2012年5月のサッカー

Index

  1. 05/03 ● 清水3-0鹿島 (J1・第9節)
  2. 05/06 △ 鹿島0-0鳥栖 (J1・第10節)
  3. 05/12 ● 磐田3-0鹿島 (J1・第11節)
  4. 05/19 ○ 鹿島7-0札幌 (J1・第12節)
  5. 05/23 ○ 日本2-0アゼルバイジャン (親善試合)
  6. 05/25 ○ U-23日本3-2U-23オランダ (トゥーロン国際大会)
  7. 05/26 ○ 神戸1-2鹿島 (J1・第13節)

清水エスパルス3-0鹿島アントラーズ

J1・第9節/2012年5月3日(木)/アウトソーシングスタジアム日本平/スカパー!e2

 3連勝でいよいよ本調子かと思ったとたん、この試合ではエスパルス相手によもやの完敗。まるで前節の大勝のつけを払うような結果になってしまった。
 この日のスタメンは前の試合と一緒。フォーメーションも同じで、柴崎を中盤の底にすえたダイヤモンド型。
 でもこの試合ではその柴崎ばかりが目立って、それより前の選手が自由にプレーさせてもらえない。柴崎からはボールが出るものの、その先でことごとくつぶされてしまって、前線の選手にボールが収まらない。このところ好調な興梠も、ヨン・ア・ピンというオランダ人DFにしっかりマークされて、思うようにプレーさせてもらえない。
 で、守っては、開始5分に伊藤翔(お~、そういえば清水にいたんだった)にいきなり先制ゴールを許す苦しい展開。
 まぁ、岩政のクリア・ボールが曽ヶ端に向かって飛んでしまい、そのこぼれ球を押し込まれるという、ややアンラッキーな形ではあったけれど、それでも吉田豊という右SB(この選手もけっこうよかった)に股抜きクロスを許した新井場の守備はゆるかったし、それをクリアしようとして曽ヶ端にぶつけた岩政も、あわやオウン・ゴールというプレーで決して褒められたものではなかった。
 結局、スコアレスで終わったのだから、この先制点で試合は決まったも同然。その後、後半には売り出し中の高木俊幸(シュート上手い)と大前にもゴールを奪われ、0-3で敗北を喫した。こちらは90分間戦って、シュートわずか5本というさんざんな結果だった。まさに完敗。
 どうにもいけない。開幕戦の仙台にしろ、この清水にしろ、今年は高い位置からプレッシャーをかけてくる守備力の高いチームが相手だと、まともにサッカーをさせてもらえない感がある。遠藤あたりには連戦の疲れも出てきているのかもしれない。
 次は首位を独走する仙台の手倉森監督をして、「うちと清水と鳥栖が、いちばん走りきるチームだと感じている」と言わしめたというサガン鳥栖。今節は仙台とみごと引き分けて、現時点で5位という好成績を残しているし(なんてこった)、J1初昇格だからってあなどると、痛い目に会いそうでいやだ。
(May 04, 2012)

鹿島アントラーズ0-0サガン鳥栖

J1・第10節/2012年5月6日(日)/カシマサッカースタジアム/スカパー!e2

 あぁ、やっぱり勝てなかった。J1初昇格のサガン鳥栖相手に、ホームでスコアレス・ドロー。今年はどうにも浮かぶことなく終わりそうな感じが……。
 この試合(スタメンは前節と一緒ながら、フォーメーションをボックス型に変えてきた)では、シュート数こそ相手の倍以上打っているけれど、枠をとらえたのはほんのわずか。いや、わずかどころか、ロスタイムのCKからの岩政のヘディングだけじゃないだろうか。
 それに対して、相手はGKの真正面やら、ポストにあてたのやら、多くはないものの、決定的なシーンがあった。おかげで実質的には負けているような気さえしてしまう。
 この日の試合でいちばんがっかりしたのは、ロスタイムにカウンターから遠藤がドリブルで攻め上がったシーン。この場面で遠藤は、斜め前をジュニーニョがフリーで駆け上がっていたにもかかわらず、遠目からミドルを打って、このチャンスをふいにした。ジュニーニョにパスを通していれば、ビッグ・チャンスになっていたかもしれないのに。あそこでミドルを選択した遠藤のエゴイズム、もしくは視野の狭さに僕はとてもがっかりした。ああいうプレーがあるから、僕はいまいち彼を高く評価できないでいるんだよなぁ……。
 まぁ、自分で打つべき場面で打たない選手よりいいという意見もあるかもしれないけれど、それはケース・バイ・ケースだ。僕はあの場面では、パスを出した方が得点の可能性は高かったと思う。遠藤の打ったシュートは近くにいた相手DFの足にあたって、枠さえ捉えられなかったのだから。
 遠藤はいまやチームの攻撃の中心選手だ。でも彼にはフォー・ザ・チームの姿勢がいまいち足りないように僕には感じられて仕方ない。そしてそんな彼を攻撃の核に据えているジョルジーニョの采配にいささか疑問をおぼえないではいられない。
 しかしまぁ、ここまで10試合で5失点という鳥栖の守備力はお見事。監督のユン・ジョンファンのことはよく知らないけれど、彼のもと韓国人選手を3人を加えて、高さのある豊田陽平や威勢のいい水沼宏太らをバランスよく配した鳥栖の戦いぶりは、噂どおり侮れなかった。
(May 06, 2012)

