2018年5月のサッカー

Index

  1. 05/05 ○ 鹿島1-0浦和 (J1・第13節)
  2. 05/09 ○ 鹿島3-1上海上港 (AFCチャンピオンズリーグ・ラウンド16)
  3. 05/16 ● 上海上港2-1鹿島 (AFCチャンピオンズリーグ・ラウンド16)
  4. 05/28 ● U-20トルコ2-2U-21日本 (トゥーロン国際大会)
  5. 05/30 ● 日本0-2ガーナ (親善試合)
  6. 05/31 ○ U-21日本3-2U-19ポルトガル (トゥーロン国際大会)

鹿島アントラーズ1-0浦和レッズ

J1・第13節/2018年5月5日(土)/カシマサッカースタジアム/BS1

 レッズが成績不振のために堀監督を解任、暫定の大槻毅監督からオズワルド・オリヴェイラへと政権交代して、これがはや4試合目。
 ここまで1勝2敗と負け越しているオリヴェイラ氏に花を持たせてあげたいとは思えど、こちとらも本気で優勝を目指すならば、これ以上負けてはいられない。こんなタイミングであたりたくなかったというのが正直なところだけれど、でもあたっちゃったんだから仕方ない。
 ということで、この日の試合は恩師オリヴェイラ監督ひきいるレッズとの一戦。内容はほぼ互角ながら、PKをもらった鹿島が1-0で勝利した。まぁ、オリヴェイラの株を下げずに勝ち点3をゲットしたという意味では、こちらとしてはベストな結果かなと思う。
 この日のスタメンはGK曽ケ端、DF西、植田、昌子、安西、MF三竿、レオ・シルバ、遠藤、永木、で、FWが土居と金崎という布陣。
 前節の長崎戦にフル出場したウッチーがベンチにも入っていないのは、四日後のACLに向けて温存したってことなんだろうか。GKが前節から曽ケ端なのも同じ理由? そこんところはよくわからない。
 ただ、僕はGKやDFは基本的に固定すべきという考えなので、そのふたりがいないのはちょっと不満だった。あと、鈴木優磨をベンチにおいて、永木を左サイドの攻撃的な位置で起用してきたことも。
 永木の対面{トイメン}にいたのは、今季デビューの18歳・橋岡だったから、まさか彼を恐れて守備重視で永木を起用してきたとも思えない。なぜにこれほど得点力不足で悩んでいる時期に、三竿、レオ・シルバ、永木を併用するような守備的な布陣で臨まなきゃならないんだかがわからない。
 まぁ、結果的にみれば、永木が得たPKを夢生が決めて先制し(なぜあそこで右サイドにいたんだ永木)、曽ケ端が何度かのビッグセーブをみせて守り勝っているんだから、この日の大岩采配はどんぴしゃだったことになる。
 でもそれは勝ったからこその結果論だ。この日も流れからは結局1点も奪えていないのだから、その点で永木の起用があたったとは思えない。GKにクォンと曽ケ端を交互に起用しているのにしたって、監督の優柔不断以外のなにものでもないように思えてしまう。GKはベストのひとりに固定するのが普通でしょう?
 ということで、勝ちはしたものの、大岩に対する不信感がいまいち晴れない一戦だった。
 今回のレッズは3バックなのと(なぜか森脇がベンチにもいない)、先程書いたルーキーの橋岡が右サイドウィングで起用されていること──この子は18歳でレッズのレギュラーに抜擢されるのみならず、五輪代表にも呼ばれているとのことで、さすがに攻守にわたっていいプレーを見せていた──、あと阿部勇樹とマルティノスがベンチ・スタートだったことなどが意外だった。
 海外に引き抜かれたラファエル・シルバの後釜としてマリノスから移籍してきたマルティノスが途中出場なのは故障明けだからなんだろうけれど、阿部ちゃんがスタメンじゃない理由は不明。あと、湘南から復帰した山田直樹が見られなかったのも個人的には残念だった(活躍されても困るけど)。
 でもまぁ、オリヴェイラさんも急な就任で、現時点では前任者のやり方を踏襲しているのだろうから、フォーメーションにしろ、選手起用にしろ、オリヴェイラの色が出てくるとしたらW杯明けからだろう。そういう意味では、レッズがオリヴェイラと契約するのはもうちょっとあとでもよかったんではないかという気がしてしまう。先生が失敗しないよう(でも鹿島相手には手加減してくれるよう)心から願っている。
 まぁ、なんにしろ勝ててよかった。一時は降格圏外ぎりぎりの15位まで落ちた順位も、この2連勝でとりあえず8位まで上がった。首位の広島が勝ち点34で独走しているのを除けば(何事だ)、なんだかんだいって、あとはそれほど大きく勝ち点に差がついていないので、ちょっと連勝・連敗するチームがあれば、あっという間に順位が入れ替わるのが今年のJリーグ。W杯の中断期間まであと1試合なので、ここでふんばって後半戦で巻き返して欲しい。
 しかしまぁ、日本代表も含めて、応援しているチームが勝つのを観たの、じつに2ヶ月ぶりらしい。あぁ、なんて不遇な春だったことか。
(May 06, 2018)

