2012年6月のサッカー

Index

  1. 06/03 ○ 日本3-0オマーン (W杯・最終予選)
  2. 06/08 ○ 日本6-0ヨルダン (W杯・最終予選)
  3. 06/12 △ オーストラリア1-1日本 (W杯・最終予選)
  4. 06/16 ● 鹿島2-3名古屋 (J1・第14節)
  5. 06/23 △ 柏1-1鹿島 (J1・第15節)
  6. 06/30 △ 新潟1-1鹿島 (J1・第16節)

日本3-0オマーン

ワールドカップ最終予選/2012年6月3日(日)/埼玉スタジアム2002/テレビ朝日

 さぁ、いよいよブラジルW杯に向けての最終予選に突入~。なんでも、ここから一年間に渡る長丁場らしい。難しい試合がつづくんだろうなぁ……と思っていたら、意外や意外。この初戦のオマーン戦は文句なしの快勝だった。こんなに順風満帆なスタートを切った最終予選って、初めてな気がする。
 この日のスタメンはGK川島、DF内田、吉田、今野、長友、MF長谷部、遠藤、岡崎、本田、香川、そしてFW前田のワントップ。要するにザックJAPANの定番中の定番、ガッチガチの布陣だった。
 でも、だからこそ強い。長短のパスがいい感じで通るし、両サイドも有効に使えていた。守っても相手より一歩、出足が速い感じで、きっちりとチェックがはまる。攻守ともに完全に相手を上回る、もういうことなしの内容。こんなに盤石な試合も珍しい。
 なかでも、やはり前半12分の本田の先制点は大きかった。早めに得点できたことで、初戦のプレッシャーから解放されて、試合運びが楽になった。あの場面ではダイレクト・パスが何本が見事につながって、最後は長友のクロスから本田の左足ボレーが炸裂。個々の連係も見事だったけれど、それを最後に落ち着いてしっかりと決めて見せた本田はやはりさすがだった。とても故障明けとは思えない存在感。
 後半の2点目は前田。香川のラストパスをDFの裏をついて受けて、最初のトラップはうまく収まらなかったものの、ねばり強くボールを追って、ポストぎりぎりでボールをゴールへと流し込んで見せた。オマーンのアルハブシというGKはプレミアで何年もレギュラーを張っているというだけあって、とてもうまかった。そのGKに競り勝ってのゴールだからあっぱれだ。
 3点目の岡崎のゴールも彼らしかった。前田の打ったシュートが相手DFにあたって、ゴール前に詰めていた彼の足元にぴたりと収まり、そこから体勢を崩しながら打ったシュートはいったんGKに止められるも、そのこぼれ球を改めて押し込んだもの。それまでも何度か決定機を逃してきたのに、それでもあんな風にチャンスが巡ってくるんだから恐るべしだ。どんだけシュート・チャンスに恵まれているんだ、岡崎。運も実力のうちというけれど、彼はただならぬ運を持っている気がしてきた。まぁ、その運も努力の賜物なのかもしれないけれど……。
 なんにしろ、途中出場の酒井、清武、細貝(アウトは内田、岡崎、遠藤)らも含め、本当に全員がそれぞれの持ち味を出した会心の一勝だったと思う。最近は精神的にぜんぜん余裕がないので、余計なハラハラドキドキはいらないから、この調子でノンストップで勝ち進んで、さっさと本大会出場を決めちゃって欲しいなぁ……。
(Jun 03, 2012)