ジュビロ磐田3-0鹿島アントラーズ

J1・第11節/2012年5月12日(日)/ヤマハスタジアム/スカパー!e2

 いやぁ、駄目だ。観ていてぜんぜん楽しくない。勝てないからつまらないというより、つまらないサッカーをやっているから勝てないんだと思う。なんたって、これで3試合連続ノーゴールだ。つまりガンバ戦の大勝以来、ノーゴール。こんなことになるなら、あの試合であんなに取らずに、あとに試合に取っておいて欲しかったぜ。
 テレビで解説の桑原さん(なんかすごいひさしぶり)も言っていたけれど、いまのアントラーズはドリブルばっかりな印象がある。要するに遠藤とドゥトラ頼りなイメージで、きちんと連係で崩すような場面が少なすぎる。それがつまらなく感じてしまう要因だと思う。
 この試合(スタメンは前節と一緒)では後半、ドゥトラに替わって本山が出てきてからしばらくは、いい感じでボールが回せていたけれど、結局、そのあとにカウンターから追加点を奪われて、勝負あり。決してエスパルス戦のように、なすすべもなく負けたってわけではなかったけれど、ジュビロの効率のいいカウンター3発に沈んでしまった。前田の先制点とか、完璧だったしなぁ……。相性のいいジュビロにこんな負け方をしているようでは、今年はもう駄目だろう。興梠のプレーもすっかり去年みたいになっちゃったしなぁ……。
 ジュビロでは、山田大記がキャプテンマークつけてて、びっくりだった。おいおい、デビュー2年目でキャプテンかよ。すごいな。まぁ、プレーっぷりもたいしたもんだけれど。いまやジュビロの攻撃の核だし。
 僕は大卒Jリーガーについては、これまで否定的だったのだけれど(プロになれる才能があるのならば、4年も待たずに高卒でデビューした方がいいと思っていた)、彼とか、長友とか、山村とか見ていたら、大学に行くのも悪くないのかなと思えてきた。とりあえず大学で自らが先頭に立ってチームを引っぱる経験をして、リーダーシップを養ってからプロっていうのも、ひとつの賢いあり方かもしれないなと思った。
 とにかく、アントラーズに関しては、いまみたいに点は取れない、守れないでは、勝てるわけがない。この先、経済的にあまり贅沢はできなくなるし、こんなアントラーズ観ているのはいやなので、スカパーのJリーグ・パック解約しようかなぁ……とか思ってしまった。あぁ……。
(May 12, 2012)

