2014年9月のサッカー
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- 09/05 ● 日本0-2ウルグアイ (親善試合)
- 09/09 △ 日本2-2ベネズエラ (親善試合)
- 09/20 ○ 鹿島1-0横浜M (J1・第24節)
- 09/27 ○ 徳島0-5鹿島 (J1・第26節)
- 09/28 ● U-21韓国1-0U-21日本 (アジア大会・準々決勝)
日本0-2ウルグアイ
親善試合/2014年9月5日(金)/札幌ドーム/日本テレビ
ブラジルW杯での惨敗から、かれこれ2ヶ月半。注目のハビエル・アギーレ日本代表監督の初陣の相手は強豪ウルグアイ。ただし残念ながらスアレスは(おそらくW杯の噛みつき事件のせいで)出場停止、フォルランは代表落ちとのこと。
まずはスタメンの名前を見てとまどった。GK川島はいいとして、DFが長友、森重、坂井達弥、酒井宏樹、吉田麻也と5人もいる。MFは田中順也と細貝の2人だけで、FWが本田、岡崎、皆川佑介という顔ぶれ。
まぁ、開けてみれば、フォーメーションは公言していた通り4-3-3で、森重をワン・ボランチに起用したところが意表をついていただけだったから、ははぁ、なるほどって感じではあったけれど、それにしてもいきなりDF5人ってのはなぁ。結局それって森重を高めの位置においた3バックじゃないの?──って思ってしまった。
なにはともあれ、鳥栖の坂井、広島の皆川は初めて見る顔だし、田中順也もひさしぶりに見たら、髪が短くなっていたせいで、最初だれだかわからず。つまり国歌斉唱のときに名前がわからない選手が3人もいるという。ある意味新鮮きわまりない新生日本代表ではあった。
新鮮といえば、田中順也が背番号8、途中出場のヴィッセル森岡亮太が背番号10ってのも新鮮だった(まぁ、マンUからドルトムントへの復帰が決まったばかりで招集が見送られた香川が戻ってくれば、森岡の10番はないと思うけど。あと、出番はなかったけれど、われらが柴崎は7!)。
本田が右サイドに貼りついてプレーしていたのも新鮮だったし、岡崎がCKを任されていたのに至っては、新鮮を通り越して違和感たっぷりで、なんだそりゃって感じだった。背は高くないとはいえ、ヘディング得意で得点感覚の鋭い岡崎になぜキッカー任すかな、アギーレ氏? よくわからない。
まぁ、そのほかでもFC東京の武藤嘉紀が途中出場の一番手として代表デビューを飾っているし──あと柿谷と酒井高徳も出てきた──、これまでにない感じはたっぷりとあったと思う。
ただ、試合自体は0-2で負けて、マスコミ各所で酷評を受けている。
失点はどちらもアギーレに大抜擢されたCB坂井のミスが原因。中途半端なプレーからボールを奪われたり、クリアが短かったり。長身で左利きってことを買われて大抜擢されたという噂だけれど、トラップやパスに安定感がなくて、まだまだDFとしては課題が多そうだった。左足が使えるったって、ロング・フィードが満足に通らないんじゃなぁ。
この試合の出来だけで判断するならば、坂井はもう二度と代表に呼ばれなくてもおかしくない気がするんだけれど、逆にそんな彼をその長所──左利きの大型DFは日本では珍しいそうだ──を買って起用しつづけるようならば、そこにアギーレの個性が見えてきそうな気もする。現時点でのアギーレ・ジャパンのキーパーソンは彼かも。
それにしても、すでに酒井が2人いるところへ、さらにCBの坂井が加わって、4バックのうち3人までがサカイなんて状況もあり得る状況は、かなり実況や外国人泣かせなのではないでしょうか。紛らわしいったらありゃしない。
まぁ、なんにしろ、試合内容は低調だった。皆川──高さがあってポストプレーもできて、なかなか好印象だった──が岡崎のつくった絶好機でフリーのヘディングをはずした場面と(岡崎うまいじゃないか)、終了間際に武藤が打ったミドルがバーをたたいた場面が印象に残っている程度で、あとはあまり惜しいチャンスを生み出せなていなかった。本田もFK、壁にあてまくりだし。
でもまぁ、失点が個人のミスからだったのを差し引けば、守備はそこそこ安定していたと思うし(フィールドにDFが5人もいればあたり前か)、W杯でああいう負け方をしたあとだけに、強豪国相手に初戦でこれくらいならばOKだって僕は思った。
とはいえ、アギーレ氏には次の試合で柴崎と大迫を使ってくれることを願ってやまない。
(Sep 06, 2014)
日本2-2ベネズエラ
親善試合/2014年9月9日(火)/横浜国際総合競技場/テレビ朝日
アギーレ監督就任2試合目にして、ようやく柴崎A代表デビュー(祝)!
