2012年7月のサッカー
Index
- 07/07 ○ 鹿島1-0大宮 (J1・第17節)
- 07/11 △ U-23日本1-1U-23ニュージーランド (親善試合)
- 07/14 ○ C大阪0-1鹿島 (J1・第18節)
- 07/18 ○ U-23日本1-1U-23ベラルーシ (親善試合)
- 07/21 JリーグTEAM AS ONE4-0Jリーグ選抜 (東日本大震災復興支援)
- 07/21 ○ U-23日本2-1U-23メキシコ (親善試合)
- 07/25 ○ 鹿島2-1C大阪 (ナビスコ杯・準々決勝)
- 07/26 ○ U-23日本1-0U-23スペイン (五輪)
- 07/29 ○ U-23日本1-0U-23モロッコ (五輪)
鹿島アントラーズ1-0大宮アルディージャ
J1・第17節/2012年7月7日(土)/カシマサッカースタジアム/スカパー!e2
はっはっはー。スカパーのJリーグ・パックを解約したというのに、最新のアントラーズ戦が観れてしまいました。この日の放送は無料放送中のBSスカパーだっ。
……って、でも試合中はバンプ・オブ・チキンを観に代々木に行っていたので、観たのは録画。しかもライブ後の喉の渇きを癒すため、ビールやワインをがぶ飲みしながらだったので、内容には集中しきれず。なので感想は書かなくてもいいかなと思ったんだけれど、とりあえず記録の意味で簡単に。
この日のスタメンは曽ヶ端、西、山村、中田浩二、新井場、柴崎、小笠原、ドゥトラ、遠藤、大迫、興梠の11人。
累積警告で出場停止の岩政にかわって、怪我から復帰した中田がひさしぶりのスタメン。これから山村が五輪代表で抜けるのを考えると、このタイミングで中田が戻ってきたのは、とても頼もしい。そうそう、五輪代表といえば、大迫の落選について、言いたいことがたくさんあるんだけれど、まぁ、それについては次の機会に。
そういや、相手のアルディージャにはその五輪代表で重用されている東がいた。でも、その東くん、やはり印象はいまいち。とくに曽ヶ端と1対1のチャンスを決めきれなかった場面にはがっかりした(こちらとしては助かったんだけれど)。
その場面で、東はゴール前へと突入するドリブルの最中に、一瞬うしろを確認している。そのまま前進すればGKと1対1が作れるというチャンスに。僕はその一瞬の判断で、プレーがわずかに遅れ、曽ヶ端にシュートを止められることになったのだと思った。自ら決められるチャンスが目の前にあるのに、それでもなお、まわりのサポートを気にするようでは世界では通用しないだろう。五輪代表ではああいうプレーは見たくない。
試合内容は、公式記録を見るとシュート数で23対9と鹿島が相手を圧倒しているようだけれど、あまりそういう印象は受けなかった(酔っ払いのいうことだから、あてにはならない)。まぁ、今年はずっとこんな感じな気もする。それでも西の今季初ゴール(ナイス!)でなんとか勝っているので、結果オーライだ。
次節はNHK-BSでの放送があるとのこと(エレカシが出演するライブ・イベントの生放送と重なっているので、また生では観られそうにないけれど)。Jリーグ・パックを解約したのに、不思議と観られる試合がつづく。
(Jul 08, 2012)
U-23日本1-1U-23ニュージーランド
2012年7月11日(水)/国立競技場/フジテレビ
オリンピック本番まであと2週間。ということで、国内最後の壮行試合ということだったのだけれど……。
今回の五輪代表の選考については、どうにも納得がゆかなくて、いまいち応援モードに入れないでいる。
だって、なんで予選ではFWの柱としてプレーしていた大迫が落選なんだよ~。ボランチのサブだって、なにゆえ出番が多かった山本康祐でなくて、トゥーロンで初めて合流したという村松なの? 予選でのチームに対する貢献は、本大会に向けてはまるで評価の対象にならないわけ? そんなのあり?
