2013年10月のサッカー

Index

  1. 10/05 ○ F東京1-4鹿島 (J1・第28節)
  2. 10/11 ● セルビア2-0日本 (親善試合)
  3. 10/14 ○ 鹿島2-1京都 (天皇杯・3回戦)
  4. 10/15 ● ベラルーシ1-0日本 (親善試合)

FC東京1-4鹿島アントラーズ

J1・第28節/2013年10月5日(土)/国立競技場

 毎年恒例、僕にとっては年に一度のスタジアム観戦、FC東京対鹿島アントラーズ戦に行って参りました。
 今年の会場はいつもの味スタではなく、国立競技場。味スタは国体開催中で使えないとかなんとかいう話みたいだけれど、このタイミングで来年には解体されてしまう現在の国立競技場での試合が観られるってんだから、ラッキーだと思う。
 とはいえ、この日の天候は朝からあいにくの雨。おまけにスカパーの無料放送デイで、この試合もテレビで観られたから、ひとりきりだったら、たぶん観に行っていない。しかもスタジアムには雨にも負けず3万人の観衆が集まっていて、自由席はなんと満席。そんな試合を、自由席のそれなりにいい位置からじっくりと観られたのも、熱心なFC東京サポーターのPが先乗りして席を確保してくれていたからだった。Pさん、いつもどうもありがとう。恐縮です。この場を借りて、改めて御礼申し上げる。
 恐縮といえば、席を確保してくれているのがFC東京サポーターだから、基本まわりはすべてFC東京サポーター。例年の味スタでの観戦でもそれは変わらないのだけど、この日は自由席が満員だったので、いつになくアウェイ度が高かった。そんな中、試合は序盤から鹿島が順調に得点を重ねてゆく、僕には嬉しくも、まわりは非常に嬉しくない展開。ゴールが決まるたびに、FC東京サポーターの失望が波のように押し寄せてきて、なんとも恐縮至極だった。いやはや、すいませんでした。
 この日の鹿島のスタメンは曽ヶ端、伊東幸敏、青木、山村、中田浩二、柴崎、小笠原、遠藤、ジュニーニョ、大迫、ダヴィ。途中出場は土居、前野、本山。
 対するFC東京は、権田、徳永、森重、加賀、大田、高橋秀人、米本、長谷川アーリア・ジャスール、東慶悟、ルーカス、渡邉千真という布陣。
 こちらは西が出場停止で、右サイドに高卒2年目の伊東(これがJデビュー戦)が入り、あちらもCBのチャン・ヒョンスが故障で欠場と、ともにレギュラーをひとり欠く布陣。まぁでも、メンツ的には実力伯仲の両チームだし、順位だって4位と5位で、勝ち点の差はわずか3。勝ったほうが優勝戦線に食いとどまるって大事な一戦だ。簡単な試合にはならないだろうと思った。ところが──。
 試合はあっけなく動いて、開始わずか10分で、鹿島が2-0とリードしてしまう。
 1点目は遠藤のミドルで(帰宅後に録画を見たらループ気味だった)、2点目は相手DFのミスからボールを奪い取ったダヴィのゴール。どちらもバックスタンドにいた僕らからは遠い側のゴールで、決めたふたりのシュートコースが対角線上にはっきりと見て取れた。ぽっかりと空いたシュートコースを、遠藤、ダヴィとも逃さずに決めたって感じ。FC東京、ディフェンスゆるすぎ。やはりチャン・ヒョンスの欠場が響いたんでしょうか。
 後半に入ると、FC東京はDFの加賀に替えて平山を投入、高橋秀人を最終ラインに下げて、攻撃に厚みを増してきた。ここから先は、鹿島陣内(僕らがいた席からは遠いほう)での展開ばかりになる。
 それでも次の得点を決めたのは、やはり鹿島。中盤でボールを持った小笠原がドリブルでするするっと攻め上がり、遠目から思い切りよく打ったミドル・シュートがきれいにファーサイドにゴールネットに突き刺さった。サイドが逆だし、距離もちがうので一概には言えないけれど、印象的には1点目の遠藤のゴールのリプレイを見るようだった(リプレイで見たら、オガサのほうが豪快だった)。
 これで勝負あり。そのあとカウンターから大迫のゴールまで決まり、残り10分を切って4-0となった時点で、まわりには帰り支度を始めるFC東京サポーターの姿がちらほらり。そのあとFC東京が平山のゴールで一矢報いるものの、最終スコア4-1で幕。苦戦必至と思っていた一戦は、思わぬ快勝に終わった。前半の2点だけでも十分だったのに、さらにオガサと大迫のゴールまでご祝儀につけてもらっちゃったって感じ。マジ恐縮。
 いやでも、いまさらながら、スタジアムでサッカー観るのっていいっすね。テレビでは絶対に味わえない臨場感がある(当然だけど)。あいにくの雨――さいわい後半にちょっと霧雨に降られたってくらいで済んだ――にもかかわらず、3万人もの人が集まるのは、この刺激があってこそだろう。果たすべきは、2ステージ制への逆行などではなく、この空間の気持ちよさをもっと高め、もっともっと多くの人々に伝えてゆくことだろうと僕は思うのだけれど……。
 まぁ、なんにしろこのスタジアムでサッカーを観るのも、おそらくこれが最後。ここのスタンドから見上げる空の広さは、東京では随一だと思っていたので、それがこれきりもう見れなくなると思うとさびしい。
(Oct 07, 2013)

