2011年11月のサッカー

Index

  1. 11/03 ● G大阪1-0鹿島 (J1・第31節)
  2. 11/11 ○ タジキスタン0-4日本 (W杯・3次予選)
  3. 11/15 ● 北朝鮮1-0日本 (W杯・3次予選)
  4. 11/19 △ 大宮1-1鹿島 (J1・第32節)
  5. 11/22 ○ U-22バーレーン0-2U-22日本 (五輪・最終予選)
  6. 11/26 ○ 鹿島3-0清水 (J1・第33節)
  7. 11/27 ○ U-22日本2-1U-22シリア (五輪・最終予選)

ガンバ大阪1-0鹿島アントラーズ

J1・第31節/2011年11月3日(木)/万博記念競技場/BS1

 文化の日といえば、例年はナビスコ杯決勝と相場が決まっているのに、今年は震災の影響なのかなんなのか、その試合が前倒しになって、この日はふつうにJ1の試合が行われた。
 アントラーズはすでにリーグ戦での優勝もACL出場権もなくなっている。こうなりゃあとは強豪の名に恥じないよう、少しでも順位を上げて終わるのみ。──とはいえ、この日の対戦相手は勝ち点2の差で首位レイソルを追うガンバ。モチベーションからして、ちょっと厳しい試合になるだろうと思っていたら、やはりそのとおりになってしまった。ほぼ一ヶ月ぶりの黒星。
 アントラーズにとってついていなかったのは、ナビスコ杯で退場になった青木の出場停止処分がリーグ戦に持ちこされてしまったこと。おかげで、もともと岩政を欠くセンターバックは完全に人材不足。ルーキーの昌子が初スタメンかというような報道もあったようだけれど、オリヴェイラさんの選択はナビスコ杯のときと同じく新井場の起用だった。
 ということで、この日のスタメンは曽ケ端、西、新井場、中田、アレックス、増田、柴崎、野沢、フェリペ、大迫、興梠という顔ぶれ。ナビスコのメンバーから青木、オガサ、遠藤が抜けて、西、増田、フェリペが入った形。
 でもこの布陣でも十分に戦える。ガンバ相手だというのにボールの支配率はかなり高くて、感心させられた。負けこそしたけれど、相手のチャンスはラフィーニャのゴールの場面くらいだった気がするし、急増CBで臨んだ試合にしては上出来。まあ、相手の出来がいまいちだった気もするけれど。あと、相手のカウンターからの失点の部分では、やはり慣れない新井場のところでぼろが出た感はあった。新井場に岩政のような高さと体をはった守備を期待するのは無理がある。
 それにしても、決勝ゴールを決めたラフィーニャは、この日のゴールですでに11得点目だという。草津から途中移籍してきてその数字ってのがすごい。ガンバが他から獲得してきた外国人はどうしてこうもきっちり成績を残してくるかな。少なからず羨ましい。
 試合は後半途中にそのラフィーニャのゴールで先制を許し、オガサと遠藤を入れてさあ反撃……と思った矢先に西が2枚目のイエローカードをもらって退場。それで勝負ありって感じだった。最後にちょこっと本山も出てきたけれど、これといった仕事はできず。まあでも、ひとり少なくなっても、ある程度互角に戦っていたのはあっぱれだった。順位はいまいちだけれど、やはりアントラーズは強いよなと思った。
 とはいえ、この日の負けで、今年はついにレイソル、ガンバ、グランパスの3強から1勝もできずに終わってしまった。対戦成績が5敗1分、稼いだ勝ち点はわずか1ではなぁ……。これではいまの順位に低迷するのも当然。あぁ、無念。
(Nov 03, 2011)