日本6-0ヨルダン

ワールドカップ最終予選/2012年6月8日(金)/埼玉スタジアム2002/NHK BS1

 いやぁ、強いや。前のオマーン戦でも上出来だったのに、つづくこの試合ではさらに得点倍増ってんだからすごい。いまの日本代表はアジアじゃ無敵なんじゃないだろうか。もー、なにもいうことありません。
 この日もスタメンは前の試合といっしょ。で、序盤からがんがん積極的に攻めて出て相手を圧倒し、早めに先制点を奪って見せたところもいっしょ。ただ、この日はそのあとが前の試合と違っていた。
 オマーン戦では先制したことでひと安心してしまったのか、その後の攻撃がスローダウンしてしまったけれど、この日はそんなことがなかった。なおも積極的に攻めつづけ、相手に退場者が出たこともあり、前半だけで4-0と勝負を決定づけてみせた。その攻撃力たるや、圧巻。これは本当にW杯の最終予選なの?って感じ。
 相手のヨルダンが弱すぎたのかというと、そうとも思わない。ディフェンスはともかく、カウンターからの攻撃や積極的にミドル・シュートを打ってくる姿勢には、けっこう迫力があった。後半の立ち上がりには一時的に主導権を握られた時間帯もあったし、少なくてもオマーンよりは強そうな気がした。今回はこちらのホームだったからこてんぱんにしてやれたけれど、アウェイではそこそこ手こずるかもしれない。
 先制点は本田のCKから前田のヘディング(というか肩)。2点目は遠藤が浮き球でディフェンス・ラインの裏へと蹴り込んだボールに、本田が駆け込んでいったもの。3点目は岡崎のシュートのこぼれ球を、これまた果敢に攻め上がった本田が決めた。そして4点目は何人かのスムーズなパス交換から、最後はウッチーのラストパスを受けた香川。
 僕が好きだったのは2点目の本田のゴール。遠藤のパスの見事さといい、それを受けた本田の攻め上がりといい、完璧な崩しで最高に気持ちよかった。
 この日の本田は序盤、あまり目立っていなくて、もしかして今日は駄目なのかと思わせたりしたんだけれど(そんなこと思ったのは僕だけ?)、やはりそんなわけなく。先制点のお膳立てをしたあたりからは、もう有無をいわさない存在感だった。後半にもPKを決めて、終わってみればハットトリックの大活躍。
 PKの場面では、本来ならばファールをもらった前田が蹴ってしかるべきなのに、そこを自らのハットトリックのためにって、遠慮なくボールを奪ってしまう貪欲さが素晴らしい。どんだけ自分本位だ、本田。その日本人らしからぬメンタリティがすごいと思う。
 この日はようやく香川にもゴールが生まれたけれど、本田と比較してしまうと、やはり香川は代表じゃまだまだな印象。代表でのプレーを見る限り、マンUは香川よりも本田と契約すべきだったんじゃないかという気がしてきてしまう。
 そんな本田くんは、PKを決めた直後に憲剛と交替でお役御免。その後チームは飛ばした前半の反動もあってか、ずいぶん迫力がなくなってしまったので、なおさら本田がすごく見えた。あのまま、本田の引っ込んだあと無得点で終わっていたら、ほんとこの試合は本田劇場って感じになってしまった気がする。そういう意味では、終了間際にセットプレーから生まれた栗原のゴールは意外と重要だった。
 そういや、栗原が出てきたのは、吉田が空中戦の着地のさいに足を痛めて途中交替を余儀なくされたからで、吉田は残念ながらそのけがで代表から離脱、次のオーストラリア戦には出られなくなってしまった。この試合で唯一残念だったのがこの吉田のけが。
 そうそう、ザッケローニの采配でおもしろかったのが、おそらくそれが理由で最後の一枚の交替カードを使って、今野を伊野波と替えてきたこと。
 コンちゃんはすでにイエローカードを1枚もらっているそうなので、この試合でもう1枚もらうと次のオーストラリア戦に出られなくなってしまう(んでしょう、おそらく)。つまり下手をしたら、グループ一の難敵とのアウェイ戦を、レギュラーのCBをふたりとも欠いた状態で戦うことになってしまう。だから大事をとって今野を休ませ、なおかつサブの伊野波にも出場機会を与えると。まぁ、言ってみれば一石二鳥の順当な手ではある。……あるんだが。
 でもそりゃ固すぎでしょーよ、ザックさん。これだけ圧勝の試合だもん。わざわざディフェンダー入れなくてもいいじゃん。日本じゅうの誰もが宮市を観たいと思っているのに、そこに伊野波が出てきて喜ぶ人は少なかろう。
 堅実すぎて、おもしろみに欠ける。──そこが代表監督としてのザッケローニ氏の欠点な気がする。もうちょっとエンターテイナーとしてのセンスを見せてくれればなぁ……と、そんな贅沢なことを思ってしまう、大爆勝の一夜だった。
(Jun 09, 2012)

