2018年11月のサッカー
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- 11/03 ○ 鹿島2-0ペルセポリス (ACL・決勝)
- 11/10 △ ペルセポリス0-0鹿島 (ACL・決勝)
- 11/16 △ 日本1-1ベネズエラ (親善試合)
- 11/20 ○ 日本4-0キルギス (親善試合)
鹿島アントラーズ2-0ペルセポリスFC
AFCチャンピオンズリーグ・決勝(第一試合)/2018年11月3日(土)/カシマサッカースタジアム/BS日テレ
いよいよACLも決勝。まずはホームでのファースト・レグに快勝~。
スタメンはクォン・スンテ、西、チョン・スンヒョン、昌子、山本修斗、三竿健斗、レオ・シルバ、土居、安部裕葵、セルジーニョ、鈴木優磨の11人。途中出場は安西、永木、金森の3人。
U-19代表に招集されていた安部裕葵が大会の途中でチームを離れて帰ってきてくれたので(代表は残念ながらその後ベスト4で敗れた)、遠藤が故障明けでベンチだったのを除けば、ベストの布陣で戦えた。決勝ということでスタジアムにも3万5千を超える観客が集まったのも大きかった(サポーター立派)。
でも立ち上がりはいまいち安定感なし。開始早々相手に押し込まれ、ゴール前でまずい守備からどフリーのチャンスを与えたときにはどうなることかと思ったけれど──その場面はチョンが身体を投げ出し、顔でふせいで事なきを得た──その後は徐々に落ち着きを取り戻し、前半はスコアレスで終了。後半に素晴らしい連携からレオ・シルバ、セルジーニョの2ゴールが生まれ、そのまま無失点で勝利を収めた。
レオ・シルバの先制点は土居とのワンツーが見事だった。土居は左サイドのイメージが強いけれど、この日は遠藤の代役として右でプレーして、先制点に絡んでみせた。セルジーニョの追加点はセットプレーのこぼれ球を拾った三竿からの、右サイドへ浮き球のラストパスが絶妙だった。どちらのゴールも決めたのはブラジル人の助っ人だったけれど、ちゃんとチームとして機能しているからこそ生まれた素晴らしい得点だった。
ペルセポリスというクラブは、僕が知らなかっただけで、イランではもっとも人気のあるビッグ・クラブなんだそうだ。でもって今期はここ半年ちかく、複数得点を許したことがないほど堅守を誇るという(なんだそりゃ)。
そういう相手に2得点かつ無失点で勝てたのはでかい。これで次の試合で1点でも奪えれば、アジアチャンピオンは確定でしょう。まぁ、スタジアムは8万だか10万だかの収容人数を誇るそうなので、どんな試合になるんだか、見当がつかないけれど。
そういや、前半の早い時間にイラン人らしき観客がイランの国旗を振りながら乱入してくるなんてハプニングがあった。あと、試合終了間際には接触プレーにいらだった相手選手が西を倒して、二枚目のイエローで退場になるなんて場面もあった。次の試合もきっといろいろあって、簡単な試合にはならないんだろう。
いずれにせよアジアの頂点まであと一試合。一週間後の試合を楽しみに待とう。
(Nov. 04, 2018)
ペルセポリスFC0-0鹿島アントラーズ
AFCチャンピオンズリーグ・決勝(第二試合)/2018年11月10日(土)/アザディスタジアム/日テレジータス
いやぁ長かった。何度目の挑戦か知らないけれど、少なくても初挑戦から十年以上はたっている。アントラーズがついにAFCチャンピオンズリーグを制してアジアの頂点に立った。そしてタイトル数もついに20の大台に乗った。祝・20冠達成~。
この日の試合自体については特に書くことがない。スタメンは第一戦と同じメンツで、試合はスコアレス・ドローに終わった。途中出場は安西、永木、金森。
なんでもペルセポリスは今大会、ホームでは負け知らずだとのことなので、勝ってその記録に土をつけたかったところだけれど、さすがにそう甘くはなかった。でもまぁ、十万人の大観衆が集まってブブゼラを吹き鳴らすけたたましいアウェイの試合を無失点で終えたんだから上出来だ(しかしなにが楽しくてブブゼラなんて吹いているんだろう? 自分の国の楽器ならばいざ知らず。イラン人の好みはよくわからない)。
大会MVPは鈴木優磨(セルジーニョかと思ったら)。優磨は試合の二日前に日本代表に初招集を受けているし、めでたさ二倍──といいたいところだけれど、でも試合の終盤に足を痛め、表彰式でも足を引きずっていたので、もしかしたら代表はキャンセルかもしれない。そうなったら残念だけれど、ここで無理をしてクラブW杯に出られなかったら困るので、いまは無理は禁物。そもそも、まだ来期のACL出場も決まっていないし、優先すべきは代表よりもJ1の3位と天皇杯だろう。
いやぁ、しかし優勝できて本当によかった。国内最多タイトルを誇るとはいえ、アジアでは一度もチャンピオンになっていないのでは、画竜点睛を欠くの感が否めなかったから。悲願という言葉はおおげさで好きじゃないんだけれど、こればかりは悲願のタイトルと呼びたくなる。これで名実ともに常勝軍団という呼び名に恥じないチームになれた気がする。唯一欠けていたピースが埋まって、ようやく鹿島アントラーズというクラブが完全体になったとでもいった感じ。
クラブの皆さん、優勝ありがとうございました!
