2015年9月のサッカー
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- 09/03 ○ 日本3-0カンボジア (W杯・二次予選)
- 09/06 ○ 鹿島3-0F東京 (ナビスコ杯・準々決勝)
- 09/08 ○ アフガニスタン0-6日本 (W杯・二次予選)
日本3-0カンボジア
ワールドカップ二次予選/2015年9月3日(水)/さいたまスタジアム2002/日本テレビ
これが国内で行われる年内最後の代表戦なんだそうだ。えっ、まじ? なんか早すぎない?……って、でもまぁ、そうか。今年もあと4ヶ月なのか。最近は本当に1年がみじけぇ……。
さて、1勝もできずに最下位に終わった東アジアカップを含めて、ハリルJAPANはここ4試合勝っていないと。
とはいっても、さすがにW杯二次予選で2試合連続で勝てないなんてこたぁないだろうと思っていたし、予想どおり勝ちはした。でもなんか、勝ったことだけが収穫って感じの試合だった。
スタメンはGK西川、DF酒井宏、吉田麻也、森重、長友、MF長谷部、山口蛍、本田、香川、武藤嘉、FW岡崎という布陣。武藤が選ばれたことに、おっと思ったくらいで、あとはいたって平凡。というか、ほとんどザッケローニのころと変わりがない。
で、そんな顔ぶれで戦って、引きっぱなしのカンボジア相手に前半1点、後半2点というんだから、なんだかなぁと思ってしまうのも致し方なし。
ハリルホジッチの就任当時は、縦に速い=動きがある、ってことだと解釈して、僕は好感を持っていたのだけれど、いまの日本代表は単にロングボールが増えただけで、あまり連動性のある質の高い動きを見せてくれていない。だから東アジア杯でも勝てなかったし、この日くらいの相手でも思うように崩せないのだと思う。
縦に速いボールを入れたって、つながんなきゃ意味がない。もっと精度を上げてくれないことには、ストレスがたまるばかりだ。ロングボールを放り込むならば、もっとスペースへ出してくれ。足元へのロングボールばかりのサッカーなんて見たくない。
とにかく、この試合では、べったりと引いて守る相手に手を焼いていた前半はあまりいいところがなかった。シュートはけっこう打っていたけれど、得点の匂いがしたのは、ほんの2、3本じゃないだろうか。
先制点となった本田の無回転シュートは素晴らしかったけれど、それにしたって、あまりに点が取れないので、無理やりこじ開けたって感じだった。相手GK真正面のシュートだっただけに、まさにこじ開けたって表現がぴったりだった。
そんな煮え切らない展開がいくらかマシになったのは、後半に武藤と交替して宇佐美が出てきてから。この日の武藤はシュートが枠に飛ばなさすぎ。宇佐美も無得点だったけれど、ボールを持つと随所で非凡さを感じさせた。少なくても、宇佐美、興梠、原口が出てきた後半のほうが印象はよかった(下がったのは武藤、岡崎、本田)。まぁ、相手が疲れてきた時間帯だったってのもあったけれど。
後半の2点は麻也のミドル(足で決めたのが珍しい)と、ゴール前の混戦からの香川の一発。でも香川は前半になぜそれを決められない?ってシュートミスをしているので、どっちかというと、そちらのインパクトのほうが大きかった。ただあわせるだけってボールをなぜGKにパスしちゃうかな。ありゃ駄目でしょう。まじ、赤面もの。
なんにしろ、勝ち点3だけが収穫って試合だった。なんたって相手のシュートはセットプレーからの1本だけだってんだから(カンボジア、守備しすぎ)。まったくというほど攻めてこない、この手の相手ならば、ボランチで使うべきは蛍より岳でしょう、ハリルホジッチ先生?
まじ、きょうは柴崎がいなくて残念だった。あぁ、柴崎が出てればもっと楽しい試合になっただろうにって。そんな一戦。
(Sep 03, 2015)
鹿島アントラーズ3-0FC東京
ナビスコカップ・準々決勝/2015年9月6日(日)/カシマサッカースタジアム/スカパー!
