いよいよJ1の優勝争いも佳境ってことで、ひさしぶりにアントラーズ戦以外のJ1の試合をまともに観ました。マリノスが今季のJ1優勝をかけて、アルビレックス新潟をホームに迎えた一戦。でも結果はアルビレックスの勝ちで、結局優勝は最終節まで持ち越しとあいなった。
 この日のスタメンは、マリノスがGK榎本哲也、DF小林祐三、中澤、栗原、ドゥトラ、MF中町公祐、富澤清太郎、兵藤、俊輔、齋藤学、FWマルキーニョス。
 対する新潟はGK東口、DF三門、大井健太郎、舞行龍ジェームズ、金珍洙、MFレオ・シルバ、成岡、田中亜土夢、岡本英也、FW田中達也、川又堅碁というメンバー構成。去年一年だけアントラーズに在籍していた岡本が、MFながら主力としてプレーしているのが感慨深い。
 いやぁ、それにしても新潟のジェームズが「舞行龍」で「マイケル」と読ませるのには笑った(なにげに名字が後だし)。相撲取りかと思ったぞ。途中出場の鈴木武蔵もそのルックス(どう見ても精悍な黒人)と名前とのギャップが強烈だし、田中亜土夢もいるし、なんで新潟にはこうおもしろい名前の選手が多いかな。J1個性的な名前ランキングとかやったら、上位独占まちがいなし。
 でもって新潟、やっているサッカーの内容も悪くない──というか、とてもよかったと思う。運動量がやや落ちた後半こそ押し込まれる展開になったけれど、前半に関してはマリノス相手に五分に渡りあっていた。ボランチのレオ・シルバがとても効いていたのと、川又、田中達也、岡本ら、前線の選手たちの積極的なプレーが印象的だった。
 決勝点を決めたのは、今季大ブレイクの川又。なるほど、得点王ランキング2位につけているだけのことはある。プレーがやや粗い気はしたけれど、ポストもできるし、ガタイがよくて、プレーに迫力がある。いわば久保竜彦を荒削りにしたような印象。今後、確実に代表のFW争いに加わってくるんだろう。
 マリノスのサッカーは、俊輔、中澤、マルキーニョスら、いまだ衰え知らずのベテラン勢に、齋藤学らの若手が加わって、安定感抜群。優勝をかけているだけあって、さすがに地力では新潟を上回っていると思った。
 とはいえ、もともとどちらのファンというわけでもない僕としては、せめて最終節まで優勝争いがもつれこんで欲しいわけで、この日はもっぱら新潟の応援。はたして、試合は後半のワンチャンスを先にものにした新潟が、終了間際にはカウンターからダメ押し弾まで決めて快勝(2点目は鈴木武蔵)。みごとマリノスの胴上げを阻止して見せた。
 裏では、前節まで2位だったレッズが、鳥栖を相手にでよもやの完敗(4-1)を喫して、優勝争いからひと足先に脱落(鳥栖は前節もアントラーズを破って、優勝はほぼ絶望という状況にしてくれてしまったし、この期におよんで妙に強い)。無難に湘南を破った広島が2位、セレッソとの上位対決に競り勝った鹿島が3位という順位になった。
 次節(最終節)マリノスが負け、アントラーズが勝てば、勝ち点では両者が並ぶけれど、得失点差が9もあることを考えれば、アントラーズの優勝の可能性はほぼゼロ。逆に広島が勝った場合(絶対に勝たせたくないが)、マリノス引き分けならば、得失点差で広島の逆転優勝。
 つまりマリノスは自力優勝するには勝つしかない。でも最終節は今季得点王当確の大久保を擁する5位フロンターレとの神奈川ダービーだ(当然チケットはすでに完売)。難しい試合になるのは必至。
 とはいえ、2位サンフレッチェの相手もわれらがアントラーズで、つまりここは2位と3位の直接対決。さらにはその下のレッズとセレッソが4位と6位の対戦。つまり今年の最終節は、J1の1位から6位までがそれぞれ対戦するという神懸かり的なカードになっている。すげー、こんなことってあるのかい?
 ここへきてようやくACL出場権内の3位まで順位をあげたアントラーズだけれど、最終節はすぐ下のレッズとセレッソが直接対決して、どちらか(もしくは両方)が必ず勝ち点を積み上げてくるため、引き分け以下だとそこから脱落してしまう可能性大(ここでも得失点差の低さがものをいう)。つまり来年ACLに出たかったら、勝つしかない。
 まぁ、それはほかのチームも一緒。広島も勝てば優勝の可能性がある一方、負けたら3位以下に脱落するかもしれない。レッズ、フロンターレ、セレッソも勝てば3位以内に入れる可能性がまだまだある。
 ということで、優勝争いこそ横浜と広島の2チームに絞られたけれど、ACL出場権をかけた勝負は非常に熾烈で、最終的な順位予想はまったくつかない状況なんだった。
 こりゃもう、盛りあがり必至のJ1最終節。さて、結末やいかに。
(Dec 01, 2013)