2019年8月のサッカー
Index
- 08/03 ● 湘南3-2鹿島 (J1・第21節)
- 08/11 ○ 鹿島2-1横浜FM (J1・第22節)
- 08/17 ○ 大分0-1鹿島 (J1・第23節)
- 08/23 △ 鹿島2-2G大阪 (J1・第24節)
- 08/28 △ 広州0-0鹿島 (ACL・準々決勝)
湘南ベルマーレ3-2鹿島アントラーズ
J1・第21節/2019年8月3日(土)/Shonan BMW スタジアム平塚/DAZN
負けちゃいけない試合だったよなぁ……。
二桁順位の湘南ベルマーレに、ロスタイムの最後の最後にゴールを食らっての敗戦。あの時間帯のCK、まずいかと思ったんだよなぁ……。
この日の鹿島のスタメンは、クォン・スンテ、永木、チョン・スンヒョン、犬飼、小池、三竿、名古、レアンドロ、白崎、土居、セルジーニョの11人。途中出場は伊藤翔、山本脩斗、上田綺世だった。
故障明けのチョン・スンヒョンが町田にかわってスタメン起用されたのが、前節・浦和戦との唯一の違い。でもそれってどうなの?
その試合から中2日だ。しかも先週の梅雨明け以来、連日むちゃくちゃ暑くて、試合中は給水タイムが取られるくらいだ。攻撃的なポジションはもっとローテーションがあってよかったと思うし、チョン・スンヒョンを使うのも、もう一節待ってもよかったと思う。3失点もしているので、なおさらそう思ってしまう。だって、町田がスタメンのときにそこまで失点したことってないでしょう?
まぁ、前節のドローは町田の責任が大きかったかもしれないけれどさ。でも彼は鹿島の未来を託しえる素材でしょうよ。そこは大目に見て、もっとチャンスあげようよ。
試合内容的には前半を押され気味ながらドローで終えたので、後半でどうにかなるかと思ったら、逆に後半の早い時間に一気に2失点を許す苦しい展開。
どちらのゴールもカウンターで走り負けた感じだったので、やはり走力自慢の湘南相手に中2日はきびしかったのだろう。なんたってあちらは約2週間ぶりの試合だったわけだし。
でもそこから2ゴールを奪って同点に追いついた戦いっぷりは立派だった。
セルジーニョの追撃弾は、右からの崩しで白崎→土居と渡ったボールを、ゴール前の混戦に飛び込んだセルジーニョが決めたもの。でもって同点弾は白崎がもらったPKを伊藤翔が決めた。伊藤翔はPKながら、これで2試合連続ゴール。
後半はこの同点弾のあとも基本的には押し気味の試合運びができていたので、勝てないまでも負けはないと思っていたんだけれどなぁ……。
6分もあったロスタイムの最後のワンプレー、こちらの右サイドからのCKをファーで坂という選手に決められてしまった。
マークについていた永木は、背後からきた敵に反応できず。まぁ、あそこに背の低い永木がいたのが運の尽きだった。殊勲の坂もけっして背の高い選手じゃないんだけれど、最後の最後にあのシュートはあっぱれでした。ちくしょう。
湘南はスタメンは全員日本人で、五輪代表の杉岡と斉藤未月、あと決勝のCKを蹴った途中出場の梅崎くらいしか、有名な選手がいないんだけど、とてもサッカーをしていた。みごとやられました。やれやれ。
2試合連続出場の上田綺世は、前の試合はまだ特別指定選手だったそうなので、これが正式に鹿島の選手としての初めての出場。でもって2試合連続の苦い結末。次はちゃんと勝利の美酒を味わって欲しいもんだ。
いやしかし、これで前節で4まで縮まった首位・FC東京都の勝ち点差はふたたび7だよ。痛いなー。残り試合も少なくなってきたから、これ以上離されたらまずい。もうひとふんばりして、最後までくらいついていって欲しい。
(Aug. 04, 2019)
鹿島アントラーズ2-1横浜F・マリノス
J1・第22節/2019年8月10日(土)/カシマサッカースタジアム/DAZN
やった~、上田綺世のプロ初ゴールでマリノスとの上位対決に勝利して2位に浮上!