鹿島アントラーズ3-1上海上港

AFCチャンピオンズリーグ・ラウンド16第1戦/2018年5月9日(水)/カシマサッカースタジアム/日テレNEWS24

 アントラーズにとっての鬼門、ACLのラウンド16。まずはその初戦に快勝~……と喜べればいいのだけれど、なくてもいいような失点を許したせいで一抹の不安がぬぐえずの第一戦。
 この日はGKクォン・スンテ、DF西、植田、昌子、安西、MF三竿、永木、遠藤、鈴木優磨、FW土居、金崎というスタメン。途中出場はP・ジュニオール、小笠原、犬飼の3人。
 浦和戦で欠場したウッチーはこの日も不在(温存したわけじゃなかったのか)。でもまぁ、かわりに西がいるんだから問題なし。ベンチには安部裕葵も戻ってきたし、戦力的には十分戦えるメンツが揃っている。
 対する上海上港は、恐れていたフッキが肉ばなれだとかで欠場。これには助かった。フッキ、普段ならば観たいところだけれど、今回は結果が最優先。鹿島が勝つためならば、超人ハルクなんていない方がいい。さすがにオスカルだけならばどうにかなるだろう──と思ったらば。
 このクラブにはもうひとり、エウケソンというブラジル人がいました。
 げっ、この人、知ってる気がする──と思って調べたら、3年前のACLでは広州恒大にいて、グループリーグの鹿島戦2試合で2ゴールの活躍だった。しかもこの試合でも結局この人に崩されて無念のアウェイ・ゴールを許す始末(決めたのは中国人DF)。
 上海上港、フッキとオスカルだけじゃなかったのか。なんなんだ、この強力なブラジル人トリオは。3人そろったらやばいだろう。これが噂のチャイナ・マネーか。中国クラブの財力、おそるべし。
 でもまぁ、そんなブラジル人助っ人の攻撃力は脅威だけれど、でもこの試合はこちらのホームだ。でもって、とにかくフッキはいない。それだけでもずいぶんと違う。こちらもACL初制覇へ向けてやる気十分。前半はボール保持率75%とかいう圧倒的なボールまわしを見せてくれた。で、前半の終わりにCKから鈴木優磨の先制ゴールが生まれる。
 このゴール、優磨が競りあった相手DFにあたったボールがゴールラインを超えたように見えたので、たぶんオウン・ゴールだと思うのだけれど、それをGKがかき出したボールが優磨の足元に転がり、二度目のチャンスで文句なしのファイン・ゴールになった。オウン・ゴールって判定されず、優磨にはラッキーだった。
 この日の鹿島にはそういうラッキーなシーンがたくさんあった。後半早々の2点目もセットプレーからの相手のクリア・ボールが西の足元に「打ってください」とばかりに落ちてきたものだったし、3点目も優磨と競りあったDFのオウン・ゴールだった(中継では優磨のゴールとされていたけれど、さすがにあれはなぁ……)。
 守っても、安西がクリアボールを昌子にあてて相手へのナイスパスにしてしまう珍プレーがポストに救われたりしたし(ありゃないだろう、安西)、この日は危ねーってシーンが失点につながらないラッキーが重なった。後半途中に押し込まれてCKが8本くらいつづいた場面もなんとかしのげた。なんか、今年はやたらとオウン・ゴールとか多かったので、いままでのアンラッキーがこの試合で一気に帳尻合わせをしにきた気がする。
 まぁ、惜しむらくは3-0となった直後の失点だけだ。あれはもったいなかった。あの場面は点差がひらいてちょっと油断した感じがする。あの失点さえなければ文句なしだったのになぁ……。
 このゴールのせいで来週の試合に2-0で負けて敗退なんてことにならないよう祈ろう。まぁ、その試合まで丸一週間あいているようだし(今週末にJ1がないのはなぜ?)、それだけ休めばコンディションは十分だろう。今年こそベスト8よろしく。
(May 09, 2018)