タジキスタン0-4日本

ワールドカップ・アジア3次予選・グループC/2011年11月11日(金)/ドゥシャンベ(タジキスタン)/フジテレビ

 先月8-0のスコアで大勝したタジキスタンとのアウェイでの対戦。
 スタメンは川島、内田篤人、吉田麻也、今野、長友、長谷部、遠藤、中村憲剛、岡崎、今野、ハーフナー・マイクの11人。前回のスタメンから怪我で離脱した長友が抜けて、代わりに篤人が戻ってきたので、今野が左サイドにまわった形。つまり、両サイドバックが入れ替わっただけで、ほぼ同じ布陣。
 とはいえ、そこはやはりアウェイってことだろう。前のような圧倒的な試合はできない。タジキスタンもすでに予選突破の可能性がなくなって、守るものがないせいか、前回ひきまくって8-0で負けたチームとは思えないくらい、序盤から攻撃的に攻めてくる。おかげで開始早々、ウッチーのミスからCKを取られる日本代表だった。
 試合を難しくしたのは、相手の姿勢の違いだけではなく、日本ではお目にかかれないくらい、荒れたピッチのせいもあった。芝生の禿げまくった茶色いグラウンドのおかげで、ボールがまるで走らない。グラウンダーの早いパスは無理。
 そんな普段とは違った環境に、日本の選手は思うようなプレーができていなかった。前回は大活躍した憲剛やハーフナー、ひさしぶりに復帰したウッチーなどもいまいちで、なかなかチャンスが作れない。反対に相手は積極的に遠くからミドルを狙ってきて、こちらのポストにシュートが跳ね返るシーンなどもあったし、こりゃ万が一先制されたらまずいかもって展開だった。
 でも基本的に実力には差があるわけで。そんな難しい試合も、先制点さえ決まれば、もうこっちのもの。前半のうちに、その貴重な先制点を決めてくれたのが、なんと今野だった。高めの位置でインターセプトを決めたあと、そのまま攻め上がり、憲剛のシュートが相手GKに跳ね返されて戻ってきたところをダイレクトで蹴り込んだ。お見事!
 こんちゃん、これが代表初ゴールとのこと(そういや、あまり攻め上がったの見たことがなかったかも)。おぉ、それはおめでとう。前回の駒野につづいて、こうやってディフェンスの選手の初ゴールが生まれるのも、このチームのバランスのよさの証拠だと思う。
 この一点でもう負けはなくなった。相手の圧力を感じたのも前半だけだったし、この先もしも出会いがしらで同点にされても、さすがに追加点は奪われないだろうって内容だった。で、終わってみれば、後半に岡崎の2ゴールと、途中出場の前田のゴールで3点を追加した日本の完勝(決めたのは岡崎、前田、岡崎の順)。
 まあ、前半にやや苦しんだし、あまり内容的にはよくもなかったので、スコアほど完勝って感じではなかったけれど、それでもきっちり勝ったんだから、つべこべいう必要なし。そのあとの試合で北朝鮮がウズベキスタンに負けたため、この日で日本代表の3次予選突破が決定した。まずはめでたし。
 それにしても、岡崎はこの日の2ゴールでついに木村和司と並んで、歴代5位だそうだ。4位の高木琢也の27ゴールまであと1つだから、それを追い越すのはほぼ確実。3位の原博実氏の37ゴールも射程距離内(高木も原さんもそんなにすごかったのか)。すげーな、岡崎。その成績だけ見れば、間違いなくこのチームのエースだ。でもその割には、いまいちそこまでの存在感がない気がするのが不思議なところ。
 なんにしろ、今年の代表選も残すところあと一戦。3次予選突破が決まったので、つぎの北朝鮮戦は消化試合になってしまったけれど、それでもザッケローニの無敗記録はいまだにつづいているし、一年間通して黒星ゼロという記録がかかった試合でもあるので、しっかり勝ってきて欲しいと思う。
 ……って、そういやその試合のキックオフは午後4時なんだった。この日の試合も午後6時だったし(タジキスタン、昼間じゃん)、平日なんだからちょっとどうにかして欲しい。あまり商業主義に走るのもなんだけれど、ここまで商売っ気がないってのもどうかと思う。おかげでこちらは生で観ようと思ったら、仕事を休まなきゃならないってんだから、えれー迷惑だ。
(Nov 12, 2011)