セルビア2-0日本

親善試合/2013年10月11日(金)/セルビア・ノビサド/日本テレビ&BS1

 長いこと、代表戦を観ていると、たまに、こんな試合ならば、やらなくたってよかったんじゃないかと思ってしまうような試合がある。この日の試合がそう。ガチのスタメンを並べておきながら、まったくいいところなしで無得点に終わり、守備では失点絡みの2失点で負けるという。深夜0時半から、眠い目をこすりながら観た甲斐がなかった。
 この日のスタメンは、川島、内田、吉田、今野、長友、長谷部、遠藤、岡崎、本田、香川、柿谷の11人。後半20分すぎくらいから順番に長谷部、柿谷、香川、岡崎が引っ込んで、かわりに細貝、清武、乾、ハーフナーが出てきた。
 とはいえ、最後のふたりは残り5分を過ぎてからの出場だから、仕事らしい仕事もできず。ほんとザッケローニの選手交替の下手さ加減には、いい加減うんざりだ。これまでの試合で、内容の悪い試合を交替カードを切って好転させたことってひとつもないでしょう? この試合なんて親善試合なのだし、こんな内容で交替枠を残して終わるってのがナンセンスだ。まったく困ったもの。
 ほんと、この試合はじれったかった。本田、岡崎にはいいときのような切れがなく、香川は素晴らしいシュートを1本打つも、惜しくもGKに止められ、それ以外は試合勘のなさが祟ってか、凡庸なプレーに終始。柿谷は致命的にボールタッチが少なく、ワントップとしては存在感なさすぎた。
 途中出場の細貝も、好調が噂されたわりには、守備的すぎていまいち印象がよくなかった。もともと守備的な選手なのはわかっているけれど、だからといって負けている試合で攻撃の意識が低すぎるのは問題。同じく途中出場の清武がはつらつとしたプレーを見せてくれていたのが、この試合の唯一の救いだった。
 守備面では終了間際の2点目が痛かった。0-1で終わっていれば、敗因は攻撃陣の不調だってはっきりして、まだ仕方ないかなと思えたのに、なんで最後の最後に追加点を許すかなぁ。まったくもう、安定しないにもほどがある。
 セルビアはW杯最終予選敗退が決まったばかりとのことで、守備は堅いものの、攻撃のアイディアという点ではいまひとつな印象だった。アウェイとはいえ、そんな相手にいいところなくして負けるんだから頭が痛い。なんかこのところ、実力が平均点以上の国が相手だと、まったく勝ててない気がするんですけど……。
 それはそうとこの試合、開始前にセルビアの選手たちが全員胸に「103」と書いたユニフォームを着ているから、なにごとかと思ったら、この試合はスタンコビッチという人の引退試合で、その人の代表キャップがこの試合で歴代最多の103回に達するとのことだった。
 でもそのスタンコビッチさん、キックオフからわずか10分で、ほとんどなにもしないうちに交替してしまったからびっくり。どうやら最近現役を引退したばかりのスーパースターのために、わずかながら出場機会を与えて、代表最多出場記録をプレゼントするという企画だったらしい。それにしても前半終了さえ待たずして、わずか10分でさっさと引っ込めてしまうところがすごかった。いっそ日本でも真似して、カズが引退するときにやってあげたらいいと思う。
(Oct 12, 2013)