大迫にかわって選ばれた杉本健勇という子は、そりゃいい選手なのかもしれない(きょうの試合で初めて見たけれど、少なくてもルックスでは彼の勝ちだ)。19歳だそうだから、もしかしたら将来性を買ったのかもしれない。この先、日本代表の柱として活躍する選手になると見込んだのかもしれない(確かに大迫がこの先、A代表のエースになるかと問われると、かなり心許ない)。
でもなー、これまでの関塚さんのやり方を見ていると、どうにもそういう風には思えないんだよなぁ。なんか、お気に入りのわずかな選手を固定して、あとは場当たり的にそのとき調子がよさそうな選手をピックアップしているようにしか見えない。彼らこそ将来の日本代表を背負って立つ逸材なんだと、そう見込んで自信を持って選んだ選手たちだという印象を受けない。
僕は五輪代表は将来のA代表の雛形であって欲しいと思っている。この若者たちがいずれA代表を背負って立つんだと。代表監督にはそう思わせてくれる選手たちを選んで欲しい。彼らをこの先、ずっと応援してゆくんだと思わせて欲しい。そういう未来への連続性が欲しい。
そういう実感さえあれば、極論だけれど、本大会での結果は問わない。将来性豊かな選手たちに世界のレベルを体感させ、貴重な実戦経験を積ませられさえすれば、3連敗して終わったって構わないとさえ思う。
でも山本さんも反町さんも、そして今回の関塚さんも、残念ながら僕にはそういう選手選考をしているようには見えない。自分たちは日本サッカーの未来を育てているんだという、そういう矜持を感じさせてくれない。いまの自分にできるスケールの小さなサッカーを形にするのに精一杯で、選手たちをパズルのように組み合わせることに汲々としているようにしかえ見えない。そんなんでメダルを目指すとか言うのが恥ずかしい。
本気でメダルを目指すんならば、今回はOA枠の使い方だっておかしいだろう。なぜにいまだ故障が癒えず、この日の試合に出場さえできない吉田麻也を呼ぶ? ブンデスリーガで活躍しているサイドバックの酒井高徳がいるのに、なぜに徳永を呼ぶ? 3人目のGK林にいたっては、なんと補欠扱いだ。林に失礼でしょ、それ。
本気でメダルを目指してOA枠を使うんならば、万難を排してでも本田や長友を呼ぶべきじゃないのか。で、当然遠慮なく香川だって招集するでしょ。五輪世代でもっとも優れたタレントなんだから。なんで出場資格のあるA代表のエースがオリンピックに出ないんだ。前回のオリンピックではメッシだって出てたよな? 世界に日本サッカーを知らしめるつもりならば、香川の招集見送りなんて論外だろう。最高の選手をそろえずしてメダルに手が届くと思うなんて、世界をなめるにもほどがある。
そもそも、ここへきてOA枠でDFを補強したのはトゥーロンでの失点の多さが原因らしいけれど、それだってどうなんだと思う。仮にDFラインのリーダーが必要だとするならば、故障明けの吉田よりも闘莉王や槙野のほうがよくはないか? きょう戦ったニュージーランドのネルセンってDFなんか、闘莉王よりも年上だぞ。わざわざOA枠使うんならば、日本だって同じように経験値の高い頼れるDFを呼びゃいいじゃん。
そもそもディフェンス崩壊ったって、そりゃ関塚さんがずっとコンビを組ませていた鈴木大輔と濱田のコンビを見限って、山村をCBで起用したりするからいけなかったりしません? 山村はつい最近までボランチだった選手だ。CBとしてはまだまだ発展途上だと僕は思う。そんな彼にキャプテンマークを託して最終ラインを統率しろって、そりゃ守備が安定しなくなるのも当然な気がして仕方ないんだけれど……。
とにかくもう、日本の五輪代表はいつもいつも、やっていることが中途半端すぎて嫌だ。本気で勝ちに行っているようにも、ダイヤの原石のような若手の育成に全力を注いでいるようにも見えない。単にJFAのお眼鏡にかなった日本人監督に趣味でサッカーさせてあげてるみたい。きょうの試合なんて、関塚さんがなにゆえ予備登録の山崎や米本を使ったのか、僕にはまったく理解できない。おかしいでしょ、それ。
