2010年1月のサッカー
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- 01/01 G大阪4-1名古屋 (天皇杯・決勝)
ガンバ大阪4-1名古屋グランパス
天皇杯・決勝/2010年1月1日(金)/国立競技場/NHK
大晦日に妻方の叔父がなくなったため、元日からお悔やみに出かけていて、帰宅したのがこの試合のキックオフの5分前だった。なもんで、いまいちサッカーに集中するのも難しく(あわてて帰ってきてサッカー観てるってだけでも、なんとなく不人情な感じがするし)、もとよりどちらを応援するでもないので、なんとなく漠然とした印象になってしまった今年の元日決戦。
とはいえ、遠藤の決勝ゴールが決まるまでは、どちらに転ぶがわからない、かなり白熱した対戦だったと思う。前半にガンバの先制ゴールが決まったときには、そのあまりに華麗なパス回し──遠藤が基点となり、二川、山崎を経てルーカスまで、まさに点をつなぐようなパスが通った──に、こりゃ一方的な展開になるかなと思ったものだけれど、その後グランパスも持ち直し、前半のうちに得意のサイド攻撃からケネディの頭を生かして得点してみせたのは見事だった(最後に決めたのは中村直志)。
後半、試合の行方を分けたのは、両チームの中心選手である日本代表ふたりのゴールへの姿勢の違いだと思っている。
先に大きなチャンスを迎えたのはグランパス。玉田がペナルティエリア内に飛び込み、山口に足をかけられそうになった場面で、ものの見事に転んでみせた。あまりに見事な転びっぷりだったのでPKかと思ったけれど、主審の扇谷さんの判定はシミュレーションでイエローカード。あとでリプレイを見たら、確かに足はかかっていないように見えた(ナイス、扇谷)。玉田も苦笑いしていたので、あれはダイビングだろう。まあ、万が一ぶつかったにしても、絶対にこらえられないってほどの接触ではなかったし、そのままシュートに持ってゆけたならば、決定的な場面が作れていたはずだ。得意の左足ではなかったので、彼としては当然のプレーなのかもしれないけれど、玉田がW杯でゴールを奪うつもりならば、JリーグでPKなんか狙ってちゃいけないでしょう。
そういう意味では、玉田とはまったく逆の姿勢で決勝ゴールをあげてみせた遠藤はあっぱれだった。ペナルティエリアの右外でファール気味のチェックを受けながら、倒れずにボールをキープすると、そのまま左へと流れて、利き足とは逆の左足で絶妙なミドル・シュートを突き刺してみせた。FKが得意な彼なのだから、最初にチェックを受けたときに、倒れてFKという選択肢もあったろうに、あえてがんばってシュートまで持っていった姿勢が感動的だった。僕はW杯でもこういう遠藤が見たい。
試合はその後、なんとしても追いつかないといけない闘将ストイコビッチが、先制点をあげたボランチの中村直志に代えてアレックスを投入したあたりで、勝負ありの感があった。これで攻守のバランスが狂ったんだろう。グランパスは追いつくどころか、カウンターからさらに2点を許してしまう。
で、その2点に絡んだのがまたもや遠藤。二川のゴールをアシストしたと思ったら、そのあとでもう1点、自ら決めてみせた。いやぁ、圧巻でした。もしも彼がこの調子をキープしてW杯にのぞんでくれるとしたら、かなり頼もしいかもしれない。
ということで09年シーズンはガンバ大阪が天皇杯2連覇を飾って幕。個人的には親族の不幸があって、あまり幸先のいい一年の始まりとは言えないけれど、日本代表の中盤の要が大活躍して始まったんだから、日本サッカー界にとっては、ワールドカップイヤー幸先よし、だろう。ぜひいい一年になって欲しい。
(Jan 05, 2010)