そして3トップは大迫、柿谷、本田とくる。本田はともかく、大迫と柿谷が一緒にプレーするのって、なにげに新鮮。
とはいえ、プレー自体はふたりともピリッとしなかった──と僕は思ったけれど、まぁ、前半は飯を食いながら観ていたので、細かいところはよくわからない。少なくてもスコアレスに終わった前半よりも、ふたりが引っ込んだ後半のほうが見ていておもしろかったってのが、残念ながら正直な感想。
この日はGK川島、DF酒井高徳、水本、麻也、長友に、ふたたびアンカー森重。MFが細貝に柴崎、そして前述の3トップというスタメン。
前の試合から5人が入れ替わった、という言い方をされているけれど、逆にいうと6人は前の試合と一緒。そのうち川島、麻也、長友、本田は、まぁわかる。でも森重と細貝は?
ポジション的にはこのふたりの場所こそ、違うパターンを試してみて欲しいところなのに、なぜかそろって2試合連続のスタメン。しかも森重は連続フル出場で、細貝も前の試合はフル出場、きょうも75分プレーしている。アギーレ・ジャパンの要はもしかしたらこのふたりなのかも。
まぁ、別に森重らに不満があるわけではないのだけれど、とはいえDF5人に加えて細貝って起用法は、どうにも守備的な印象が強すぎて、すんなりと納得がゆかないのだった。とくに前半はこれといった見せ場もなくスコアレスで終わってしまった分、不完全燃焼の感が強かった。
それでも後半は2得点をあげたこともあって、いくらかマシな印象になった。で、その2得点に絡んだのが、大迫、柿谷と入れ替わりに出てきた武藤と岡崎なのだから、やはりこの試合、大迫らには分が悪い(まぁ、もうひとりの途中出場、田中達也はほとんど目立ってなかったけど。あと、親善試合なのに交替枠を3枚しか使わないアギーレさんはどうかと思う)。
この日の先制点にして、アギーレ・ジャパン初ゴールを決めたのは、後半開始から途中出場した武藤。中盤でチェックを受けながらも倒れずにドリブルで持ち込み、思い切りのいいミドル・シュートをたたき込んだ。慶大生で、イケメンで、こんなゴールを決められる才能があれば、そりゃもてて当然。ニューヒーロー誕生を印象づける鮮烈なゴールだった。
さらには武藤に負けずと、われらが柴崎のA代表初ゴールも生まれる。左サイドの岡崎からのクロスをファーでファイン・ボレー!
