗だ。きっちりと勝ててよかった。
(Mar. 10, 2021)
鹿島アントラーズ1-1サンフレッチェ広島
J1・第4節/2021年3月13日(土)/カシマサッカースタジアム/DAZN
このところ広島とはいつも難しい試合になるから、いまだ調子が上がらない今回の対戦もきっと楽には勝てないんだろうと思っていたら、やはり予想通り。終始ボールを支配していながら、浅野弟にワンチャンスからゴラッソを決められ先制を許して苦しい展開となり、なんとか同点においつくまでがやっとという展開。相手の3倍以上のシュート数はほとんどが空砲に終わってしまった。
スタメンは沖、小泉、犬飼、町田、杉岡、三竿、レオ・シルバ、ファン・アラーノ、荒木、土居、エヴェラウドの11人。途中出場は遠藤、和泉、永木、染野の4人。
好調の荒木が引きつづきスタメンで、両サイドを前節とは入れ替えた形。中2日だから、運動量が期待されるSBにはあえて違うふたりを使ってみたってところだろうか。
個人的には杉岡のプレースタイルが好きなので起用されたのは嬉しい。まぁ、いくつかのクロスでセンスのよさを感じさせてくれたけれど、守備ではカードすれすれのクリアやタックルがあったから、監督の評価のほどはわからないけれど。あれらを危険なプレーととるか、果敢なチャレンジと取るかで、正反対の評価になりそうな感じ。僕個人としては結果オーライとして欲しいところだ。
右サイドは前節の広瀬の出来が平凡だったので、現状ならば小泉のほうがよさそうな気がする。
まぁ、とりあえずこの日の選手の出来にはとくに文句はなかった。パスもきちんとつなげていた。やっているサッカーの質自体には不満がない。ただ、ゴールが1本しか決められなかっただけ。そんな試合。
荒木のゴール――なんと3試合連続で得点王ランキング2位タイ!――はDFラインの裏への抜け出しからエヴェラウドのラストパスを受けて、反転してシュートに持ってゆくまでの流れが絶品だった。あまりに際どかったため、今季ついに導入されたVARが入って判定が遅れたくらい。きちんとオフサイドなしの判定が出てよかった。
広島は中盤から前はほとんどが知った名前だったけれど、佐々木翔がベンチスタートだったこともあり、最終ラインの4枚が知らない名前ばっかだった。かろうじて野上に覚えがあるような……ってくらい。
そんなネームバリューの低い4バックだけに、きちんと崩し切りたかった。後半戦のアウェイでの勝利に期待している。
(Mar. 14, 2021)
アビスパ福岡1-0鹿島アントラーズ
J1・第5節/2021年3月17日(水)/ベスト電器スタジアム/DAZN
なんだよ、この試合……。
とにかくレフェリーの今村義朗。この男の判定が最初から最後までひどすぎた。
まずは前半27分。和泉がドリブルで仕掛けたときに、うしろから身体をぶつけられて倒されたシーンをそのまま流したのがケチのつき始め。
ボールにいってないのに、なぜにファールじゃない? そのちょっと前にはセットプレーからキーパーチャージっぽい接触プレーで笛吹いたじゃん?
しかもこのプレーで倒れた和泉は足を痛めて退場してしまう。怪我するようなコンタクトを受けたのにファール取らないなんてあり得ないだろ!
次は前半37分。左サイドのボールをスライディング・タックルでクリアにいった関川が、相手選手に足の裏をみせてチャージしたということで、レッド・カードを突きつけられる。え~!、マジ?
確かに危険なプレーだったかもしれないけれど、ボールに触れられるかどうか、両者ともに五分のタイミングだった。少なくても故意に相手を傷つけようとしたプレーには見えなかった。あれで一発レッドはひどいでしょう?