オーストラリア1-1日本

ワールドカップ最終予選/2012年6月12日(火)/ブリスベン(オーストラリア)/テレビ朝日(録画)

 いま通っている仕事先がいささか遠くて、6時きっちりに職場を抜け出してもキックオフの7時までに帰宅できず。仕方なく録画で30分遅れでの時差観戦となったオーストラリア戦。あぁ、今回の再就職にはいろいろと問題が多い……。
 それにしても勝てないなぁ、オーストラリアにゃ。アジアカップで勝ったときにはW杯ドイツ大会の雪辱を晴らしたつもりになっていたけれど、あれだって延長戦だったし。90分での勝利となると、とんと記憶にない。きょうの試合は勝てそうだっただけに、不本意なPKで同点にされたのが、返すがえすも残念だ。
 でもまぁ、やっぱり強いや、オーストラリア。高さがある上に技術も組織もしっかりしている。序盤はその高さにやられっぱなしな印象だった。セカンド・ボールはみんな向こうのもの。おいこらオーストラリア人、頭だけできれいにパスつないでんじゃねーって感じ。いまにも失点しそうで、気が気じゃなかった。
 でもまぁ、日本も徐々にその攻撃(と、でこぼこの芝?)に慣れてきたのか、前半も時間が進むにつれて、ようやく攻撃ができるようになる。で、前半は最終的に五分って印象で終わる。なんともしびれる展開。
 試合が大きく動いたのは、後半11分にオーストラリアのミリガンという選手がウッチーとの接触プレーで2枚目のイエローカードをもらい、退場になってから。
 これでずいぶんと楽になった。これ以降しばらくは、日本がボールを支配する展開になる。そして本田がショート・コーナーからペナルティ・エリア深くへと切り込んでいって放ったラストパスから、なんと栗原の先制点が生まれる! それも足。お~。
 これで勝った!──と思ったんだったが、そうは問屋が卸さない。そのわずか3分後に相手CKからの不可解な判定でウッチーがイエローカードをもらい、同点のPKを許してしまう。なぜ~?
 リプレーで見ると、確かに川島の前にいたウッチーがオーストラリアの選手(見た顔だと思ったら清水のアレックスだった)を腕で抑え込んでいたようだけれど、それにしたってよくあるプレーだ。相手のアレックスも自分がファールをもらったとは思っていなかったようだった。それなのにイエローカードにPKって……。この日の主審はサウジのカリル・アル・ガムディという人。勘弁してほしかった。
 まぁ、とはいってもこの時間帯、オーストラリアはひとり少ないとは思えないようなパワフルな攻撃を仕掛けてきて、けっこう日本をあわてさせたので(クロスバーに救われる場面などもあった)、このPKがなくても同点にされた可能性もあったかなと。いずれにせよ、ひとり少ない相手から追加点を奪えなかったのが痛かった。
 そういう意味では、いつまでたっても交替カードを切らなかったザッケローニの采配には不満がある。最初の交替が同点にされた5分後に、謎のイエローに茫然自失のウッチー→酒井ってのはいいにしろ、そのあと清武を入れたのが残り5分を切ってからってのが遅すぎる。わずか5分で清武になにをしろというんだろう。もっと早い時間に使ってくれ。宮市も見せてくれ。
 結局、日本もそのあと栗原が2枚目のイエローカードをもらって退場(この判定もあやしかった)。数的有利がなくなって、ザックさんは最後に守備固めで香川に代えて伊野波を入れる。相手──そういやオーストラリアの監督は元レッズのオジェックだ──が最後にFWを入れてきたのとは対照的だった。だれかザックの重い腰を軽くしてくれ~。
 まぁ、オーストラリアとアウェイで勝ち点1ってのは悪くない結果だけれど、終盤にどたばたした守備からイエローをたくさんもらった日本は、今野とウッチーが累積警告で次の試合は出場停止。もちろん栗原も。下手したら、次の試合は4バックのレギュラーのうち3人を欠いた状態で、ジーコ率いるイラクと戦うことになってしまう。おいおい、なんかダメージでかいな。中盤のいけいけムードが嘘みたいで困ったもんだ。
 困ったもんだといえば、ロスタイムの最後のワンプレー。日本にFKのチャンスが巡ってきて、よーし、これを本田が決めて終われっ──と思っていたところで、主審のアル・ガムディ氏がピーって。なんと本田が蹴る前に終了の笛。白熱の一戦はなんとも拍子抜けするような終わり方をしたのだった。まったくあの人はなんなんだか……。
 とりあえず、そんな脱力感ありまくりの幕切れに苦笑しつつ、試合後にケーヒルと背番号4どうしでユニフォーム交換をして、多くのオーストラリアの選手たちと笑顔で握手を交わしていた本田はえらかった。いやぁ、その立ち振る舞いはいまや間違いなくワールドクラスだわ。本田くん、さすが。
(Jun 12, 2012)