この日の鹿島のイレブンは、GKクォン・スンテ、DF小泉、ブエノ、犬飼、小池、MF三竿、名古、セルジーニョ、白崎、FW土居、伊東という顔ぶれ。
なぜだか前節で復帰したチョン・スンヒョンがいない。でもってかわりが町田ではなく、ブエノだったりする。そして右SBが永木ではなく、新加入の小泉慶ときた。
攻撃力が売りのマリノス相手にこんな不慣れな最終ラインで大丈夫なの?――とちょっと心配だったのだけれど、これが意外となんとかなる。今年の鹿島はこれだけ入れ替えが激しい中でも、誰が出ても一定の戦いができるのがすごいかもしれない。
そういや、レアンドロもいない。そのかわりってわけではないけれど、三日前に名古屋からのレンタル移籍が発表されたばかりの相馬勇紀がもうベンチ入り。後半の途中からピッチに立った。
対するマリノスは天野純がシーズン途中で海外移籍、得点王争いをしているエジガル・ジュニオが骨折で戦線離脱、三好はなぜだかベンチスタートと、こちらにとってはラッキーな状況。でも遠藤渓太や仲川にはやられているイメージがあるし、マルコス・ジュニオールというブラジル人もよかった(見た目はいかついけれど、愛称はクリリンらしい)。五輪代表のころから個人的にお気に入りの大津と扇原もスタメンだった。前回の対戦では負けているし、楽な試合にはならないよなぁと思っていたら、試合は思わぬ形でいきなり動く。
開始わずか30秒。最前線からプレッシャーをかけて相手のミスからボールを奪った鹿島が、セルジーニョのゴールでいきなり先制してくれる。
これでずいぶん楽にはなったけれど、それでもその後はマリノスが7割近くボールを保持する受身の展開がつづく。終わってみればシュート数はマリノスの17に対して、鹿島が7だそうだから、それだけ押し込まれていたってことだろう。まぁ、それでも惜しいシュートはこちらのほうが多かった気がした。
残念だったのは、後半に土居がゴールを決めたのに、オフサイドで取り消されたこと。副審がオフサイドの旗をあげなかったのに、あとから協議でオフサイドの判定が下るなんて、そんなのあり?
この試合の主審は小屋という人で、キャリアが浅いのか、どうにも納得のゆかないジャッジが多かった。後半のロスタイム5分が3分以上経過するまで表示されなかったりもしたし。せっかくの上位対決なんだから、もっと経験値の高い人にさばいて欲しかった。
試合はそのあとに仲川にヘディングを決められて同点。オフサイドかと思ったら、ゴールラインを超えたところで犬飼がこけていたせいでオフサイドにならなかったっぽい。なにやってんだかなぁ……。
前回の対戦でも同じように仲川のゴールで同点にされたあとで逆転負けを食らっているので、嫌な展開だなぁと思ったのだけれど、でもマリノスはそのあとに扇原が2枚目のイエローカードをもらって退場になってしまったので、おかげでそこからは展開になった。それにその同点ゴールがあったからこそ、上田綺世の決勝ゴールがなおさら感動的だったわけだから、結果オーライ。
上田綺世、それほどガタイがよいふうには見えないんだけれど、あたり負けないし、ヘディングも強そうだし、ポジショニング抜群だしで、なんかFWとしてはオールラウンダーっぽい。柳沢を令和向けにグレードアップしたような印象で、すごく期待できそうな感じ。でもレベルが高い分、安部裕葵と同じように来年にはもう海外に引き抜かれて、いなくなってんじゃないかって気がする。
相馬も出番は10分ちょいだったけれど、コロコロとした体形で小気味よくドリブルで仕掛けてゆくプレーで持ち味を発揮していたし、新加入の選手たちがちゃんと戦力として計算できるのが嬉しい。
もうひとりの途中出場は永木で、つまりこの日ピッチに立った選手14人のうち、じつに半分が今年の新加入選手だってことになる。それでここまで2位の成績を残しているんだから、あっぱれだ。大岩のこと、ちゃんと評価しないといけないかもしれない。
(Aug. 10, 2019)
大分トリニータ0-1鹿島アントラーズ
J1・第23節/2019年8月17日(土)/昭和電工ドーム大分/DAZN
サマソニから深夜に帰宅してから缶チューハイ片手に見逃し配信で観た試合。
開幕戦で負けたときに大分のことを降格候補の筆頭とか書いてしまったけれど、今年の大分はひとあじ違った。その後も好成績を残して、なんと現在8位。今年は降格はなさそうだ。あっぱれ。