その後も今村(むかついたので敬称略)は、え、それで?――と思うようなイエローを出したり、ちょっとした接触プレーで笛を吹いたり、不安定なジャッジを連発する。
そして極めつけは、後半40分に金森に見事なゴールを奪われて、先制を許したあとの後半のロスタイム。まさかの犬飼のゴールで同点に追いついた!――と思ったあと、よもやのVARの介入でゴールの取り消し……。
しかもその理由が、そのシュートが決まるずっと前に、センターライン付近で松村が相手にチャージしたプレーがファールだったからという……。で、ゴールは取り消し、松村にはイエローカードって……。
あんた、そのプレー、目の前で見ていて流したよな? あそこでファールといわれてれば、あぁ、そりゃそうだと思ったのに、なにそれ? あそこで流しておきながら、あとからやっぱあれはファールでしたって。ヘボにもほどがあるだろっ!
いやぁ、VARには賛否両論あるんだろうけれど、今日みたいな判定が下るんならば、俺はないほうがいいや。レフェリーがヘボなせいで、せっかくの素晴らしいゴールが取り消しになるなんて、興ざめにもほどがある。
もしも関川へのレッドや犬飼のゴールの取り消しが、現時点でのサッカーのスタンダードに乗っ取った正しい判定だとするならば、もうこれ以上サッカー観るのやめたほうがいいんじゃないかとさえ思ってしまった。わざわざサッカーをつまらなくするようなジャッジ下してどうすんだよ。ロスタイムにVARの判定があったせいで、試合が終わった時には試合時間の表示は100分を超えていたし。試合が無駄に長くなって、もやもや気分の余計な待ち時間が増えるって点もVARが嫌いな要因だわ。
いやぁ、マジで散々な試合だった。
この日のスタメンは沖、広瀬、関川、町田、永戸、永木、三竿、荒木、和泉、土居、エヴェラウドの11人。そのうち、和泉が前述の通り、前半に怪我をしてファン・アラーノと交替。でもって、関川が退場して1人少なくなったのを補うため、ザーゴは後半頭から永木、荒木をさげて、犬飼、レオ・シルバを入れてきた。これで守備面は安定するだろうから、負けはないかと思ったんだけれどなぁ……。
さらには後半途中には土居も足を痛めて交替してしまったのも大いに誤算(インは松村)。最後はエヴェを染野に替えて交替カードは打ち切り。あぁ、和泉に加えて土居まで怪我って……。
ということで、退場者1名、故障での途中交替が2名、誤審でのゴール取り消し1つという散々な試合だった。そもそも、ベンチ入りするはずだったメンバーのひとりが家庭の事情でベンチ入りできなくなったとかで、サブのメンツも6人しかいなかった。始まる前から波乱含みの試合だったわけだ。どんな呪いだ。
福岡はスタメン全員知らない選手だし、監督も知らない人で(長谷部茂利という人)、かろうじて知っていたのは途中出場の金森と田邉草民だけだった。今季の降格候補の一角を占めること間違いなしでしょう? 完璧に判定に泣かされた試合たったけれど、優勝狙うって豪語しておいて、そんなクラブに黒星って……。
なんでも福岡に負けたのは15年ぶりだそうだ。
いろいろと話にならねぇ。
(Mar. 17, 2021)
鹿島アントラーズ0-1名古屋グランパス
J1・第6節/2021年3月21日(日)/カシマサッカースタジアム/DAZN
あぁ、開幕から5試合を終えて、1勝1分3敗で勝ち点4って……。結局去年と同じていたらくになってしまった。
でもまぁ、この試合に関しては、とにかく名古屋の守備がよかった。それにつきる。ボールは鹿島が圧倒的に保持していたけれど、まったくシュートを打たせてもらえなかった。エヴェラウドがわずかシュート1本だもん。エースがそこまで抑え込まれたら、そう簡単に点が取れるはずがない。一時はかなり激しく雨が降っていたので、コンディション的にも難しい試合だったと思う。