鹿島アントラーズ2-3名古屋グランパス

J1・第14節/2012年6月16日(土)/カシマサッカースタジアム/スカパー!e2

 3週間ぶりにJ1が再開。アントラーズの初っ端の相手は名古屋グランパス。この両チームが現在、勝ち点17で並んで、10位と13位ってのは、どうにも間違っている気がする。
 でも試合の入り方とか見ると、どちらもいまいちピリッとしない感じがあって、やっぱ順位相応なのかなと。数日前の代表戦と比べてしまうと、いまいち迫力が足りない気がしてしまった(そういや今回の代表戦では出番がなかったオーストラリアのケネディも出ていた)。
 以前だと、代表戦のあとのJリーグってすごく新鮮で、あー戻ってきたって気分がしたものだけれど、今回はなぜかそれがなかった。やはり優勝争いと関係ないところにいるせいでしょうか。なんかさびしい。まぁ、こちらの精神状態の余裕のなさも大いに関係している気がしないでもないけれど。
 この日のスタメンは曽ヶ端、西、岩政、山村、新井場、柴崎、小笠原、遠藤、ドゥトラ、興梠、ジュニーニョ。五輪代表でチームを離れていたせいか、なぜか大迫が先発を外れて、ジュニーニョが出番をもらっていた。
 でもこのジュニーニョがいまいち生きない。2列目の遠藤とドゥトラがどちらもボールを持つと俺が俺がという選手で、彼がいいポジションにいてもボールを渡さないせいだと思う。ジュニーニョがいい動きをしていても、ボールが入っていかないシーンが多かった。
 彼を生かすには中盤にもうひとり、パサータイプの選手が必要なんじゃないだろうか(そういう意味では本山とのコンビが有効だと思うんだけれど、この日は本山が出てきた時点ですでにジュニーニョが引っ込んでいた)。もしくはジュニーニョ自身を中盤で起用するか。いまだにおっと思わせるプレーを見せるときもあるので、彼を生かしきれてないのがもったいなく感じてしまう。俺だったら、興梠と大迫のツートップにして、ドゥトラのかわりにジュニーニョ使うんだけれどなぁ……。
 まぁ、とりあえず前半はアントラーズが先制して折り返したので、全体的な内容としては悪くなかった。得点は終了間際に柴崎が高めの位置でインターセプトして、そのまま攻め上がり、左サイドでフリーになっていた興梠へラストパスを送ったもの。興梠がこれを右足インサイドでゴールへと流し込んで先制。
 興梠はこれが今季7点目で、気がつけば得点王ランキング2位タイ。お~。まぁ、1位の寿人(11点)に水はあけられているけれど、それでも去年のていたらくを考えると、きちんと得点王争いに絡んでいるというだけで喜ばしい。
