2020年2月のサッカー

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  1. 02/08   横浜FM3-3神戸 (ゼロックス杯)
  2. 02/16 ● 名古屋1-0鹿島 (ルヴァン杯)
  3. 02/23 ● 広島3-0鹿島 (J1・第1節)

横浜F・マリノス3-3ヴィッセル神戸(PK:2-3)

FUJI XEROX SUPER CUP/2020年2月8日(土)/埼玉スタジアム2002/日本テレビ

 2月8日にゼロックス杯、来週にはルヴァン杯のグループ初戦があって、再来週はJ1開幕ってスケジュールは、どうにも早すぎる嫌いがある。でも始まっちゃったら観ないわけにはいかない。
 ということで、今シーズンの行方を占う前年王者どうしの前哨戦。今年のカードはJ1王者のマリノスと天皇杯覇者ヴィッセル神戸の対戦。
 いやしかしまあ、にぎやかな試合だった。両チームあわせて6ゴール。勝ち越しては追いつきの大熱戦。ゴールの内訳は横浜がマルコス・ジュニオール、扇原(!)、エリキ、神戸がドウグラス、古橋、山口蛍。
 ドローに終わって突入したPK戦では、最初の2ゴールずつを決めたあと、9人連続で失敗するという珍事があって、結局最後は蛍がしっかり決めて、ヴィッセルが今年初タイトルをものにした。
 まぁ、試合中から(特に後半は)飯倉が大当たりしていたので、PK戦ならばヴィッセルかなと思っていたけど――朴一圭{パクイルギュ}の守備範囲の広さもすごいものがあった――、まさか9人連続で失敗するとは思わなかった。飯倉と朴が止めたのも二、三あったけれど、あとはだいたい枠の外。なぜにベルギー代表のフェルマーレンまで外すかな。いやぁ、笑った。
 ヴィッセルは引退したビジャと移籍したポドルスキの穴をドウグラスで埋め、マリノスはオナイウ阿道や水沼宏太を補強していたけれど、あとはだいたい去年のままという印象。両チームともに今年も手強そうで困りものだ。
 なんにしろ、マリノスから移籍した飯倉と、その飯倉からレギュラーを奪った朴のGK対決とか、かつては同僚だった蛍と扇谷のボランチ対決とか、Jリーグ3年目に突入したイニエスタのあいかわらずの妙技の数々とか、なんとも見所の多いおもしろい試合だった。
(Feb. 08, 2020)

名古屋グランパス1-0鹿島アントラーズ

YBCルヴァンカップ・グループA/2020年2月16日(日)/パロマ瑞穂スタジアム/BSスカパー!(録画)

 ACLに出場しそこなって、ルヴァン杯に出場するも、初戦黒星を喫するアントラーズ。あぁ、今年になってまだ1ゴールも決まってないよ。公式戦3試合目にして、いまだ無得点という。とほほ。
 そういや、ACLに出てくれれば、全試合スカパーの基本パックで観られたのに、ルヴァンは別料金じゃん。それもとほほだよなぁ……。今年はあまりサッカー観ないほうがいいかもしれない。
 さて、この日の鹿島のスタメンは、GKクォン・スンテ、DF広瀬、関川郁万、町田、永戸、MF三竿、レオ・シルバ、ファン・アラーノ、和泉、FWエヴァラウド、土居の11人。途中出場は荒木遼太郎、上田綺世、松村優太の3人。
 まあ、カップ戦だからではあるんだろうけれど、いきなりCBが町田と関川のコンビってのにびっくり。さらは途中出場で荒木、松村という注目の高卒ルーキーが出てくるし。もはや綺世がちっともフレッシュに思えない。将来有望そうな若い子がたくさんいて、これから先が楽しみだ。
 とはいえ、チームがいくら将来性たっぷりでも目の前の試合で結果が出ないんじゃ仕方ない。シュートわずか8本じゃあなぁ……。新ブラジル人のふたりもいまいちぴりっとしないし。このままスタートダッシュに失敗して、前半戦でザーゴ監督が解任なんてことになりはしないか心配。
 名古屋はジョーが故障で開幕に間に合わず(【追記】その後クラブと契約でもめて退団してしまった)。カップ戦だからガブリエル・シャビエルも温存しているし、戦力的にはそれほど怖いって感じでもなかったけれど、それでも堅守が売りのフィッカデンティのもと、丸山や米本らの元FC東京の選手たちを中心にしっかりと守り、マリノスからレンタル・バックしてきたというマテウスが直接FKを決めて、そのまま逃げ切り。なんかどっちが鹿島かよくわからない試合運びだった。
 この試合のいちばんの話題は、後半81分に出てきた松村が、わずか10分たらずのプレーでレッドカードをもらって退場してしまったこと。ディフェンスラインの裏へと抜け出して、シュートまであと一歩というプレーで、勢いあまってGKのランゲラックにスパイクの裏をみせてチャージしてしまった。悪意のあるプレーじゃなかったので、あれでレッドはちょっとかわいそうだった。
 しかしまぁ、プロデビュー戦で即退場って……。それはそれで話題性たっぷりだから、やはり持っている子なのかもしれない。この先の活躍に期待しよう。
(Feb. 17, 2020)