鹿島にとっては土居の欠場も痛かった。前節の怪我で全治2~3週間という話で、この試合で彼の代わりにザーゴが選んだのは松村だった。
でもね、やはり松村はいまだ土居には及ばない。少なくても周囲との連携はいまいち。後半にいいシュートを一本打っていたけれど、見せ場はそこだけって印象だった。
対する名古屋にもそれほどチャンスは与えなかったけれど、でも比較するとあちらのほうが得点につながりそうなシュートは多かった(マテウスあいかわらず危険)。
で、両軍ともスコアレスのまま、突入した後半途中。CKからのこぼれ球を稲垣祥が豪快に決めて名古屋が先制。あれはどうにもならない。あそこでダイレクトでシュートを打った稲垣が上手かった。
その後、ザーゴは選手を一気に4人も入れ替えて反撃を試みるも、功を奏せず。ついには後半37分に犬飼が2枚目のイエローカードをもらって退場してしまう。この時点で勝負あり……。痛い痛い連敗となった。
この日のスタメンは沖、小泉、犬飼、町田、杉岡、レオ・シルバ、三竿、松村、荒木、ファン・アラーノ、エヴェラウド。途中出場は永木、綺世、遠藤、白崎、永戸の5人だった。
両サイドのターンオーバーに上田綺世の戦線復帰など、注目すべきポイントもあったけれど、まぁ、きょうは2位の名古屋に負けたのがすべて。これで名古屋は開幕6連勝ですって。ここまで首位・川崎とほぼ互角の成績はご立派。おっかしいなぁ、そこには鹿島も入るはずだったのに……。
(Mar. 22, 2021)
日本3-0韓国
親善試合/2021年3月25日(木)/日産スタジアム/日本テレビ
こんなに冷めた気分で日韓戦を迎えたのは初めてだった。
だいたい、なんでこんな時期にわざわざ親善試合するんだって話だ。試合が決まったのはまだ緊急事態宣言中だよ? 直前に宣言が解除されたとはいえ、いまだ飲食店には時短営業の要請とか出てるんだよ。Jリーグに新加入が決まった外国人選手だって、いまだ入国できてないのに、なぜにわざわざ政府に働きかけてまで特別措置で外国人の入国を許す? 優先順位が間違っているでしょうよ、それ。大事にすべきはJリーグだろうよ。来週W杯二次予選があるそうだけれど、相手はモンゴルだ。ぶっつけ本番で戦っても負ける相手じゃなかろう。それなのになんだよ、まったくよぉ……。
ということで、国内リーグより代表を優先するJFAにムカついて、今回の日韓戦にはまったくポジティブになれなかった。いっそ見るのやめようか……という思いもちょっとは浮かんだけれど、でも何事も悩んだあげくに観ないで済ますと後悔することになるのが必定なので、不満たらたらで観ました、ひさびさの日韓戦。そしたらこれが予想外に一方的な内容に……。
今回の代表はGKが権田、DF山根、吉田麻也、冨安、佐々木(→小川諒也)、MF遠藤航、守田(→川辺駿)、伊東純也(→古橋)、鎌田(→江坂)、南野(→脇坂)、FW大迫(→浅野拓磨)という11人+途中交替6人。交替の選手を含めると、これがA代表初招集となる選手が(おそらく)5人もいた。
まぁ、とはいってもスタメンのほとんどは海外組で、国内でプレーしているのは権田と両SBだけ。権田だって元は海外組だし、山根も昨年からのフロンターレでの活躍からすれば、いつ海外からのオファーがあってもおかしくない選手だろう。
対する韓国も海外組を多く招集しているとか実況の人がいっていたけれど、確認したら欧州でプレーしているのは久保建英(今回はU-24に招集されているため不在)のライバルといわれている二十歳のイ・ガンインのほかは多分ひとりだけ(ソン・フンミンは怪我のため辞退)。あとは海外といってもJリーグやカタール・リーグに所属しているAFC所属の選手たちだった。知っているところではナ・サンホとチョン・ウヨン、キム・ヨングォン、それに後半からはGKのキム・スンギュが出てきた。