いや、関塚さんの選考姿勢には疑問だらけだけれど、選ばれた選手の能力には──それこそバックアップの選手であっても──、一定のポテンシャルは感じる。とはいえ、彼らの能力がしっかりと噛みあって、これから2週間で世界で戦えるレベルにまでチーム力が高まるかというと、はなはだ疑問。本番までにあと2試合、海外での親善試合があって、テレビでも放送されるらしいんだけれど、なんかそれを観るのも憂鬱になってきた……。
──なんて調子で愚痴っているうちにすっかり夜も更けてしまったので、最後にきょうの内容を簡単に書いておしまい。
スタメンは権田、酒井宏樹、鈴木大輔、山村、徳永、山口、扇原、清武、東、永井、大津。途中出場が杉本、村松大輔、山崎、米本、齋藤学(だから、なにゆえ予備登録の山崎や米本が斎藤よりも先に出るかな……)。後半26分に徳永のミドルのこぼれ球を杉本(なんと!)が決めて先制するも、ロスタイムの最後の最後にミスから相手にゴールを許してドローに終わった。なんでそこで点とられんの?って、思わず笑ってしまった。はぁ……。
あぁ、それにしてもホームでニュージーランドに勝てない日本が、オリンピックの初戦でスペインに勝利する確率やいかに──。
(Jul 12, 2012)
セレッソ大阪0-1鹿島アントラーズ
J1・第18節/2012年7月14日(土)/長居スタジアム/BS1
前の週のJリーグタイムで放送があるといっていたのに、当日の新聞で番組表を観ても、なぜかその時間帯はプロ野球放送などやっていて、Jリーグの「ジェ」の字もない。なんだ、どういうことだと思ったら、Jリーグ放送はメインの「101」ではなく、「102」という臨時用のサブチャンネルだった。わかりにくいぜ、NHK。
で、この「102」チャンネル、ハイビジョンじゃないらしく、画質がいまいち(地デジが始まってそろそろ1年になるだけあって、感覚的にすっかりハイビジョンが標準になってしまっている)。さらには、この日はスパカーでエレカシが出演するライブ・イベントの生中継があって、わが家のテレビは午後3時からその番組で独占されていた。
仕方ないから、サッカーはそれが終わってから録画で観ようかと思っていたんだけれど、考えてみたら、僕のPCはBS放送が映るんだった。そして春先の模様替えにより、PCは居間とひとつづきの和室に置いてある。つまり、その気になれば、エレカシのライブとアントラーズ戦を一緒に観られる。こりゃひとつ、試してみるかなと思ったんだったが。
やっぱ、無理がありました。
先に書いたとおり、この日の放送は画質がいまいちな上に、再生しているのが23インチのPCモニターということもあって、動きの速いサッカーを観るには不十分。ただでさえ試合に集中しにくいそんなシチュエーションの上に、となりの部屋では生放送で宮本が叫んでいるってんだから、これはもうまともにサッカーが観られるはずがない。
いよいよ季節が本格的に夏っぽくなってきたこともあって、途中から暑さに負けてビールなんか飲みはじめてしまったこともあって、サッカー観てるんだか、エレカシ観てるんだか、わからなくなってしまった。
とはいえ、大好きなエレカシ宮本のハイテンションなライヴ・パフォーマンスとアントラーズ戦を同時に生観戦しつつ、ビール片手に過ごすってのは、なかなか得がたい経験ではありました。贅沢な夏の一夜。
ということで、試合内容については詳しく書けない。ざっとした印象だと、前節同様、あまり内容的にはよくなかったけれど、それでもしっかり守って、虎の子の1点を守り切るという、ある意味アントラーズらしい勝ち方だった。
