2019年4月のサッカー

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  1. 04/05 ○ 鹿島2-1名古屋 (J1・第6節)
  2. 04/09 ○ 慶南2-3鹿島 (ACL・グループE)
  3. 04/14 ● F東京3-1鹿島 (J1・第7節)
  4. 04/20 ○ 鹿島1-0仙台 (J1・第8節)
  5. 04/24 ● 鹿島0-1慶南 (ACL・グループE)
  6. 04/28 ● 横浜FM2-1鹿島 (J1・第9節)

鹿島アントラーズ2-1名古屋グランパス

J1・第6節/2019年4月6日(金)/カシマサッカースタジアム/DAZN

 本当はこの日は佐野元春のライヴを観に行く予定だったので、この試合はリアルタイムでは観られないはずだったんだけれど、あいにく前日に原因不明の腹痛に見舞われ、二日間寝込むことになってしまったので、チケットは泣く泣く奥さんの友人に譲り、僕はひとり自宅でこの試合を観ることになった。とほほ。
 でもまぁ、試合自体は楽しめたからよし──という首位・名古屋との一戦。
 鹿島のスタメンはGKクォン、DF平戸、犬飼、町田、安西、MF永木、レオ・シルバ、レアンドロ、土居、FW伊藤、セルジーニョという布陣。
 ウッチーがまた足を痛めたとかで平戸がリーグ戦では初の先発。安部裕葵がこの試合もベンチ・スタートだったのは、おそらく次週のACLに向けてだろう。あと最後の守備固めでブエノがひさびさ(おそらく鹿島復帰以来初?)の出番をもらっていたのが特記事項。
 対する名古屋は昨年の得点王ジョー、背番号10のガブリエル・シャビエルに加え、新外国人でシミッチというボランチが加入して、存在感を発揮していた。
 シミッチはキックオフ前にレオ・シルバらと談笑していたから、おやっと思ったら、名前はクロアチア人っぽいけれど、この人もブラジル人だった。そのほかにもGKがランゲラックという豪州人だし、途中出場でマテウスというブラジル人も出てきた。この日は故障のためベンチ入りしていなかったけれど、去年途中に川崎から移籍したエドゥアルド・ネットもいるそうだから、要するに名古屋には外国人が6人も在籍しているわけだ。ベンチ入り上限の5人を超える外国人を獲っているクラブが神戸以外にもあるとは思わなかった。さすが金持ちクラブ。
 あと、名古屋には長谷川アーリア・ジャスール、米本、丸山という、かつてFC東京の主力だった選手たちが在籍しているのが目を引いた(丸山がキャプテンを任されていたのにもびっくりだ)。そのほかでは左サイドの和泉という選手がとても印象的だった。
 まぁ、要するに今年のグランパスは外国人選抜+旧FC東京の主力組が中心のチームなわけだ。なるほど、いいサッカーをするのも道理。正直なところ、前半はあちらのサッカーのほうがおもしろいと思った。こりゃ苦戦必死だなと。
 そしたらこの試合もまた前節・磐田戦と同じような展開に……。
 前半をなんとかスコアレスで終えたと思ったら、後半開始早々にガブリエル・シャビエルが打ったGK真正面のシュートを、クォンがファンブルして得点を許してしまう不味い展開。あぁ、クォン、なんてらしからぬミスを……。
 でも首位のクラブ相手にそこから追いついてみせるのだから、今年のチームには意外と底力がある。
 まぁ、ビハインドを追ったあとの最初の交替カードが平戸を下げての三竿イン、つづけてレアンドロを下げて安部っていう、まったく前の試合と同じ采配だったから、ほんと大岩は負けてんのになに考えてんだかと思ったもんだったけれど、でもこの試合ではその采配が正解。三竿が入ってからの中盤の押し上げがすごかった。相手に疲れが出始めたってのもあるんだろうけれど、後半は相手を圧倒。
 でもって三竿が入ったことで右SBに移動していた永木のクロスに土居が左足でこつんと合わせて同点。土居のプレーがシンプルすぎて、嘘みたいにあっさりした同点ゴールだった。
 今年の土居はここまで特に目立っていなかったものの、ボールを持ったときにはつねに質の高いプレーをしていたので、ようやく結果が出てよかった。スタンドで観ていた代表監督の森保にもいいアピールになったんじゃないかと思う。
 ということで、土居のゴールも素晴らしかったんだけれど、それよりさらに圧巻だったのが、そのあとのレオ・シルバの決勝弾。右サイドのセンターライン近くでボールを持ったレオ・シルバは、そのままドリブルで斜めに攻め上がり、あれよあれよという間に名古屋の選手を何人もごぼう抜き。自らペナルティ・エリアまで切れ込むと、倒れこみながら左足を振りぬき、ゴールネットを揺らしてみせた。
 レオ・シルバすげえーー。あんた、マラドーナかいっ! ってつっこみたくなるくらいの圧巻のプレーだった。2試合連続弾だし、ほんとレオ様々。
 ということで後半追い上げ型の最近の鹿島らしい試合運びで名古屋を首位から引きずりおろして、首位まで勝ち点3差という順位をキープした。
 磐田戦といい、この名古屋戦といい、先制を許しながらも同点に追いついて勝ち点を積み上げられているので、今年はけっこういい調子かもしれない。開幕戦の大分の黒星は余計だったと思うけれど、なんとその大分がいまだ鹿島より上にいるんだからびっくりだよ。なんだ大分、侮っていたけれど、ふつうに強いじゃないか。
 ちなみに今節首位に立ったのは広島。去年は終盤で崩れたので今年は駄目かと思っていたら、予想外に強かった。ここまで失点わずか1だそうだ。やたら守備力が高いらしい。FC東京が勝ち点14で広島と並んで2位。次節は味スタでのFC東京戦なので、どうせならば首位の東京と対戦したかったのに、広島に邪魔をされてしまった。
 なんにしろ、今年のJ1はとてもおもしろい。どうしよう、こんな調子でシーズンがつづいていったら、いつまでたってもDAZNやめられない。
(Apr. 06, 2019)

