2013年12月のサッカー

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  1. 12/07 ● 鹿島0-2広島 (J1・第34節)
  2. 12/29   東北ドリームス5-3JAPANスターズ (JPFAチャリティーサッカー2013)

鹿島アントラーズ0-2サンフレッチェ広島

J1・第34節/2013年12月7日(土)/カシマサッカースタジアム/BS1

 J1最終節に負けて、こんなにくやしい思いをしたのは、初めてのような気がする。
 ブラジルW杯・抽選会で日本代表の対戦相手が決まってから、およそ半日後のこと。鹿島アントラーズがサンフレッチェ広島に敗れ、広島のJ1連覇を許すとともに、自らのACL出場権も逃した、くやしすぎる一戦。
 この日のスタメンは曽ヶ端、西、青木、山村、中田、柴崎、小笠原、野沢、土居、中村充孝、大迫という顔ぶれ(途中出場はダヴィ、本山、前野)。ジュニーニョ、遠藤、伊東がけがとのことで、野沢、中村、西の3人がひさしぶりにスタメンに名をつらねた。難敵広島との大一番だけに、試合勘にとぼしい彼らがスタメンってあたりが、やや心配なところではあったのだけれど。
 それよりなにより、この試合はとにかく前半最後の大迫の退場、これがすべてだったと思う。サンフレッチェの鋭いカウンターを止めようとディフェンスにいった大迫は、前半のうちに2度も同じような形でイエローカードをもらい、退場をくらってしまった。
 1枚目はともかく(よくおぼえていない)、2枚目はカードをもらうほどのファールじゃなかったと思う。たしかに相手のカウンターを阻止する形にはなったけれど、大迫のプレーは反則覚悟というようなものではなかった。ふつうにボールにチェックにいったら、相手が倒れました、くらいの感じ。だから観ていて、カードが出たのにはまさかと思った。優勝の行方を左右するこんな大事な試合で、あの程度のファールにカードを出して、試合壊すかぁ? その場面にかぎらず──というか、その場面の印象が悪すぎたせいで?──、この日の東条というレフェリーの判定には、どうにも好感が持てなかった。
 なんにせよ、その時点でアントラーズはすでに1点のビハインドを追っていたので、さすがにこれで勝負はほぼ決まったようなものだった。後半は数的不利な状況のなか、精一杯のがんばりを見せてくれたけれど、結局1点の差を跳ね返せないまま、終盤に2点目を奪われて、ジ・エンド(得点はどちらも石原という選手)。最終順位を5位と下げて、来季のACL出場権を逃してシーズンを終えることになった。あぁ、無念の極み……。
 裏ではマリノスがよもやの連敗で、サンフレッチェの逆転優勝が決まってしまった。今年は俊輔ががんばっていたので、優勝させてあげたかったんだけれどなぁ……。逆にサンフレッチェは、ACLを1勝もできずに敗退したことで、僕のなかの株が大暴落していたので、絶対に優勝させたくないと思っていたのに。まさか最後の最後でアントラーズが彼らの優勝をサポートしてしまうとは……。もう最低の気分。
 ここ数年は、アントラーズ戦のテレビ放送の裏で優勝が決まっていたので、ひさしく優勝が決まる試合を見ていないなぁと思っていたのだけれど、同じパターンになると決め込んでいた今年は、図らずして、かつ不本意ながらも観る羽目になってしまったという。それもまた、めちゃくやしい。
 でもまぁ、今年も広島が強かったのは確かなところだ。先日の天皇杯をふくめて、アントラーズの対戦成績は1分2敗だもんなぁ……。正直、天皇杯もこの試合も、観ていて勝てる気がしなかった。選手の質という点では、決して負けていないと思うのだけれど、チームとしての完成度では、断然あちらが上な気がする。やっているサッカーにぶれがなく、一本筋が通っている感じ。森保監督、いい仕事しているなぁと思う。
 とはいえ、うちじゃ強いのに、外じゃからっきしなんて、そんな内弁慶なチャンピオンは許せない。広島にはJ1チャンピオンの名に恥じないよう、来年のACLでは、せめてグループリーグは突破してもらいたい。
 ──ということで、本日でJ1は全日程終了。最終順位でアントラーズより上にいたのは、広島、横浜M、川崎、C大阪の4チームとなった。まさか最後にフロンターレ、セレッソの両チームに抜かれるとは思わなかった(それにしても、最後の2節で順位を2位から6位までさげたレッズの勝負弱さときた日には)。降格は湘南、磐田、大分の3チーム。あぁ、さようなら、ジュビロ。また逢う日まで……。そして大久保は初の得点王、おめでとう。
 アントラーズについては、若手を積極的に起用しながらこの成績なのだから、降格レースに巻き込まれた昨年から比べれば、十分よくやったと思う。でも、トニーニョ・セレーゾは若手を重用するあまり、ベテランを生かせていなかった気がする。山村、遠藤、土居、伊東らの若手が、岩政、野沢、本山、西らの先輩を超える実力を発揮していたかというと、どうにも疑問なので。若手とベテランをもっとバランスよく使えていたら、さらにいい成績を残せていたんじゃないかという気がしてしまう。まぁ、新加入のダヴィと中村充孝が、期待していたほどには活躍してくれなかったのも痛かったけれど。とくにダヴィはJ2得点王だというので、もっと活躍してくれると思っていたんだけれどなぁ……。
 そうそう、この試合の数日前に、岩政が今季かぎりで退団することが発表されていた(あぁ、やはり……)。試合の展開次第では出番もあるかと思っていたんだけれど、相手に先制を許し、大迫が退場した時点でその可能性もなくなってしまった(その意味でも大迫の退場は痛かった)。岩政の最後の雄姿が見られなくて残念。長いことお疲れさまでした。
 まぁ、ということで、今年のJ1もこれでおしまい。アントラーズはすでに天皇杯でも敗退してしまっているので、僕がサッカーを観るのも、おそらく今年はこれが最後だ。あぁ、7年ぶりの無冠で迎えるこの年の瀬のむなしさときた日には……。ちっくしょう、来年ACLでプレーする大迫や柴崎の姿が観たかったなぁ。あぁ、ほんとにくやしい。
(Dec 07, 2013)