鹿島アントラーズ7-0コンサドーレ札幌

J1・第12節/2012年5月19日(土)/カシマサッカースタジアム/スカパー!e2

 なんだか今年はやたらと浮き沈みの激しいサッカーをしている。0-3で負けた次の試合で7-0の大勝って。相手が最下位の札幌だとはいえ、ちょっと極端だろう。ま、観ていて楽しかったからいいけど。
 この試合も立ち上がりはいまいちだった。札幌の圧力に押し込まれるシーンが多く、おいおい、最下位のクラブ相手にホームでそれってないんじゃないかって感じだった。
 そんな流れが一気に変わったのは、前半9分の岩政の先制点から。
 このシーン、岩政が興梠のアーリー・クロスに斜めに飛び込んできて、相手DFと交錯するような形でダイビング・ヘッドを決めた岩政にびっくり。セットプレーでもないのに、なんでそこにいる?
 あとでリプレイを見たら、このチャンスは岩政が高い位置で相手のボールをパス・カットしたところから始まっていた。岩政はボールが味方に渡ったと見るや、そのまま前線へと猛ダッシュ。そこへ興梠のラスト・パスが通り、岩政のFWばりのダイビング・ヘッドが決まるという見事な流れ。岩政、素晴らしすぎる。
 この先制点ですっかり肩の荷が下りたかのように、鹿島の攻撃がスムーズになる。その6分後には大迫がペナルティ・エリア内で倒され、PKを獲得。これを本人が決めて追加点。さらには前半のうちに山村のJ初ゴールも生まれる。この山村のゴールをアシストしたのも岩政だった。この日の闘莉王ばりの攻撃参加にはびっくりだ。どうしちゃったんだ、岩政。
 なんにしろ、今季ノーゴールだったセンターバック・コンビに揃ってゴールが生まれたのはめでたい。この3点目で前半だけで試合は決まったようなものだった。札幌はエース・ストライカーの前田俊介(実況でさかんに天才扱いされていた)が途中で足を痛めてリタイアするという不運もあり、その後は序盤のいいリズムが嘘のように防戦一方になった。
 後半はさらに4得点。遠藤のシュートのこぼれ球を興梠が決め、途中出場の本山はその興梠のアシストで無人のゴールにボールを流し込む。これまた途中出場のジュニーニョも得意のドリブル突破から相手のミスを誘い、リーグ戦初ゴール。最後はそのジュニーニョのアシストで遠藤がゴール右ポストをたたくシュートを決めて7点目。終わってみれば、7点すべてが違う選手のゴールという、珍しい展開の試合になった(なんでもJリーグ新記録らしい)。
 この試合でなにがよかったって、その得点パターンの多さ。相手のプレッシャーが緩いと、ここまで破壊力のある攻撃ができるのかと驚いた。こういう試合が守備力の高いところを相手にもできれば、もっと順位も上がるんだけどなぁ……。
 前回はガンバ戦の大勝のあと、3試合連続無得点ということになったので、今回も同じ轍を踏まないよう、次の神戸戦は心して戦ってほしい。古巣相手に野沢や田代がどんなプレーを見せてくれるのか、楽しみだ。
(May 20, 2012)

日本2-0アゼルバイジャン

2012年5月23日(水)/エコパスタジアム/テレビ朝日

 ワールドカップ最終予選のスタートまであと十日ちょい。……ってことで、シーズンオフで帰国した海外組を中心に行われたアゼルバイジャン戦。
 単なる親善試合ではあったけれど、Jリーグの日程の都合で遠藤や今野が招集されていなかったこともあり、スタメンはほとんどが海外組で、しかもひさしぶりに本田が復帰するは(背番号がなぜか4)、宮市がついにA代表デビューを果たすはと(こちらは背番号11!)、なにかと話題の多い一戦だった。
 スタメンは川島、内田、栗原、伊野波、長友、長谷部、細貝、岡崎、本田、香川、森本という顔ぶれ。すげー豪華。で、さすがに海外組ばっかだけあって、やはり上手い。ひさしぶりに顔をあわせたメンツとは思えないようなスルーパスがビシバシ通る。おいおい、いまの日本代表ってもしかしてすごくない?
 まぁ、アゼルバイジャンはFIFAランキング109位だとのことで、それほど強い国ではなかったけれど、それでも旧ソ連から分離した国というだけあって、大柄な選手がそろっているし、監督は元ドイツ監督のフォクツという人だったりして、意外と悪くない対戦相手だった。
 それにやっぱり、本田がいると違うや。ボールの収まりがいいこと、この上なし。香川は香川で、ブンデス・リーガで今季13得点という得点力を見せつけてくれたし、ワントップの森本もオフサイドにはなったものの、目を見張るような鮮やかなトラップから豪快なシュートを打って見せた(でも前半途中に腰を痛めて交替……)。岡崎は前半いまいち目立ったないなと思っていたら、ちゃっかり追加点を決めて見せるし(通算歴代4位タイとのこと)。そのほかのみんなもそれぞれに持ち味を出していたと思う。
 後半の頭からは酒井宏樹と高橋秀人がA代表デビュー(アウトはウッチーと長谷部)。このふたりもよかった。酒井はともかく、高橋のよさは予想外だった。5月にFC東京の試合を観たときに、おいおい、いい選手だなとは思ったのだけれど、まさか初代表であそこまで積極的なプレーを見せるとは思っていなかった。これじゃこの先、増田の代表復帰は難しそうだなぁ……。まったく、ジョルジーニョときたら、鹿島の数少ないA代表をサブに降格させちゃうもんだから……。
 注目の宮市亮は後半17分からの出場。交替はなんと香川。ふたりの競演が見られなくて残念だけれど、まぁ、ポジション的にワントップって感じでもなかったので、仕方ないのかなと思う。プレー自体はそこそこって感じだったけれど、それでも19歳の選手がA代表デビューをしたという事実には大きなインパクトがある。願わくばこのまま代表の戦力として定着して欲しいもんだ。
 そのほかには本田→憲剛、伊野波→槙野という交替でこの日は打ち止め。ひさしぶりの代表戦は新鮮なメンツで楽しかった。新しい職場の仕事をほっぽり出して、さっさと帰ってきてよかった。
 今夜はこのあと、日が替わってから五輪代表の試合もあるらしいんだけれど、さすがにそれを観る体力はないのだった。ごめん、五輪代表。
(May 23, 2012)