スタメンはセンターバックが岩政、山村に戻った以外は前節と一緒。決勝点は小笠原の直接FKだった。オガサがFKを直接決めるのを見るのも、ずいぶんひさしぶりな気がする。まぁ、あれを見られただけでも、とりあえずこの試合をリアルタイムで観ておいてよかったと思った。
なんにしろ、この日の勝利でようやくアントラーズの勝率は7勝7敗4分で5割となった。ここから残り半分でどれだけ勝ち点を上積みできるのか、大いに期待したい。
次にアントラーズを見るのは、およそ一ヶ月後のレッズ戦の予定。
(Jul 15, 2012)
U-23日本1-1U-23ベラルーシ
2012年7月18日(水)/ノッティンガム/フジテレビ
僕には関塚さんのやろうとしているサッカーがまったく理解できない。
本番までに用意された親善試合はあと2試合なわけだ。チームのコンビネーションを深めるために使える時間は、たった180分しかない。
それなのに、後半の開始とともに6人も入れ替えるってのは、なにごとだっ! 五輪にエントリーした18人のうち、GKの安藤を除く全員をピッチに送り込むってのは、どういうことなんだ? わけがわからない。
それだけでもなにやってんだと思ったのに、さらにはそのあとに予備登録の米本らも全員交替で出場させるとくる。それもGKの林──って仙台の林卓人だと思っていたら、清水の知らない子だった──まで使っておいて、終わってみれば、唯一出番がなかったのが第2GKの安藤って。意味がわからーん。
いや、試合が始まった時点では、意外と期待する部分があったんだ。権田、酒井宏樹、吉田麻也、鈴木大輔、酒井高徳、扇原、山口蛍、清武、宇佐美、永井、大津というスタメンの顔ぶれには、こりゃけっこう戦えるんじゃないかと思わせるものがあったから。
清武と宇佐美が一緒にいるのって、けっこう強力だと思ったし、永井はこのところ絶好調のようだし、大津もニュージーランド戦では積極性が光っていた(この日はいまひとつだったけれど)。こりゃコンビネーションが高まれば、意外といいチームになるかも……と思ったんだった。
ところがそんな期待は、前半をスコアレスで終えて、後半に入った途端に一気に崩れる。
なんすか、6人一気に交替って。中盤から前は宇佐美を残して総とっかえって。しかも、この期に及んで、徳永のCB起用に、山村と村松のダブルボランチって。いまだに誰をどこで使うかも決められないのかいっ。
ふつうの感覚でいえば、本番まであと2試合のこの時点でやるべきことは、本番で戦うメンバーを固定して、少しでも長く一緒にプレーさせることでしょう? 少なくても誰かが怪我をしないかぎり出番がまわってこない予備登録の選手に貴重な時間を与える必然性はまったくない。
まぁ、これだけ出鱈目に選手を替えておきながら、欧州第3位だというベラルーシに勝っちゃう(決勝点はまたもや杉本!)ってのは、それはそれですごいけれどもさー。あまりの迷采配にあきれて、後半はまったく楽しめなかった。関塚サッカーは僕には謎だ。なにがしたいのか、わからなさすぎて腹が立つ。
(Jul 19, 2012)
JリーグTEAM AS ONE4-0Jリーグ選抜
東日本大震災復興支援2012Jリーグスペシャルマッチ/2012年7月21日(土)/カシマサッカースタジアム/TBS
デル・ピエロの緊急参戦でやたらと盛りあがった東日本大震災復興支援のためのチャリティマッチ。対戦するのは、被災地を本拠地とする鹿島、仙台の連合チームに今野ら被災地の出身者が加わった TEAM AS ONE 対Jリーグ選抜。
この試合、やはりアントラーズ・サポーターとしては、TEAM AS ONEにぐっときた。なんたって柳沢、大迫のツートップだし。デル・ピエロと小笠原がチームメイトとして一緒にプレーしていたりするし。指揮をとるのは手倉森さんだけれど、カシマスタジアムでの試合ということもあってか、スタメンには中田浩二、新井場、遠藤康も名を連ねていて、そこに今野やデル・ピエロも加わるので、結果としてベガルタよりもアントラーズ色のほうが強く出ていた。