上海上港2-1鹿島アントラーズ

ACL・ラウンド16第2戦/2018年5月16日(水)/上海体育場/日テレNEWS24

 アントラーズ、ようやくACLの決勝トーナメントの第一関門突破。試合には負けたものの、上海上港を二戦トータルで4-3というぎりぎりのスコアで退けた一戦。
 この日の鹿島はGKクォン、DF西、植田、昌子、安西、MF永木、レオ・シルバ、遠藤、鈴木優磨、FW土居、金崎というスタメン。途中出場は安部裕葵、小笠原、犬飼。
 まず驚いたのは、三竿健斗が不在だったこと。スタメンどころかベンチにもいない。決勝トーナメントで累積警告はクリアされたはずなので、出場停止ってことはないだろうし、今年のボランチの中心は健斗だと思っていたので、この大事な試合で彼ぬきとは思わなかった。故障だろうか。
 でもまぁ、かわりは永木とレオ・シルバだし、ベンチには小笠原もいる(レオ・シルバはあいかわらずの出来だったけど)。それ以外のメンツは現状のベスト・メンバーだから、とりあえず戦力的な不安はなかった。あとはなるべく失点せずに、1点だけでもとってくれ──。
 と思っていたら、開始わずか7分でいきなり失点してくれちゃうんだもんなぁ……。それもセットプレーから昌子が胸トラップしたボールが大きめに跳ねて、ゴール真正面にいたフッキへの絶妙なパスになってしまうという、なんだそりゃな失点。
 そう、対する上海上港はフッキがスタメン復帰していた(だじゃれ)。でもかわりにエウケソンが不在だったから、これは前節につづいてラッキー?――と思ったら、とんでもない。フッキとオスカルがふたり揃っただけで、もう本当にとんでもなかった。このふたりはまずい。ここにエウケソンまで加わったらどうなっちゃうんだよってレベル。いやぁ、前節フッキがいなくて本当によかった。
 とにかく2-0で負けたらアウトって試合で、開始早々にミスから失点。残り80分以上あるって、おいちょっと待てな展開。で、あちらさんは守備でも気合が入っていて、なかなかこちらのパスが自由に通らない。
 なんかいや~な展開だなぁ……って前半30分くらいまでは、はらはらしながら観ていた。
 ただ、そうこうするうちに次第に相手のプレスが弱まり始め、こちらは夢生や優磨があと一息ってシュートを打つシーンが作れるようになる(枠に打ってくれ)。この日の上海は気温が30度を超えていたそうなので、さすがにそんな暑さのなかでは、ホーム・チームとはいえ90分間積極的なプレスはかけつづけられないってことなんだろう。