 試合が思わぬ展開をみせたのは後半。なんと永井謙佑の2ゴール1アシスト(決めたのは金崎)という大活躍の前に敗戦に追い込まれる。
 永井のゴール(1点目と3点目)はどちらも見事なシュートだった。実況でもつっこまれていたけれど、僕もおいおい、そんなに上手いシュート打てる選手だったんだと思った。自慢の俊足は宮市の登場で影が薄くなってしまった感があるけれど、ああいう素晴らしいシュートを打てる技術をコンスタントに見せられれば、まだ五輪出場に期待が持てるんじゃないだろうか。
 金崎もよかった。ボールを持ったときには、おおっというプレーをいくつも見せてくれていた。金崎にはもう一歩スケールアップして、代表レベルでブレークして欲しいんだけどなぁ。
 ……って、俺はなにを敵のプレーで盛り上がっているんだ。でも、玉田、中村直志、ダニルソンらの主力を故障で欠きながらも、若手の活躍で勝った名古屋はやはり強いチームだった。ACLの敗退も決定したし(Jリーグ勢全滅ってのが悲しい……)、Jのみに専念できるこれからは、かなり順位が上がってゆくんじゃないだろうか。
 それに対して、こちらはあいかわらず遠藤とドゥトラの出来次第、みたいなサッカーなんだよなぁ……。悪い内容ではなかったけれど、やはり個人的にはあまりおもしろくない。後半途中から出場した本山のゴール(お~)でいったんは同点に追いついたのに、そのあとふたたび突き放されての負けというのが痛かった。
 それにしても、計算してみたら、わが家は現在、NHKとWOWOWとスカパーで、あわせて1万円以上の視聴料を払っていることが発覚。いい加減そりゃまずいだろうという気がしてきたので、今月の3試合に負け越すようならば、やはりスカパーのJリーグ・パックを解約しようかと思う。とりあえず、こんな風に楽しくないと思いながらサッカーを観ていても仕方ないので(こうやって毎試合文章を書くのも、なかなか大変だったりする)。まぁ、この先どれだけ本山やオガサのプレーが観られるかわからないのに、ここで観るのをやめてしまっていいかというのはあるんだけれど……。
 まぁ、いずれにせよ今月は3試合目が末日なので、そこで負けても解約手続きが間にあわない。よって次節勝てば、6月の勝率5割で、なし崩し的にそのまま。負ければの負け越し決定だから、本気で考える。次節の対戦相手は昨年度王者の柏レイソル。さてどうなる。
(Jun 17, 2012)