対する相手チームでは俊輔とヤットがパス交換していたりするし、ひさしぶりに中澤と闘莉王の元代表CBコンビが見られたりと、チャリティマッチならではの楽しさが随所で見られた。
でもやっぱ、この試合の話題を独占したのはデル・ピエロ。長年所属したユベントスを退団して、現時点では移籍先も未定というオフ・シーズンだから、本人も言っていたように、動きはやたらと緩慢で、パスとかもゆるゆるだったけれど、ここぞというところでは味のあるプレーを見せてくれていた。あまつさえ、まさかのミドルシュートまで決めてみせるのだから、さすがスーパースター。持っているものが違う。
試合は梁勇基のゴールで先制したTEAM AS ONEが、その後もデル・ピエロのゴールや赤嶺、太田吉彰らのゴールで追加点をあげて、4-0の快勝(太田のはオフサイドだと思うけど)。大量得点も驚きだけれど、やっぱ仙台、鹿島という守備力の高いチームどうしの連合軍だけあって、即席チームにしてはディフェンスが抜群だった。
そういや、後半ラスト5分にはゴン中山も出てきて、スタジアムの大歓声を浴びてました。でもゴンちゃん、絶好のシュート・チャンスがあったにもかかわらず、大きく外すところが、らしかった。そういや去年のチャリティ・マッチではカズが同じように出てきて、シュート決めてたっけねぇ。あそこがカズとゴンの違いだな(失礼)。
それにしてもゴールを決めたのが仙台の選手とデル・ピエロだけってところに、現状のJでの順位が如実に現れているような……。
(Jul 22, 2012)
U-23日本2-1U-23メキシコ
親善試合/2012年7月21日(土)/ノッティンガム/TBS
さぁ、いよいよこの試合が終われば、つぎはオリンピック本番!――というメキシコとの一戦。ひとつ前のチャリティーマッチのわずか1時間後にキックオフで、やや疲れた。
この日のスタメンはGK権田、DF酒井宏樹、鈴木、吉田、徳永、MF扇原、山口、清武、東、宇佐美、そしてFW永井のワントップという布陣。さすがにここからはそうそうメンバーが変わることもないだろうから、これがスペイン戦でのスタメンのベースになると思われる。
僕としては、ドイツでプレーしている酒井高徳を差し置いて、OA枠で徳永を使うってのは気に入らなかったりするんだけれど、まぁ、守備力という点では、やはり徳永に分があるのだろうし、守備的にならざるを得ないスペイン戦は、徳永スタメンで仕方ないのかなと思う。徳永だって、わざわざ呼ばれた以上、出てしかるべきだし。
それよりも微妙なのが宇佐美。この日の彼はまったくいいところがないまま、前半だけで交替させられてしまった。
彼と交替で出てきた齋藤学がフレッシュなプレーを見せていたり、これまた途中出場の大津が決勝ゴールを決めたりと活躍しているのを見ると、関塚さんが宇佐美をスペイン戦でもスタメンで使うかは、微妙なところだと思う。
でもなぁ。わざわざ呼んだんだから、使ってもらいたいんだよなぁ。そもそもこの試合でも後半も使って欲しかった。それでもいいプレーができないようならば仕方ないけれど、45分のプレーで見限られたんでは、宇佐美も釈然としないだろう。移籍したばかりのクラブでのポジション争いがある中、招集を受けてきたというのに、本番で出番なしで終わったら。今回のオリンピックは、宇佐美の起用法がいちばんのポイントになりそうな気がする。
この日の試合については開始早々に相手のミスから日本が先制したことで、ちょっとイレギュラーな試合になってしまった感があった。
得点の場面はゴール真正面でボールを奪った清武から右サイドの永井にパスが通り、そこからの折り返しを東がスライディングしながらゴールへと流し込んだもの。とてもいい連係だったとは思うけれど、しょせん相手のミスから得たチャンスだ。いまの日本の課題は、いかにコンビネーションを高めて得点につなげるかだと思うのだけれど、この一点で守りに入ってしまったことで、その辺の課題を確認することができなくなってしまった感があった。