鹿島アントラーズ2-1京都サンガF.C.

天皇杯・3回戦/2013年11月14日(月)/カシマサッカースタジアム/スカパー!

 なぜだかスカパーで無料放送されていたので観れたアントラーズの天皇杯・3回戦、京都サンガ戦。京都には2年前の天皇杯・準決勝で負けているので、ちょっと不安だったけれど、なんとか4回戦に駒を進めることができた。
 この日のスタメンは曽ヶ端、西、青木、山村、中田、柴崎、小笠原、遠藤、ジュニーニョ、大迫、ダヴィの11人。要するにリーグ戦のままのベスト・メンバーでの対戦だった。
 天皇杯だから、メンバーを入れ替えて臨むって選択肢もあると思うのだけれど、仮にも相手はJ2第3位。下手に手を抜くと痛い目にあうと思ったのか、もしくは来週に浦和戦を控えて、主力のリズムを崩したくなかったからか。まぁ、おそらく後者でしょう。リーグ戦も残り少なくなって、緊張感が高まっているなか、このメンツで戦えば、J2にそうそう遅れをとることはない。
 ──といいたいところなんだけれど。京都もそうやすやすと勝たせてはくれない。前半はこちらが押し気味ながらスコアレスで終了。ようやく試合が動いたのは、後半9分のことだった。左サイドをドリブルで突破したジュニーニョがゴール前に弓なりのクロスを入れると、それをフリーでファーサイドに走り込んでいた遠藤が頭で押し込んだ。ナイス。
 2点目はその13分後。大迫がペナルティ・エリア内深くへ侵入して、角度のないところからGKの頭上を抜こうとするようなシュートを打つ(それともあれはパス?)。これがいったんはGKに弾かれるものの、弾いたボールはふわりと上がり、そのままゴールの中へと落ちるかってところへダヴィが詰めてきていて、頭で押し込んだ。あれは半分は大迫の得点。
 これで2-0。さすがに勝ったろうと思ったら、そのあと京都に思わぬ反撃を食らい、17番の横谷という選手にやられる。柴崎からボールを奪ったこの人が、自らドリブルで攻め上がり、そのままシュート。ボールは曽ヶ端の手を弾いてゴールマウスに転がり込んだ。いや、あれは敵ながら、あっぱれだった。
 これで1点差。で、そのあとは終始、京都の攻勢って展開。そのまま逃げ切って勝ちはしたものの、試合後のインタビューを受けたトニーニョ・セレーゾはすっかりおカンムリだった。そんなに怒るほどひどい試合だったとも思わないんだけれど、まぁ、J1王者を目指す指揮官としては納得がいかなかったんでしょうか。理想が高くてけっこう。
 京都(監督はいまも大木さん)には山瀬功治や工藤浩平などがいて、どちらも間一髪というシュートを打っていた。彼らのシュートのうち、片方でも決まっていたら、違う結果になっていたかもしれない。外してくれてサンキュー! あと、おととし決勝ゴールを許した宮吉がいないと思って調べたら、今年は怪我でシーズンを棒に振ったらしい。お気の毒さま。
 まぁ、なんにしろ終盤はひやひやの展開だった。最後の最後は、柴崎を岩政に替えて守りに入っていたから、万が一あのあとに同点ゴールを決められたりしていたら、目も当てられなかった。そう思うと、あぶねえったらねぇ。その辺の危なっかしさにセレーゾが怒っていたのかもしれない。
 まぁ、無事に勝ち抜けられてなによりという一戦でした。
(Oct 14, 2013)

