2018年4月のサッカー

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  1. 04/03 △ 上海申花2-2鹿島 (AFCチャンピオンズリーグ)
  2. 04/11 ● F東京2-1鹿島 (J1・第7節)
  3. 04/17 ● 鹿島0-1水原三星 (AFCチャンピオンズリーグ)
  4. 04/28 ● 横浜FM3-0鹿島 (J1・第11節)

上海申花2-2鹿島アントラーズ

AFCチャンピオンズリーグ/2018年4月3日(火)/上海虹口足球場/日テレNEWS24

 苦しみながらも、なんとかグループ・リーグ突破を決めたアウェイでの上海申花戦。
 この試合、ドローでも決勝トーナメント進出が決まるとのことだったので、僕が期待したのはただひとつ。失点をしないこと、ただそれだけだった。
 前回の対戦時に書いたように、上海申花にはW杯で対戦するコロンビアの選手がふたりいる。まぁ、10番のジョバンニ・モレノはハメス・ロドリゲスの控え、グアリンは元コロンビア代表と紹介されていたから、本大会では見ることはないのかもしれないけれど(しかしあんなにでかくて上手いモレノが控えのコロンビアって……)、それでもここで日本のクラブを代表してきっちりと彼らを抑え込み、「おや、日本は思ったより簡単な相手じゃないぞ」と思わせたい。
 ということで僕は昌子、植田のコンビが彼らの攻撃を封じ込めて、クリーンシートの試合を見せてくれることを期待していた。それなのに……。
 この日のスタメンはGK曽ヶ端、DF伊東、植田、犬飼、山本、MFレオ・シルバ、小笠原、金森、レアンドロ、FWペドロ・ジュニオール、鈴木優磨という布陣だった(途中出場は金崎、安部、永木の3人)。
 ということで、スタメンには昌子の名前はなかった。ベンチにも入っていなかったのでコンディションの問題なのかもしれない。でも、かわりが犬飼って、それで大丈夫なの?――と不安に思っていたら不安的中。
 犬飼くん、わずか15分足らずでPKを献上。それをよりによってモレノに決められ、上海申花に先制点を与えてしまう。
 無失点を期待した試合でPKとはいえ、いきなりコロンビア人にゴールを許してしまうんだから、がっかりするなってのが無理な話だ。
 まずは守備ありきということでいうなら、クォン・スンテをはずして曽ヶ端を起用したことも僕は不満だった。GKなんてローテーション必要ないじゃん。べつに曽ヶ端が悪かったとは思わないけれど、少なくても決勝トーナメント進出がかかったこの試合は好調なクォンでいって欲しかった。
 PKを与えたファールはナイジェリア人のマルティンスという選手に対してで、前回はコロンビア人に気を取られていて書かなかったけれど、この人は二試合ともけっこう存在感のあるプレーを見せていた。
 ただこの人はそのPKのすぐあとに足を痛めて交替してしまう。敵の不幸を喜ぶのもなんだけれど、おっ、こちらにちょっと風が吹いたかと思ったら、そんなことはなかった。彼と交替で出てきた7番の中国人選手にセットプレーからきれいにヘディングを決められ、前半30分までに0-2という劣勢に陥る。まぁでも、2点で済んでまぁよかった。相手のシュートが前半だけで15本とかいうんだから、どれほど攻め込まれていたかわかろうってものだ。
 前半も残り少なくなって、ペドロ・ジュニオールが背中の筋肉かなにかを痛めて金崎と交替する羽目になったりもしたし、本当にいいことのない前半の45分だった。こんなにいいところのないサッカーを見せられたのもひさしぶりだ。あぁ、きょうの試合は駄目だと思った。
 ところが──。
 そんな試合を後半だけでドローに持ち込んでしまうんだから驚く。主役は鈴木優磨、そしてレアンドロだった。
 故障明けのレアンドロが帰ってきて、今季初のブラジル人トリオのそろい踏みとなったのがこの試合の注目点のひとつだった。
 で、レオ・シルバこそあいかわらずいまいちだけれど(マジで衰えたか)、ペドロ・ジュニオールは積極性が戻ってきていて、いい感じのシュートを打ったりしていたし(だから途中交替は残念だった)、なによりレアンドロがよかった。去年より体感が太くなった感じで(太った?)重量感が増していたけれど、決して動作が鈍かったりすることはなくて、パワフルかつ的確にボールをさばいててとても好印象だった。
 1点目のゴールは彼のシュートが相手DFにあたってこぼれたところへ優磨が詰めていたものだったし、2点目は逆に優磨が右からあげたクロスをレアンドロがファーでダイレクトにあわせたものだった(ナイス・シュート!)。
 レアンドロ、11ゴールをあげた去年も十分な働きだったけれど、今年はさらなるブレイクを予感させるこの日のプレーぶりだった(でも僕の予感はめったにあたらない)。
 あと、鈴木優磨にようやく今季初ゴールが生まれたのもめでたい。今年はここまでいいプレーをしながら結果がついてきていなかったので、これを機に上昇気流に乗ってくれればなと思う。本当にこの日はよかった。フル出場してなおかつ最後まで足を止めないその姿勢にとても感銘を受けた。
 ということで、優磨、レアンドロの活躍でなんとかドローに持ち込みはしたものの、反撃もそこまで。まぁでも、前半の出来からしたら、よくぞ引き分けたと思う。グループ・リーグ突破のミッションはクリアしたのだから結果オーライだ。
 翌日にはフロンターレとレイソルのグループリーグ敗退が決まってしまった。やっぱACLは難しい。
(Apr 07, 2018)