でも、鹿島での開幕戦勝利に貢献した藤本憲明は神戸に引き抜かれてしまったし、戦力低下はあきらか……かと思ったら、知らないうちにオナイウ阿道が10ゴールと二桁得点で気を吐いていた。あと、鹿島から移籍した三竿雄斗がスタメンで、三竿兄弟が敵・味方に分かれて初対戦というのもちょい熱ポイントだった。
でもまぁ、J2から昇格したばかりのクラブ相手に2連敗したんじゃ洒落にならない。本気で優勝を狙っているならば、絶対に勝たなくてはいけない試合だったので、勝ち点3を奪えてなによりだった。ただそれだけって試合だったけれど。
スタメンはGK曽ヶ端、DF小泉、ブエノ、犬飼、小池、MF三竿、名古、セルジーニョ、白崎、土居、伊藤の11人。クォンが出場停止だったために曽ヶ端がスタメンだった点を除けば、前節と一緒だった。
途中出場は相馬、レオ・シルバ、永木の3人。でもって決勝点は相馬の移籍後初ゴール。遠藤康っぽい体格で遠藤康っぽいミドル・シュートを決めて見せた。ほんと、今年は補強で新加入した選手がみんなそれぞれに活躍してくれていて助かる。
あと、レオ・シルバが故障明けで戻ってきたのが朗報。勝ち越したあとの永木の起用はこのところの定番って感じ。
試合は大分のボール保持率が6割近くで、シュートもわずか5本しか打てていないし、内容的には褒められたものではなかったけれど、それでもきちんと勝ち点3をあげられたのがなにより大事。まあ、相手のシュートは2本だけだったらしいから、守備では磐石だったってことだろう。そういや、ブエノが予想外によかった。この出来ならば、町田が出番なしも仕方ないかなと思った。
この日は首位・東京も3位・川崎も負けてくれたので、鹿島は順位こそ2位のままながら、両者との勝ち点差がともに4ずつとなった。東京との差が縮まったのも嬉しいし、川崎との差が開いたのもありがたい。できれば来月の東京との直接対決まではこのままで行きたい。
(Aug. 19, 2019)
鹿島アントラーズ2-2ガンバ大阪
J1・第24節/2019年8月23日(金)/カシマサッカースタジアム/DAZN
今年のJリーグは鹿島に限らず、シーズン途中での出入りがとても激しい。
この日の対戦相手ガンバもその例に漏れず。前回の対戦で大活躍していた食野がなんとマンチェスター・シティから誘われて海外移籍。さらには8年にわたってガンバの中盤を支えてきた今野も磐田に移籍してしまった。
でもかわりに海外移籍に失敗した宇佐美、井手口が復帰。さらには広島からパトリックまで獲得している。パトリック、この前、広島で対戦したばっかじゃん。なんでまたいるのさって、ちょっと愚痴りたくなった。
ということでこの日のガンバの3トップは、アデミウソン、パトリック、宇佐美という強力なメンツ。その下には倉田や井手口がいて、GKは日本代表の東口とくる。
まぁ、それ以外だと三浦弦太と途中出場の渡邉千真くらいしかネームバリューの高い選手がいなかったけれど――遠藤ヤットは今回も出番なしだった――ユースが充実しているガンバだから、若い選手のクオリティだって十分に高いんだろうし。これだけ戦力が整っていていつまでも下位に低迷しているようなら、そりゃもう監督の宮本のせいでしょう。もうちょっとがんばってもらいたい。――できれば鹿島戦以外で。
対する鹿島のスタメンは、クォン・スンテ、小泉、ブエノ、町田、小池、三竿、名古、セルジーニョ、白崎、土居、伊藤翔の11人。途中出場はレオ・シルバ、上田、相馬の3人だった。
なぜか犬飼が不在(また怪我人?)で町田がスタメン。あと前節は出場停止だったクォンが戻ってきたのが前節との違い。
でもって、大分にボールを支配された前節とは違って、この日は基本的に鹿島が保持してガンバがカウンターって内容だった。大分相手にボールを持たれてしまうアントラーズに対して受身のサッカーをするあたりが、ポスト遠藤の方向性を模索するガンバの課題なのかなと思った。
試合はアデミウソンのゴールでガンバが先制。東口からのロングパス一本で、後退しながらアデミウソンのマークについていたブエノが接触してこけて、フリーのチャンスを与えてしまった。まあ、転んだのは仕方ないけれど、転びながら蹴ったボールがアデミウソンへのナイス・パスになってしまったあたり、ブエノもついてない。前節までのいいプレーのイメージがこのワンプレーで帳消しって感じになっちゃうからDFはちょっとかわいそうだよねぇ……。