――と、この2ゴールですっきりと勝ってくれていれば、いい気分になれたものを、どうもアギーレさんは運がないというか、なんというか。
武藤の先制点でいいリズムになるかと思ったら、そのすぐあとにカウンターから水本がPKを奪われてあっという間に同点にされてしまうし。柴崎のゴールで再度勝ち越したと思ったら、それから5分もせずに川島が相手のミドルをファンブルして、またもや同点って……。結局試合はそのままドローでわってしまった。
振り返ってみれば、この2試合で4失点、そのすべてがミス絡みってんだから、なんとも締まらない。
ただ、逆にいえば、ミスさえなければ1勝1分で終わっていてもおかしくない内容だった気もする。決して派手さはないけれど、それほどひどいサッカーはしていないと思うし。
──とはいえ、前の試合でも書いたとおり、攻撃の枚数を割いて守備的な選手を多く起用しているんだから、ある程度、守備が安定しているのは当然。問題はそこからだ。
この先もそういう「まず守備ありき」のサッカーをしてゆくのならば、あとは前線の少ない駒数でいかに相手を崩すか、そのための最適の組み合わせをきちんと探り出してもらうっきゃない。しばらくはアギーレさんのお手並み拝見って試合がつづきそうだ。
それにしても、W杯以来、かれこれ3ヶ月。俺ってばその間、日本代表と鹿島の勝ち試合をひとつも観てないよ……。
(Sep 09, 2014)
鹿島アントラーズ1-0横浜F・マリノス
J1・第24節/2014年9月20日(土)/カシマサッカースタジアム/BS1
夕食にたっぷりの餃子をつまみにビールを飲んでしまった上に、リリースされたばかりのiOS 8のインストールでいろいろとトラブっていたのに気を取られていて、この試合はほとんど集中できなかった。でもまぁ、ひさしぶりに勝ち試合を観れたので、とりあえず記録だけ。
(じつは先週の大宮戦もさいたまテレビで生放送があったので、エレカシから帰宅して録画で観たのだけれど、その日もやはり酔っぱらっていて集中できず、おまけに負け試合だったのでスルーしてしまった駄目なやつです)
この日のスタメンは、曽ヶ端、西、青木、昌子、山本、柴崎、小笠原、遠藤、土居、カイオ、ダヴィの11人。途中出場は本山、J・ワグネル、赤崎という顔ぶれ。考えてみると、この3人がベンチってのもすごい。
このところ植田がいないと思ったら、彼は現在開催中のU-21代表としてアジア大会に招集されていた。最近五輪代表の試合をオリンピック直前しかフォローしないでいるところにも自分の老化を感じる今日このごろ。
試合はといえば、スコアこそ遠藤のミドルの1点を守り切っての1-0だけれど、マリノスには終了間際の俊輔のFK以外には、1本のシュートも打たせていないというのだから──で、そのFKにしても、ロスタイムの4分を大きく過ぎたあとなのだから──、まぁ、快勝といっていい内容ではないかと。
ということで、3試合ぶりの勝利──僕にとっては3ヶ月ぶりの勝利──で順位は4位をキープ。今回はこれくらいしか書くことなし。
(Sep 21, 2014)
徳島ヴォルティス0-5鹿島アントラーズ
J1・第26節/2014年9月27日(土)/鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム/BS2
この日はダヴィがなぜか欠場。赤崎のワントップで臨んだアウェイの徳島戦。アントラーズが四国でJ1の公式戦を戦っているってのが、なにげに感慨深い。
まぁ、とはいってもご祝儀に勝ち点を……なんてわけにはいかない。内容は5-0の圧勝。優勝を狙おうってクラブと最下位独走の徳島では、言っちゃ悪いけれど、格の違いがあきらかだった。徳島にもいい感じでボールを回すシーンはあったし、新加入のエステバンという外国人選手が存在感を見せていたけれど、いかんせん、要所要所でのディフェンスが緩すぎた。
カイオの先制ゴール──相手のクリアミスを拾っての豪快なミドル──が決まったのこそ前半40分近くだったけれど、そのすぐあとに土居のヘディングで2点めが決まった時点で、すでに勝負ありという感じ。