FC東京2-1鹿島アントラーズ

J1・第7節/2018年4月11日(水)/味の素スタジアム

 十何年目にして初めて平日に観ることになった味スタでのアントラーズ戦。やったらと風の強い日で、飲みかけの紙コップが飛ばされるほどの強風だった。日中は暖かかったので油断して薄着でいったら、日が暮れてからはとても寒かった。
 さて、この日の鹿島のスタメンは、GKクォン・スンテ、DF伊東、植田、犬飼、山本、MF三竿、永木、土居、レアンドロ、でFWが夢生と優磨という布陣。途中出場は西、小笠原、金森の3人。
 対するFC東京はGK林彰洋、DF室屋、チャン・ヒョンス、丸山、小川諒也、MF大森晃太郎、橋本拳人、高萩、東、FWディエゴ・オリヴェイラ、永井というメンツ。こちらの途中出場は富樫敬真、米本、前田遼一。
 大森とか富樫とか、今年から東京なのを知らずに、ちと驚いた。あと、新監督の長谷川健太が太田宏介にベンチを温めさせて、小川という21歳の若い子をスタメンで使ってきたのにも驚いた。まぁ、この子は左利きで、CKを左右とも任されていたから、キックの精度には並々ならぬものがあるんだろう。
 でもこの試合でポイントとなったのは、彼とは逆サイドでの出来事。開始わずか5分もせずに山本脩斗が足を痛めて交替してしまったことだった。
 僕らの席からは遠かったので、なにがどうして怪我をしたのか、まったくわからなかったけれど、なんでも全治3~4ヶ月の重傷とのこと。あいたた。
 今年はウッチーが帰ってきて、安西という素晴らしい選手も加入して、サイドバックはチームの激戦区だと思っていたのに、みんな怪我で使えないなんて。なにそれ、今年はサイドバックの厄年かなにか?
 まぁ、かわりにこれまた故障明けの西が出てきたので、あ、もうふつうにプレーできるのか、それはよかったと喜んだのもつかの間。日本代表に呼ばれるほどの右SBであっても、やっぱ左は勝手が違うらしい。対面にいたFC東京のサイドバック、室屋に二度の突破を許し、最初は植田のオウン・ゴールを誘発(といいつつ、遠くてなにがあったのか、まったくわからなかった)、二度目は豪快なシュートを決められてしまった。
 まぁでも、室屋が攻撃で目だっていたのはその二回だけだったと思う。FC東京ってサイドバックの攻撃参加が少ないなと思って観ていたくらいだから。でも、よもやその二度の突破がどちらも失点につながろうとは思わなかった。
 この試合、先制したのは鹿島だった。それも夢生のファイン・ゴール。夢生が得点した試合は負けなし、みたいな話があった気がしたので、こりゃもらったろうと思ったのに、よもや逆転負けを食らおうとは……。
 まぁでも、この日のFC東京はとても守備がよかった。プレスが厳しくてなかなか自由にボールを回させてもらえなかった。夢生のゴールの場面にしたって、レアンドロへのタックルでこぼれたボールが、たまたま夢生の足元へのナイスパスになったラッキーな形だったし(決めた夢生が上手かったのは確かだけど)。なんか今日のFC東京は守備がいいなぁと思って観ていたら、あっぱれ最後まで足が止まらなかった。
 ボールさばきは鹿島のほうがスムーズだったし、内容的には決して劣っていなかったと思うんだけれど、結果的にディフェンスの運動量ではあちらが上だったかなぁと。いやぁ、なかなか自由にプレーさせてもらえなくて、ストレスのたまる試合だった。
 それにしても、大岩監督のポジション・チェンジ好きもあいかわらずだ。最初の西はともかく、ふたりめの交替でレアンドロを下げて小笠原を入れてきたので、ボランチ3枚にしてどうする気かと思ったら、永木を左SBにコンバートして、西を右サイドへと移動させるという手に出た。さらには伊東→金森と入れ替えて、最後は西を本来の右SBに落ちつかせるという采配。西は途中出場で3ポジションをこなしている。
 でもこういうのってどうなんだろう? 観ている僕には誰がどこでプレーしているのか、しばらくはよくわからなかったから、相手にしてもマークがつきにくいというメリットがあるのかもしれない。でもそのせいで自分たちの攻撃のリズムも悪くなってんじゃないだろうか。去年の終盤からの得点力不足は、大岩のこういう猫の目采配の悪影響のような気がしてしかたない。
 まぁなんにしろ、FC東京はこれで4連勝だそうで、順位を3位まで上げている。長谷川健太が監督に就任と聞いたときには、なんかいまいちじゃん? とか思ったんだけれど(失礼)、ここまではけっこういい仕事をしているみたいだ。
 一方のわれらが鹿島ははやくもリーグ戦3敗目で、順位はなんと13位ときた。そういや、前節の湘南戦でもオウン・ゴールとDFのファイン・ゴールで負けてるんだよな(テレビ放送があったのに泥酔していて観れなかった)。2試合連続でほとんど同じ結果ってのが情けない。そろそろ鹿島のフロントが大岩の後釜を考え始めているんじゃなかろうか。
 そうそう、この試合で残念だったのは──なによりまずは鹿島が負けたことだけれど、もうひとつは──ベンチ入りしていた久保建英が観られずに終わったこと。せめて1-1のままで終盤に持ち込めていれば、久保の出番もあったかもしれないのに。
 そういう意味でも後半わずか10分で決まった室屋の決勝ゴールは二重の意味で痛かった。室屋はこれがJ初ゴールだそうだ。鹿島がこんな苦しいときにメモリアル・ゴールって。あぁ、なんてことすんだ、大学の後輩……。
(Apr 12, 2018)