北朝鮮1-0日本

ワールドカップ・アジア3次予選/2011年11月15日(火)/ピョンヤン/TBS

 うーむ。ザッケローニ監督の無敗記録についに土……。
 今年はここまで無敗だったのに、最後の最後に黒星ってのが残念でならない。一年間無敗で終わるチャンスなんて、めったにないのに。あぁ、もったいない……。せっかくだからいつものメンバーで戦って、しっかり勝ちにいって欲しかったぜ。
 この日のスタメンは西川、駒野、栗原、今野、伊野波、長谷部、細貝、中村憲剛、清武、岡崎、前田。フォーメーションは4-3-2-1で、前田のワントップという布陣。
 要するにスタメンのほぼ半分を入れ替えてきた。しかも遠藤、香川をはずして。左サイドバックには伊野波をコンバートして。ワン・トップには長らく代表を離れていた前田を起用して。
 これはかなりの冒険だったと思う。なんたって場所はピョンヤン。満員のスタジアムはかなり異様な雰囲気だった。同じ服装の男女がずらりと並んでいるわ、歓声はものすごいわ、試合中にバックスタンド全体でボードを使って人文字を描くわ(ちゃんと試合を観ようよ)。しかもピッチは人工芝。いつものメンツで戦ったって難しそうなそんな試合を、遠藤ぬき、香川ぬきの慣れない顔ぶれで戦うってんだから、苦戦は必至。
 はたして日本は前半から防戦一方になってしまった。前半のシュート数は北朝鮮の9に対して、日本は2だったという話。こんなに苦戦する日本代表を観たのはひさしぶりだ。
 後半に入って早々に相手に先制点を許したことで、難しい試合はなおさら難しくなってしまう。その先制点というのも、なんだあ?と思ってしまうような、あっけない失点だった。センターライン付近からのロングボール(FK?)をヘディングで折り返され、それを駒野の頭の上からヘディングで「どん!」と決められたもの。最初のヘディングでは伊野波が競りあえてさえいなかったし、駒野は背後からジャンプしてきたFWにまったく気づいていないし。いわば両サイドバックが相手の高さに太刀打ちできなかった形。不慣れなディフェンス・ラインが見事にあだになった。
 この日の試合でおもしろかったのは、そのあとのザッケローニの采配。1点を追いかける状況で、ザック監督はなんとトップ下の中村憲剛を下げて、ウッチーを入れてきた。なにをするつもりかと思ったら、右サイドでプレーしていた駒野を左サイドにまわし、左サイドに入っていた伊野波を最終ラインにスライドしての3-4-3だって。うわー、負けてんのに、これまでほとんど結果の出せていないそのフォーメーションかいっ。
 いや、その采配自体は意外性があっておもしろかったけれど、とはいえ、やはり結果は出ない。残り15分で北朝鮮の11番の選手が2枚目のイエローをもらって退場して、人数的には有利になったにもかかわらず、その後も思うようにチャンスは作れない。前田→ハーフナー、清武→李と選手を替えるも効果なし。たまの惜しいチャンスは手数をかけすぎてオフサイドになったりする。もうちょっと簡単にやろうよ~。
 北朝鮮は北朝鮮で、数的不利となったとたん、露骨な時間稼ぎに出る。たいした接触プレーでもないのにGKが大騒ぎして治療を受けたり、ロスタイムにはそれまで元気そうだった選手が突然足をつったり(それもふたりも同時に)。そんな北朝鮮のプレーにイライラしているうちに、結局試合はそのままタイムアップ。日本はこの3次予選初、ザック体制になってからも初の黒星を喫することになってしまった。あぁ……。
 前のタジキスタン戦でもそうだったけれど、どうにもこのアウェイ二連戦の日本代表はゴール前での思い切りを欠いた印象がある。ゴール前までボールを運んでおきながら、シュートを打てずに終わるシーンが多すぎる。見ていて、よしそこだ、チャンスだ、打て!ってタイミングでシュートが打てない。そんなシーンをつづけて見せられると、とてもストレスがたまる。
 決まらなくてもいいから、ゴール前のチャンスはちゃんとシュートで終える(もちろん枠に飛ばす)、そういうサッカーが僕はもっと観たいし、それこそがワールド・スタンダードだろう。その点では日本のサッカーはまだまだなんだろうなぁ……それどころか、大きく遅れを取っているかも……と思わされたきょうの敗戦だった。
(Nov 15, 2011)