慶南FC2-3鹿島アントラーズ

AFCチャンピオンズリーグ・グループE/2019年4月9日(火)/昌原サッカーセンター/日テレプラス@スカパー!

 すげー。なんちゅう試合をしてるんだか。負けを覚悟したあとのよもやの逆転劇で勝ち点3をもぎとってみせた韓国での一戦。
 リーグ戦から中2日で、しかもアウェイということで、大岩は思い切りスタメンを入れ替えてきた。GKがクォンで、4バックが平戸、犬飼、町田、安西と、ここまでは変わらないものの、MFは三竿、名古、遠藤康、安部の4人に総入れ替え。で、FWはセルジーニョを残して、伊藤の代わりに金森という布陣。
 まぁ、これだけ試合勘のなさそうなメンツばかりを前線に集めたら、そりゃうまくゆかなくて当然だろう。それでも守備では粘りづよく守って、劣勢ながらも前半はどうにかこうにかスコアレスで折り返すという、このところのリーグ戦と同じパターン。
 でもって、後半に入って先制されちゃうところも一緒。今回の失点は犬飼のオウン・ゴールだった。ダイビング・ヘッドでクリアにいこうとして、ボールを弾き飛ばすつもりがいま一歩距離が足らなかったのか、自軍のゴールへ流し込むような形になってしまった。あぁ、なにやってんだか。
 この日はさらにセットプレーからジョーダン・マッチというイングランドの選手(有名なんでしょうか?)に見事なゴールを決められて2-0とされ、さらには犬飼がハイボールの競り合いで相手に不運な肘打ちをくらわして、2枚目のイエローで退場してしまう。なんか、ここまでは犬飼のひとり舞台の感があった。
 さすがにきょうは厳しいなぁ……と思っていたんでしたが――。
 ここからまさかの逆転劇が待っていた。
 でも追撃弾は相手のオウン・ゴールだったし、そのあと後半のロスタイムにたてつづけに決まった金森の同点弾(珍しくいい仕事をした)、セルジーニョの逆転弾はどちらもオフサイドっぽかった。というか、これがJリーグならばほぼ確実にオフサイドだったんじゃないかと思う。でも試合終了間際で集中力も切れていたのか、オマーン人の線審はオフサイドを取らず。おかげでどちらも実に鮮やかなゴールになった。
 それにしても、同点に追いついた時点で、数的にビハインドだったこともあり、もう攻めなくていいから、あとはちゃんと引き分けてくれとかいってのに、まさか逆転してくれてしまうなんて……。
 いやぁ、ドローでいいとかいっててごめん。君たちは偉かった。
 この試合の途中出場は曽ヶ端、小田逸稀、山口一真の3人。
 曽ヶ端(今季はこれが初出場だそうだ)が出てきたのはクォンが怪我をしたからだった。前半の終わりに相手との接触プレーで足をこっぴどく踏みつけられて、そのまま負傷交替してしまうという不運があった。
 さらには犬飼の退場があり、町田が累積警告2枚目のイエローで次の試合は出場停止。つまり次節はレギュラーのGKとCBふたりが使えないという緊急事態になってしまうわけだ。
 うーん、大丈夫なんでしょうか? 2週間後のホームでの慶南戦がどうなるか見当がつかない。
(Apr. 09, 2019)