鹿島アントラーズ0-1水原三星

AFCチャンピオンズリーグ/2018年4月17日(火)/カシマサッカースタジアム/日テレNEWS24

 ドローでも1位抜けだというのに、負けて2位通過となってしまったACLグループリーグ最後の試合。
 スタメンはクォン・スンテ、伊東、犬飼、昌子、三竿雄斗、永木、三竿健斗、中村充孝、金森、山口、鈴木優磨という顔ぶれ。
 お、ACLなのにGKが曽ヶ端じゃない──と思ったら、ソガも軽く故障とのこと。いつの間にかブラジル人トリオも総リタイア状態みたいだし、ほんとなんなの今年は。せめてもの救いは三竿兄が復帰してきたことくらい(祝・ひさびさの三竿兄弟共演)。
 まぁ、ソガはともかく、植田がスタメンじゃないのはターンオーバーってことなんだろう。週末の名古屋戦でひさびさのスタメンだったウッチーがベンチなのも。過密日程だから致し方ないのかもしれないけれど、少なくてもこの日の伊東の出来だったら、僕は疲れたウッチーのほうが見たかった。
 充孝や金森はいつまでたってもよくならないし、正直なところ、僕には金崎や土居にベンチを温めさせて、彼らを使う意味が見いだせない。ホームで韓国のクラブ相手にドローという結果さえ残せないんならばなおさらだ。そんなんなら下手なターンオーバーなんてしない方がいい。大岩のやりかたにはいまひとつ納得がゆかない。
 まぁ、なんにしろすっきりしない試合だった。前半の出来が悪いのはここしばらくの課題だけれど、この日もぐずぐずしているうちにセットプレーから先制を許し、後半は充孝→聖真、永木→夢生、山口→小笠原と交替のカードを切って、それなりに調子は上向いた感があったけれど、結局得点できずに敗戦。いつになくラフなプレーも多かったし(健斗が二度も流血させられていた)、どうにも楽しくない試合だった。
 失点のシーンは壁にあたってコースが変わったアンラッキー・ゴールかと思ったらそうではなく、壁の横を抜けたボールをダミヤノヴィッチというユーゴスラビア人の長身FWがちょこんとワンタッチして決めていた。あれは狙ったプレーだったんだろうか? だとしたら見事なもんだ。
 でもまぁ、ホームなんだし、せめて同点にして、無敗のままグループリーグを終わりたかった。これで次の相手はフッキとオスカルのいる上海上港という中国のクラブだそうだ(強そー)。でもって、勝った水原は蔚山との韓国対決。水原だって、できれば自国のクラブは避けたかったろうに。そんなモチベーションの低そうな相手にドローにさえ持ち込めないってのが情けない。
 裏ではセレッソ大阪も負けて敗退が決まり、これで決勝トーナメントまで残ったJのクラブは鹿島だけになってしまった。今年もACL制覇に黄色信号が灯りまくりだ。
(Apr 17, 2018)