東北ドリームス5-3JAPANスターズ

JPFA(日本プロサッカー選手会)チャリティーサッカー2013/2013年12月28日(土)/ユアテックスタジアム仙台/BS1

 キックオフの1時間前にテレビ放送があることに気がつきました、今年2度目の震災復興チャリティーマッチ。今回は若手主体の東北ドリームスと、ベテラン主体のJAPANスターズというチーム構成。
 しかし。この試合は正直、あまりおもしろくなかった。出場メンバーがこれまでに比べて地味で、僕なんかが知らない選手がたくさん出ていたからってだけが理由じゃない。試合そのものがおちゃらけていて、どうにも好感が持てなかった。
 だって、JAPANスターズの2点目は、わざとらしいファールで与えられたPKに「ピンチヒッター」として登場したプロ野球・楽天の銀次だよ?
 後半ロスタイムの最後のゴールは、背番号にテープで「中山」と書いたユニフォームを着て、スニーカーを履いてピッチに立ったゴン中山だよ?
 なんすか、それ。監督が福田と城って時点で、なんだそりゃとは思ったんだけれど、ここまでおちゃらけた試合になるとは思ってもみなかった。ゴールが決まるたびのだらだらしたアトラクションも含めて、ふざけすぎ。そういうのが好きな人もいるのかもしれないけれど、僕は駄目だ。
 僕はサッカーにかぎらず、スポーツは真剣に戦っている姿だけで十分に素晴らしいものだと思っている。逆に真剣勝負でないスポーツなんて、観る価値がないと思っている。そういう意味では、勝ち負け度外視のアトラクションと化したこの日の試合は、僕にとってはまさに観る必要のない試合だった。
 前半の柿谷の2ゴールとか、南野のはつらつとしたプレー、彼らと柴崎や遠藤康の連係など、ぐっとくる場面もあった。今年で現役引退を表明している服部年宏、吉田孝行、北嶋秀朗らのプレーが観られたり、現在はアジアや北米でプレーしているという戸田和幸(おぉ、長髪! でも彼も今年で引退とのこと)、山田卓也、小林大悟、カレン・ロバートなんかも出ていたりして、おーと思った。僕は彼らのプレーが見られれば、それだけで十分だったのに……。
 チャリティーの趣旨には大いに賛同するけれど、肝心の試合がこんなふざけた内容では、とてもその趣旨にはそぐわない気がする。それどころか、その意義を損なってさえいるようにさえ感じてしまう。初めからこんな試合だとわかっていたら、僕は絶対にスタジアムに観に行きたいとは思わない。テレビ放送されても、次回からはたぶん観る気にならないと思う。
 小笠原(なぜか最後までベンチだった)が中心になって企画された試合らしいので、そんな気分になってしまったのが、なおさら残念だった。
(Dec 29, 2013)