ということで、日韓戦とはいっても、現時点では少なからず両国のレベルが違うんじゃないかって試合になった。日常的に欧州で戦っている日本代表の選手たちからしてみれば、アジアにとどまったままの韓国代表は以前よりも確実にくみしやすい相手だったろう。実際に即席のメンツで見事なパスワークをみせる日本選手に対して、韓国は受け身一方。2点の先行を許した前半は完全にお手上げ状態だった。
後半に入ってからは、日本のミスやセットプレーからいくつか危険なシーンを作られることもあったけれど、でも結局試合は後半に追加点を奪った日本がそのまま3-0で逃げ切り。気乗りしないで観始めた試合だったけれど、思わぬ快勝で終わって、いくらかいい気分になれた。
いやしかし、こんなに韓国が弱いと思ったのは初めてかも。韓国の監督はポルトガルのパウロ・ベントという人だったけれど、きょうみたいな試合をしていたら解任される日もそう遠くなさそうな……。
日本のゴールは前半16分の先制点が山根(
元チームメイトの守田も好守に積極的だったし、きょうの快勝劇はこのふたりが前への意識が高い川崎でのプレーを代表に持ち込んだことで生まれた結果だったような気がする。
2点目は鎌田がドリブルで仕掛けて自ら決めたもの。だてにドイツで活躍しちゃいないな。そのほか攻撃陣では南野がそれは決めなきゃってシュートを2、3本はずしていた。
大迫――なんだかすごくひさしぶりに見た気がする――は今年はクラブでは出場機会がほとんどないそうだけれど、今回もかなりの存在感だった。大迫のポスト・プレーなくしていまの代表なしってくらいの印象。浅野も今年はセルビアで絶好調のようだけれど(あいかわらず足速い)、いまの感じだとそう簡単には大迫からポジションは奪えないだろう。
駄目押しの3点目はCKからの遠藤のどんぴしゃのヘディング。キッカーは江坂だった。後半頭から鎌田にかえて投入された江坂は惜しいシュートもあったし、彼も初代表だけれど十分に戦力になることを証明したんじゃないだろうか。
とにかく、それぞれが持ち味を出した、なかなかおもしろい試合でした。韓国ではきっといまごろ大炎上だろうな……。
(Mar. 25, 2021)
U-24日本0-1U-24アルゼンチン
親善試合/2021年3月26日(金)/東京スタジアム/TBS
なぜにいまだにオリンピックが中止にならないのか理解できない。聖火リレーとかやって喜んでいる人たちの気が知れない。花見や宴会がNGなのに、なぜに五輪はOKなの? そもそも世界規模のイベントを、海外の観光客を受け入れないで実施するという決断が理解不能。観たくても観に来れない人たちがいるって時点で不公平でしょうよ。フェアプレー精神はどこいったのさ。もうわけがわかんないよ。
いまだに世界中で毎日一万人以上の人々が命を落としているんだよ。それなのになにが世紀の祭典? ちゃんちゃらおかしい。黙祷をささげるならばともかく、お祭り騒ぎしてどうする。というか、国内の伝統的なお祭りが次々と中止になっているのに、もっと大規模なイベントである五輪はやっていいってのがおかしいでしょう。いまだにオリンピックができると思っている人たちはどこか感覚がおかしいと思う。
まぁ、それをいったら福島で仮設住宅に暮らす人たちが二万人以上いるのに、その人たちを助けもしないで、お祭りに公費を浪費することを恥ずかしいとも思わない人たちだからなぁ……。
ということで、前日の日韓戦につづき、翌日には五輪代表の親善試合があると知ったときには、あきれるを通り越して腹立たしいほどだったんだけれども――。
だからといって観ないというわけにもいかないのは日韓戦と同じ。しかも今回の対戦相手は強豪アルゼンチン、それも中二日での二連戦だという。こんな機会、めったにない。久保建英、三笘、三好といった技術力の高いアタッカーがそろった世代だし、これからの日本代表を担うタレントたちが南米の雄を相手にどれくらい戦えるのか――。サッカーが好きならば、この状況にワクワクしないでいられるわけがないしょう?