柏レイソル1-1鹿島アントラーズ

J1・第15節/2012年6月23日(土)/日立柏サッカー場/スカパー!e2

 ん~、なんとも残念なドロー劇。勝ち点2を逃したもったいない一戦だった。
 しかしまぁ、たった一年で両チームの立場がここまで変わるとは……。
 去年はJ2から上がってきたばかりのレイソルに胸を貸すような気分でいたのに、今年はもう防戦一方。ボール・ボゼッションでは確実に相手が上回っている。こちらはなんとかその攻撃をしのいで、カウンターに勝機を見出すという、そういう展開。いつの間にそんな力関係に……。
 レイソルは去年の優勝で各チームからのマークがきつくなっていて、おまけにACL出場による過密日程もあって、今年は去年のような好成績は残せていないから、力が落ちているのかと思ったけれど、いやなんのなんの。あいかわらず強いじゃないか。どうでもいいことだけれど、レアンドロ・ドミンゲス、あの顔でまだ28だと知ってびっくりだよ、俺は。
 こちらは今節、新井場が出場停止ってことで、青木が左サイドバックに入り、興梠、大迫のツートップという布陣(アレックスはどうしちゃったんでしょうか?)。
 青木の左サイドバックは意外と悪くなかった。対面{トイメン}の酒井宏樹をしっかり押さえてあまり仕事をさせなかったし、いくつかいいクロスも上げていた。ちなみに酒井はドイツ移籍が決まったので、この試合がホーム最終戦とのこと。活躍させてあげられなくて、お気の毒さま(されても困るけれど)。
 試合はレイソルの圧力に押し込まれながらも、なんとかしのいでいるという感じで前半終了。それでも意外や、後半は小笠原のミドル・シュートでこちらが先制する。
 この日は曽ヶ端の出来がとてもよくて、彼のファイン・セーブに終始助けられていた。なんでこの流れならば勝てるかも……と思っていたんだけれど、4分間のロスタイム(とくに長い中断があった記憶もないのに、なぜそんなにあったのかわからない)に落とし穴が待ちかまえていた。ゴール前の混戦から西にハンドの判定でPKを献上。
 でもまだわからない。きょうの曽ヶ端はあたっているから、PKを止めてくれるんじゃないか。――そんな一縷の期待を込めて見守っていると、まさに! ソガはレアンドロ・ドミンゲスのPKをセーブ!――やったっ!──、と思ったのもつかの間。そのこぼれ球を近藤直也に決められてしまった。あ"~!
 まぁ、近藤のシュートの前に、もうひとりの選手が詰めてきていて、それをオガサが倒していたので、あのシュートが決まらなくても、もう一度PKの判定で、なおかつオガサにレッドカードということも考えられたので、考えようによっては、最悪とはいえない。あそこでこぼれ球への反応が相手のほうがよかったというのは、要するに勝利に対する貪欲さで相手に負けていたということだろう。ある意味、致し方ないドローだったのかなと思う。
 ちなみに、この日のレフェリーはJリーグの交流プログラムで招聘されているというパラグアイの人たちだった。なので判定が普段のJとはやや違っていたというのも、試合を難しくした部分はある。最後のほうは判定に対する抗議も多くて、あの人も笛を吹いていてさぞや気分が悪かったこっただろう。わざわざ異国にきてこういう目にあうってのは、ちょっと気の毒ではある。でもまぁ、そりゃないよという判定も多かったので、自業自得って気もする。
 ということで、来月以降のスカパーの契約更新を賭けた一戦はドローに終わった。勝ったらそのまま継続、負けたら解約と思っていて、ドローを計算に入れていなかった馬鹿なやつは私です。
 次節で勝てば6月はドローだからよしとすべきか、それとも現時点での成績では負け越しだから、解約すべきか……。うーん、どうしよう。調べたら、7月は3試合しかなくて、そのうち1試合は生で観れないんだよなぁ。あぁ、悩ましい。貧乏っていやだ。
(Jun 24, 2012)