U-23日本3-2U-23オランダ

トゥーロン国際大会/2012年5月25日(金)/サン・ラファエル(フランス)

 最近は体力の衰えがいちじるしくて、平日の深夜の試合はとても観れないので、初戦はパスしてしまった。本番を直前に控えた五輪代表が、最後の選手選考をかねて参加しているトゥーロン国際大会の第二戦目、オランダ戦。
 この大会、初めて観るけれど、やたらと変則的だった。なんたって試合は40分ハーフだし、観客席のないグラウンドでの試合だし。日程もすべて中1日の強行日程。そのくせ4チームが2グループに分かれて総当たりのリーグ戦を行ったあと、上位2チームずつで決勝トーナメントまでやるらしい。なんだか商売っ気抜きのくせして、フォーマットは本格的な不思議な大会。
 日本は初戦でトルコに0-2で負けて、内容的にもよくなかったようなので、申し訳ないけれど、この日で敗退決定だろうと思っていた。トルコに勝てない国がオランダに勝てるとは思えなかった。
 ところがどっこい。ここで中1日の強行日程がものをいう。さすがにこの日程では毎試合、選手を固定しては戦えない。日本もオランダも初戦から大半のメンバーを入れ替えてきた。そしてこの2戦目で日本の攻撃を引っぱったのは、初戦には出場していなかった宇佐美、指宿、高木善朗ら、ヨーロッパでプレーする選手たちだった。
 さすがにオランダといえども、大半の選手を入れ替えて戦えば、才能のある選手ばかりが出てくるってわけにはいかなかろう(右サイドのルコキってアフリカ系の選手はすごかったけど)。対して、こちらにはバイエルン・ミュンヘンでプレーする宇佐美らがいるんだから、それなりに互角の戦いができても不思議じゃない。
 ま、正直いって開始3分で先制されたときには、うわっ、こりゃ虐殺の憂き目かと思ったりしたんだけれど(失礼)、そのわずか2分後に齋藤学がドリブルから個人技で貴重な同点弾をたたき込むと、あとはほんと、互角だったと思う。おー、オランダに負けてねぇ……ってそれだけでもう十分、誇らしい。
 そもそも今回の五輪代表は、思うように選手を招集できていない(今回山口蛍がいないのは、おそらくセレッソへの配慮なんでしょう)。かつてならば当然主力となるべきトップレベルの選手たち──香川、清武、宮市、酒井宏樹ら──はA代表やJリーグと日程が重なったり、海外移籍してしまったりして、呼ぶに呼べない。まぁ、だからといって、いつまでも先発を固定できないでいる関塚さんの姿勢には、前からけっこう疑問を覚えていたんだけれど、この試合とか見ちゃうと、五輪代表の監督って難しいのかなぁと思う。
 だって、やっぱりうまいんですもん、宇佐美。これだけの才能のある選手を普段から主力として使えないってのは、きびしいもんがあるよな。香川だって清武だって宮市だって酒井宏樹だって、なんでいないのさって話だし(そういや今回は権田もいない)。
 とはいえ、サッカー界でオリンピックのステータスが低いって話からすれば、そのために予選の段階から海外組を招集するのは難しいってのもわかるし。いろいろ考えるに、いまの五輪代表監督って、すごい難しい仕事のような気がしてくる。
 ま、なんにしろこの日の五輪代表はよかった。得点への意欲がびしばし伝わってきた。その辺はやはり攻撃的なポジションの選手たちが海外で揉まれてきているからなんだろう。宇佐美や高木家の長男のプレーはゴールへ向けて迷いがないように見える(指宿は高さはあるけれど、技術的にはまだまだだと思った)。その積極的にゴールに向かう姿勢が見ていてとても気持ちよかった。
 この日のスタメンはGK安藤、DF大岩一貴(千葉)、鈴木大輔、山村、比嘉、MF村松大輔(清水)、扇原、宇佐美、高木、齋藤学、指宿洋史。
 注目すべきは、セレッソ・コンビにボランチのレギュラーを奪われた山村が、センターバックで2試合続けて起用されていること。五輪代表ではずっとボランチだったのに、結局こちらでもアントラーズと同じくCBとしてプレーせざるを得なくなったらしい。でも、関塚さんがポジションを変えてでも使いたいと思うくらいだから、そのキャプテンシーは高く評価されているんだろう。おかげでポジションを奪われた形の濱田には気の毒だけれど、アントラーズ・ファンで、セレッソのボランチ・コンビも大好きな僕としては、ありがたい話だったりする。山村のCBとしての適性には、まだちょっと疑問を感じないでもないんだけれど。
 この日の3得点は、1点目が斎藤の個人技、2点目が宇佐美のアシストで指宿、殊勲の決勝点は扇原(の右足)だった。あっぱれ、扇原。
 勝ち越したあと、関塚さんは残り時間わずかになってから、時間稼ぎのために東や大迫を投入した。選手選考のための大会だったはずなのに、あの時間帯は選考なんてまるで度外視の、なりふり構わない采配がおかしかった。どれだけ本気でオランダに勝ちたかったんだ、関塚さん。
 でもまぁ、そういう本気さって大切だよなとも思う。オランダに勝ったという記録はこの先ずっと残るんだから。日本代表が確実に世界との差を詰めつつあるってのが実感できた一戦だった。
 ちなみにこの大会、ちゃんと観るのはこれが最初で最後の予定。やはり午前3時近くまで起きているのはいまの生活じゃ無理だ。翌日、眠いこと、眠いこと。
(May 26, 2012)