ということで、オリンピックはさっさと中止にして欲しいけれど、この試合自体はなかなか興味深かった。まぁ、この日は娘の卒業式だったので――大学院への進学が決まっているので、まるで卒業した気はしないんだけれど――卒業祝いの食事と酒を楽しみながらの観戦だったから、試合の内容については、まったく書けませんが。
とりあえず、若き日本代表は期待した通り、アルゼンチンとなかなかいい試合をしてくれたと思う。シュート数も日本のほうが多かったし、ボールの保持率も高かった。でもここぞの決定力はやはり相手のほうが上。9番のガイチという選手にヘディングでサイドバーぎりぎりのシュートを決められて前半のうちに先制を許し、後半も反撃が実らずに逃げ切られた。
でもまぁ、今回はもう一試合あるからね。月曜日の試合で勝てば五分だ。雪辱に期待しよう。
この日の出場選手は、スタメンがGK大迫、DF菅原、渡辺剛、板倉、MF中山雄太、三好、三笘、旗手、渡辺皓太、久保、田川という11人。途中出場は相馬、古賀太陽、食野、林大地(鳥栖)の4人。
それにしてもこの期に及んでいまだに初めて観る選手が出てくる五輪代表って……。そもそも指揮を取っているのが森保ではなく、横内という人だという時点で、なんだよそれって思う。
(Mar. 27, 2021)
U-24日本3-0U-24アルゼンチン
親善試合/2021年3月29日(月)/北九州スタジアム/BS朝日
アルゼンチンの人たちに「ごめんなさい、わざわざ来日してくれたのにこんな試合しちゃって……」と謝りたくなるような完勝だった。先週の日韓戦につづけて、よもやこんな試合をつづけざまに観るとは思わなかった。コロナ禍のなか、まったく気分は盛り上がっていないのに……。
この日のスタメンはGK谷、DFは4バックで原輝樹、瀬古歩夢、町田、古賀太陽、MFに田中碧と板倉滉のダブル・ボランチ、その前に食野、久保、相馬の3枚、そしてFWに林大地のワントップという布陣。
中2日ということもあってか、スタメンは久保、板倉だけ残して総入れ替え。今回の五輪代表はメンバー入れ替えすぎだと思うけれど、でもまぁ、こんな試合をされちゃうと、けちのつけようがない。ほんと好守ともに上出来でした。
とくに板倉と田中のダブル・ボランチは効きまくり。前の試合ではCBとしてプレーしていた板倉のボランチ起用に、本当にこの代表は顔ぶれだけじゃなくてポジションもよくわかんないよ……って渋い顔をしていたんだけれど、きょうみたいな出来だったら、板倉のボランチ起用はありだわ。
しかも板倉は久保のCKからダイナミックなヘディングで2得点。ヒーローインタビューで板倉自身がびっくりしていたくらいの珍事らしい(久保にもいじられていた)。CBでもボランチでもいけるユーティリティの高さにあんなヘディングまであれば、五輪出場は当確でしょう(本当に開催されるんならば、だけど)。
CBでは冨安、板倉が確定だとすると、渡辺剛や中山雄太ら、キャプテンマークを託される選手たちもいるし、町田が選ばれるかはかなり微妙だなぁ。決して出来は悪くはなかったけどねぇ……。今回は沖も招集されたけど出番なしで終わってしまった。でもまぁ、立場的に第三GKだし、致し方なし。
殊勲の先制点は瀬古のロング・ボールから林大地。前の試合で「林って誰よ?」と思ったくらいの選手がアルゼンチン相手に見事な先制ゴールを決めるんだから、これにもびっくりだよ。今回は鳥栖からもうひとり17歳の中野伸哉という子も招集されていて、この試合で最後にちょっとだけ出番をもらっていた。
久保はそれほど突出していた感じはなかったけれど――どちらかというと相馬のほうがすごかった気がする――それでも2アシストだからいちおうはふさわしい仕事をしたって言っていいんだろう。でもあまりに世間の下馬評が高いから、今日くらいの出来じゃまだまだって言われそうな……。
途中出場は田川、三好、旗手、三笘、中野、渡辺皓太の6名。まさか三笘を43分まで使わないとは思わなかった。
とりあえず、アルゼンチンにとっては隔離状態でのアウェイでの中2日は難しかったんだろうけど、アンダーカテゴリーでのホームでの試合とはいえ、アルゼンチン相手に快勝したってのは、これから先の日本代表の財産になるだろう。いやはや、見事な試合でした。