サンフレッチェ広島3-0鹿島アントラーズ

J1・第1節/2020年2月23日(日)/エディオンスタジアム広島/DAZN

 祝Jリーグ開幕!――というお祭り気分をふっ飛ばす、3-0という悲惨な結果に終わってしまったサンフレッチェ広島との開幕戦。
 今年のアントラーズ、リーグ戦初のスタメンは、クォン・スンテ、広瀬、関川、町田、永戸、三竿、レオ・シルバ、ファン・アラーノ、和泉、土居、エヴェラウドの11人だった。
 つまりひとつ前のルヴァン杯の名古屋戦とまったく一緒。あのときはカップ戦だからあえて若い町田と関川にチャンスを与えたんだろうと思ったら、このリーグ戦初戦、よもやの同じスタメンだった。
 えっ、ザーゴが考える現状のベストってこの11人なの? 町田、関川のほうが、犬飼、奈良、ブエノらより上ってこと?
 まぁ、将来性を買ったら、この二人を一年通して重用して成長をうながせれば文句なしの名采配なんだけれど、ここまではまったく結果が出ていないので、いきなり迷走している感が否めない。
 この日の失点は1点目と3点目が自陣でボールを奪われるミスからだったから、ひとえに若いCBふたりの責任ではないけれど――いやもとい、2点目は関川が相手のクロスをクリアミスしているから無責任とはいえないな――、それでもこうもイージーな失点が多いと、やっぱどこか問題があるのではという気がしてしまう。
 ここまで今季ノーゴールというのも問題だけれど、でもまぁ、攻撃は水物。アントラーズが強いときというのは基本的に堅守が徹底できているときなので、この先もいまみたいに守備が安定しないようならば、今年は優勝は難しいだろうなと思う。あと、意気込んで移籍してきただろうに出番をもらえない奈良や杉岡のメンタルも心配。
 いずれにせよ相手のカウンターがものの見事に決まっての3失点だった。試合の入りはこちらのほうがいいと思ったんだけれどねぇ……。開始そうそうにファン・アラーノのシュートが右ポストをたたき、その跳ね返りにつめていた和泉のシュートがつづけて左ポストにも嫌われたシーンが勝敗を分けた気がする。うーむ、残念。和泉、ポストに嫌われすぎ。
 この日の途中出場は綺世、荒木、名古の3人。後半の頭にSBの広瀬をさげて、綺世を入れたザーゴ采配にはびっくりした(その後は和泉を右SBにコンバート)。で、これが意外性たっぷりなだけでなく、それなりに機能もしていたのも驚きだった。あと、荒木がいいな。この子は期待していいかもしれない。
 広島では森島司が10番をつけていたのにおっと思った。しかも3点目まで決めてくれちゃうし……。残りの2ゴールはドウグラス・ヴィエイラとレアンドロ・ペレイラ。広島の歴代ブラジル人ってなんとなく名前が長い印象がある。
 ま、なんにしろ今年も広島は楽な相手じゃなかった。でもって次は神戸とくる。開幕そうそうこの2チームと当たるあたり、やはり今年はついてない気が……。
(Feb. 24, 2020)