(Nov. 11, 2018)
日本1-1ベネズエラ
親善試合/2018年11月16日(金)/大分スポーツ公園総合競技上/TBS
森保の監督就任以来、W杯出場国を相手に3連勝と気を吐いている新生日本代表。これまで就任直後に4連勝した監督がいないということで──あと、この日の対戦相手ベネズエラはW杯出場経験がない、これまででもっとも勝てそうな相手だってこともあって?──メディアは史上初の4連勝なるかと騒ぎ立てていたけれど、結果はドロー。残念ながら4連勝はならなかった。
スタメンはGKがシュミット・ダニエル、DF酒井宏、冨安、麻也、佐々木、MF岳、航、堂安、南野、中島、FW大迫というメンツ。
GKシュミットの初スタメン(名前が全部カタカナの代表選手って史上初でしょう)、二十歳の冨安の二度目の起用におっと思ったくらいで、あとは離脱中の長友がいない以外、これまでの最強スタメンという印象。これで勝てないというほうが意外だった。
でもまぁ、内容が特に悪かったとは思わない。大迫のポスト・プレーを軸にして、中島、南野、堂安が積極的に攻めてゆくスタイルは今回も有効だった。ただ、決定機がこれまでよりは少なかった上に、ここぞで決めそこなうシーンがこれまでよりも多かっただけ。中島や堂安が惜しいシュートを打つシーンもあったし、あとちょっとでこの試合だって、3点取れていた可能性はあったと思う。
それと対戦相手のベネズエラが思いのほかよかった。さすがに普段からブラジルやアルゼンチンとの戦いを余儀なくされている南米の国だけはある。突出した選手がいるではないけれど、決して守備的ではないし、攻撃でもそこそこ怖かった。そういう意味では、とてもいい対戦相手だったのではないかと思う。勝てなかったけれど、試合自体も拮抗したいい内容だった。
日本の得点は中島翔哉のCKから酒井宏樹のとても見事なボレー。酒井はこれが代表初ゴールだそうだ(いまさからかと驚いた)。でも、相手の得点も酒井が与えたPKという。この日は結果だけみれば、酒井のひとり舞台だった。あのPKさえなければ、文句なしのヒーローインタビューだったのに。惜しい。
初出場のシュミット・ダニエルは、序盤に相手選手との一対一をかわされて、絶体絶命のピンチを招いたものの、あとは特に問題なし。テレビの解説陣には足元の技術やキック力を絶賛されていたし、身長197センチという代表史上最大のGKの存在は今後の正GK争いに大いに影響しそうだ。
あと、前述のピンチでは、ゴール直前でボールを書き出した冨安が超すごかった。弱冠二十歳の選手があのプレーって……。この子が今後のCBの柱になるのかもって思わせるすごいプレーだった。
途中交替で出場したのは、原口、北川、杉本健勇、伊東純也の4人(杉本は結局怪我のために初代表を辞退した鈴木優磨にかわる追加招集)。彼らが出てきてから日本はすっかり連動性がなくなってしまったので、まったくダメとまでは思わなかったけれど、あんまりポジティヴな印象は受けなかった。
アジアカップを見据えれば、現時点では北川を使うよりも、香川、乾らを呼んだほうがいいんじゃないかって気がする。──というか、なぜにいまだに彼らが姿も形もないかのほうが不思議だ。森保、なにを考えているんだか。この日みたいな試合を観ると、なぜにあのふたりがいないのか、疑問を覚えてしまう。
(Nov. 17, 2018)
日本4-0キルギス