(Mar. 29, 2021)
モンゴル0-14日本
FIFAワールドカップ・二次予選/2021年3月30日(火)/フクダ電子アリーナ/フジテレビ
またもや、こんな大変な時期にわざわざ来日してくれたのにごめんねって謝りたくなるような試合に……。
2019年の11月を最後に中断されていたW杯・二次予選が1年4ヵ月ぶりに再開。いまだコロナ禍おさまらぬ状況だけれど、気がつけばもう来年にはW杯の本大会なので、さすがにもうまったなしってことなんだろう。
ただ、なぜにモンゴルのホームゲームが日本で開催されたのかは不明。テレビで説明していたのかもしれないけれど、だとしたら聞き逃した。感染者の多い日本からの入国が許可されなかったのかもしれない。でもそれだったら日本だって同じはずなんだけどな。なにかと緩い日本の防疫体制だった。
なんにしろ、今回の試合は日本で開催された。でも相手のホームゲームだからなんだろう、無観客。せっかくだから日本に在住しているモンゴル人だけでも入れてあげればいいのに……とか思っていたけれど、でもこの結果を見ちゃうと、無観客でよかったかもと思わざるを得ない。
いやー、ほんと予想外の大勝だった。前回の対戦では6-0で勝っているけれど(すっかり忘れていた)、試合が始まった時点ではモンゴルもちゃんとプレスをかけてきていたし、そこまでの大差にはならなさそうだと思ったのに。まさかこんな歴史的大勝に終わろうとは………。観る目がないにもほどがある、俺。
この日の日本代表はスタメンが権田、松原健、吉田麻也、冨安、小川、遠藤航、守田、伊東純也、鎌田、南野、大迫の11人。途中出場が浅野、稲垣祥、中谷進之介、古橋、畠中の5人だった。
スタメンは韓国戦から両サイドを替えただけ。途中出場では後半の頭に守田をさげて浅野を投入、遠藤航のワンボランチとしたのと、吉田・冨安の不動のCBコンビを両方とも交替させたのに意外性があった(あと、公式戦なのに交替枠が5人でびっくり)。まぁ、モンゴルはシュートがわずか1本というくらいに攻撃力がなかったので、そんな相手ならばレギュラーのDF陣は不要だから、少しでもオプションを試したいってことだったんだろう。いたって妥当な気はするけれど、だとしたら最初から海外組なんて呼ばなきゃよかろうとも思う。
まぁ、なんにしろ結果は上々――どころの話じゃなかった。前半の5-0でも十分だったのに、後半にまさかの9得点で計14-0という、なにそれなスコアに……。最後はさすがにモンゴルの人たちが気の毒になってしまった。でもまぁ、日本代表の選手たちにも自身のW杯出場がかかっているからなぁ。手は抜けないよなぁ……。
ということで、この日の得点者は南野、大迫、鎌田、守田、稲垣、伊東、古橋、浅野の8人。うち大迫がハットトリック(!)で、稲垣、伊東、古橋が2得点ずつ。前半の5点目は松原のクロスが誘発したオウンゴールだった。
守田、稲垣、古橋はこれが代表初ゴールだそうだ。稲垣なんて初代表でピッチに立ってわずか5分でのゴールだ。さらには複数得点とくる。どうなってんだって話だ。そういや、大迫の代表でのハットトリックも初なんじゃなかろうか。
終盤のゴール・ラッシュはさすがにモンゴルの集中力が切れていたせいだと思うけど、前半の南野、大迫、鎌田、守田とつづいたゴールはどれも見事だった。こんなに流れの中からキレイなゴールがたくさん決まる試合というのはなかなか観られない。日本代表の14ゴールは1967年のフィリピン戦での15ゴールにつぐ歴代2位という噂だ。いやはや、びっくりでした。
それにしても伊東純也はこの試合でいったい何本クロスを上げていたことやら。凄まじい活躍ぶりだった。得点こそなかったけれど、小川諒也もよかったし、これだけ両サイドをワイドにつかって効果的に攻められれば、両国の実力差からして、二桁得点も不思議ではないかも。
いやはや、今回の代表ウィークはA代表も五輪代表も本当に強かった。意外とサッカー日本代表の黄金時代は近いのかもしれない。
(Mar. 30, 2021)