2023年7月の映画
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マーベラス・ミセス・メイゼル シーズン5
エイミー・シャーマン=パラディーノ製作/レイチェル・ブロズナハン/2023年/アメリカ/Amazon Prime Video(全9話)
五~六十年代のニューヨークを舞台にコメディアンとしての成功をめざす女性ミッジとマネージャーのスージーを主役に据え、彼女たちをとりまく人々の人間模様を描いたAmazon Primeオリジナル・ドラマの最終シーズン。
今シーズンはいきなりエスターという女子大生が精神分析医と会話しているところから始まる。
ん、エスターって誰?――という疑問がとけるのはしばらくあと。あ、成長したミッジの娘の話だったのかと。そういやそのシーンの時代設定は八十年代だった。六十年代はまだ精神科医にかかるのがあたりまえなんて時代じゃないですもんね。
――ということで、今シーズンはそんな風に、各エピソードに少しずつ未来の(たまには過去の)シーンをインサートしながら描かれてゆく。
未来のミッジはコメディアンとして大成功を収めているけれど、子供たちとの関係はいまいちで、息子はイスラエルでラビになる修行中。元夫のジョールは服役中。そしてスージーも業界の大物としてショービズ界に君臨しているも、すでにミッジとは袂を分かっている。
いかにしてそんな未来が訪れるのかが全九話で――なかにはそのエピソード必要? と思ってしまうような蛇足感たっぷりの逸話をまじえながら――語られてゆく。
主となる時間軸でのミッジは、コメディアンとしてでは稼げないからと、人気テレビ番組の構成作家の職を得て、男尊女卑の職場で悪戦苦闘する毎日。さてそんな環境からいかにミッジは抜け出すのか――。
というこのシーズンのクライマックスは、最終回よりもむしろ、大成したスージーの業績をたたえる会が開かれる六話目だと思う(このエピソードで思わず泣きそうになった)。それがよすぎて、そのあとの二話くらいは割をくっている感あり。
まぁ、なんにしろこれにてこのドラマも大団円。最後までとてもいいドラマでした。将来的にまた観たくなってリピートするだろうこと確実な秀作だった。アマプラは解約できない。
(Jul. 16, 2023)