親善試合/2018年11月20日(火)/豊田スタジアム/TBS
日本代表、2018年最後の対戦相手はキルギス。
キルギスってどこの国かと思ったら、アジア杯の出場国だった。でもってグループリーグでは韓国、中国と一緒。それだけでもう決勝トーナメント進出は難しそうだけれど、でもアジア杯は3位でも勝ちぬけの可能性があるので、つまり来年早々に日本が戦う可能性がなきにしもあらずな相手。同じ大会に出場する国と大会の直前に戦うのって、ちょっと珍しい気がする。
まぁ、いずれにせよアジアの国だし、大会では絶対に優勝候補にはあがらないレベルの国(でもロシア人や中国人ぽいタイプに黒人まで混じっていて、人種的にはかなり多彩だった)。となれば、なにもベスト・メンバーで戦う必要はないってことなのか、驚いたことに森保はこの試合でスタメンを総入れ替えしてみせた。
ということでスタメンは、GK権田、DF室屋、三浦弦太、槙野、山中亮輔、MF三竿、守田、伊東純也、原口、FW杉本健勇、北川の11人。
今年川崎で頭角をあらわした大卒ルーキーの守田がA代表初スタメンで、三竿とともに中盤で安定したプレーを披露した。
あと山中もA代表に呼ばれるのはこれが初(そうなのか)。でもってその山中が開始早々に先制ゴールを決めて見せる。初代表でファースト・タッチがファースト・ゴールってなかなかできることじゃない。長友の後釜が不透明な左SBだけれど、山中はキックの精度では長友を大きく上回るので、けっこうアピール度が高かった。
なにはともあれ、前の試合とはまったく違う選手ばかりなのだから、連携とかはいまひとつ──かと思っていたら、意外とそうでもない。いまの代表はワンタッチで素早くボールを動かすプレーが意思統一できているようで、印象はけっこうよかった。前半のゴールは原口の直接FKを相手GKがファンブルしたもう1点だけに終わったけれど、伊東純也がシュート・ミスを連発しなければ、あと2点くらい入っていたに違いない。伊東、好きなんだけれど、この日ははずしすぎ。
とまぁ、前半も決して印象は悪くなかったんだけれど、でも後半の途中から大迫、堂安、中島、南野が出てきたら、そのインパクトでそれまでの印象がすっかり吹き飛んでしまった。やっぱこの4人がそろうと話が違う。
この日の大迫はポストプレーではそれほど凄みを感じさせなかったけれど、そういうときにはちゃんとゴールを決めてみせるし──守田のスルーパスと北川のワンタッチのアシストも見事だった──、さらに笑わせたのはその大迫のゴールのリプレイを観終えたとたんに決まった中島のゴール。
だって中島が選手交替の準備をしているのは知っていたけど、まだピッチに入ったって紹介もされてなかったんだよ? それなのに映像が切り替わったとたんに豪快なゴールを決めてみせるんだからびっくりだ。おいおい、中島っていつ出てきたんだよって。日本中の人がびっくりしたに違いない。中島はもう替えが効かない。
この日の選手交替は、頭を打った槙野にかわって緊急で出てきた麻也と、三竿にかわった柴崎で、計6名。鹿島サポとしては三竿と柴崎が一緒にプレーするところが見たいんだけれど、森保がなかなか実現させてくれないのが残念なところだ。
まぁ、なんにしろそんなわけで森保ジャパンは無敗のまま2018年の全日程を終えた。次は1月のアジアカップ。タイトルがかかった大会でこの代表がどんな戦いを見せてくれるのか、いまから楽しみだ。
(Nov. 20, 2018)