まぁ、前半のうちにメキシコの見事なミドルシュートから同点にされたので──世界ではあれがあるんだよなぁ──、そこからが本当の見どころだと思ったのだけれど、それ以降はこれといって印象に残ったプレーはなし。後半に入るとともに宇佐美は引っ込んじゃうし、この期におよんで、扇原に代えて山村使ったりするし。
大津の芸術的なボレーシュートで勝ちはしたけれど、ボール保持率ではメキシコに圧倒されていたし、あまりいい試合内容じゃなかったと思う。それでもベラルーシ、メキシコというオリンピック出場国に2連勝をして本番に臨む日本って、もしかしてちょっとすごいのか? と思ったりしなくもない。
ま、泣いても笑っても次は本番。グループリーグの対戦相手は、スペイン、モロッコ、ホンジュラスだ。さぁ、どんな戦いを見せてくれるのやら。
そうそう、そういやこの日の(今回の?)ユニフォームは赤だった。赤いユニフォームを着た日本代表っなんかすごく違和感がある。よその国から見たら、韓国代表と見分けがつかないんじゃなかろうか。なんだかなぁ。
(Jul 22, 2012)
鹿島アントラーズ2-1セレッソ大阪
ナビスコカップ・準々決勝/2012年7月25日(水)/カシマサッカースタジアム/スカパー!e2(録画)
エレカシ観るためにフジテレビNEXTと契約したら、おまけにナビスコカップがついてきました。ははー。なんか、不思議な巡り合わせ。ま、現状7時からの試合は生では観られないので、録画しながらの30分遅れのシフト観戦だったけど、それでもまたまた観れました、アントラーズ戦。ナビスコ杯の準々決勝、ホームでの第一戦。対戦相手はまたもやセレッソ。
いや、しっかし暑いっ。いまや夏真っ盛り。そんな真夏の夜のサッカーはきつい。もー、最初から選手たちがぜんぜん動けてない。でも、それに文句を言う気にもならない。だって俺が駅からうちまで普通に歩いて帰ってくるだけで、汗だくになってしまうような暑さの中でサッカーやってんだから(まぁ、わけあって20分も歩いてるんだけど)。まともに戦えってのが無理。湿度80度なんてとこでサッカーやってるだけでえらいって思う。
だから夏場は避けて、秋春制で……って話が出るんだろうけれど、でも僕はそんな過酷な環境で行われるぐーたらサッカーを観るのが、けっこう好きだ。内容はぱっとしなくとも、過酷な暑さを耐えしのぎながら、勝ち点のためにがんばっている選手を観ているのって、なんかある種の我慢大会みたいで、それはそれで感動的だ。やっている方はきついかもしれないけれど、そのきつさと戦っている選手たちのがんばりのを見るのも一興だと思う。スタンドでビール飲みながらだったりすると、これはもうたまらない。金があったら、そういう楽しみ方したいんだけれどなぁ……。って、そんなの現状では叶わぬ夢。
まぁ、なんにしろそんな暑さのなかでの我慢大会みたいなナビスコ杯の準々決勝、アントラーズは初戦を白星で飾った。得点はオガサのFKから岩政のヘディングと、興梠がフェイントでGKとDFをかわし、ゴールへちょこんと蹴り込んだパスのようなシュート。セットプレーからの1点目は、あまりの暑さのあまり、相手も集中力を欠いていたんじゃないかと思ってしまうくらい、岩政がどフリーになっていた。興梠のゴールもなんだかひさしぶりだ。
惜しむらくは前半であと3点くらい取れそうなチャンスがあったにもかかわらず、そのあとゴールに嫌われてしまったこと。そして岩政と中田とのコンビネーションがいまいちだったのか、オフサイドを取りそこなって、柿谷にヘディングを決められたこと。アウェイ・ゴールだから、2-1で勝ったといいながら、スコアでは五分ということになるのが痛い。