ナビスコ杯・準々決勝、FC東京との第二試合を義妹夫婦のお宅で観戦させてもらった。
当然ワインと食事つきなので、いい気分で酔っぱらっていて、金崎の2ゴールをどちらも見逃すというていたらく。なのでこの試合については、詳しいことは書けません。
まぁ、アウェイの第一戦を2-2のドローで終えているアントラーズとしては、1点以上取られなければ、引き分けでもオッケーだったので、非常に戦いやすい試合だったと思う。ただでさえ相性のいいFC東京が相手だし。石井監督に代わってからは、守備もだいぶ安定してきているので、試合前から、まぁ、準決勝進出は堅いだろうと思っていた(ごめん)。
そしたら開始わずか7分で金崎のグラウンダーのミドルが決まってしまう(GK榎本のミスかと思ったけれど、ボールがイレギュラーしたらしい)。いちおうFC東京サポーターのお宅にお邪魔している身としては、接戦を期待していたのに、いきなり夢生くんがやってくれてしまった。
後半60分の2点目も同じような形で、さすがにこれで勝負あり。最後は遠藤が得意のミドルを決めて、3-0で快勝。後半にPKをもらった金崎が、せっかくのハットトリックのチャンスをバーにあてて逃したのが唯一の心残りという試合でした。
それにしてもFC東京はとにかくシュートが少ない。前から少ないと思っていたけれど、やはりこの日も少なかった(7本)。あれではさすがにきびしいでしょう。この日は森重と丸山というCBのふたりが代表に招集されていて不在だってのも気の毒だったけど。ハリルホジッチは使いもしない丸山をサプライズ招集するってのが罪作りだ。
ということで、今回は以上。最後に両チームの出場選手を書き残しておしまい。
鹿島はスタメンが曽ヶ端、西、ファン、青木、山本、山村、小笠原、遠藤、カイオ、赤崎、金崎で、途中出場は土居ひとりだけ。交替カードを2枚も残すってのも珍しい(──とかいいつつ、見ている時には気がついていないやつ)。
FC東京は榎本達也、徳永、吉本、奈良、太田宏介、高橋秀人、米本、羽生、前田、東、中島翔哉の11人。途中出場が平山、河野、橋本拳人という3人で、五輪代表の中島翔哉ほか、奈良、橋本がU-22世代という、なにげにフレッシュな顔ぶれだった。
(Sep 07, 2015)
アフガニスタン0-6日本
ワールドカップ・二次予選/2015年9月8日(火)/イラン・テヘラン/TBS
ワールドカップ二次予選、ここから日本は怒涛のアウェイ4連戦に突入とのこと。まず最初の対戦相手はアフガニスタン。アフガンの政情が不安定ってことで、イランでの試合となった。
先週のカンボジアとの対戦は40何年ぶりとかだったそうで、つまり僕が日本とカンボジアの試合を観るのも当然今回が初めてだったわけだけれど、今回のアフガニスタンはもっと上で、ウィキペディアによると、なんと前回の対戦は1951年らしい。じつに64年ぶり? なまじ戦争などでよく名前を聞くものだから、よもやそんなに長いこと試合をしたことのない国だとは思わなかった。
で、国のイメージはイランやイラクに近いので、サッカーでも同様に手ごわいのかと思ったら、そんなことなし。FIFAランキング130位とのことで、なるほどそれくらいの相手って感じだった。
まぁ、180位のカンボジアや157位のシンガポールに苦戦している今の日本だから、FIFAランキングなんてあまりあてにはならないと思うけれど、それでもこの日の試合を観ると、逆にあるていど順位が近いほうが、下手にガチガチに守ってこない分、戦いやすいような気もした。
この日の日本のスタメンは、カンボジア戦のメンツから武藤をはずして、かわりに原口を入れた布陣。この原口の起用が大正解だったと思う。
いや、原口、よかった。つなぐときはつなぎ、パスの出し先がなければ、積極的にドリブルを仕掛ける。一対一でも競り負けないし、プレーにメリハリがあって、とても好印象だった。海外修業は伊達じゃないなと思った。少なくても、今回の2試合に関しては、やる気が空回り気味の武藤や、ボールを持てはすごいけれど、持っていないときにはどこにいるのかわからない宇佐美よりもだんぜん存在感があった。
そんな彼のおかげかどうかは定かじゃないけれど、チーム自体もカンボジア戦よりは攻撃のパターンが多い印象だった。なにより6ゴール決まったのがでかい。やはりこれくらいの相手からはこれくらい取ってくれないと。
なにより大きかったのは、香川の先制点。
前の試合で世界中から笑われるようなミスをしでかした香川だけれど、この試合ではそのミスを帳消しにするだけの活躍をして見せてくれた。先制点のミドルといい、後半の追加点といい、個人技の冴えわたった、とてもきれいなゴールだった。それも1点目は右足、2点目は左足。利き足を選ばないで、あんなにきれいなシュートが打てるところがすげー。最近のドルトムントでの高評価を納得させるだけのプレーをようやく代表でも見せてくれた。
チーム2点目となる森重のゴールは、ゴールラインを割りそうなボールを追って、ぎりぎりで折り返した本田のファイン・プレー。攻撃のチーム・リーダーが格下相手にああいう手を抜かないプレーを見せるところがいい。
後半は香川のあと、さらに岡崎の2ゴール──1点目は蛍が自分でも決められそうなところへ、DFラインの裏に3人が走り込んできていたところがすごかった──に、途中出場の宇佐美のアシストを本田が泥臭く決めて、計6点。
内容がとくべつによかったって感じでもなかったけれど、まぁ、これだけゴールが決まれば気分はいい。願わくば途中出場で出てきた宇佐美や武藤にゴールが生まれれば、なおよかったけれど、最近の日本代表の内容からすれば、それはちょっと欲ばりすぎという気もする。とりあえず、苦手の中東で勝ち点3をあげられたのがなによりだった。
そうそう、ハリルホジッチが宇佐美を酒井宏と交替させて、そのあとは原口を右サイドバックのポジションで使ってみせたのもおもしろかった。この相手ならばDFを一枚削っても十分戦えるって判断なんだろうけれど、おかげでポジションが混乱して、かえって攻撃の手が緩んじゃった感あり。まぁ、大きく勝ってる試合だからこその奇策なんだろう。アイディアはおもしろかったけれど、あまり成功したとは言えなかった。
あと、最後のカードで遠藤航が公式戦デビューした。今回も柴崎は出番なし。それが唯一、この試合でちくしょうめなところだった。ハリルホジッチは柴崎の使い方がなってない。
来月の次の試合は、グループ唯一3連勝で首位に立っているシリアとの対戦。どうもこのグループではシリアが頭ひとつ抜けているようなので、ここで勝たないと1位抜けが厳しくなりそうだ。二次予選、はやくも正念場の感あり。
(Sep 09, 2015)