アルビレックス新潟1-1鹿島アントラーズ

J1・第16節/2012年6月30日(土)/東北電力ビッグスワンスタジアム/スカパー!e2

 さんざん悩んだあげく、やはり今月一杯でいったんJリーグ・パックを解約することにした。いまは僕自身の新生活による疲労感やら、アントラーズの不調やらで、サッカーを観ていても、いまいち楽しみ切れていないので。金を払ってサッカーを観ながら、いまいち楽しくないと思っていたんじゃ仕方ない。
 ということで、これがスカパーで観る(当面は)最後のアントラーズ戦。
 しかしながら、残念なことに、そういう試合に限って、放送はハイビジョンではない額縁放送だし、試合結果もドローという、残念な結果に終わってしまった。結局6月の成績は1敗2分だ。順位はいまだ13位。どうせならば、俺に解約したことを後悔させるような成績を残してほしかったぜ……。
 でもまぁ、この日の試合は、内容的にはそれほど悪くなかった。柴崎、大迫、ドゥトラといったあたりの動きがとてもよくて、ここぞというところでは、なかなか迫力のある攻撃を見せてくれていた。
 中断明け後はなぜだか遠藤が精彩を欠いてしまっているけれど、その分はドゥトラががんばってくれている感じ。きょうの先制ゴールとか、本当に見事だった。ゴールを背にしてボールを受けると、そこからくるりとターンしてそのまま右足を振りぬいた。まさにゴールネットに突き刺さるという形容がぴったりの、素晴らしいシュートだった。
 そのゴールのアシストをした大迫もよかった。その場面に限らず、この日は終始、存在感のあるプレーを見せていた。ただ、大事なフィニッシュのところだけがいまいち決まらない。あれはなんでかなぁ……。
 ま、ともかくドゥトラの先制点は見事だった。でも、せっかく先制したにもかかわらず、残念なことに前半のうちに同点に追いつかれてしまう。ミス(というか不運?)から相手に左サイドの突破を許し、一瞬のすきを突いてディフェンス・ラインの裏へ抜け出したミシェウに同点ゴールを奪われる形。あそこの守備だけは悔やまれた。
 ということで、両チームとも外国人の活躍で、前半は1-1で終了。
 後半でおもしろかったのは、新潟の選手交替。元ガンバの平井、ブラジル人とのハーフだという鈴木武蔵、そして矢野貴章と、交替で出てきたのは3人ともFWだった。でも引っ込んだFWはミシェウのみ。ブルーノ・ロペスはそのまま。つまり後半途中からの新潟はピッチ上にFWが4人もいるという、得体のしれない攻撃的布陣になっていたんだった(よくわからなかったけれど)。柳下さん、意外とやることが大胆だ。
 そうそう、新潟といえば、今季は序盤からの不振の責任をとって、監督の黒崎が5月後半で辞任してしまったんだった(アントラーズOBだけに、ファンとしてはとても残念)。なのでこの試合で指揮をとっていたのは、後任の柳下さん。
 あと、どうでもいいような話だけれど、新潟でおもしろかったのは、選手の名前。ミカド(帝でなく三門)とかムサシとかアトムとか、なんだそりゃみたいな名前の選手が多かった。「ミカドにイエローカード!」という実況を聞いて、うちの奥さんが爆笑してました。
 GKの東口という名前も、よく考えるとおもしろい(東口改札とか東口駅前とか呼ばれそう)。でもこの試合の彼は当たりまくりだった。さすが一度は代表に呼ばれただけのことはあると思った。彼のおかげで勝てる試合をドローにされた感あり。
 とはいえ、FWを3人も入れて勝ちにきた新潟に対して、こちらの交替は青木に増田(お~、ひさしぶり)に土居というメンツで、いまいち勝ちにゆく姿勢には見えなかった。まぁ、ベンチを見たらジュニーニョがいなかったりもしたので、もしかしたら今は台所事情が苦しいのかもしれない。
 そういや、この2日ほど前に、佐々木とアレックスのレンタル移籍が発表された(ふたりともJ2、それぞれ栃木と徳島への移籍)。佐々木は出場機会を求めてとのことなので、もしかしたらまた帰ってくるかもしれないけれど、アレックスはこれっきりだろう(新しい外国人、レナトの加入が発表されたので)。今年は一度も彼のプレーを観れなかったので、なんとも残念。
 まぁ、なんにしろこの試合を最後に、当分アントラーズ戦はおあずけだ。次は8月中旬に浦和戦がBSで放送されるらしいので、それを楽しみに待とう。もしもそれまでの間にサッカーが恋しくなったら、ほかのクラブの試合を観て、飢えをしのごう。
 願わくば、この先、僕がふたたびスカパーと契約せずにはいられなくなるくらい、アントラーズの成績が上向いてくれれば嬉しい。でも正直なところ、今年の調子だとそれも難しそうな気がするんだよなぁ……。
(Jun 30, 2012)