 で、前半の終わりにそんなチャンスのひとつが実を結び、土居聖真の貴重な同点ゴールが生まれる。安西──復帰当初はいまいちだったけれど、すっかり復調して、活きのいいプレーが戻ってきた──からの鋭いクロスに左足のインサイドでちょこんとあわせてゴールへと流し込む。おぉ、おしゃれ。聖真ナイスシュート!
 これでアウェイ・ゴール数はタイ。でもってトータル・スコアは2点差となれば、これはもう大丈夫だろう──と思ったのが間違い。
 後半はさんざん攻めたてられて、あわやというシーンの連発でした。とくに昌子(またか!)が誤審でPKを取られ、フッキに2点目を決められてからは、ほんともうてんやわんや。あと1点奪われなかったのが奇跡のような試合展開だった。
 このピンチを再三のファイン・セーブで救ったのがクォン・スンテ。フッキのPKこそ止められなかったものの、ちゃんと読み切って身体にはあてていたし(あれを止めていたら間違いなくこの日のMVPだった)、その後にオスカルが演出した絶体絶命の決定機でもフッキのシュートを見事はじきだしてみせた。
 いやぁ、ほんとよくぞあれを止めてくれた。ソガには悪いけれど、もう今年の正GKはあとずっとクォンでいいと思う。あんな素晴らしいプレーを見せてくれたGKをスタメンから外すのはどうかしている。クォンだってスタメンで全試合出場していたら、W杯出場の可能性だってあったかもしれないのに……。そう思うと少なからず気の毒だし残念だ。
 とにかく、後半は耐え忍んでばかりって印象だった。後半で印象的だったのは、最後まで足を止めずにチェイスをかけつづけた優磨の運動量の豊富さと(えらいっ)、途中出場でオスカルのマークについた安部裕葵の意外な守備センス。最後のほうは疲れたのか、はがされまくっていたけれど、それまではけっこういい感じで守れていた。攻撃が魅力の選手だけれど、守備もどんどんうまくなっている。ちゃんと成長しているねぇって感心しました。
 最後は前の試合と同様に、昌子、植田を残したまま、犬飼まで入れてなりふりかまわず守りにいったのはどうかと思うけれど(ああやってフォーメーションが曖昧になると、かえって危険なんじゃないかって気がしてしかたない)、まあ勝ったからよし。あの展開でもし追いつかれていたら、延長はまずアウトだったろうけど。いやぁ、無事にそのまま終わってよかった。
 ということで鬼門だったラウンド16を突破して、アントラーズがアジアチャンピオンへまた一歩近づいた。次の試合は8月末だそうだ。
 そういや、この週末はなんでJ1がないんだろうと思っていたら、JリーグがACLに配慮して鹿島戦だけ、予定されていた対戦カードを延期してくれたらしい。できれば今後ともよろしくお願いします。
(May 17, 2018)