噂の柿谷曜一朗、このゴールのほかにも、おおっ、と思わせるようなプレーをいくつか見せてました。さすが清武をして天才と言わしめる男。この子はこの先どれだけ伸びるのか楽しみだ。それにしてもセレッソは、柿谷だけでなく、村田和哉とか、永井龍とかの若手も、はつらつとしたプレーを見せていて印象的だった。なんでこのクラブはこうも若手の育成がうまいかな。コツを教わりたい。
アントラーズでは先月末に加入したレナトがこの試合の後半途中から初出場。30分ばかりのプレーだったけれど、ちゃんと戦力になりそうな選手でひと安心だ。でもそのせいで、ますます本山やジュジーニョ(この日はどちらも途中出場)の出番が減るようだと困っちゃうけれど。
(Jul 25, 2012)
U-23日本1-0U-23スペイン
ロンドン・オリンピック/2012年7月26日(木)/グラスゴー/NHK
すげー、五輪代表。メキシコ代表と五分の戦いをしてみせたので、これならばスペイン相手でもある程度やれるのかなと期待半分に思ってはいたけれど、まさか勝っちゃうなんて……。
それもマイアミの奇跡のときのように、守って守って守ったあげく、棚ボタな1点を奪ってあとは逃げ切る、なんて消極的な勝ち方じゃない。前線から積極的なプレスをかけつづけて、スペインの持ち味を封じ込めた上で、まさに勝つべくして勝った試合だった。この日の勝利を「奇跡」なんて言葉で形容する人は、おそらくサッカーがわかっていないに違いない。
日本代表はいまや奇跡なんてものに頼らずとも世界のトップと戦えるところまでやってきたんだって。まだまだ差はあるかもしれないけれど、でもその差は絶対に追いつけないような距離じゃないって。この試合はそのことを証明する、記念すべき一戦だったように思う(まぁ、A代表ではないけれど)。
この素晴らしい試合のスタメンを飾ったのは、GK権田、DF酒井宏、鈴木、吉田、徳永、MF扇原、山口、清武、東、大津、そしてFW永井のワントップという布陣。
やはり宇佐美のスタメン起用はなかった(というか、出番さえなかった)。でも結果からすれば、まさにその采配がズバリ。この日の勝利は最前線からの徹底したプレッシングの賜物だと思うので、そういう意味ではあまり守備意識が高そうでない宇佐美(そんなことないんでしょうか?)の出番がなかったのも致し方ないのかなと思ってしまう。
いや、とにかくこの日の日本の戦いっぷりはあっぱれだった。ボール支配率ではスペインが60%を超えていたらしいのだけれど、そんな印象はなかった。もしそうだとしたら、おそらくスペインは自陣でボールをまわしていた時間のほうが長いんだろう。それくらい、日本はスペインの攻撃を封じ込めていた。少なくてもシュートの数ではおそらく日本のほうが上回っていた。
いや、この試合でなにがすごかったといえば、そりゃもう日本のシュートの決まらなさ。これがまた笑っちゃうくらいすごかった。なぜそれが入らない? とか、なぜそこでシュートを打てない? ってプレーのオンパレード。前半のうちにスペインに退場者が出たこともあり(ビバ永井!)、普通だったら4-0とかになっていそうな試合展開の時間帯もあったのに、終わってみれば、スコアは1-0のまま、得点はセットプレーで奪った1点のみってのは、どうしたことだ。とくに清武と永井は決定力がないにもほどがある。
でもまぁ、あれだけ前線から守備をして、それであれだけシュートを打っているのだから(決まらなかったけれど)、それはそれでやっぱり、あっぱれだった。いやー、大満足。直前は文句ばかり書いていて、すいませんでしたって、関塚さんにあやまんないといけない(まぁ、いまだにあの方の采配には納得がいっていないのだけれど)。
虎の子の1点は扇原のCKを大津が足で決めたもの。やっぱ大津、持ってんなぁ。残念なことに、足を痛めて前半だけで交替してしまったけれど、その後も仲間の戦いを見つめながら勝利を祈っていたり、終わるとともに涙していた姿が印象的だった。そういや、国内最後の壮行試合でニュージーランドと引き分けたときにも、親善試合なのにまるでタイトルを逃したかのような悔しがりようでしたっけね。なんて喜怒哀楽のはっきりした可愛いやつなんだか。
