2016年4月のサッカー
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鹿島アントラーズ0-2柏レイソル
J1・1stステージ第8節/2016年4月24日(日)/カシマサッカースタジアム/BS1
およそ一ヶ月ぶりに観るアントラーズ戦。
いやしかし、この日の負けは痛いっ。裏では1位フロンターレと3位レッズの直接対決があったから、2位の鹿島としては、最低でも勝ち点1は積み上げておきたかったところなのに。レッズが勝って首位に立ち、アントラーズはよもやの敗北で3位に後退。これから対戦があるレッズはともかく、フロンターレとは直接対決が終わっているので、せめて勝ち点で並んでおきたかったところなんだけれどなぁ……。あぁ無念。
いやしかし、このタイミングでレイソルに負けるとは予想外だった。
なんたってあちらは今季から新たに迎えたブラジル人監督を開幕からわずか3節で解任するなんてドタバタ劇を演じたクラブだ。後任監督の下平(最近は現役時代を知っている年下の監督の多いこと……)はトップチームを率いるのはこれが初めてだというし、通常ならこの手のことをしたチームは成績不振に悩むのが慣例。
しかもこの日のスタメンを見たら、知らない名前だらけだったし。キャプテンの大谷が怪我でベンチスタートだったこともあり、僕が知っている選手は増嶋と茨田だけ(──と思ったら、知っている名前がもうひとつあったんだが、これは後述)。平均年齢は、なんと23歳台だとかいう。なんだそりゃ、五輪代表レベルじゃん。鹿島もずいぶん世代交替が進んだけれど、それをさらに上回っている。
この日は夢生が累積警告で出場停止(早すぎっしょ)だとはいえ、こちとら現在2位につけている常勝クラブだ。まさかこんな若いチームに負けることはないだろう……と思ったら、そのまさかが起きる。
いや、序盤から、おやっ?とは思ったんだ。入り方は相手のほうが断然よかったし。前半途中まではすっかり向こうのペースで、なかなかボールを持たせてもらえない。たまのマイ・ボールもミスで失う場面が多く、いまいちリズムが悪かった。
そうこうするうちに、向こうの右サイドになにやら見覚えのある名前を発見。しかもその子がやたらと元気いっぱいで溌剌としたプレーを見せている。はて、伊東純也って誰だっけ……?
あぁ、それはあれだ、去年甲府に負けた試合で決勝ゴールを決められた子だなと。前半途中にようやく思い出した。なんでそんな子が柏に?
──と、この時点でなんとなく嫌ぁな予感はしていたんだ。去年の二の舞になりゃしないだろうなと。
そしたら前半終了間際にその予感がまさに的中。この子にカウンターからドリブル突破を許し、見事なゴールを決められてしまう。その直前に土居がペナルティ・エリア内で足をかけられて倒されたのに、レフェリーがPKを取らなかったことに抗議して、こちらの集中力が途切れた一瞬の隙をつかれてしまった。
前半たった1分しかなかったロスタイムでの失点だけに痛恨だった。
後半は後半で見事に崩され(またもや伊東のアシスト絡みで)2点目を献上してしまったけれど、内容自体はとても拮抗していたから、最初の失点がなければ、どちらに転んでもおかしくない試合だったと思う。それだけにあの前半ロスタイムの失点が……。
いやしかし、レイソルはよかった。五輪代表世代の若手中心のチームとは思えないタフな戦いっぷりだった。ハイ・プレスが徹底していて、こちらは終始窮屈なプレーを強いられていた。おかげでフィニッシュに精度の高いプレーを要求されて、それを決めきれなかったのが敗因だと思う。決定機自体は相手より多かったんだけれどねぇ……。
聞けば下平はユース・チームの監督をしていたそうで、若手を抜擢しているのも、そこでの経験があったからこそらしい。だてに欧州帰りの大津や田中順也にベンチを温めさせているわけじゃないわけだ(この日はふたりとも途中出場)。
それにしてもレイソル、これでナビスコ杯を含めて公式戦では5連勝で、リーグ戦では下平の監督就任以来、負けなしなんだとか。マジですか? この人ももしかして森保みたいにいきなり名将への道を歩み出していたりとか……?