ベラルーシ1-0日本

親善試合/2013年10月15日(火)/ベラルーシ・トルぺド/日本テレビ

 駄目だ~。2試合つづけて同じベスト・メンバーで戦って無得点って。しかも、どちらも相手はW杯予選敗退国。あぁ、あの強かった日本代表はどこへ? これだからサッカーは難しい。
 まぁ、今回の遠征はタイミング的に難しかった気がする。本田はミランへの移籍が決まらず、モチベーションが上がらなさそうだし、香川はマンUで出番を失っていて、あきらかに試合勘が足りない。日本代表の誇る二本柱がそろって不本意な新シーズンを迎えた、その悪い流れを代表に持ち込んでしまった感がある。
 あわせて、今回は遠藤も怪我の影響か、出来がいまいちで、柿谷や岡崎にまったくボールが入らない。結局、中盤より前でボールが落ち着かず、しかたなく最終ラインから組み立てようとするも、ベラルーシのハードなチェックに迫力負けして、前へボールを出せない。もー、最終ラインでのバックパスや横パスの多いこと、多いこと。見ていていらいらして仕方なかった。
 失点はクリアミスを拾われてのミドルという、よくあるパターン。でもまぁ、このチームでは失点は仕方ないので、やはり問題は無得点に終わったことだろう。
 そういう意味では選手の誰かれがどうしたというよりも、ザッケローニが困ったもんだと思う。不調な主力選手をさっさと見限って、フレッシュな選手で攻撃を活性化させるという、ごくあたりまえの手が打てないんだから。打つ手がないならば仕方ないけれど、ベンチには清武、乾、斎藤といった、攻撃のセンスあふれるジョーカー的な選手たちが控えている。それを使わずしてスコアレスで負けるってのが納得いかない。
 僕はここへきて、ザッケローニはいまだ代表監督になりきれていないんじゃないかという気がしてきた。彼がやっているように、レギュラーを固定して連携を高めるというのは、クラブならば常套手段だ。親善試合のほとんどないクラブでは、一試合で6人も選手を入れ替えたりする機会はめったにないだろうし。
 でも代表は違う。日本人限定とはいえ、選びたい選手は選びたい放題だ。しかも親善試合では選手を替え放題。そんなフレキシビリティの高さこそ、代表チームの特色ではないかと思う(もしや新しいもの好きな日本で代表人気が高いのはそのせいかも)。
 だからこそ、使える選手を使えるだけ使って、無数の組み合わせの中から、最善の解を導き出すのが代表監督の仕事なんじゃないだろうか。だとするならば、ザックにその仕事が満足にこなせているとは言いがたい。
 まぁ、だからといって、来年のW杯でザッケローニが必ず失敗するとも思わなかったりする。なんたって、やっていることはサッカーの常道にのっとっているわけだし。選手だって歴代の日本代表では最高レベルのプレーヤーが集まっている、本番となればモチベーションだって否応なく高まるだろうし、コンディション調整さえうまくいけば、決してそんなひどいサッカーはしないだろう。少なくても南アフリカ大会の直前のような絶望的な気分で本大会を迎えるなんてことにはならないと信じている。
 でも、だからといって、この日みたいなサッカーをやっているザッケローニを無条件に指示できるかというと、ちょっと考えてしまう。ザックは日本代表のポテンシャルを最大限に引き出すための努力をしていないように、僕の目には映る。この連敗でいきなり解任を求める世間の声がかしましくなったのも仕方ないことだと思う。
 まぁ、なんにしろ選手起用には難ありまくりのザッケローニだけれども、この日、途中交替で山口蛍を使ったのはよかった。
 いやぁ、いいわ、山口。判断の早い的確なワンタッチ・パスといい、正確なフィードといい、ストレスのたまる試合の中で、彼のプレーだけはやたらと小気味よかった。アントラーズに欲しい。
(Oct 16, 2013)