でも最近の鹿島は先制されても決して慌てないところがいい。前半のうちにセルジーニョの豪快な右足シュートで同点。さらには後半には小池からの斜めの高速クロスにゴール前にいた伊藤翔がワンタッチであわせて逆転。どちらも見事なゴールだった。
これで勝ったかと思ったら、そのあと小泉が福田湧矢という二十歳の選手を倒してPKを与えてしまう。これをパトリックに決められて同点にされ、試合はそのままドローに終わった。さすがに致命的なミスが二つもあると勝ちきれない。
小泉、いいんだか悪いんだか、いまだよくわからない。少なくてもウッチーのレベルではないと思うので、ウッチーが戻ってくればサブでしょう(戻ってくるのか)? というか、そろそろ伊東幸敏もスタメンで見たい。
綺世と相馬はこの日も途中出場したものの、今回はどちらもいまいちボールに絡めず。でもまあ、伊藤翔の調子も上向いてきたし、サブにこういう楽しみな選手がいる現状なら、この先も期待していいんじゃないかと思う。
翌日の試合でFC東京と川崎がどちらもドローだったので、上位の勝ち点の差は動かず――と思ったら、横浜F・マリノスが川崎を追い抜いて鹿島と勝ち点3差で3位に浮上してきた。今年の横浜は強いときはめっぽう強いけれど、いまいち安定感がないので、この先どこまで優勝争いに絡んでくるか計算できない。
鹿島戦の裏ではフェルナンド・トーレスの引退試合である鳥栖-神戸戦があった(1-6というトーレスには気の毒な惨敗に終わる)。観たいと思っていたのに、なぜに鹿島の試合とかぶっちゃうかな。残念だよ。
(Aug. 25, 2019)
広州恒大0-0鹿島アントラーズ
AFCチャンピオンズリーグ・準々決勝/2019年8月28日(水)/広州天河体育中心体育場/日テレNEWS24@スカパー!
ACLもいよいよ準々決勝。アジアの頂点まで倒すべきはあと3チーム!
――ということでこの日の対戦相手は広州恒大。2年前に戦っているのに、はて、どんなクラブだったっけ?――とか思ってしまう記憶力に難ありの五十代男性。
なもんで、スタメン表を見て慌てた。げっ、天敵パウリーニョのいるところか!
しかもつい先日、中国帰化が決まったエウケソンもいる。9番のタリスカというスコッチ・ウイスキーみたいな名前のブラジル人選手も存在感抜群。10番の鄭智(39歳ですって)とか途中出場の告林とか、知った名前のけっこう上手い中国人選手もいる。でもって監督はカンナヴァーロとくる。
現在中国スーパーリーグ首位だとのことで、スタジアムは平日なのになんでこんなにってくらいの超満員。しかもチームカラーの赤一色。あれってたぶん自然発生的に集まったサポーターじゃないよな? いやぁ、中国こわい。
対するこちらのスタメンは、GKがクォン・スンテ、4バックが小泉、チョン・スンヒョン、犬飼、町田、ダブル・ボランチが三竿とレオ・シルバ、攻撃的MFにセルジーニョと白崎、そしてツー・トップが土居と伊藤翔という布陣。途中出場は綺世、永木、名古の3人。
高さがある中国のクラブ相手にアウェイでの対戦ってことで、高さ対策だったのか、小池をはずして町田を左SBで起用してきたところがポイントだと思う。でもって、とりあえず強力な広州の攻撃陣を0点に押さえ込んだのだから、まあ結果は上々だろう――って、かなり危なっかしい内容だったけど。
残念なのはこちらの攻撃も不発に終わり、アウェイ・ゴールを奪えなかったこと。積極的に遠目からでもシュートを打ってゆく姿勢はチーム全体で共有できていたようだけれど、この日はシュートが枠を捕らえきれなかった。ポストやバーに嫌われたり、ボール2個ぶんくらい枠からずれていたり。運があるときならば2点は取れてそうな攻撃をしていたので、無失点に終わってしまったのが悔やまれる試合だった。
でもまあ、アウェイで負けなかったのだからよしとしよう。超満員のアウェイで内容的には五分五分ならば上出来。次の試合はホームで戦えるのだし。一発勝負の準々決勝だと考えれば、目指すは勝利のみだ。次は3週間後。
そういや、この日のアントラーズは濃紺にショッキング・ピンクの背番号という見慣れない第三ユニフォームだった。
(Aug. 29, 2019)