FC東京3-1鹿島アントラーズ

J1・第7節/2019年4月14日(日)/味の素スタジアム

 前半だけで0-3って……。そんな試合、ひさしく観た記憶がないぞ。
 毎年恒例の味スタ観戦でよもやこんな惨敗を目撃することになろうとは思わなかった。そこまで極端な実力差があるとも思わないんだけれどなぁ。でも結果はあっというまの3失点。ほんとサッカーってわかんないよなぁ……。
 この日の鹿島のスタメンはGK曽ヶ端、DF小田逸稀、犬飼、町田、安西、MF永木、レオ・シルバ、レアンドロ、土居、FW伊藤、セルジーニョの11人。
 ACLでクォンが怪我をしたため、曽ヶ端が今季初スタメン。あと、なぜか平戸がいなくて、小田も初スタメン。で、結果的にはこの二人の起用が悪い意味で勝負をわけた気がする。
 対するFC東京は、GK林、DF室屋、チャン・ヒョンス、森重、小川諒也、MF久保建英、高萩、橋本拳人、東、FWディエゴ・オリヴェイラ、永井というメンバー。
 ようやく噂の久保建英のプレーが観られるってんで楽しみにしていたんだけれど、結果的には彼が基点になって2ゴールが生まれることに……。久保が見れるとか喜んでる場合じゃなかった。
 でもまぁ、重要だったのはその2点よりも、やっぱり永井の先制点だろう。右サイドからのクロスがファーに流れたあと、それを拾って改めて蹴り込まれたクロスが永井の頭にどんぴしゃ。シュートはGKの真正面だったけれど、曽ヶ端は試合勘不足のせいか、止め切れなかった。
 僕はFC東京のゴール裏の二階スタンドで観ていたので、反対サイドでのゴールは遠くて細かいところがよくわからず、単に曽ヶ端のミスだと思っていたけれど、あとでリプレイを見たら、勢いのあるけっこういいシュートだった。あれは止められなくても仕方ないかなぁ……。
 そのあとの2得点はどちらもカウンターから。久保がぽーんと前線に蹴り出したボールが最後はディエゴ・オリヴェイラに渡り、チェックにいった町田がいとも容易くかわされて、フリーでシュートを打たれてしまった。町田、やはりまだあのレベルは止められないか。高い授業料を払っちまったなぁ……。
 まぁ、3点目は犬飼がハイボールの処理を誤ったせいでディエゴ・オリヴェイラにボールが渡ってしまったので、どちらかというと犬飼のミスが原因だったと思う。
 いずれにせよ、そんな風にGKとCBふたりがミスってりゃ3失点も致し方なし。
 あと、この試合では小田の起用も失敗だったと思う。小田、まだ鹿島のレギュラーをはれるレベルにはないと思った。右サイドで再三パスを受けていたにもかかわらず、まともにクロスまで行けずに終わってばかりだし。先制点の場面では、右サイドの守備をおろそかにしていたし、守れない、攻めれないでは話にならない。
 大岩もそう思ったのか、前半のロスタイムに小田を下げて三竿を入れてきた。あの時間帯にわざわざDFを替えるのって、懲罰以外のなんでもなかろう。
 その交替のみならず、派手にビハインドを追ったこともあって、この日の大岩はいつになく動くのが早かった。後半開始とともにレアンドロを下げて阿部裕葵を入れる。
 この2枚の交替カードが効いたのか、はたまたセーフティ・リードに安心した東京が受身になったからか、後半は鹿島が攻め込む展開がつづいた。で、10分過ぎにレオ・シルバの3試合連続ゴールが生まれ、2点差に追い上げる。
 これはもしや……と思ったのだけれど、でも追い上げもそこまでだった。失点数の少なさでは現在リーグ2位タイのFC東京相手では、そうそうゴールは生まれない。最後のカードを切ってセルジーニョを山口に替えるも、追加点にはいたらず。結局そのまま逃げ切られて、今季2敗目を喫してしまった。
 前半はFC東京優勢、後半はアントラーズ優勢で、ボールは僕らがいたスタンドからは遠いサイドにばっかあるし、ゴールもそっちでしか決まってないという。その点でも残念な試合だった。せめて目の前でアントラーズのゴールが決まるのを見たかったよ……。
 いやぁ、でも前半のFC東京は強かった。あんなにワンタッチ・パスがきれいにつながるチームでしたっけ? 今年はちょっと違うかもと思った。
 あと、やっぱ久保はよかった。ボールタッチが少なかったから、それほど目立っていた印象はないけれど、それでもボールを持ったときのプレーの質がやたらと高い。判断が早くて、やることに無駄がない感じ。ものすごいサッカー脳の持ち主な気がする。
 FC東京のサポーターいわく、きょうの久保はいまいちだったそうなのだけれど、あれでいまいちだとしたら、出来のいいときはどんななんだよって思ってしまった。
 いやぁ、しかしこれで味スタでは4年連続で白星なしだよ。かつてはお得意さんの感があったのに、いつの間にか、すっかり相性の悪い相手に……。
(Apr. 15, 2019)

