2015年1月の映画
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ダーク・シャドウ
ティム・バートン監督/ジョニー・デップ、エヴァ・グリーン/2012年/アメリカ/WOWOW録画
60年代末のテレビドラマをティム・バートンが映画化したというゴシック・コメディ。
内容は、魔女の横恋慕によりヴァンパイアにされて、生き埋めになった18世紀の大富豪が現代によみがえり、没落した子孫のため、一族の復興に尽力するというもの。
配役は主人公のバーナバス・コリンズにジョニー・デップ、彼を呪った長生きの魔女役がエヴァ・グリーン、デップの子孫の女家長がミシェル・ファイファーで、その(たぶん)主治医がヘレナ・ボナム=カーター、ちょい役でクリストファー・リー、ゲストにアリス・クーパーという豪華さ。
iMDB のランキングが6.2、Allmovieのサイト評価にいたっては★1.5個とかなりの低評価なわりには、序盤がとてもおもしろかったので、これでなんでそんなに評判が悪いんだろうと不思議に思いながら観ていたのだけれど、クライマックスに至って、あぁと納得。
主人公と魔女の対決シーンから先が無駄に派手すぎて、それまでのいい感じのコミカルさがだいなしになってしまっている。いきなり出てくる狼少女とか意味不明だし。いくらクライマックスを盛り上げたいからって、なぜあそこまで無駄なエピソードをてんこ盛りにしたがるのか、僕には理解できない。
ティム・バートンの最近の作品はみんなこんな調子な気がする。『フランケン・ウィニー』も『アリス・イン・ワンダーランド』も、その独自の美学に裏打ちされた世界観は大いに魅力的なのに、クライマックスに余計なバトルを盛り込んだことで、その魅力を大いに損なっている。
いまティム・バートンになにより必要なのは、戦わずして人を魅了できるシナリオ・ライターではないでしょうか。
(Jan 25, 2015)