大宮アルディージャ1-1鹿島アントラーズ

J1・第32節/2011年11月19日(土)/NACK5スタジアム大宮/スカパー!e2

 2日前の天皇杯3回戦では、J2のカターレ富山相手に延長戦まで持ち込まれて、からくも勝ち抜け。でもその試合で中田浩二がけがをしてしまって、この日は欠場。青木が戻ってきたにもかかわらず、またもや新井場のCBで臨まなくてはならなくなった。富山戦では途中から昌子くんがプレーしたらしいけれど、リーグ戦でスタメンを張らせるには、やはりまだ役不足ということなんだろう。
 この試合、さらには五輪代表に大迫を取られ、なおかつなぜだか田代もいない(怪我?)。ということで、スタメンはGK曽ケ端、DF西、新井場、青木、アレックス、MF増田、柴崎、野沢、フェリペ、遠藤、そしてFW興梠のワントップという苦しい布陣。
 延長戦を戦ったあと、中2日でこういうイレギュラーな形で戦わなくちゃならなかったせいか、あまり内容はよくなかった。前半をスコアレスで終えたあと、後半は一本のロングボールからイ・チョンスにヘディングを決められて、先制を許す苦しい展開(まったく、イ・チョンスには代表でもJでも悩まされてばかりいる気がする)。
 でもこの試合がおもしろくなったのは、この失点のあとからだった。1点を追うオリヴェイラさんはなんと西を下げて、小笠原を投入。柴崎を右サイドバックへと移動させる。
 ここからの柴崎がものすごかった。とくに圧巻だったのが、小笠原が右サイドのスペースへと放り込んだ浮き球に反応してのプレー。DFの裏へ走り込んだ柴崎は、そのボールが落ちてきたところをノーバウンドのダイレクト・ボレーで折り返してみせた。それがまたスピードといい、コースといい絶妙のクロスになるからびっくりだ。思わず「すげー!」と叫んでしまった。
 もうほんと、右SBとしてプレーし始めてから、柴崎が蹴り込んだ何本ものクロスの見事さといったらば……。本職のサイドバック顔負けの質の高さ。その精度と配球の見事さにびっくりしっぱなしだった。いやー、やはりこの子は只者じゃないや。
 アントラーズはその後、遠藤とフェリペに替えて、本山とタルタ(おっ、ひっさしぶり)を一気に投入。これで流れをさらに引き寄せる。そしてその攻撃がようやく実を結んだのが、後半終了間際。そこにまた柴崎が絡んで見せているからたまらない。
 やや内側に絞り気味の位置でプレーしていた柴崎は、ボランチの増田からパスをもらうと、はっとするようなタイミングでゴール前の野沢へとスルーパスを通してみせる。野沢はこのボールにワンタッチして、DFの裏へ流し込む。そこへ走り込んできた本山は右足を素早く振りぬいてシュート!──これは残念ながらGKの北野(いいGKだと思う)に止められてしまうも、そのこぼれ球を詰めていた興梠が押し込んだ。お~!
 フィニッシュこそ美しくはなかったけれど、それでも増田→柴崎→野沢→本山→興梠という花形選手たちの共演から生まれた同点弾ですからね。ファンとしてはこたえられない。ドローに終わりはしたけれど、このゴールと柴崎の美麗クロスの数々が見られただけで、とりあえず満足という試合だった。
 ちなみに興梠のリーグ戦でのゴールは6月のジュビロ戦以来だから、これがじつに5か月ぶり。まぁ、エース・ストライカーがここまで低迷してしまうと、苦戦は必至だよなぁ……。それでもここへきて天皇杯とこれと、彼に2試合連続でゴールが生まれたのはいい兆し。このまま調子を上げて、最後に天皇杯でもうひと花咲かせて終わって欲しい。
(Nov 20, 2011)

