2020年1月の映画
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ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー
ロン・ハワード監督/オールデン・エアエンライク、ウディ・ハレルソン、エミリア・クラーク/2018年/アメリカ/WOWOW録画
若き日のハン・ソロがいかにしてチューバッカと出逢い、ミレニアム・ファルコン号で冒険をするようになったかを描くスター・ウォーズのスピンオフ。
いまいち気が乗らなかったのでいままで放置してあったこの映画を、『スカイウォーカーの夜明け』でシリーズが完結したのにあわせて、いまさらようやく観た。
僕が思うこの映画の問題はただひとつ。ハン・ソロをハリソン・フォード以外の俳優が演じていること。
『男はつらいよ』の寅さんを渥美清さん以外の人が演じたら「贋作」を名乗らざるを得ないのと同じことで、初代スター・ウォーズのキャスト――ルーク、レイヤ、ハン・ソロ――に関しては、最初の三人以外の配役は考えられない。「これは若いころのハン・ソロの話です」といわれても、まるでぴんとこない。それがこの映画のいちばんの欠点だと思う。
その点をのぞけば、それなりにおもしろい作品だった。いまどきのSF作品だけあって映像はあたりまえのように綺麗で迫力満点だし、ハン・ソロ役のオールデン・エアエンライクという人こそ知名度が低いけれど、ソロの恋人キーラ役のエミリア・クラークは『ゲーム・オブ・スローンズ』の主要キャストらしいし、そのほかにソロの仕事仲間役でウディ・ハレルソン、ランド・カルリジアン役でドナルド・グローヴァー(チャイルディッシュ・ガンビーノ)が出演していて、スター・ウォーズ・シリーズにしては珍しくキャスティングが豪華なのもいい。監督がロン・ハワードってのも、なにげにびっくりポイントだったりする。
なので、とにかく問題は主役がまったくハン・ソロには見えないこと。見た目がハリソン・フォードというよりは、ディカプリオやブラッド・ピット系で、イケメンはイケメンなんだろうけれど、スター・トレックの最新シリーズでカークを演じるクリス・パインにも似た雰囲気があるし、スター・ウォーズではおなじみのストームトルーパーなんかも出てこないから、なんだかスター・ウォーズというよりはスター・トレックを見ているみたいな気分になってしまった。
(Jan. 19, 2020)