この日の試合でおもしろかったのは、その土居のゴールに加えて、後半に入ってからのカイオの2点目、遠藤の1点目がそれぞれヘディングだったこと。みんなあまりヘディングのイメージのない選手ばかりなので、それが揃ってヘディングでゴールを決めているのが新鮮だった(最後の1点は遠藤の左足)。あと、元鹿島のアレックスと西とのマッチアップにも、ぐっときた。
途中出場では山村、豊川、中村充孝が出場。ジョルジ・ワグネルをベンチに置いたまま使わず、サブの選手にもまんべんなく出場機会を与えている印象。トニーニョ・セレーゾもいろいろ気を使っているのかなという気がする。
この日の勝利でアントラーズは2位に浮上。首位浦和との勝ち点差は4! チームのムードもよさそうだし、この調子ならば最後までおもしろい展開が期待できそうだ。来月からはスカパーと契約して、残り試合はすべて観ようかって気分になっている。
(Sep 28, 2014)
U-21韓国1-0U-21日本
アジア大会・準々決勝/2014年9月28日(日)/韓国・インチョン広域市/BS1
これまでずっとスルーしてきたU-21代表だけれど、日韓戦と聞いては、観ないわけにはいかない。ということで、初めて観ました、手倉森監督のもとリオデジャネイロ五輪出場を目指す五輪代表の試合、アジア大会の準々決勝の韓国戦。
日本のスタメンはGK牲川(磐田)、DF室屋(明大)、遠藤航(湘南)、岩波(神戸)、植田(鹿島)、MF大島(川崎)、中島(F東京)、矢島(浦和)、秋野(柏)、鈴木武蔵(新潟)、野津田(広島)という顔ぶれ。
いやぁ、みごとに知らない選手だらけ。僕が知っているのは、植田、鈴木武蔵、野津田の3人だけ。まぁ、あとで聞いたら、この前の鹿島-FC東京戦に中島くんが出てたらしいのだけれど、まったく気がついていなかった。
というわけで知らない選手だらけで、誰がどこを守っているのか、いまいちわからない今回の五輪代表だけれど、やっているサッカー自体はなかなかよかった。全体的に無駄なバックパスが少なく、狭いところへでも積極的に前を向いてパスを通そうという姿勢があって、小気味よかった。まぁ、今大会いまだ無失点だという韓国の堅守は崩せなかったし、守っても決定的なピンチを間一髪でしのぐシーンの連続だったけれど、それでも失点はPKの1点だけだったし、内容は悪くなかったと思う。
個人的におもしろいなと思ったのは、キャプテン大島と10番・中島のちびっこコンビ。ふたりともやたらとちっちゃい割には決して当たり負けしていなくて、見ていて楽しかった。ここまでちいさな選手が主力を張るのは、世界でも珍しかろう。どうせならば、彼らにはこのままがんばってブラジルまで行ってもらって、その小さな体ですごいプレーを見せて、世界をあっと言わせてもらいたい。
それにしても、その大島くんがPKを与えてしまった場面──ペナルティエリア内での空中戦でバランスを崩し、背中から韓国選手の上に伸しかかってしまった──は残念無念。あぁ、やっちまったーって思わず叫んでしまった。うーむ、なんとももったいない。
相手の韓国にはなんと、オーバーエイジで元鹿島のパク・チュホがいた。ドイツで岡崎のチームメイトだって聞いていたのに、なぜこの時期にこんなところに? しかも背番号8をつけて中盤でプレーしているし。しばらく見ないうちに、ずいぶん変身を遂げていて、びっくりだった。
韓国にはそのほかにも去年FC東京にいたチャン・ヒョンスなど、Jリーグ出身の選手が何人かいた(よく知らないけど)。反日の声がかしましい昨今なのに、日本に武者修行にきて実力をつけた選手が代表で活躍していて、ちょっと釈然としない。
まぁでも、この試合を観るかぎり、実力はあちらが上だったかなと。この試合の前に放送していたU-16の試合でも、日本代表は韓国に負けて来年のU-17W杯の出場権を逃しているし、なんでこうも韓国に弱いんですかね。いやんなってしまう。
(Sep 29, 2014)