鹿島アントラーズ1-0ベガルタ仙台

J1・第8節/2019年4月20日(土)/カシマサッカースタジアム/DAZN

 惨敗を喫したFC東京戦から中5日。休養たっぷりなうえに、対戦相手は現在17位と降格圏内に沈むベガルタ仙台という、優勝を狙うのならば絶対に勝ち点3が逃せない一戦だった。で、結果はセットプレーからの1点を守りきっての勝利ってことで、内容こそいまいちだったけれど、まあよしという一戦。
 この日のスタメンはGKクォン・スンテ、DF小田、犬飼、町田、安西、MF永木、レオ・シルバ、安部、白崎凌兵、FW伊藤、土居という11人。
 清水から加入してきたにもかかわらず、怪我のために出遅れていた白崎の今季初出場がいちばんの目玉。ずっと白崎が鹿島でどんなプレーを見せてくれるのか興味を持っていたので、ようやく彼のプレーが見られてよかった。しかも結果は上々だったし。本人は「自分のよさを半分も出せなかった」みたいなコメントを残しているようだけれど、あれで半分だとしたら、この先が本当に楽しみだ。
 あと、怪我で前節はベンチから外れたクォンがスタメンに戻ってきたのも朗報だった。しかも復帰早々、前半の絶体絶命のピンチでビッグ・セーブを見せてくれたし。前節で曽ヶ端が真正面のシュートを止め切れなかったのを見てしまっているので、やはり現状ではクォンのほうが頼りになるなぁと思ってしまった(ごめん、曽ヶ端)。
 今回もマイナスな印象なのが小田逸稀。ほんと危なっかしいったらありゃしない。よくぞ彼が出ていて無失点で終わったもんだと感心してしまうレベル。さっさとウッチーか山本脩斗に戻ってきてもらわないと、安心して見ていられない。
 でもまぁ、同じように最初は心配のほうが多かった犬飼もいつの間にか鹿島のDFらしくなってきたしなぁ。この日の決勝点のヘディングは本当に見事だった。ああいうゴールを決めてこそ鹿島のCB。小田もいまはぜんぜんだけれど、そのうち満足のゆくプレーを見せてくれるようになるのかもしれない。いつまで待てばいいんだか、心許ないけど。
 途中出場は三竿、セルジーニョ、金森の3人で、前節同様、三竿はその小田との交替。でもまぁ、今回は後半、残り30分を切ってからの交替だったので、それなりに順当な印象だった。
 でもここ数試合、三竿が出てきてからのほうが確実にチームのパフォーマンスが上がっているので、個人的には三竿を後半まで温存するのはやめて、最初から三竿スタメンで、永木を右SBで起用してくれちゃった方が嬉しいんだけれどな。まぁ、でもそれは結果論でしょうかね。
 対する仙台は、ハモン・ロペスとジャーメイン良のツー・トップにはなかなか迫力があったし、GKは日本代表のシュミット・ダニエルだし、途中出場で石原や梁勇基は出てくるしで、それほど弱い相手って感じでもなかった。そりゃそうだ、去年は天皇杯・決勝を戦っているんだし。そんなクラブが今年は最下位争いをしているんだから、本当に今年のJ1は難しい。
 そういや、この日は安部裕葵にとっては厄日だったのか、さんざん削られまくったあげく、最後は(股間を踏みつけられて?)担架で退場してしまったのがちょっと心配。無事を祈っています。
(Apr. 21, 2019)