いやでもこの試合は大津に限らず、みんながみんなよかった。なかでも永井が最後の最後までボールを追いかけて猛ダッシュしていたのには感動した。僕は大迫が落選したのは杉本のせいのように思っていたけれど、実際には永井や大津とのスタメン争いに負けたんだよな。きょうのプレーを見れば、ふたりがこの代表にふさわしいのは間違いない。
そういや、吉田、徳永のOAコンビが入ったことでディフェンスも安定感抜群だった。終盤になって酒井宏が足を痛めたので(大事に至りませんように)、酒井高徳にも出番がまわってきたけれど、彼はやっぱ守備力はちょっと怪しいかも……。そして酒井宏が怪我をしてみて、あらためて徳永の重要さがわかったというか。おみそれしました、関塚さん。
なんにしろ、これであとモロッコかホンジュラスのどちらかに勝ちさえすれば、準々決勝進出決定だ。さすがにそれはいけるでしょう。いや、スペインに勝ったことで、まさかと思っていたメダルが見えてきたような気分に……(単純)。
(Jul 27, 2012)
U-23日本1-0U-23モロッコ
ロンドン・オリンピック/2012年7月29日(日)/ニューカッスル/BS1
駄目だ~。午前1時キックオフの試合は、眠くて試合に集中できない。もーすっかりおじさんで嫌になってしまう。この分じゃ、ブラジルW杯はまともに観れそうにないなぁ……。って、いまからそんな先のことを考えていても仕方ない。
ま、とにかくそんなわけで、眠い目をこすりながらの朦朧とした状態での観戦となってしまったロンドン五輪予選グループ第二試合、モロッコ戦。スタメンは前の試合で足を捻挫した酒井宏樹に代わって酒井高徳が右サイドに入った以外は前と同じ形。
いやしかし、このモロッコが思いのほか手ごわい。スペインに勝った日本なら楽勝じゃないかと思ったら、まったくそんなことがない。中2日ということで、前の試合よりも選手の動きは明らかに悪くて、前線からのプレスがうまくかからない分、かえってスペインより手こずっていたような感があった。特に前半に関しては防戦一方で、攻撃はセットプレーのみが頼りの印象(僕がうつらうつらしていた間にいい攻撃をしていたりして)。でもそのセットプレーの精度が高いので、惜しいシーンもあった。
日本の攻撃がいくらか活性化したのは、相手にも疲れが見え始めた後半の中ごろになってから。それでも大津の積極的なドリブル・シュートや、清武の意外性のあるパス、永井の規格外のスピードなど、個々の才能のひらめきによる、あまり手数をかけないものが多かった。
貴重な決勝点が生まれたのは、そんなプレーのうちのひとつ。清武がディフェンス・ラインの裏へと放り込んだロングパスに、永井があの驚異的なスピードで相手DFよりも先に追いつくと、そのままダイレクトでループ・シュート! 山なりの弧を描いたボールは永井を止めようと前へ出てきていたGKの頭上を越えて、無人のゴールへとゆっくりと吸い込まれていった。すげー、永井! これでこの大会のあとの海外移籍は確実でしょう。
試合はそのまま日本が逃げ切り、これで勝ち点6で早くも予選グループ突破を決定。翌朝になって驚いたことに、裏ではスペインがホンジュラスにも負けて、早々に予選敗退を決めていた。おいおい、スペイン弱すぎだろー。なんか、このモロッコ戦の内容を見ていると、前の試合も日本が強かったのではなく、スペインの出来が悪すぎただけのような気もしてくる。
まぁ、なんにしろ予選突破は決定した。次のホンジュラス戦に勝っても負けても、準決勝進出だ。眠気に負けるダメ親父としては、それならば次の試合は録画でもいいかなと思ってしまっていたりする。さぁ、どうしよう。
(Jul 30, 2012)