U-20トルコ2-1U-21日本

トゥーロン国際大会/2018年5月28日(月)/スタッド・ジュール・ラドゥメグ/BS1

 2年後の東京五輪に向けて活動中のU-21代表が参加したトゥーロン国際大会の緒戦。
 今回の五輪代表のことは去年U-20ワールドカップで初めて観たのだけれど、なぜだかそのときは感想を書かずに済ませてしまった(単に怠けただけ?)。U-20W杯のような重要な大会をスルーしたんだから、わざわざトゥーロン国際について書かなくてもいいんじゃないの?って気もするけれど、まぁ、A代表のW杯も近いし、夜更かしして文章を書く予行練習として、いちおう追っかけておこうかと思う。
 トゥーロン国際って以前に観たときにはU-23が対象だったと思うんだけれど、今回は相手のトルコもU-21だという話だった(【訂正】U-20だった)。もしかしたらオリンピックにあわせて、毎年世代が変わるんでしょうかね? よくわからない。とりあえず前後半40分ずつという変則的なルールはそのままだったけれど、今回はグループが3つあったりして、レギュレーションも以前とは微妙に違うみたいだった。
 この日のU-21日本代表のスタメンはGKが山口瑠伊(エストレマドゥーラ@スペイン)、DF中山雄太(柏)、板倉滉(仙台)、冨安健洋(シントトロイデン@ベルギー)、椎橋慧也(仙台)、MF藤谷壮(神戸)、初瀬亮(G大阪)、井上潮音(東京V)、三好康児(札幌)、森島司(広島)、小川航基(磐田)。
 で、途中出場は杉岡大暉(湘南)、田川亨介(鳥栖)、遠藤渓太(横浜M)、上田綺世(法政大)の4人。
 あまりに知らない選手ばかりなので、全員フルネームで所属クラブまで書いておいた(なにげに欧州でプレーする選手がふたりもいてすごい)。僕がJリーグで観たことがあるのは、三好と初瀬と遠藤渓太だけ。小川はU-20W杯で観た覚えがあるけれど、そのほかは知らない選手ばっかり(その大会で観た選手がもっといるはずなのにわからない駄目なやつ)。それどころか、後半途中から出てきた上田なんて、眠くてうつらうつらしちゃっていたので、出てきたのも知らなかった(駄目すぎる)。
 GKの山口は名前こそ日本人だけれど、見た目はほぼ白人。サブのGKはオビ・パウエルオビンナという流通経済大学生の黒人だったりするし、たっぱが要求されるGKは日本もすっかりインターナショナルだなぁと、ちょっと感心した。
 DF登録が4人になっているけれど、フォーメーションは3バックで、キャプテンマークをつけた中山はボランチとしてプレーしていた。まぁ、監督が森保だから3バックは当然なんだろうけれど、鹿島一筋の僕は基本4バック信者なので、3バックは好きじゃない。A代表も西野さんが3バックで調整しているみたいだし、なんだかなぁと思う。
 森保が監督と書いたけれど、その森保氏は西野さんのもとA代表のコーチに任命されたので、そちらに帯同していて今回は不在。かわりに横内昭展という人(50歳とのことなので、僕とほぼ同世代)が監督代理をつとめていた。
 試合のほうは前半はスコアレスながらけっこういい内容で、後半早々に三好の綺麗なシュートで先制したので、こりゃもらったろうと思ったら、そのあとにつまらないミスから失点を喫して、終わってみれば逆転負け。いかにも日本だなぁ……って残念な結果に終わってしまった。
 1失点目は途中出場の杉岡がGKからのパスに一瞬反応が遅れ、詰めてきた相手に慌てて蹴ったボールが相手にあたってプレゼント・パスになってしまったもの。杉岡はそのあとハンドでPKも与えているし(山口が止めてことなきを得た)、いったいなにしに出てきたんだって内容だった。
 2点目もサイドからのクロスを富安がクリアしきれずに、そのこぼれ球をダイレクトで決められたものだったし──まぁ、あれはシュートを打った選手がうまかったけど──、2点ともミス絡みってのが痛かった。ああいうミスがなくならない限り、世界じゃ戦えないだろう。
 まぁ、三好と初瀬にはうまいなぁと感心したし、中山もフィジカルが強く安定感もあっていい選手だと思った。小川の積極性も好印象だった。
 彼らにかぎらず、全体的にパスが上手くまわせているあいだはいい感じなので、あとは下手なミスをなくすこと。そうすればもっと上が目指せそうな気がする。──って、でもそれがいちばん難しいのかもしれないけれど。
(May 29, 2018)