鹿島アントラーズ0-1慶南FC

AFCチャンピオンズリーグ・グループE/2019年4月24日(水)/カシマサッカースタジアム/日テレプラス@スパカー!

 よもや一ヶ月前まで名前も知らなかった日本人にゴールを奪われて、韓国のクラブに負けようとは……。
 前の試合では書かなかったけれど、慶南{キョンナム}FCには邦本宜裕{くにもとたかひろ}という見知らぬ日本人がいた。なんでACLに出てくるレベルの強豪クラブに聞いたこともない日本人が?――と思ったら、この邦本くん、福岡でプレーしているときに不祥事を起こして解雇になり、その後、いまのクラブに拾われたらしい。
 まぁ、どういう経緯で韓国に渡ったにせよ、若干21歳にして韓国のクラブでレギュラーをつかむだけあって、なるほど上手い。なんで韓国でプレーしてんだって文句をいいたくなるレベル。もともとはレッズのユース出身なのだそうだ。頼むからつまんない理由で海を渡って、日本のクラブに黒星をつけないで欲しかった。
 まぁ、この日の敗戦の理由は別に邦本だけではなかったけれど。
 この日、鹿島のスタメンを飾ったのはGKクォン、DF小田、関川郁万{せきがわいくま}、三竿、安西、MF永木、名古、遠藤、白崎、FWセルジーニョ、金森という顔ぶれだった。
 犬飼、町田の両CBが出場停止という緊急事態のため、正月に高校サッカーの決勝戦に出場していた高卒ルーキーの関川(「せきがわ」と濁るんすね)がいきなりアジアの舞台でプロ・デビュー。でもって相棒はボランチの三竿という。
 いきなり18歳のルーキーをプロパーでない選手と組ませて国際試合でデビューさせるって{こく}すぎない? 開始早々にミスから相手に決定機を与えたときにはどうなっちゃうことかと思ったよ。ほんとにまったくもう。
 それだけでも不安たっぷりなのに、右SBはこの日も小田とくるんだから、安心して観てろってのが無理な話だ。でもって決勝点はその小田がクロスへの対応をまずってマークをはずした邦本のゴールという……。あぁ、やっぱり。
 小田、きょうは攻撃でセンスのあるところを見せてくれてはいたけれど、やっぱDFとしてはまだまだ守備力に難がありすぎる。前の2試合で小田がJのレベルでは守れないのはわかったでしょうに。なぜにアジアで戦えると思うかな。大岩、ACLなめすぎ。
 まぁ、それ以前に、いくら緊急事態だからって、ACLでいきなり高卒ルーキーを起用するって時点で、アジアをなめてんのが明らかだけれど。なんでブエノは使えないんだよお。もしかしてACLの外国人枠(3人+アジア枠1らしい)の都合で登録できないとか? だとしたら、なんのためにブエノを呼び戻したんだよって話だ。ACLで使えない外国人DFって必要?
 なにはともかく、レギュラーのCBをふたりとも欠いている時点で守備力に問題があるのは明らかなんだから、だとしたら、せめて攻撃陣は最良の組み合わせにすべきだったと思う。なのに大岩のチョイスは、出場機会の少ない遠藤に金森、おまけに中3日の白崎って。そんなこれまでに見たこともない顔合わせでいい試合しろといっても無理だろうよ。結局シュート数は2桁に届かず。まるで点が取れる感じがしなかった。
 途中出場は安部裕葵、山口、伊藤の3人だったけれど、これもあまり効果的ではなかった。名古をさげて伊藤を入れた采配は攻撃的だけれど、伊藤はほとんどボールを触れずじまい。開幕当時の勢いはすっかり衰えてしまった。安部も今年はいまだ背番号10にふさわしいプレーを見せてくれていない気がする。
 なにはともあれ、この試合で犬飼と町田が使えないのは2週間前の時点でわかっていたんだし、その後1週間近く休みがあり、なおかつ直近のJの相手が比較的戦いやすい仙台だったことを考えれば、大岩のマネージメントには疑問だらけだ。
 この試合に勝てばグループリーグ突破が決まるかもって話だったのに、負けたおかげで2位に転落。ここまで順調だと思っていた今年のACLも、いきなり雲行きが怪しくなってきた。
(Apr. 24, 2019)