まぁ、でもそういったら、去年の鹿島の石井もおんなじか。最近の若い日本人監督には優秀な人が多いですね。なんでだろう。不思議だ。
いやぁ、なんにしろ見事に負けました。
それにしても伊東純也にはまいった。もしもこの日みたいなプレーを年じゅう見せているようならば、ハリルホジッチの目に留まって代表に呼ばれるのも時間の問題じゃなかろうか。あと3バックの一角を担っていた19歳の中山雄太という子もアグレッシブなプレーぶりで好印象だった。GKの中村航輔は、五輪代表での櫛引のライバルだというし。そんな子がゴールを守るチームに完封負けを食らったっていう点でも痛い試合だった。
この日の鹿島のスタメンは曽ヶ端、西、植田、昌子、山本、柴崎、小笠原、遠藤、カイオ、土居、赤崎。途中出場は鈴木優磨、永木、中村充孝。
うーん。こうして名前を挙げてみても、味方に関しては誰がよかったともいえないあたり、やはり負け試合だったって証拠だよなぁと思う。
ま、とりあえず序盤に出遅れた土居がレギュラーとして使われているのを観れて嬉しかった。あれはPK取って欲しかったぞ、家本主審。
(Apr 25, 2016)
大宮アルディージャ0-0鹿島アントラーズ
J1・1stステージ第9節/2016年4月30日(土)/NACK5スタジアム大宮/BS-TBS
この頃はJ2で優勝して昇格してきたクラブはあたり前のように強いので、この日の大宮戦も楽な試合にはならないのだろうとは思っていたけれど、よもや二試合連続のスコアレス・ゲームとは……。
なんだか攻撃が湿り気味で、開幕のころに戻ってしまったみたいだ──と書いてみて思ったけれど、とりあえず今はシュートは打てているので、内容的には最初とはちょっと違う気がする。歯車は勢いよく回っているのだけれど、なんだかいまいちうまく噛みあっていないというか。そんな感じ。
この日のスタメンは前節の赤崎と山本にかえて、金崎と伊東を入れた形。
出場停止だった夢生が戻ってきてベスト・メンバーで戦えるかと思ったら、左サイドバックの山本が故障欠場してしまったのが計算外。もとより左サイドはバックアップが薄いので、仕方なく西をコンバートして、右サイドは伊東幸敏に任せることになった。
でも結果からいえばこれが苦戦の遠因だった気がする。この日の伊東は運動量こそあれ、クロスの精度がいまいち。西にしても、サイドを駆け上がるより中へ入ってくることが多くて、微妙に攻撃のバランスがよくなかったような気がする。
対する大宮は──前節の柏ほどではないけれど──家長、ムルジャ、金澤、菊池くらいしか知っている選手がいなかった。でも柏のような勢いはなくて、まだ戦いやすかった印象。たまのカウンターでムルジャや家長に脅威を感じることこそあったけれど、基本的にはこちらがボールをまわしている時間が多かったし、決定機もそれなりに作れていた。
ただ、シュートがGK加藤順大の真正面、みたいなシーンばかりで、いまいち決まる感じがしない。なんかこの調子で最後まで行っちゃいそうだなぁ……と思っていたら、本当にその通りになってしまった。あぁ……。
最後の10分で、ジネイに今季初めてリーグ戦での出場機会がまわってきたけれど、ジネイは残念ながらこれといった違いを見せられず。途中出場はあと鈴木優磨と中村充孝のふたり。どちらも惜しいシュートがひとつずつあったものの、決めきれなかった。
ということで、レッズとフロンターレを追いかけなくちゃいけない立場だというのに、首位レッズには勝ち点5の差をつけられてしまった。なまじ上の2チームがあまり負けそうにないだけに、ファースト・ステージが半分終わったところでこの勝ち点の差は痛い。
セカンド・ステージになると、ACL敗退の決まったサンフレッチェやガンバも息を吹き返してくるだろうから、できればファーストは取りたかったんだけれどなぁ。なんだか今シーズンもあやしい雲行きになってきてしまった。
(May 01, 2016)