U-22バーレーン0-2U-22日本

ロンドン五輪アジア最終予選/2011年11月22日(火)/バーレーン・ナショナル・スタジアム/テレビ朝日

 ロンドン・オリンピックの最終予選の2試合目、アウェイでのバーレーン戦。
 この試合のスタメンはGK権田、DF酒井宏樹、鈴木、濱田、比嘉祐介、MF山本康裕、扇原、東、山田直樹、FW大津祐樹、大迫という顔ぶれ。途中出場は山口螢、酒井高徳、永井の3人。
 前回とのスタメンの違いは、A代表にとられた清武と原口の替わりに山田と大津が入り、怪我をした山村に替わって山本が、左サイドには経済流通大学の比嘉が入ったこと。
 僕が初めて見るのは比嘉だけだけれど(この子はいいのか悪いのか、よくわからない)、そのほか、センターバックのふたりとか、ボランチの山本とかも、いまだ見わけがつかない。そんな風に馴染みのない選手が多いので、平日の深夜11時半キックオフの試合はちょっとばかり集中しにくかった。おかげでひと晩寝たらすでに印象が曖昧に……。その辺が若くないなぁと思う。なので今回は簡単に。
 前半終了間際の大津の先制点はCKからのこぼれ球をファーサイドで押し込んだもの。さすがにドイツに移籍しただけあって、攻撃力に非凡なものを感じさせる。まあ、見た目といい、プレー・スタイルといい、原口元気とかぶっている気がするけれど。
 後半の2点目は山田のシュートが相手GKに止められたその跳ね返りを、詰めていた東が落ち着いて決めたもの。この試合の東はいまいち存在感がないと思っていたのに、とりあえずゴールという結果を残すところが侮れない。
 大迫はポスト役としてそれなりに機能していたと思う(後半ロスタイムにはバーをたたく惜しいシュートがあった)。あと、扇原も日本のボランチにしては珍しく力強さを感じさせるいい選手だと思う。この試合でもっとも好印象だったのは扇原と大津。
 なんにしろ、清武、原口、宇佐美ら抜きで、きっちりとアウェイで勝っているんだから、たいしたものだ。この調子ならば、意外とあっさり本大会出場が決まりそうな気がする。
(Nov 23, 2011)

鹿島アントラーズ3-0清水エスパルス

J1・第33節/2011年11月26日(土)/カシマサッカースタジアム/スカパー!e2

 今年のJリーグも残すところあと2節。──というこの局面になって、ようやく本山が今季初めてスタメンに名を連ねたホーム最終戦。
 といはいえ、引きつづき大迫は五輪代表へ行ったままだし、田代はベンチ入りしたものの、まだ故障明けだということで、この日もフォーメーションは興梠のワントップ。さらには新井場、柴崎が累積警告で出場停止。ということでこの日のスタメンは曽ヶ端、西、當間、青木、アレックス、増田、小笠原、野沢、本山、フェリペ・ガブリエル、興梠という顔合わせだった。
 岩政、中田が故障中だというのに、新井場まで出場停止ということで、センターバックにはついに當間{とうま}を起用するという苦しい台所事情。それでいて、この日のアントラーズは強かった。それというのも、本山がいるから。
 やっぱ本山がいると違うわ~。中盤でボールがまわる、まわる。彼と野沢の相乗効果で、攻撃力が倍増する感じ。おかげでディフェンスの負担が減って、急造フォーメーションの欠点がほとんど目立たなかった。攻撃は最大の防御なりという格言を地でいった感じ。
 まあ、とはいえこの試合の場合、序盤はレフェリーに助けられた部分もあった。開始早々にエスパルスが見事な攻撃から高原のゴールでこちらのゴールネットを揺らしたにもかかわらず、オフサイドの判定で取り消しになった一方(リプレイで見るかぎり、オフサイドじゃなかった)、こちらの先制ゴールは、オフサイドっぽかったのに旗があがらなかった。いつもは日本のレフェリーに対する不満を漏らすことの多いオリヴェイラさんだけれど、この日は相手に同情したんじゃないだろうか。
 まあ、とにかく相手が先制していたらまた試合の流れも変わっていたと思うけれど、さいわい時間に先制したのはこちらだった(後半5分にフェリペ)。さらにはエスパルスはこちらの中盤の連係のよさを止めきれず、ファールを重ねてイエローカードをもらいまくって、ついには後半途中に退場者を出してしまう。おかげでその後の試合は一方的な展開になった。こちらはさらに野沢、アレックスの2ゴールを追加して快勝~(アシストは両方とも本山。そしてアレックスはこれが念願の移籍後初ゴール!)。まぁ、エスパルスにはちょっと気の毒な試合になった。
 この試合で本山(文句なしのMVP)の存在感とともに印象的だったのは、興梠のあいかわらずの決定力のなさ。前半からさんざんチャンスに絡んで、それこそハットトリックを決めてもおかしくないくらいシュートを打っておきながら、結局ひとつも決められないんだからびっくりだ。どうしてあんなにいいプレーをしているのに、ああまでゴールに恵まれないんのかな? 興梠の今シーズンの不審は今年の七不思議のひとつだ。
 対するエスパルスは、途中加入したユングベリが、なるほどいい。さすがJリーグとしてはひさしぶりのビッグ・ネーム。身体はやたらと重そうなんだけれど、ポジショニングがいいのか、やたらとあちこちに顔を出すし、パスセンスはあるしで、それでいて守備も怠けない。今回は小野伸二が不在で、彼とのコンビネーションが見られないのが残念だった。願わくばこの選手には来年も引きつづきJにいて欲しい。
 裏ではレイソルがセレッソと引き分け、グランパスとガンバが勝ったので、この3チームが勝ち点1ずつの差で並んで最終節を迎えることになった。
 さぁ、優勝するのはどこだ?――って、ま、いずれにせよ最終節は全試合が同じ時刻のキックオフなので、アントラーズ戦を観ざるを得ない僕には、優勝チームの行方は追えないのだった。うーん、それは少なからず残念だ。
 ああ、ここにアントラーズが絡んでいてさえくれれば……と思うも{せん}ない第33節だった。次週決着。
(Nov 27, 2011)