日本0-2ガーナ

親善試合/2018年5月30日(水)/日産スタジアム/テレビ朝日

 よもやのハリルホジッチ解任のあとを受けて代表監督の座についた西野朗氏ひきいる新生日本代表。W杯前に国内で行われるのはこれが最初で最後の親善試合。
 西野さんが選んだ最初の代表は、GKが川島、DFは長谷部をリベロにすえた麻也と槙野との3バックで、ダブル・ボランチが蛍と大島、右サイドが原口、左サイドに長友、攻撃的なMFが本田と宇佐美、そして大迫のワントップという布陣。
 さぁこれでどんなサッカーを見せてくれるのかと思っていれば、前半わずか9分で直接FKから失点。それも壁の隙間を通されるという情けないもの。アマチュアかいっ!
 後半は後半で早々に川島が長谷部と競っていた相手と交錯してPK献上。急造3バックはいいところのないまま2失点。攻めても歯車が噛みあわずに無得点。
 田島会長は1%でも勝てる可能性を高めるために監督を変えたと言っていたけれど、どうみても前よりひどくなったようにしか見えなかった。まぁ、崩されての失点ではなかったし、ガーナはディフェンスがよかったから無得点も仕方ないところはあったけれど。それにしてもなぁ……。
 とにかくちゃんと守れない3バックなんて論外だ。不動のキャプテン長谷部がドイツでリベロとして新境地を開いたようなので、彼を生かして守備重視の戦い方をしようって発想なんだろうけれど、形にならないんじゃ話にならない。新布陣を試すには時間がなさすぎる。このまま3バックで本大会に臨む気ならば、今回のW杯にはまったく期待できないと思う(まぁ、僕が個人的に3バック嫌いってのもある)。
 何度も書いているけれど、日本代表の強みは攻撃的な中盤の人材の豊富さだと思うし、加えて今は長友、酒井宏樹という欧州リーグで主力を張っているSBもいる。彼らを最大限に生かすことに活路を見出さなくてどうする。とくにこの日みたいに酒井宏を使わない3バックなんて論外だ。そんなのいびつな4バックの変形でしかないじゃん。守備力が上がるはずがない。
 いまさら長谷部をDFに使って3バックにするくらいならば、いっそのこと彼を外して、4バックのまま、柴崎、大島、井手口という若い3人をトリプル・ボランチで起用してくれたほうが僕はまだ納得がゆく。というか、今日の試合で終盤にその3人が一緒にプレーするのを観ていて、いま俺の観たい日本代表はこれかもしれないって思った。
 この日の途中交替は宇佐美→香川、原口→高徳、大迫→武藤、本田→岡崎、蛍→岳、長谷部→井手口の6人で、最初の3人は後半開始からの出場だった。
 思うに、大迫、原口は当確間違いなしってプレーだったので、あえて下げたのだと思う(宇佐美はなんか微妙)。で、交替で出てきた選手たちはそれぞれよかった(いや、岡崎と井手口は微妙かも)。特に岳はミスこそ多かったけれど、パスのスピードとセンスには目を見張るものがあったと思う。これでもしも岳が最終選考に漏れるようだったら、俺は西野さんのセンスを疑うよ?
 本田、香川ともに出来はそこそこだったけれど、ふたりともキャリアがキャリアだけに、プレーできるならばベンチには入れたいだろうなと思う(現状ではスタメンで使いにくそうだけど)。岡崎はこれといったプレーがなかったけれど、個人的には彼の歴代3位の代表ゴール数に賭けて、大迫か武藤との2トップを見たいと思っているので、できれば最終選考に残したい。
 ということで、この試合を観て僕が本大会で観たいと思ったスタメンは、GK中村航輔、DF酒井宏、麻也、昌子、長友、MF井手口、大島、原口、柴崎、FW大迫、岡崎というメンツ(鹿島ファンとしては、やはり4-4-2で)。
 守備力には若干不安を感じるけれど、将来性と攻撃のプラスアルファでその分を相殺する作戦。もう長谷部も蛍も本田も香川も外しちゃっていいと思う。西野さんも同じように考えてくれないかなぁ。無理だろうなぁ……。
(May 30, 2018)