横浜F・マリノス2-1鹿島アントラーズ

J1・第9節/2019年4月28日(日)/日産スタジアム/DAZN

 アントラーズ、平成最後の試合で無念の逆転負けを喫するの巻。
 この日のスタメンはGKクォン・スンテ、DF永木、犬飼、町田、安西、MF三竿、レオ・シルバ、安部、白崎、FW伊藤、土居という組み合わせ。途中出場はレアンドロ、セルジーニョ、金森の3人だった。
 ボランチが三竿、レオ・シルバのコンビで、永木が右SBという、僕が望んだフォーメーションが実現。それが期待通り、素晴らしく機能していた――少なくても同点ゴールを奪われるまでは。
 右サイドに永木が入った守備は鉄板だったし、左でも安西がいい仕事をしていた。その安西のゴール(サイドから切れ込んでGKの股を抜いた)で早々と先制をして、あとは相手の攻撃をどっしりと受け止めて、危なげのない試合運びができていると思っていたんでしたが。
 やはり攻撃が身上のいまのマリノスの攻めを受け止め続けるのには無理があったのか。左サイドからのシンプルなプレーで最初は仲川、次は新外国人のマルコス・ジュニオールの個人技にやられて後半途中から連続失点。無念の逆転負けを食らってしまった。まぁねぇ。シュート数では5-16と圧倒されているので、同点にされた時点で負けも同然だった気がする。
 マリノスは中澤が引退して4バックの面子は知らない選手ばかりになっていた。あとGKもFC琉球から移籍してきた朴一圭(パク・イルギュ)という在日韓国人選手に飯倉がレギュラーを奪われていた。
 なので守備的な面ではそれほど堅いって感じでもないんだけれど、とにかく超攻撃的といわれるだけあって、攻撃陣が強力。喜田、天野、三好という代表級のMFに、マルコス・ジュニオール、遠藤渓太、仲川輝人という3トップでガンガンと攻めてくる。結局、その圧力を受け止め切れなかった印象だった。
 ということで、ACLにつづけて公式戦2連敗で順位は9位。首位のFC東京とは勝ち点9も差がついてしまった。あいたた。
 ちなみにこの試合、前節でDAZNを解約しようと思っていたので、観られないはずだったのだけれど、春に文句をいっていた「再加入すると二ヶ月無料」のキャンペーンが知らないうちに適用されていたらしく、次の請求は6月だとのことなので、あと2ヶ月はひきつづき観られることになった。その先どうするかはその時点でのアントラーズの成績しだいかなぁ……。
(Apr. 29, 2019)