U-22日本2-1U-22シリア

ロンドン五輪アジア最終予選/2011年11月27日(日)/国立競技場/テレビ朝日

 いやぁ、シリア相手にここまで苦しい試合になるとは思わなかった。現時点で勝ち点で日本と並び、得失点差でグループ首位にいるのは知っていたけれど、それは緒戦のバーレーン戦で相手に退場者が出たために多く得点できたからで、実力からすれば日本の敵じゃないだろう……と思っていたんだったが。
 なんだよ、意外と手強いじゃんか、シリア。この相手を前に、よくも清武や原口を気前よくA代表に譲ったもんだ。あまりの苦戦に、もしや相手を舐めてたんじゃないのかと思ってしまった。なんだかアジア予選もどんどん難しくなってきてしまって困りものだなぁ……。
 この日の五輪代表は、ボランチに山本に代わって山口螢が入った以外はバーレーン戦と同じスタメン。あの試合では後半、山口が入ってからのほうがバランスがよかったと思うので、この布陣には納得。ホームの試合だし、これなら負けはないだろうと思った。
 ところが序盤は相手にボールをつながれて、なかなか攻撃のリズムがうまく作れない。ようやくこっちがボールを持てるようになってからは、いい攻撃を仕掛けるシーンも出るようになるけれど、いまいちフィニッシュのところが上手くいかない。大迫もいいタメは作るんだけれど、最後のところで仕事ができない。
 こりゃまずい。このままだとドローもあり得るか……と思っていたら、それでも前半終了間際にセットプレーからDFの濱田(この子の顔もようやく覚えた)のゴールへ流し込むようなヘディングが決まって、日本が先制する。あぁ、よかった、これで大丈夫だろうと……と喜んだのもつかの間。
 後半の途中からは徐々に相手に押し込まれるようになりはじめ、ついにはどたばたした守備から相手の10番のFWにボールが渡ってしまい、この人の個人技にDFが振り切られて同点ゴールを決められてしまう。あいたーっ。
 僕としてはそのちょっと前から「相手の圧力が強くなってきたから、いい加減フレッシュな選手を入れて攻撃の底上げをしてくださいよ、関塚さーん」とか思っていたのに、いつまでたっても関塚さんは動かない。その挙句の失点だったから、なおさらがっかり度が強かった。そのあとでようやく大迫に替えて永井を入れるも、あまり効果はないし(それより大迫はまだ元気なのに、なぜ替えると思った)。同点にされた時点で、残り時間はあと15分ほどだった。あぁ、まずい。こりゃこのままドローで終わりそうだ……と、しかめっ面で観ていたんだったが。
 そんなピンチを救ってくれたのは、比嘉が左サイドを切り裂いて上げた素晴らしいクロスと、それをファーサイドで押し込んだ大津のダイビング・ヘッドだった。残り5分を切っての、値千金の勝ち越しゴール!
 お~、比嘉。きょうはぜんぜん目立ってなかったのに、最後の最後でなんて大きな仕事をっ。大津もなぜ右サイドからダイビング・ヘッド? ふたりとも大事なところで意外性ありすぎだわ。いやぁ、素晴らしいゴールだった。
 僕はシリアの力も見くびっていたけれど、どうやら五輪代表の力もあなどっていたらしい。こういう試合の土壇場で勝ち越して、きちんと勝ち点3を上げる底力があるとは思わなかった。恐れ入りました。これで来年2月のアウェイでのシリア戦にドロー以上ならば、本大会出場はほぼ決定でしょう。いやぁ、よかった。でもその試合にはちゃんと清武を連れてってくださいね、関塚さん。きょうみたいな試合は心臓に悪いから。
(Nov 27, 2011)