U-21日本3-2U-19ポルトガル

トゥーロン国際大会/2018年5月31日(木)/スタッド・ジュール・ラドゥメグ/BS1

 トルコに負けたことで、準決勝進出──グループ1位の3チームと、2位でもっとも成績のよかった1チームが対象とのこと──への進出は難しくなったと思っていたけれど、聞けばこの日の対戦相手のポルトガルはなんとU-19だという(というかトルコもU-20だったらしい)。
 二つも年下じゃん。だからなのか、初戦のカナダとの試合はスコアレス・ドローに終わっている(カナダは日本と同じU-21)。さすがにこの世代で二歳の差は大きかろう。カナダと引き分けるくらいなら、日本もいい勝負になるんじゃん?
 ――と思ったら、とんでもなかった。ポルトガル強すぎ。
 例えるならば、二才差ったって、開成高校の選り抜きの3年生と一浪して明大に入った1年生とどっちが頭がいいかって話で。そんなレベルの違いを感じてしまった。
 とにかく開始早々から押し込まれて、前半なかばまでは一方的な展開。もう何点とられてもおかしくないような内容だったので、前半32分に先制点を許しても、あぁ、そりゃまぁ取られるよなって。当然の結果のように感じてしまったくらい。
 でも意外や意外。そのゴールのわずか4分後に日本にも同点ゴールが生まれる。
 それまでがあまりに一方的な展開だったので、先制を許してこりゃもう勝ち目はなかろうと思った僕が集中力を欠いて目を離しているすきに、三好からの見事なスルーパスを受けて相手の裏をとった田川が泥臭さのある同点ゴールを決めてみせた。おぉ、田川。鳥栖で活躍しているって噂はだてじゃないな。
 前半の日本のチャンスって、三好がミドルを打ったのとあの場面、そのふたつくらいしかなかったんじゃないだろうか。対するポルトガルはおそらく10本以上のシュートを打っている。それでも前半の結果は1-1。これぞサッカーって展開。
 この日の日本のスタメンはGK山口、DF板倉、富安、橋岡大樹(浦和)、ダブル・ボランチが中山と松本泰志(広島)、両サイドウィングが初瀬と菅大輝(札幌)、攻撃的MFは三好と森嶋、そしてFW田川のワントップという布陣。途中出場は遠藤渓太、三苫薫(筑波大)、上田、そしてGKのオビ・パウエルオビンナの4人。
 そう、後半はこのGKの交替がポイント。前半の一方的な展開とは違って、後半は30分過ぎまで、互角とはいえないまでも、日本はなんとかポルトガルに食らいついていた。
 でもその時間帯に致命的なミスが生まれる。GKの山口が相手のカウンターを止めようと飛び出して、ペナルティ・エリアの外で手を使ってしまう。当然、得点機阻止でレフェリーの判定は一発レッド。
 しかもこのファールであたえたFKを直接決められてしまうんだからまいる。しかもそれが「なにそれ練習?」って思ってしまうくらい、やすやすと決まったきれいなFKだった。なんかあの場面、壁の作り方にも問題があった気がする。前日のA代表につづいてなんだかなぁ……。
 とにかく、そんなわけで強豪ポルトガルを相手に、残り10分で勝ち越しゴールを許し、なおかつ数的不利という状況。こんなのもう終わったと思うのが当然でしょう?
 ところがびっくり仰天。この日のU-21日本代表はここから2点を奪って試合をひっくり返してしまう。
 絶体絶命の状況に陥って、かえって開き直ることができたのかもしれない。この時間帯になるとすっかり相手の足も止まっていたし、そこから先の日本は少ない手数で積極的にボールを前線へと運んでカウンターを仕掛けてゆくようになった。で、そのうちに途中出場の遠藤から上田へのスルーパスが通って、よもやの同点ゴールが生まれる(上田、足速ぇー)。
 さらにはロスタイムには再びドリブルで仕掛けた上田がうしろから倒されたという判定でPKを獲得~。これを自ら決めて試合をひっくり返してみせた。判定に助けられた感はあるけれど、それにしても劇的でみごとな逆転劇だった。
 2ゴールで日本を勝利に導いた上田綺世{あやせ}はまだ法政大学の学生で、なんとアントラーズ・ユースの出身らしい。お~、それは応援しないといけないかも。
 なんにしろこの勝利はでかかった。前の試合に負けた時点で準決勝進出は無理だろうと思い込んでいたけれど、トルコがカナダに負けたために、次の試合に勝てば準決勝へ進める可能性が高くなった。
 グループリーグ最後の相手、カナダのFIFAランキングは80位。世界の頂点を目指すならば、さすがにそれくらいの国には勝たないと困るだろう。きっちりと結果を出して欲しい。
(Jun 01, 2018)