横浜F・マリノス3-0鹿島アントラーズ

J1・第11節/2018年4月28日(土)/日産スタジアム/BS1

 第11節ということは、今シーズンもすでにほぼ三分の一を消化したことになるわけだ。それでもって3勝3分5敗の15位って……。
 この日の対戦相手は元豪州代表監督だったポステコグルー(名前難しい)のもと、新しい攻撃的サッカーを志向しているというマリノス。鹿島のスタメンはGKクォン、DF篤人、植田、犬飼、安西(祝復活!)、MF三竿、レオ・シルバ、遠藤、鈴木優磨、FW金崎、ペドロ・ジュニオールの11人。
 安西、遠藤、レオ・シルバ、P・ジュニオールと、怪我人がぞくぞく復帰してきたのはいい傾向だけれど、でもまた昌子がベンチだったり、なぜか土居がベンチにもいなかったりして、完全復活にはまだまだ遠い印象。
 ペドロ・ジュニオールがスタメンだというので、このところ好調な鈴木優磨をどうするのかと思ったら、優磨は二列目にさげて左サイドで起用してきた。現状で優磨をはずすようじゃ、大岩も本当におしまいだろうから、このスタメンにはまぁ納得。
 ただし、納得ゆかなかったのは、劣勢の後半に入っての選手起用だ。負けてる状況でウッチーを下げて伊東を入れたり、さらには遠藤をさげて西を入れたり(もう一枚の交替枠はPJ→山口)。それって負け試合での采配ではないでしょう? そもそもなぜに右SBが三人もエントリーされているんだか。それで1点でもかえせたならともかく、結局スコアレスで0-3と惨敗を喫したのでは納得しろっていうのが無理だ。
 W杯前の過密日程で毎週2試合ずつをこなすシビアなスケジュールのところへきて、ACLで勝ち残っているから、このタイミングでの監督交代は愚策でしかないけれど、そうでもなければいますぐ監督を替えてくれっていいたくなるくらいのひどい成績だと思う。
 まぁ、一概に大岩ばかりが悪いわけではなく、ずいぶんと不運も重なっているとは思う。1点目の失点は植田がクリアしようとしたボールが遠藤渓太への絶妙なパスになってしまったものだし(この子には去年もゴールを決められていた。相性悪し)。今年はオウン・ゴールとか、なんかこういう自滅的なプレーが異常に多い気がする。
 2点目の直接FKは決めた天野がうまかったけれど(俊輔そっくり)、あれだってポストにあたって決まったいるのだから、ボール一個ずれていたら外れていた可能性大。そういう意味では不運っちゃあ不運だった。
 後半に中町に決められたヘディングはまぁ、その前のクロスといい中町のマークといい、まったくゆるゆるだったので、これは自責点。なにやってんだと思った失点はあの1点だけだった。売出し中のウーゴ・ヴィエイラには決定的な仕事はさせなかったし、スコアほどひどい内容の試合ではなかったとは思う。でも記録的には惨敗。数字は残酷だ。
 まぁ、なんにしろ点が取れない。たまにはいい形も作れているんだけれど、フィニッシュがあまい。こんな調子で来週のACLラウンド16を勝ち切れるとは思えない。ここで敗退したら、おそらく大岩解任まったなしだろう。とはいえ、後任のあてもなさそうだし。柳沢に任すのはまだ早いしなぁ。
 ……ということで、先行きの暗そうなこのところの鹿島だった。あぁ、どうなっちゃうんだか。
(Apr 29, 2018)