【追記】
結局、五輪代表はこのあとエジプトにも負けて予選リーグ敗退。なぜオランダに勝って、ほかの国に負けるかな。よくわからない。

ヴィッセル神戸1-2鹿島アントラーズ

J1・第13節/2012年5月26日(土)/ホームズスタジアム神戸/スカパー!e2

 和田監督のもと、アントラーズの野沢、田代、ガンバの橋本(この日はなぜか不在)ら、実力派の中堅どころを積極的に補強して上位を目指した今年のヴィッセル神戸。スタートこそよくて、おぉ今年は違うかもと思わせたものの、結局その後は低迷。残念ながら和田監督は4月末で解任となり、この試合から指揮をとる新監督は、なんと西野朗氏だっ!
 ということで、西野さんの指揮のもと、野沢、田代、伊野波らの移籍組が大久保とともに襲いかかってくるという。なんとも興味深いこの日のヴィッセル神戸戦。
 ……いやしかし、鹿島はあいかわらず内容がよくない。勝ったのに文句をつけるのも悪いとは思うけれど、観ていておもしろくないんだから仕方ない。
 この日は大迫、山村が五輪代表でトゥーロン国際に遠征中なので、いつもとスタメンの顔ぶれが変わっていた。山村の代役は青木で、大迫のポジションにはジュニーニョが入った。ま、いたって順当な形ではある。
 で、試合はこの日ひさしぶりにスタメン出場したジュニーニョが、前半7分に相手DFのトラップ・ミスからフリーのチャンスを作り、これをあっさりと決めて先制。リーグ序盤戦のジュニーニョはこういうチャンスをきっちりものにできていなかったけれど、ようやく彼らしさが出てきた。
 後半の2点目は大迫。下がり目でボールを受けた遠藤が前線のドゥトラにロングボール一発。ドゥトラは得意のドリブルで左サイドを攻め上がり、ゴールライン付近まで侵入して、相手GKをかわしてゴール前へボールを転がす。そこへ興梠が飛び込んできて、ボールをゴールへと流し込んだ。ナイス連係。この2点目は遠藤、ドゥトラ、興梠、それぞれの持ち味が出たいいプレーだった。
 でも、正直なところ、この試合で感心したのはこのゴールくらい。1点目のジュニーニョは相手のミスからだし、あとはなんとも動きの少ない省エネ・サッカーで、観ていてまるで楽しくなかった。終盤は完璧に相手ペースだったし、不本意ながら、相手のサッカーの方がおもしろかった気さえする。野沢とか、さすがに目立っているし。試合終了間際に田代(後半からの出場)のゴールが生まれたのも、当然の流れだったと思う。
 とにかく、この日は勝ちこそしたものの、こんなサッカーをしていたのでは、とても上位進出は望めないだろうという、なんともぱっとしない内容の試合だった。ここでからJ1はW杯最終予選のため、3週間の中断期間に入る。再開後に盛り返してくれればいいけれど、なんか期待できそうな気がしないんだよなぁ……。
(May 27, 2012)